サイトを移行しました。現サイトはアーカイブとして継続してご覧いただけます。 http://bojweb.com |
2012.10.13 (Sat)
【2012リーグ2部】10/13レポート
駒澤大が単独3位に浮上
神奈川大は東洋大に1点差で辛勝
リーグ戦も残り6試合と、終盤戦に突入した。この日は5試合中3試合が、前回負けた相手から借りを返すゲームに。1点差となった神奈川大対東洋大以外は全て20点以上の大差がつく試合となった。
上位2校は取りこぼしなく勝ち進めた。1敗で単独首位に立つ中央大は、関東学院大相手に危なげなく勝利。関東学院大のペースに合わせず得意のトランジションゲームを展開して前半からハイスコアを稼ぎ、後半も#24塩谷(3年・PF)が次々に3Pを射抜いて相手に付け入る隙を与えなかった。
白鴎大は、前回黒星を喫した国士舘大相手に快勝で借りを返した。国士舘大#13曹(4年・C)は白鴎大#30アビブ(4年・C)を一対一ではよく守ったが、#3横塚(4年・G)のアシストからの#30アビブの得点や、リバウンドを抑えられずに苦戦。国士舘大は#11平田(4年・G)をはじめガード・フォワード陣も最後まで調子が上がらず、相手を追い詰めるには至らなかった。これで白鴎大は2位をキープ、国士舘大は同率4位と一つ順位を下げた。
--------------------------------
【ミスにも救われ神奈川大が1点差で勝利】
東洋大と神奈川大の対戦は、白熱したシーソーゲームとなったが、81-80で辛くも神奈川大が逃げ切った。
神奈川大は#29田村(4年・PF)に加えてこの日は#11丸山(2年・C)が、東洋大は#41前田(4年・F)が欠場して両者ともにインサイドの駒が不足。その上東洋大は序盤からファウルが込んで#34尾崎(3年・C)が開始5分で3ファウルとなり、柱を失う苦しい状況となった。しかし神奈川大は得るフリースローがことごとく外れて引き離すべきところで引き離せず、その間#24遠山(2年・F)が確率よくジャンプシュートを決めた東洋大が食らい付いて1Qは17-15。だが2Qに入って#21増子(4年・SF)や#98大石(2年・PG)が速攻に走った神奈川大がじわりと点差を広げ、#21増子が短い間に3本の3Pを決めて一気に2桁リードを奪う。しかし相手のゾーンに足が止まると、東洋大もリバウンドに粘って追い上げを図った。5点差に縮めて後半へ。
3Q、前半出場が限られた#34尾崎が積極性を見せ、バスケットカウントを得るなど東洋大が勢いに乗る。ルーズボールも掌握し、#24遠山の3Pで逆転するとそこからは一進一退の展開に。このQは点の取り合いとなり、ディフェンスを信条にする神奈川大は幸嶋監督がタイムアウトで「やるべきことをやってない」と選手を叱咤。しかし流れは変わらず、62-62で4Qに入る。
東洋大は#17岡本(1年・G・草加)が3Pシュートやドライブを決めるが、神奈川大も#7古橋が三度のバスケットカウント獲得で譲らず、4Qに入っても以前として競り合いが続いた。ゲームの佳境はラスト2分間。東洋大のパスミスから#98大石が3Pを決めて神奈川大が1点リード。東洋大も#87宮里が3Pを決め返すが、すぐさま#24遠山がファウルを犯してチームファウルフリースローから同点にされてしまう。すると残り1分10秒、東洋大はパスが噛み合わずに痛恨のターンオーバー。残り50秒には#24遠山が5ファウルで退場し、#7古橋がフリースローを1本決めて神奈川大が1点リードした。ラスト8.1秒で東洋大に攻撃のチャンスが与えられるが、スローインがつながらずに神奈川大ボールに。そのまま神奈川大が1点差を保って逃げ切った。
どちらに転ぶか分からない勝負だったが、勝負所を制した神奈川大に軍配が上がった。しかしフリースローを合計14本落とし、リバウンドやルーズボールを譲ってしまう場面もあって課題も残った。#21増子、#7古橋、#98大石と得点力のある選手がチームを引っ張ったが、本来のチームカラーであるディフェンスの締め直しも必要だ。
なかなか白星を得られていない東洋大学は接戦を勝っておきたかったが、ファウルトラブルや大事な場面でのミスが響いた。しかし「チームとしては上がってきていると思う」と#7筑波。切り替えて残り5試合を戦いたい。
神奈川大:6勝7敗
東洋大:2勝11敗
写真:1年生ながら大事なところで得点に絡んだ東洋大・#17岡本
※東洋大・筑波選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【駒澤大が法政大を序盤から圧倒】
