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2012.10.06 (Sat)
【2012リーグ1部】10/6レポート
日本体育大と大東文化大は逆転勝利
東海大が3敗目、筑波大もホームを勝利で飾れず
つくばカピオが会場となる今節。筑波大のホームゲームとして会場装飾やハーフタイムショーなどが用意され、華やかな雰囲気の中で開催された。この日の試合で大きなポイントとなったのは3ポイント。連敗が続き苦しい日本体育大は#14中野(3年・SF)が5本、#22水沼(4年・SG)が4本を稼ぎチーム合計で11本、大東文化大は#14岸本(4年・G)がひとりで9本と圧巻の数字でチームに流れを導き、それぞれ逆転勝利を収めた。
拓殖大対日本大は拓殖大が安定して得点を稼ぎ5勝目。勝率5割まであと白星1と戻してきた。日本大は#15栗原(1年・G・前橋育英)が20得点と奮闘。怪我人が多く苦しい状況でできる限りの頑張りは見える。少しでも光明を見出したい。
青山学院大と明治大の試合は序盤こそ競り合いになるものの、2Qに入り青学大が好ディフェンスを起点に得点を重ねると点差が離れた。青学大は最終的にベンチメンバー全員が出場を果たし、リーグ開幕からの連勝を11に伸ばした。
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【館山の3Pで抜け出した専修大が快勝】
専修大と早稲田大の試合は、前半は接戦となった。専修大が#11宇都(3年・G)や#22樋口(4年・F)のペイントエリアでの得点で先行すれば、早稲田大もスタートに名を連ねた#27平野(2年・F)が速攻に走り、#21河上(3年・F)もバスケットカウントを獲得し、少ない点差をついていく展開に。すると2Q開始早々に早稲田大が専修大をとらえる。#27平野が合わせのプレーを見せて得点し、#6大塚(4年・PG)のレイアップ、#8玉井(3年・G)のミドルシュートで逆転。だが専修大も#3廣島(4年・G)の得点で再度リード。早稲田大は得意の速攻が出ず、オフェンスが珍しく単発となる。この間に専修大は#22樋口がインサイドで得点を重ね、再度点差を開く。早稲田大は#21河上の得点で追いすがるが、36−32と専修大が僅かなリードを得て前半終了となった。
勝負のポイントは3Qに訪れた。互いに得点を決め合う展開から、#33館山(4年・G)の連続3Pをきっかけに専修大が抜け出す。#11宇都も攻め気を見せて#21河上からファウルを誘い、ここで得たフリースローを落とさない。早稲田大はタイムアウトを使って修正を試みるものの、再び#33館山に連続3Pを決められ、このQだけで19点差をつけられてしまった。専修大はその後もオフェンスの手を緩めずにゴールを陥れていった。結局81−56でタイムアップとなり、専修大が7勝目を挙げた。
写真:専修大・樋口はこの日12得点・11リバウンドを記録。インサイドで存在感を見せている。
専修大:7勝4敗
早稲田大:4勝7敗
【リバウンドで勝り、3Pで乗った日体大の逆転勝利】
2位の東海大と2勝で9位と低迷中の日本体育大の試合は、自らの長所を生かし切った日体大が延長戦の末、東海大を下して金星をあげた。
1Qは東海大が先行。#24田中(3年・SF)を筆頭に#33狩野(4年・SG)、#7晴山(2年・PF)、#10バランスキー(2年・PF)が順調に加点。日体大は#12周(2年・C)で返していくがターンオーバーも多く苦しい展開。しかしディフェンスではゾーンで東海大のリズムを重くし、#22水沼(4年・SG)が終盤に2本の3Pを決め、なんとか持ち直して1Qは27-17とすると、流れを維持して2Qは#19中野(3年・SF)の3Pで点差を一桁に戻す。東海大はベンチメンバーにした時間帯で得点が伸びず、インサイドでは2mオーバーの#88万(1年・C・中部第一)にゴール下で得点され、追い上げられてしまう。終盤にスタメンに戻して得点するものの、日体大は#88万のゴール下、#21熊谷(4年・F)のシュートで41-36と追撃可能な範囲の得点差で終え、後半へ。
3Qの出足は東海大が狩野、田中、晴山と得点源で畳み掛けた。序盤で一時は1点差に迫った日体大だが、東海大のアウトサイドが立て続けに決まってあっという間に10点開かれてしまう。だが、日体大はここからこの日のハイライトのひとつとなる3Pによる追撃開始。#22水沼が口火を着る1本を決めると#16横山(4年・SF)、#21熊谷と続いてさらに#19中野が2本のドライブ(そのうち1本はバスケットカウント)、2本の3Pで一気に10点ビハインドから10点のリードへと大きく逆転。東海大は#24田中が返すのが精一杯。59-69で3Qは日体大リードで終えた。
4Q、必死に追い上げる東海大に対し、日体大は最大14点のリードを得る。ゴール下で高さが足らずリバウンドを取れない時間帯が続いた。日体大は#19中野が内外から決めていくが、終盤になり得点が停滞。東海大は#24田中の猛攻に加え、#10バランスキー、#33狩野の連続3Pで残り1分16秒で同点に戻すことに成功。だが両者そこから決定打が出ず90-90で延長戦に突入した。
延長戦で最初に苦しくなったのは東海大。開始早々#10バランスキーが4ファウル。とはいえ日体大はゴール下で何度も#88万がフリースローを得るが、この確率が悪い。それでもこのリバウンドを#21熊谷が連続で確保し、日体大ボールの時間帯が長くなる。東海大は#10バランスキーが3Pを決めるも直後にファウルアウト。日体大は1点のリードを保つが#88万のフリースローが入らないためにギリギリリードでなんとか保っていく。東海大は残り6.8秒、#24田中がフリースローを得るが1本しか決められず96-97。残り6秒で#7晴山もファウルアウト。日体大はこれで得たフリースローを#19中野がきっちり2本決め、96-99。東海大は残り時間で最後のシュートまで持ち込めず、タイムアップ。日体大が大きな1勝をあげた。
3Pによる追い上げが目を引いたが、その裏で勝負を大きく左右したのはリバウンドだった。190ちょっとしかない東海大インサイドに比べて日体大は周、万とも2m越え。熊谷も抜群の跳躍力でボールをもぎ取っていき、東海大27本に対し日体大は39本。「ここまでサイズの差があってもこんなにリバウンドで差をつけられた試合はない」と陸川監督も空中支配ができなかったことに嘆息した。一方の日体大にしてみれば内外が噛み合った試合だった。「シュートは水物」と中野は言ったが、この高さを生かし切れない試合が続いて良さが出ていなかっただけに、思い切りの良い外と強いリバウンドが噛みあっての勝利は大きい。ここを弾みにして下位脱出を狙えるか、リーグ後半に向け注目が高まる。
日本体育大:3勝8敗
東海大:8勝3敗
写真:ゴール下での強さが光った日体大・万。フリースローは元々得手ではなく、3/12だったが、それを補って余りある働きをした。
※ 日本体育大・中野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【エース岸本が圧巻の活躍でチームを勝利に導く】
筑波大のホームゲームとして最終試合に設定された筑波大対大東文化大の試合は、3Qで逆転した大東大が勝利しした。
筑波大は#21笹山(2年・PG)が欠場。#6西村(3年・PG)がスタメン出場した。立ち上がり、大東大は#14岸本(4年・PG)が3Pを沈めるが、インサイドで#43鎌田(4年・C)が開始3分で2ファウルとなり、ベンチへ。大東大は岸本以外の外のシュートがなかなか決まらず、オフェンスは重い。筑波大は#47砂川(4年・PF)が伸びやかにコートを駆けまわり、3P、ドライブなどで加点。1Qは両者ロースコアな立ち上がりとなるが2Qになると筑波大が抜けだした。大東大の得点がほぼ#14岸本ひとりに限られたのとは逆に、筑波大は#47砂川を中心にバランス良く加点。大東大は#43鎌田がベンチ温存でリバウンドが取れない状況から何度も筑波大に速攻を出されるが、#14岸本の3Pが何度もチームを救い、35-40。筑波大が5点をリードするものの大きく離されず前半終了。「前半鎌田が2ファウルになったので自分が牽引していくつもりで」と言った岸本は前半7本の3Pを沈めた。