勝率で並ぶ駒澤大と法政大の対戦は、1Qから駒澤大が快調なスタートを切ると、その後も相手に主導権を渡すことなく52-81でリベンジを果たした。
一巡目の対戦では1Qからファウルトラブルに陥った駒澤大#55近藤大(4年・PG)。しかしこの日は開始から全開で、ジャンプシュートで先制点を奪うと、そのあとすぐさま#0高田(3年・G)からスティールを奪いワンマン速攻を決めるなどチームに流れを呼び込む活躍を見せる。その後も#7馬場(4年・SF)のミドルシュート、#8鈴木(4年・G)の3Pとテンポよく加点した駒澤大が先行。法政大も#21加藤寛樹(4年・CF)が強気に1on1を仕掛けてチームを牽引するものの、駒澤大の勢いを止められず、1Qで14-24と10点のビハインドを負った。
すると2Q、開始から連続得点に成功した駒澤大がさらに点差を広げにかかる。一方の法政大も#13三角(3年・F)の3Pに#27岩崎(4年・SG)のバスケットカウントが続いて食らい付くが、なかなか1Qで負った10点差が縮まらない。駒澤大は相手のゾーンにアウトサイドの落ちる我慢の時間帯もあったが、段々とボールも動き息の合った鮮やかなパス回しで法政大のディフェンスを翻弄。ディフェンスでリズムをつかめない法政大はオフェンスも単調に終わり、#0高田のシュートもことごとくリングに弾かれた。26-44で前半に入ると、その後も駒澤大は点差を保ち続けて法政大に流れを渡さない。最後はベンチメンバーも次々出場させ、快勝で8勝目を挙げた。
「マンツーマンでよく守れた」(#8鈴木)という駒澤大。特に法政大のエース#0高田を無得点に抑えたことで、相手にペースを握らせなかったのは大きい。7勝で同率3位に並んでいたが、駒澤大が8勝目を挙げ一歩前に出た。
駒澤大:8勝5敗
法政大:7勝6敗
写真:駒澤大#7馬場はゾーンアタックの要となった。
※駒澤大・鈴木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【慶應大が順天堂大に100点ゲームの快勝】
ここまで3勝の慶應義塾大と2勝の順天堂大の対戦。両者ともになかなか白星を伸ばせない苦しいリーグが続いているだけに負けられない一戦となったが、勝利を手にしたのは慶應大だった。
先手を取ったのは慶應大。開始から畳み掛けるように得点ラッシュとなり、開始3分経たずに10-2と幸先の良いスタートを切った。しかし順天堂大も#23泉(3年・F)のミドルシュートで食らい付くと、#23泉以外の4人をメンバー交代し流れを変える。オフェンスリバウンドを掌握してじわじわ追い上げ、#51田代(4年・F)の得点もあって19-23とリードを奪い返して1Qを終えた。
だが2Q以降、慶應大が立て直しを図った。#16伊藤(2年・G)が執拗なディフェンスで順天堂大の司令塔#3小薗井(2年・G)をマークし、オフェンスでは速攻に走る。順天堂大は#33喜久山(2年・F)が3Pを打っていくも当たりが来ず、その間慶應大がオフェンスリバウンドに飛び込み逆転に成功した。#18大元(1年・G・洛南)の3Pも効果的に決まり、45-38で試合を折り返すと、後半に入っても依然として慶應大ペースは変わらない。#4桂(4年・F)が高確率でシュートを決めてチームを盛り上るなど上級生もしっかりと仕事を果たし、3Qには大きく20点以上の差をつけた。順天堂大はディフェンスが翻弄されて機能せず、攻撃もアウトサイド単発となって得点が伸びない。終盤は慶應大はベンチメンバーを出場させ、1本1本のシュートに大きく沸く形に。そのまま112-74と快勝で4勝目を挙げた。
順天堂大は苦しい戦いが続いている。メンバーをほぼ固定させていた昨年とは違い、今年はより多くの選手に活躍の場が見られるが、勢いのある時間帯がなかなか継続しない。下級生を含め奮闘は見られるだけに、一つでも多く勝ち星を得たいところだ。
慶應大はベンチメンバーも出場させての快勝。1Q中盤から相手の勢いに呑まれる場面もあったが、上手く立て直して主導権を握った。出番を多く得ているのは下級生だが、この日のように上級生の活躍が光ればチームも好転していくだろう。今後の奮闘にも期待したい。
慶應義塾大:4勝9敗
順天堂大:2勝11敗
写真:順天堂大・#51田代は25得点と好調だったが、勝ち星には結びつかなかった。
※慶應義塾大・桂選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「一試合も気が抜けない。でもやるしかない」