3Qも追いつけそうで追いつけないという展開で進む中、中盤で大東大は#0有村(4年・PG)を投入。その有村がドライブを決めると#14岸本も連続得点で残り3分に大東大が遂に逆転した。ここから大東大は#0有村の3P、#41小山(4年・G)のシュート、#88平得(2年・F)が岸本からのアシストで決め、一気に点差を開く。筑波大はタイムアウトで修正をはかるがその後更に#14岸本に2連続の3Pを沈められてしまう。64-54で大東大がリードして3Qを終えると、4Qも筑波大は逆転のきっかけを作ることはできず82-70で試合終了。大東大が逆転勝利で6勝目をあげた。
大東大はエースの活躍がチームを大きく鼓舞した。ウイングの選手たちになかなか当たりが来ない中、岸本が率先して得点。岸本の前半の得点はすべてが3Pであり、このプラス1点ずつが大きく物を言った。後半は周囲も持ち直して得点に絡み、勝利を得た。
筑波大はやはり笹山の欠場が痛かった。ボールがあまり回らず、坂東も思ったほど3Pは決められず大東大12本に対し半分の6本だった。3位につける筑波大は後方からの追い上げもあり、油断できない状況が続いている。
大東文化大:6勝5敗
筑波大:7勝4敗
写真:筑波大は砂川の個人技が光った。17得点12リバウンドのダブル・ダブル。
※ 大東文化大・岸本選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「走ることは武器でもそれだけでは勝てない」
1部での戦い方を知り、修正をはかっての勝利
◆ #19中野高紳(日本体育大・3年・SF)
3P5本を含む28得点。ドライブでも積極的に攻め、3Qで流れを作る役目を果たした。2部から昇格し、初のシーズン。前半はがむしゃらに戦う姿勢がうまく噛み合わない印象だった日体大だが、それだけでは勝てないことを選手たちも意識し始めている。自分たちの特徴を活かし、勝負のポイントをいかに握るか。この勝利が浮上のきっかけになるか。
—今日の試合を振り返って。
「最初は苦しい時間帯もあったんですが、みんなが下を向かずチームでプレーすることができた結果が最後に来たと思います」
—相手が東海大ということで意気込みはどうでしたか?連敗も続いていましたが。
「先週青学と試合してそこそこ戦えたし、自分たちなりに戦うイメージはできていました。それをしっかり出せればチームとしては強くなると思うし、それを表現できた試合でした」
—確かにここしばらくの試合は接戦で戦えている試合も多くて、あと少しというところでしたね。
「チームの課題がリバウンドなんですが、今日はそこで勝てたしルーズボールも真っ先に追っていけたし、それが勝因だと思います」
—ただ、今日は出だしの部分で10点差をつけられてちょっと嫌な入りでしたね。
「そこは監督にも怒られて、次の試合に生かさないといけないと思います」
—高さ的には東海大より有利だと思いますが。
「横山さん(#16)がしっかりボックスアウトして、高さでは熊谷さんや1年のフェイ(#88万)がよくやってくれていました」
—今日はその中で中野選手の3Pが素晴らしかったですね。
「自分の中では3Pは結構水物なので。でも自分のリズムで打てていたのが入った要因だと思います。最近は監督に“スピードもあるしドライブもしっかり行け”と言われています。確かに3Pにこだわりすぎてリズムが取れていなかったので、ドライブと使い分けて要所で攻めるようにしています」
—延長に入った時点ではチームはどのような様子でしたか?
「そこはみんな楽しもうとしていましたね。やってきたことは間違いじゃなかったことを証明できたし、あとは楽しんでリラックスしてできたと思います」
—万選手のフリースローには会場中が緊張してしまいましたが(笑)。
「そこは元々下手なのはわかっていたので(笑)、でもそれも含めてチームの力でもあると思います」
—昨年は2部でほとんど負けずにきましたが、1部は苦しい戦いが続いていますね。どうですか?
「2部はガチャガチャして勝てるけれど1部は要所要所で頭を使って激しくプレーしているところが強い。最初はそれについていけなかったし、この2巡目に入ってみんなの意識も変わってきています。とりあえずチームで何もかもやろうということが実践できてきていると思います」
—確かにリーグ最初はトランジションばかりで押し切ろうみたいな部分もありましたね。高さもあまり活かせていなかったように思います。
「自分たちの武器は走ることですが、それだけじゃダメだと気付かされました。今ようやく修正されてきて今後は中と外といいリズムでできると思うので、今後もそうやって戦っていきたいです」
—今日の勝利はいい自信になりますね。
「でも明日の試合で転ばないようにしたいと思います(笑)」
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「まだぜんぜん上を狙っていく」
残り試合でさらに高みを目指して
◆ #14岸本隆一(大東文化大・4年・主将・PG)
35得点、6アシスト。3ポイントは9本と見事な活躍でチームを勝利に導いた。ここまで勝ち星を挙げられていなかった相手と最後の対戦になるかもしれないという、4年生特有の強い思いも働いた。
ボール運びをしながらの得点は負担ではあるがPGとしての役割も好きだと言う。通常なら終盤疲れてしまいそうなものだが、それでも最後までチームを引っ張り続ける姿勢は、頼もしさ以外の何者でもない。東海大に勝利してからチームはようやく上り調子。ここからまだ上も狙える。どこまで行くのか楽しみにしたい。
—おめでとうございます。逆転勝利は素晴らしかったですね。ただ前半は3Pばかりという状態ではありましたが。
「前半は裕也(#43鎌田)が2ファウルでファウルトラブルになったのがあったので、自分と佑亮(#19藤井)で引っ張っていかなければいけないなと。そう思ったのと、自分が当っていたのもあったので、当たっているうちは自分で攻めようと思っていました。後半裕也が戻ってくるのはわかっていたので、点を入れて離そうというのではなく、なんとか付いて行こうという感じで攻めていましたね」
—筑波のディフェンスもついてきていましたが、調子は良かったということですね。
「いい意味でリングを見ていなかったですね。ドライブの姿勢でずっとボールをもらっていたので、相手ディフェンスがドライブに反応した時点でみんな打っていきましたね」
—うまくかわして打てていたということですね。でも苦しい中でもまた逆転で勝てたのは大きいですね。
「今日だけのゲームで見ればそうですが、今シーズン筑波大に公式戦一度も勝ってないし、そういう意味で今日は本当に勝ちにいっていました。だからそれで勝てたのがうれしいです。もうインカレでも当たらないかもしれないし、もしかしたら最後の対戦ですよね。だから絶対勝ちたかったですね」
—相手ホームゲームはやりにくい雰囲気ではなかったですか?
「そんなことはないですよ。逆に楽しかったです。自分たちはワルモノですからね(笑)。そういうのは気にならないです」
—有村選手(#0)が出ている時間帯は岸本選手も楽に動けるのかなと思いましたが。
「楽というかボール運びにストレスを感じないのは確かだから、点を取ることに集中できますね。1番が嫌な訳でもないので。今日は自分が当っていたので、あいつがガードをやってくれて点を取りにいきやすくなりましたね」
—東海大に勝ってからチームも上向きですね。あれは大きかったのでは?
「だいぶ大きかったです。普通に勝つよりはどこか競った状況で勝って、リズムに乗りたいとみんなで言っていたんです。勝てる相手に勝つんじゃなくて、どこかアップセットできるような試合があれば乗れるなって。逆にいえばそれが悪いところでもあるんですけどね(苦笑)。最初から勝ち星を伸ばせてれば良かったけど、去年みたいに連敗してしまって。今となってはいいと言えますけど。でもここからまだ上は狙えると思うし、むしろぜんぜん狙いますよ!」
—楽しみにしたいですね。
「いい感じに台風の目になってきているので(笑)、今年もまだまだ上に行きます。頑張ります」
東海大が3敗目、筑波大もホームを勝利で飾れず
つくばカピオが会場となる今節。筑波大のホームゲームとして会場装飾やハーフタイムショーなどが用意され、華やかな雰囲気の中で開催された。この日の試合で大きなポイントとなったのは3ポイント。連敗が続き苦しい日本体育大は#14中野(3年・SF)が5本、#22水沼(4年・SG)が4本を稼ぎチーム合計で11本、大東文化大は#14岸本(4年・G)がひとりで9本と圧巻の数字でチームに流れを導き、それぞれ逆転勝利を収めた。