挑戦が続く2年目のシーズン
◆#7筑波拓朗(東洋大・2年・F)
2年生ながらチームの得点源であり、リバウンドやディフェンスなど多くのものが求められている筑波。この日はインサイド陣の出場が限られたことで負担も大きかったが、それでも要所でルーズボールに飛び込み、バスケットカウントを得るなど活躍を見せた。接戦を落とした悔しさはあるが、本人は「終わったことを色々言ってもしょうがないので」とすでに次を向いている。オフェンスでは充分渡り合える実力は見せており、個人的な課題だというディフェンスも奮闘している。毎試合気が抜けないというリーグ戦だが、残りの試合も全力で戦い、成長して欲しい。
―惜しい試合でしたね。
「うちはいつも3Qが調子悪いんですけど今日はいつもより良かったので、今度こそ勝てるかなと思ったんですけどね…。勝負所で決めきれなかったのが痛かったです。リバウンドやルーズボールでは負けてなかったと思いますけど、最後に1本決めることができなかったから負けたんだと思います」
―1Qからファウルがかさんだことも響きましたね。#41前田選手が欠場していて#34尾崎選手もファウルトラブルでベンチに下がり、5アウトのような布陣でしたが。
「そうですね、柱になるインサイドがいなくて、結構リバウンドとかがキツかったです。機動力はあるのでその時間帯はよく走れていたと思うんですけど、リバウンドが大変でした。今までの試合もインサイド3人は結構ファウルしちゃうので、そこは課題ですね」
―神奈川大相手に特にどんなところを意識していましたか?
「スリーだけは打たせないようにとチームで決めていたんですけど、増子さん(#21)には決められてしまいましたね。あそこを自由にやらせてしまったのがいけなかったと思います。神大は古橋さん(#7)とか能力あるプレイヤーが多くて大変でした」
―筑波選手を含め各選手奮闘が光ったと思います。ただ途中まで良い活躍をしていた#24遠山選手が最後に少しリズムを崩してしまいましたね。最後の場面でもパスを探してしまったというか。
「そうですね。あいつもああいう場面で行こうと思えば行ける能力は持っていると思うので、ゴールを向いて欲しかったですね。今日はほんとみんな良かったと思うんですけど、あと一歩足りなかったです。次は頑張ります」
―ここまでのリーグ戦、惜しい試合もありましたがなかなか勝ち星が伸ばせませんね。
「そうですね。でも終わったことを色々言ってもしょうがないので、一試合一試合、次の試合も頑張って行こうかなと思います。チームとしては上がってきていると思うので、盛り上げて戦っていくしかないなという感じですね。結構気持ち次第だと思うので、波に乗っていければいいなと思います」
―筑波選手自身、得点面だけでなくリバウンドやディフェンスでの奮闘も見られますね。春は『ディフェンスが苦手』と仰っていましたが、ディフェンスもだいぶ良くなったのでは?
「そう言ってもらえると嬉しいですけど(笑)、まだ甘いところがありますね。まだまだです」
―自身初めての2部リーグというのはどうですか?
「去年に比べたら全然大変ですね。去年はこう言っちゃなんですけど消化試合みたいな試合もありましたが、今年は毎回格上の相手で。一試合も気が抜けないので結構厳しいです。でもやるしかないと思って頑張ってます」
―リーグ戦も残り5試合ですが。
「個人としてはリバウンドと、ルーズボールと、ディフェンス。その3つを残りの試合も頑張っていきたいです」
--------------------------------
「去年より勝ち星を増やしたい」
勝負の年、さらなる浮上に期待
◆#8鈴木康貴(駒澤大・4年・G)
この日も4本の3Pを決め、試合を終えて3Pランキング単独トップに躍り出た。「波が相当激しい」と言うが、鈴木の3Pも駒澤大の立派な武器の一つ。シューターとしてマークが厳しい分、アシストでの貢献が光るところも魅力だ。またプレーだけでなく、明るいキャラクターも持ち味の選手。鈴木を筆頭に、駒澤大の選手は常にバスケットを楽しんでプレーしている姿勢が見える。これからもにぎやかな雰囲気でリーグ戦を盛り上げて欲しい。
―序盤から好調で、快勝となりましたね。
「今日はディフェンスがマンツーでよく守れていたので、守れていた分こっちのオフェンスも思い切ってシュートを打てたのが良かったと思います」
―法政大は勝敗で並ぶ相手ですし、1巡目では負けているとあってこの試合に対する意識も高かったのでは?
「そうですね、気合いが入ってました。特に大(#55近藤)は、あいつ1戦目の時にファウルトラブルで全然出られなかったので、そのこともあって気持ちが入ってたみたいで。それで今日は向こうの高田君(法政大#0)を0点に抑えましたからね。やってくれました」
―相手のゾーンディフェンスも上手く崩せていましたね。
「ゾーンアタックは結構練習していたし、もとから自信があるんです。健司(#7馬場)がどこからでも打てるし、上の3人も全員外から打てるので。だから相手がゾーンを出してきてもそこは問題ないなと思っていました」
―ゾーンアタックの際には、4年生の息の合った連携が光りますね。
「そうですね。息が合ってるという噂は聞きます(笑)。まぁ息が合ってるというか、得意なプレーが何かとかお互いよく分かっているので、こういう時にここにパス出そうとかはありますね」
―鈴木選手はリーグ6週目を終えた時点で、古橋選手、荒木選手と並んで3Pランキング同率1位ですね。
「ランキングは意識してないと言ったら嘘になりますけど、まぁでも自分は本数打ってるので2人とは確率が違いますね(苦笑)。本当に味方が良いパスを出してくれるお蔭で自分のタイミングで打てているからだと思います。でもそんなに入ってるイメージは無いですね」
―シュートに波があるタイプなのでしょうか。
「そうですね。波は相当激しいです。入ってる時は良いイメージで打てるんですけど…。とにかく自分のタイミングだったら迷わず打つように心掛けてます。でも早打ちして大(#55近藤)や健人(#5槇坂)からよく怒られるので、そこは気をつけないとですね」
―これで単独3位に浮上しましたが、これまでのリーグ戦を振り返っていかがですか?
「2部でもやれるというのは去年すごく感じたことで勝つ自信はありましたし、今年は最低限去年より勝ち星を増やそうという目標でやっています。明日も関東学院相手で大事だと思うので、頑張りたいです」
―4年生になって学生最後のシーズンですが、これまでと心境も違いますか?
「僕らの代って、新人戦の時に国士舘に負けて悔しい思いをしてるんです。延長戦まで行って、勝てばベスト8で最終日まで残って代々木でやれたのに負けてしまって、それがものすごく悔しくて。その時から『僕らの代でやってやろう』という気持ちはみんな強かったと思います。それにみんなでバスケやるのはすごく楽しいので、残りの数試合も楽しんでやりたいです!」
--------------------------------
「まず上級生が試合を作らなければ」
下級生の力をより引き出す役目に
◆#4桂 竜馬(慶應義塾大・4年・主将・F)
19点7リバウンドとチームハイを記録し、今リーグでは最も良いと思える活躍を見せた。
ミーティングやアドバイスを重ねても本人が言うように「数字や言葉にできない部分」の勝負がここまでの試合でキーになってきている。それをどうチームに習得させるのか、ベンチスタートになる主将には難しい部分もある。だが試合に出た時はこの試合のように最大限に示すことは必要だろう。学年は実力の前にささいなようでいて、学生のバスケットでは大きなウエイトを占めるのも確か。残りの試合も主将として下級生を助けるプレーを続けていくだけだ。
―試合を振り返って。
「立ち上がりでトラブってしまったけれど、そのあとはしっかり自分たちで修正できました。自分たちで崩した部分を2Q以降を戻せた結果だと思います。上級生がしっかり仕事をしないとチームとしても成り立たないし、今日の結果に満足するこちなく上級生が毎試合引っ張っていけるようにしないとはいけないと改めて考えさせられた試合でした」
―そういう意味ではここまで上級生が結果を出せていませんでしたね。
「下級生が多くて、点を取るのも流れを作るのもコートにいるのも下級生でした。上級生の人数が少ないというのもありますが、だからこそ出ているメンバーはしっかり活躍しなきゃいけない。今日はわかりやすく上級生がコートにいられたのが大きいと思います。試合の変わり目や流れの変わり目で上級生が仕事をしないと、チームとしては成り立ちません。そこは明日以降も上級生として、さらに自分は最上級生としてやることをやらなければいけません。自分は今控えで出ていて流れの悪い時に起用されて立て直す役割が大きいので、そこをしっかり果たしていきたいと思います」
―今日は桂選手の得点面が目立ちましたね。
「たまたまシュートが入ったので。でもオフェンスはたまたまで、自分の仕事はディフェンスにあると思うので、今日も相手のキーマンがインサイドだったしそこを1対1でしっかり止めるというのが第一の仕事でした。そこは徹底しようとオフェンスはおまけのような感じで、ディフェンスを頑張ろうと思っていました」
―下級生には何か言っていますか?