拓殖大対日本大は拓殖大が安定して得点を稼ぎ5勝目。勝率5割まであと白星1と戻してきた。日本大は#15栗原(1年・G・前橋育英)が20得点と奮闘。怪我人が多く苦しい状況でできる限りの頑張りは見える。少しでも光明を見出したい。
青山学院大と明治大の試合は序盤こそ競り合いになるものの、2Qに入り青学大が好ディフェンスを起点に得点を重ねると点差が離れた。青学大は最終的にベンチメンバー全員が出場を果たし、リーグ開幕からの連勝を11に伸ばした。
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【館山の3Pで抜け出した専修大が快勝】

勝負のポイントは3Qに訪れた。互いに得点を決め合う展開から、#33館山(4年・G)の連続3Pをきっかけに専修大が抜け出す。#11宇都も攻め気を見せて#21河上からファウルを誘い、ここで得たフリースローを落とさない。早稲田大はタイムアウトを使って修正を試みるものの、再び#33館山に連続3Pを決められ、このQだけで19点差をつけられてしまった。専修大はその後もオフェンスの手を緩めずにゴールを陥れていった。結局81−56でタイムアップとなり、専修大が7勝目を挙げた。
写真:専修大・樋口はこの日12得点・11リバウンドを記録。インサイドで存在感を見せている。
専修大:7勝4敗
早稲田大:4勝7敗
【リバウンドで勝り、3Pで乗った日体大の逆転勝利】

1Qは東海大が先行。#24田中(3年・SF)を筆頭に#33狩野(4年・SG)、#7晴山(2年・PF)、#10バランスキー(2年・PF)が順調に加点。日体大は#12周(2年・C)で返していくがターンオーバーも多く苦しい展開。しかしディフェンスではゾーンで東海大のリズムを重くし、#22水沼(4年・SG)が終盤に2本の3Pを決め、なんとか持ち直して1Qは27-17とすると、流れを維持して2Qは#19中野(3年・SF)の3Pで点差を一桁に戻す。東海大はベンチメンバーにした時間帯で得点が伸びず、インサイドでは2mオーバーの#88万(1年・C・中部第一)にゴール下で得点され、追い上げられてしまう。終盤にスタメンに戻して得点するものの、日体大は#88万のゴール下、#21熊谷(4年・F)のシュートで41-36と追撃可能な範囲の得点差で終え、後半へ。
3Qの出足は東海大が狩野、田中、晴山と得点源で畳み掛けた。序盤で一時は1点差に迫った日体大だが、東海大のアウトサイドが立て続けに決まってあっという間に10点開かれてしまう。だが、日体大はここからこの日のハイライトのひとつとなる3Pによる追撃開始。#22水沼が口火を着る1本を決めると#16横山(4年・SF)、#21熊谷と続いてさらに#19中野が2本のドライブ(そのうち1本はバスケットカウント)、2本の3Pで一気に10点ビハインドから10点のリードへと大きく逆転。東海大は#24田中が返すのが精一杯。59-69で3Qは日体大リードで終えた。
4Q、必死に追い上げる東海大に対し、日体大は最大14点のリードを得る。ゴール下で高さが足らずリバウンドを取れない時間帯が続いた。日体大は#19中野が内外から決めていくが、終盤になり得点が停滞。東海大は#24田中の猛攻に加え、#10バランスキー、#33狩野の連続3Pで残り1分16秒で同点に戻すことに成功。だが両者そこから決定打が出ず90-90で延長戦に突入した。
延長戦で最初に苦しくなったのは東海大。開始早々#10バランスキーが4ファウル。とはいえ日体大はゴール下で何度も#88万がフリースローを得るが、この確率が悪い。それでもこのリバウンドを#21熊谷が連続で確保し、日体大ボールの時間帯が長くなる。東海大は#10バランスキーが3Pを決めるも直後にファウルアウト。日体大は1点のリードを保つが#88万のフリースローが入らないためにギリギリリードでなんとか保っていく。東海大は残り6.8秒、#24田中がフリースローを得るが1本しか決められず96-97。残り6秒で#7晴山もファウルアウト。日体大はこれで得たフリースローを#19中野がきっちり2本決め、96-99。東海大は残り時間で最後のシュートまで持ち込めず、タイムアップ。日体大が大きな1勝をあげた。
3Pによる追い上げが目を引いたが、その裏で勝負を大きく左右したのはリバウンドだった。190ちょっとしかない東海大インサイドに比べて日体大は周、万とも2m越え。熊谷も抜群の跳躍力でボールをもぎ取っていき、東海大27本に対し日体大は39本。「ここまでサイズの差があってもこんなにリバウンドで差をつけられた試合はない」と陸川監督も空中支配ができなかったことに嘆息した。一方の日体大にしてみれば内外が噛み合った試合だった。「シュートは水物」と中野は言ったが、この高さを生かし切れない試合が続いて良さが出ていなかっただけに、思い切りの良い外と強いリバウンドが噛みあっての勝利は大きい。ここを弾みにして下位脱出を狙えるか、リーグ後半に向け注目が高まる。
日本体育大:3勝8敗
東海大:8勝3敗
写真:ゴール下での強さが光った日体大・万。フリースローは元々得手ではなく、3/12だったが、それを補って余りある働きをした。
※ 日本体育大・中野選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【エース岸本が圧巻の活躍でチームを勝利に導く】

筑波大は#21笹山(2年・PG)が欠場。#6西村(3年・PG)がスタメン出場した。立ち上がり、大東大は#14岸本(4年・PG)が3Pを沈めるが、インサイドで#43鎌田(4年・C)が開始3分で2ファウルとなり、ベンチへ。大東大は岸本以外の外のシュートがなかなか決まらず、オフェンスは重い。筑波大は#47砂川(4年・PF)が伸びやかにコートを駆けまわり、3P、ドライブなどで加点。1Qは両者ロースコアな立ち上がりとなるが2Qになると筑波大が抜けだした。大東大の得点がほぼ#14岸本ひとりに限られたのとは逆に、筑波大は#47砂川を中心にバランス良く加点。大東大は#43鎌田がベンチ温存でリバウンドが取れない状況から何度も筑波大に速攻を出されるが、#14岸本の3Pが何度もチームを救い、35-40。筑波大が5点をリードするものの大きく離されず前半終了。「前半鎌田が2ファウルになったので自分が牽引していくつもりで」と言った岸本は前半7本の3Pを沈めた。
3Qも追いつけそうで追いつけないという展開で進む中、中盤で大東大は#0有村(4年・PG)を投入。その有村がドライブを決めると#14岸本も連続得点で残り3分に大東大が遂に逆転した。ここから大東大は#0有村の3P、#41小山(4年・G)のシュート、#88平得(2年・F)が岸本からのアシストで決め、一気に点差を開く。筑波大はタイムアウトで修正をはかるがその後更に#14岸本に2連続の3Pを沈められてしまう。64-54で大東大がリードして3Qを終えると、4Qも筑波大は逆転のきっかけを作ることはできず82-70で試合終了。大東大が逆転勝利で6勝目をあげた。
大東大はエースの活躍がチームを大きく鼓舞した。ウイングの選手たちになかなか当たりが来ない中、岸本が率先して得点。岸本の前半の得点はすべてが3Pであり、このプラス1点ずつが大きく物を言った。後半は周囲も持ち直して得点に絡み、勝利を得た。
筑波大はやはり笹山の欠場が痛かった。ボールがあまり回らず、坂東も思ったほど3Pは決められず大東大12本に対し半分の6本だった。3位につける筑波大は後方からの追い上げもあり、油断できない状況が続いている。
大東文化大:6勝5敗
筑波大:7勝4敗
写真:筑波大は砂川の個人技が光った。17得点12リバウンドのダブル・ダブル。
※ 大東文化大・岸本選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「走ることは武器でもそれだけでは勝てない」
1部での戦い方を知り、修正をはかっての勝利
◆ #19中野高紳(日本体育大・3年・SF)

—今日の試合を振り返って。
「最初は苦しい時間帯もあったんですが、みんなが下を向かずチームでプレーすることができた結果が最後に来たと思います」
—相手が東海大ということで意気込みはどうでしたか?連敗も続いていましたが。
「先週青学と試合してそこそこ戦えたし、自分たちなりに戦うイメージはできていました。それをしっかり出せればチームとしては強くなると思うし、それを表現できた試合でした」
—確かにここしばらくの試合は接戦で戦えている試合も多くて、あと少しというところでしたね。
「チームの課題がリバウンドなんですが、今日はそこで勝てたしルーズボールも真っ先に追っていけたし、それが勝因だと思います」
—ただ、今日は出だしの部分で10点差をつけられてちょっと嫌な入りでしたね。
「そこは監督にも怒られて、次の試合に生かさないといけないと思います」
—高さ的には東海大より有利だと思いますが。
「横山さん(#16)がしっかりボックスアウトして、高さでは熊谷さんや1年のフェイ(#88万)がよくやってくれていました」
—今日はその中で中野選手の3Pが素晴らしかったですね。
「自分の中では3Pは結構水物なので。でも自分のリズムで打てていたのが入った要因だと思います。最近は監督に“スピードもあるしドライブもしっかり行け”と言われています。確かに3Pにこだわりすぎてリズムが取れていなかったので、ドライブと使い分けて要所で攻めるようにしています」
—延長に入った時点ではチームはどのような様子でしたか?