「個々の細かいところはありますが、下級生は下級生で頑張ってくれているので、あとは上級生が試合を作ってそこに下級生の力を乗せられればと思っています。どういうことを言うというよりは、自分たちがまず試合を作らなければなと感じています」
―去年からなかなか好転できない部分がありますが、何が一番足りないと感じていますか?
「勝負どころの弱さはありますね。今年は上級生下級生関係なく言いたいことは言おうとしていて、そういう関係はできていると思います。だからこそ数字や言葉にできない勝負どころの1本だったり、流れを変えるプレーが出ないのが難しいですね」
―次の試合、神奈川大戦も大事ですね。
「明日も本当に勝負ですね。明日絶対に勝ちたいと思います」
神奈川大は東洋大に1点差で辛勝
リーグ戦も残り6試合と、終盤戦に突入した。この日は5試合中3試合が、前回負けた相手から借りを返すゲームに。1点差となった神奈川大対東洋大以外は全て20点以上の大差がつく試合となった。
上位2校は取りこぼしなく勝ち進めた。1敗で単独首位に立つ中央大は、関東学院大相手に危なげなく勝利。関東学院大のペースに合わせず得意のトランジションゲームを展開して前半からハイスコアを稼ぎ、後半も#24塩谷(3年・PF)が次々に3Pを射抜いて相手に付け入る隙を与えなかった。
白鴎大は、前回黒星を喫した国士舘大相手に快勝で借りを返した。国士舘大#13曹(4年・C)は白鴎大#30アビブ(4年・C)を一対一ではよく守ったが、#3横塚(4年・G)のアシストからの#30アビブの得点や、リバウンドを抑えられずに苦戦。国士舘大は#11平田(4年・G)をはじめガード・フォワード陣も最後まで調子が上がらず、相手を追い詰めるには至らなかった。これで白鴎大は2位をキープ、国士舘大は同率4位と一つ順位を下げた。
--------------------------------
【ミスにも救われ神奈川大が1点差で勝利】

神奈川大は#29田村(4年・PF)に加えてこの日は#11丸山(2年・C)が、東洋大は#41前田(4年・F)が欠場して両者ともにインサイドの駒が不足。その上東洋大は序盤からファウルが込んで#34尾崎(3年・C)が開始5分で3ファウルとなり、柱を失う苦しい状況となった。しかし神奈川大は得るフリースローがことごとく外れて引き離すべきところで引き離せず、その間#24遠山(2年・F)が確率よくジャンプシュートを決めた東洋大が食らい付いて1Qは17-15。だが2Qに入って#21増子(4年・SF)や#98大石(2年・PG)が速攻に走った神奈川大がじわりと点差を広げ、#21増子が短い間に3本の3Pを決めて一気に2桁リードを奪う。しかし相手のゾーンに足が止まると、東洋大もリバウンドに粘って追い上げを図った。5点差に縮めて後半へ。
3Q、前半出場が限られた#34尾崎が積極性を見せ、バスケットカウントを得るなど東洋大が勢いに乗る。ルーズボールも掌握し、#24遠山の3Pで逆転するとそこからは一進一退の展開に。このQは点の取り合いとなり、ディフェンスを信条にする神奈川大は幸嶋監督がタイムアウトで「やるべきことをやってない」と選手を叱咤。しかし流れは変わらず、62-62で4Qに入る。
東洋大は#17岡本(1年・G・草加)が3Pシュートやドライブを決めるが、神奈川大も#7古橋が三度のバスケットカウント獲得で譲らず、4Qに入っても以前として競り合いが続いた。ゲームの佳境はラスト2分間。東洋大のパスミスから#98大石が3Pを決めて神奈川大が1点リード。東洋大も#87宮里が3Pを決め返すが、すぐさま#24遠山がファウルを犯してチームファウルフリースローから同点にされてしまう。すると残り1分10秒、東洋大はパスが噛み合わずに痛恨のターンオーバー。残り50秒には#24遠山が5ファウルで退場し、#7古橋がフリースローを1本決めて神奈川大が1点リードした。ラスト8.1秒で東洋大に攻撃のチャンスが与えられるが、スローインがつながらずに神奈川大ボールに。そのまま神奈川大が1点差を保って逃げ切った。
どちらに転ぶか分からない勝負だったが、勝負所を制した神奈川大に軍配が上がった。しかしフリースローを合計14本落とし、リバウンドやルーズボールを譲ってしまう場面もあって課題も残った。#21増子、#7古橋、#98大石と得点力のある選手がチームを引っ張ったが、本来のチームカラーであるディフェンスの締め直しも必要だ。
なかなか白星を得られていない東洋大学は接戦を勝っておきたかったが、ファウルトラブルや大事な場面でのミスが響いた。しかし「チームとしては上がってきていると思う」と#7筑波。切り替えて残り5試合を戦いたい。
神奈川大:6勝7敗
東洋大:2勝11敗
写真:1年生ながら大事なところで得点に絡んだ東洋大・#17岡本
※東洋大・筑波選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【駒澤大が法政大を序盤から圧倒】