「そこはみんな楽しもうとしていましたね。やってきたことは間違いじゃなかったことを証明できたし、あとは楽しんでリラックスしてできたと思います」
—万選手のフリースローには会場中が緊張してしまいましたが(笑)。
「そこは元々下手なのはわかっていたので(笑)、でもそれも含めてチームの力でもあると思います」
—昨年は2部でほとんど負けずにきましたが、1部は苦しい戦いが続いていますね。どうですか?
「2部はガチャガチャして勝てるけれど1部は要所要所で頭を使って激しくプレーしているところが強い。最初はそれについていけなかったし、この2巡目に入ってみんなの意識も変わってきています。とりあえずチームで何もかもやろうということが実践できてきていると思います」
—確かにリーグ最初はトランジションばかりで押し切ろうみたいな部分もありましたね。高さもあまり活かせていなかったように思います。
「自分たちの武器は走ることですが、それだけじゃダメだと気付かされました。今ようやく修正されてきて今後は中と外といいリズムでできると思うので、今後もそうやって戦っていきたいです」
—今日の勝利はいい自信になりますね。
「でも明日の試合で転ばないようにしたいと思います(笑)」
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「まだぜんぜん上を狙っていく」
残り試合でさらに高みを目指して
◆ #14岸本隆一(大東文化大・4年・主将・PG)

ボール運びをしながらの得点は負担ではあるがPGとしての役割も好きだと言う。通常なら終盤疲れてしまいそうなものだが、それでも最後までチームを引っ張り続ける姿勢は、頼もしさ以外の何者でもない。東海大に勝利してからチームはようやく上り調子。ここからまだ上も狙える。どこまで行くのか楽しみにしたい。
—おめでとうございます。逆転勝利は素晴らしかったですね。ただ前半は3Pばかりという状態ではありましたが。
「前半は裕也(#43鎌田)が2ファウルでファウルトラブルになったのがあったので、自分と佑亮(#19藤井)で引っ張っていかなければいけないなと。そう思ったのと、自分が当っていたのもあったので、当たっているうちは自分で攻めようと思っていました。後半裕也が戻ってくるのはわかっていたので、点を入れて離そうというのではなく、なんとか付いて行こうという感じで攻めていましたね」
—筑波のディフェンスもついてきていましたが、調子は良かったということですね。
「いい意味でリングを見ていなかったですね。ドライブの姿勢でずっとボールをもらっていたので、相手ディフェンスがドライブに反応した時点でみんな打っていきましたね」
—うまくかわして打てていたということですね。でも苦しい中でもまた逆転で勝てたのは大きいですね。
「今日だけのゲームで見ればそうですが、今シーズン筑波大に公式戦一度も勝ってないし、そういう意味で今日は本当に勝ちにいっていました。だからそれで勝てたのがうれしいです。もうインカレでも当たらないかもしれないし、もしかしたら最後の対戦ですよね。だから絶対勝ちたかったですね」
—相手ホームゲームはやりにくい雰囲気ではなかったですか?
「そんなことはないですよ。逆に楽しかったです。自分たちはワルモノですからね(笑)。そういうのは気にならないです」
—有村選手(#0)が出ている時間帯は岸本選手も楽に動けるのかなと思いましたが。
「楽というかボール運びにストレスを感じないのは確かだから、点を取ることに集中できますね。1番が嫌な訳でもないので。今日は自分が当っていたので、あいつがガードをやってくれて点を取りにいきやすくなりましたね」
—東海大に勝ってからチームも上向きですね。あれは大きかったのでは?
「だいぶ大きかったです。普通に勝つよりはどこか競った状況で勝って、リズムに乗りたいとみんなで言っていたんです。勝てる相手に勝つんじゃなくて、どこかアップセットできるような試合があれば乗れるなって。逆にいえばそれが悪いところでもあるんですけどね(苦笑)。最初から勝ち星を伸ばせてれば良かったけど、去年みたいに連敗してしまって。今となってはいいと言えますけど。でもここからまだ上は狙えると思うし、むしろぜんぜん狙いますよ!」
—楽しみにしたいですね。
「いい感じに台風の目になってきているので(笑)、今年もまだまだ上に行きます。頑張ります」
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