一巡目の対戦では1Qからファウルトラブルに陥った駒澤大#55近藤大(4年・PG)。しかしこの日は開始から全開で、ジャンプシュートで先制点を奪うと、そのあとすぐさま#0高田(3年・G)からスティールを奪いワンマン速攻を決めるなどチームに流れを呼び込む活躍を見せる。その後も#7馬場(4年・SF)のミドルシュート、#8鈴木(4年・G)の3Pとテンポよく加点した駒澤大が先行。法政大も#21加藤寛樹(4年・CF)が強気に1on1を仕掛けてチームを牽引するものの、駒澤大の勢いを止められず、1Qで14-24と10点のビハインドを負った。
すると2Q、開始から連続得点に成功した駒澤大がさらに点差を広げにかかる。一方の法政大も#13三角(3年・F)の3Pに#27岩崎(4年・SG)のバスケットカウントが続いて食らい付くが、なかなか1Qで負った10点差が縮まらない。駒澤大は相手のゾーンにアウトサイドの落ちる我慢の時間帯もあったが、段々とボールも動き息の合った鮮やかなパス回しで法政大のディフェンスを翻弄。ディフェンスでリズムをつかめない法政大はオフェンスも単調に終わり、#0高田のシュートもことごとくリングに弾かれた。26-44で前半に入ると、その後も駒澤大は点差を保ち続けて法政大に流れを渡さない。最後はベンチメンバーも次々出場させ、快勝で8勝目を挙げた。
「マンツーマンでよく守れた」(#8鈴木)という駒澤大。特に法政大のエース#0高田を無得点に抑えたことで、相手にペースを握らせなかったのは大きい。7勝で同率3位に並んでいたが、駒澤大が8勝目を挙げ一歩前に出た。
駒澤大:8勝5敗
法政大:7勝6敗
写真:駒澤大#7馬場はゾーンアタックの要となった。
※駒澤大・鈴木選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【慶應大が順天堂大に100点ゲームの快勝】

先手を取ったのは慶應大。開始から畳み掛けるように得点ラッシュとなり、開始3分経たずに10-2と幸先の良いスタートを切った。しかし順天堂大も#23泉(3年・F)のミドルシュートで食らい付くと、#23泉以外の4人をメンバー交代し流れを変える。オフェンスリバウンドを掌握してじわじわ追い上げ、#51田代(4年・F)の得点もあって19-23とリードを奪い返して1Qを終えた。
だが2Q以降、慶應大が立て直しを図った。#16伊藤(2年・G)が執拗なディフェンスで順天堂大の司令塔#3小薗井(2年・G)をマークし、オフェンスでは速攻に走る。順天堂大は#33喜久山(2年・F)が3Pを打っていくも当たりが来ず、その間慶應大がオフェンスリバウンドに飛び込み逆転に成功した。#18大元(1年・G・洛南)の3Pも効果的に決まり、45-38で試合を折り返すと、後半に入っても依然として慶應大ペースは変わらない。#4桂(4年・F)が高確率でシュートを決めてチームを盛り上るなど上級生もしっかりと仕事を果たし、3Qには大きく20点以上の差をつけた。順天堂大はディフェンスが翻弄されて機能せず、攻撃もアウトサイド単発となって得点が伸びない。終盤は慶應大はベンチメンバーを出場させ、1本1本のシュートに大きく沸く形に。そのまま112-74と快勝で4勝目を挙げた。
順天堂大は苦しい戦いが続いている。メンバーをほぼ固定させていた昨年とは違い、今年はより多くの選手に活躍の場が見られるが、勢いのある時間帯がなかなか継続しない。下級生を含め奮闘は見られるだけに、一つでも多く勝ち星を得たいところだ。
慶應大はベンチメンバーも出場させての快勝。1Q中盤から相手の勢いに呑まれる場面もあったが、上手く立て直して主導権を握った。出番を多く得ているのは下級生だが、この日のように上級生の活躍が光ればチームも好転していくだろう。今後の奮闘にも期待したい。
慶應義塾大:4勝9敗
順天堂大:2勝11敗
写真:順天堂大・#51田代は25得点と好調だったが、勝ち星には結びつかなかった。
※慶應義塾大・桂選手のインタビューは「続きを読む」へ。
[続きを読む]
【INTERVIEW】「一試合も気が抜けない。でもやるしかない」
挑戦が続く2年目のシーズン
◆#7筑波拓朗(東洋大・2年・F)

―惜しい試合でしたね。
「うちはいつも3Qが調子悪いんですけど今日はいつもより良かったので、今度こそ勝てるかなと思ったんですけどね…。勝負所で決めきれなかったのが痛かったです。リバウンドやルーズボールでは負けてなかったと思いますけど、最後に1本決めることができなかったから負けたんだと思います」
―1Qからファウルがかさんだことも響きましたね。#41前田選手が欠場していて#34尾崎選手もファウルトラブルでベンチに下がり、5アウトのような布陣でしたが。
「そうですね、柱になるインサイドがいなくて、結構リバウンドとかがキツかったです。機動力はあるのでその時間帯はよく走れていたと思うんですけど、リバウンドが大変でした。今までの試合もインサイド3人は結構ファウルしちゃうので、そこは課題ですね」
―神奈川大相手に特にどんなところを意識していましたか?
「スリーだけは打たせないようにとチームで決めていたんですけど、増子さん(#21)には決められてしまいましたね。あそこを自由にやらせてしまったのがいけなかったと思います。神大は古橋さん(#7)とか能力あるプレイヤーが多くて大変でした」
―筑波選手を含め各選手奮闘が光ったと思います。ただ途中まで良い活躍をしていた#24遠山選手が最後に少しリズムを崩してしまいましたね。最後の場面でもパスを探してしまったというか。
「そうですね。あいつもああいう場面で行こうと思えば行ける能力は持っていると思うので、ゴールを向いて欲しかったですね。今日はほんとみんな良かったと思うんですけど、あと一歩足りなかったです。次は頑張ります」
―ここまでのリーグ戦、惜しい試合もありましたがなかなか勝ち星が伸ばせませんね。
「そうですね。でも終わったことを色々言ってもしょうがないので、一試合一試合、次の試合も頑張って行こうかなと思います。チームとしては上がってきていると思うので、盛り上げて戦っていくしかないなという感じですね。結構気持ち次第だと思うので、波に乗っていければいいなと思います」
―筑波選手自身、得点面だけでなくリバウンドやディフェンスでの奮闘も見られますね。春は『ディフェンスが苦手』と仰っていましたが、ディフェンスもだいぶ良くなったのでは?
「そう言ってもらえると嬉しいですけど(笑)、まだ甘いところがありますね。まだまだです」
―自身初めての2部リーグというのはどうですか?
「去年に比べたら全然大変ですね。去年はこう言っちゃなんですけど消化試合みたいな試合もありましたが、今年は毎回格上の相手で。一試合も気が抜けないので結構厳しいです。でもやるしかないと思って頑張ってます」
―リーグ戦も残り5試合ですが。
「個人としてはリバウンドと、ルーズボールと、ディフェンス。その3つを残りの試合も頑張っていきたいです」
--------------------------------
「去年より勝ち星を増やしたい」
勝負の年、さらなる浮上に期待
◆#8鈴木康貴(駒澤大・4年・G)

―序盤から好調で、快勝となりましたね。
「今日はディフェンスがマンツーでよく守れていたので、守れていた分こっちのオフェンスも思い切ってシュートを打てたのが良かったと思います」
―法政大は勝敗で並ぶ相手ですし、1巡目では負けているとあってこの試合に対する意識も高かったのでは?
「そうですね、気合いが入ってました。特に大(#55近藤)は、あいつ1戦目の時にファウルトラブルで全然出られなかったので、そのこともあって気持ちが入ってたみたいで。それで今日は向こうの高田君(法政大#0)を0点に抑えましたからね。やってくれました」
―相手のゾーンディフェンスも上手く崩せていましたね。
「ゾーンアタックは結構練習していたし、もとから自信があるんです。健司(#7馬場)がどこからでも打てるし、上の3人も全員外から打てるので。だから相手がゾーンを出してきてもそこは問題ないなと思っていました」
―ゾーンアタックの際には、4年生の息の合った連携が光りますね。
「そうですね。息が合ってるという噂は聞きます(笑)。まぁ息が合ってるというか、得意なプレーが何かとかお互いよく分かっているので、こういう時にここにパス出そうとかはありますね」
―鈴木選手はリーグ6週目を終えた時点で、古橋選手、荒木選手と並んで3Pランキング同率1位ですね。
「ランキングは意識してないと言ったら嘘になりますけど、まぁでも自分は本数打ってるので2人とは確率が違いますね(苦笑)。本当に味方が良いパスを出してくれるお蔭で自分のタイミングで打てているからだと思います。でもそんなに入ってるイメージは無いですね」
―シュートに波があるタイプなのでしょうか。
「そうですね。波は相当激しいです。入ってる時は良いイメージで打てるんですけど…。とにかく自分のタイミングだったら迷わず打つように心掛けてます。でも早打ちして大(#55近藤)や健人(#5槇坂)からよく怒られるので、そこは気をつけないとですね」
―これで単独3位に浮上しましたが、これまでのリーグ戦を振り返っていかがですか?
「2部でもやれるというのは去年すごく感じたことで勝つ自信はありましたし、今年は最低限去年より勝ち星を増やそうという目標でやっています。明日も関東学院相手で大事だと思うので、頑張りたいです」
―4年生になって学生最後のシーズンですが、これまでと心境も違いますか?
「僕らの代って、新人戦の時に国士舘に負けて悔しい思いをしてるんです。延長戦まで行って、勝てばベスト8で最終日まで残って代々木でやれたのに負けてしまって、それがものすごく悔しくて。その時から『僕らの代でやってやろう』という気持ちはみんな強かったと思います。それにみんなでバスケやるのはすごく楽しいので、残りの数試合も楽しんでやりたいです!」
--------------------------------
「まず上級生が試合を作らなければ」
下級生の力をより引き出す役目に
◆#4桂 竜馬(慶應義塾大・4年・主将・F)

ミーティングやアドバイスを重ねても本人が言うように「数字や言葉にできない部分」の勝負がここまでの試合でキーになってきている。それをどうチームに習得させるのか、ベンチスタートになる主将には難しい部分もある。だが試合に出た時はこの試合のように最大限に示すことは必要だろう。学年は実力の前にささいなようでいて、学生のバスケットでは大きなウエイトを占めるのも確か。残りの試合も主将として下級生を助けるプレーを続けていくだけだ。
―試合を振り返って。
「立ち上がりでトラブってしまったけれど、そのあとはしっかり自分たちで修正できました。自分たちで崩した部分を2Q以降を戻せた結果だと思います。上級生がしっかり仕事をしないとチームとしても成り立たないし、今日の結果に満足するこちなく上級生が毎試合引っ張っていけるようにしないとはいけないと改めて考えさせられた試合でした」
―そういう意味ではここまで上級生が結果を出せていませんでしたね。
「下級生が多くて、点を取るのも流れを作るのもコートにいるのも下級生でした。上級生の人数が少ないというのもありますが、だからこそ出ているメンバーはしっかり活躍しなきゃいけない。今日はわかりやすく上級生がコートにいられたのが大きいと思います。試合の変わり目や流れの変わり目で上級生が仕事をしないと、チームとしては成り立ちません。そこは明日以降も上級生として、さらに自分は最上級生としてやることをやらなければいけません。自分は今控えで出ていて流れの悪い時に起用されて立て直す役割が大きいので、そこをしっかり果たしていきたいと思います」
―今日は桂選手の得点面が目立ちましたね。
「たまたまシュートが入ったので。でもオフェンスはたまたまで、自分の仕事はディフェンスにあると思うので、今日も相手のキーマンがインサイドだったしそこを1対1でしっかり止めるというのが第一の仕事でした。そこは徹底しようとオフェンスはおまけのような感じで、ディフェンスを頑張ろうと思っていました」
―下級生には何か言っていますか?
「個々の細かいところはありますが、下級生は下級生で頑張ってくれているので、あとは上級生が試合を作ってそこに下級生の力を乗せられればと思っています。どういうことを言うというよりは、自分たちがまず試合を作らなければなと感じています」
―去年からなかなか好転できない部分がありますが、何が一番足りないと感じていますか?
「勝負どころの弱さはありますね。今年は上級生下級生関係なく言いたいことは言おうとしていて、そういう関係はできていると思います。だからこそ数字や言葉にできない勝負どころの1本だったり、流れを変えるプレーが出ないのが難しいですね」
―次の試合、神奈川大戦も大事ですね。
「明日も本当に勝負ですね。明日絶対に勝ちたいと思います」
- 関連記事
-
- 【2012リーグ2部】10/14レポート (2012/10/18)
- 【2012リーグ2部】10/13レポート (2012/10/13)
- 【2012リーグ2部】10/7レポート (2012/10/11)
テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ
| BLOGTOP |