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2012.09.09 (Sun)
【2012リーグ2部】9/9レポート
白鴎大に黒星がつき無敗は中央大1校のみ
昇格組の東洋大が2部リーグ初勝利
2部リーグも2週目を終了し、この日は順位にやや動きがあった。国士舘大が白鴎大から大きな一勝を上げ、これで中央大が単独首位に。3連勝中で好調の法政大が白鴎大と共に3勝1敗でこれを追う。2部からのインカレ出場が1枠となった今期は、首位争いにかける各チームへの思いは強い。また、東洋大も終始良い雰囲気で試合を進め、初めての白星を得た。この1勝を弾みにここから上昇できるか注目したい。
中央大と関東学院大の対戦は、素早いトランジションで次々得点を重ねる中央大に対し、関東学院大も#30村田(3年・F)らの3Pで食らい付いた。だが中央大もアウトサイドでは負けておらず、2Qは3P合戦に。2Q終盤には#16佐藤(4年・PG)の連続得点で中央大が一歩抜け出し47-38で試合を折り返すと、後半も#20小野(4年・F)の攻守に渡る活躍もあって引き続き主導権を握った。関東学院大も最後まで#3前川(2年・GF)らが積極的にリングに向かうが、相手を追い詰めるには至らず。94-76で、取りこぼしなく中央大が4連勝を飾った。
慶應義塾大と順天堂大の対戦は、序盤から#14権田(2年・F)のミドルシュート、#18大元(1年・G・洛南)の3Pが快調にネットを揺らした慶應大が序盤から試合を優位に進め、前半終わって20点のリードを奪った。順天堂大は#23泉(3年・F)らが奮闘して何度も追い上げるものの、20点~10点の間で点差は推移。4Q序盤に連続得点で10点差に縮め、ここからかと思われたが、慶應大のタイムアウト後にターンオーバーが重なり再度引き離されて106-86で敗れた。順天堂大は2年生の成長や一人ひとりの頑張りは見えるものの、なかなか勝ち星に結びつかずに開幕から4連敗。リーグ戦序盤は苦しい戦いを強いられている。
写真:中央大#20小野も調子を上げてきている。この日も短い出場時間で17得点。
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【思い切りの良さで東洋大が初白星】
これまでの3試合から修正し、のびのびと戦った東洋大が神奈川大相手に嬉しいリーグ戦初勝利を挙げた。
東洋大は序盤から激しくディフェンスを仕掛けるものの、その積極性が仇となりファウルがかさむ。だがここで#7筑波(2年・F)がバスケットカウントを獲得、その後も次々ファウルを得てフリースローで加点し、チームに流れを呼び込んだ。神奈川大は#29田村(3年・PF)が止血のため一時ベンチに下がるなど重いムードが漂うものの、エース#7古橋(3年・SF)が点の取り合いに食らい付いて拮抗した展開に。#41前田(4年・F)の2本の3Pもあり東洋大がわずかにリードするが、2Qに入っても互角の戦いが続いて点差が離れず、東洋大の2点リードで前半を終えた。
3Q、#41前田がブロックショットなどでマッチアップした#7古橋をよく抑え、チームに勢いをもたらす。一方の神奈川大はファウルトラブルに悩まされて勢いが失速。しかし#98大石(2年・PG)がドライブやタップパスでのアシストで魅せ、6点差に食らい付いて最終Qに向かう。
続く4Q、開始早々神奈川大は#20早川(3年・PG)がドライブで#7筑波の4つ目のファウルを誘い、得点源をベンチに下げさせかつ2点差に詰め寄った。だが東洋大はこのピンチを#24遠山(2年・F)の3連続得点で上手く乗り切り、さらに#41前田がダメ押しの3Pとドライブを決め、一気に点差を2桁に。優位に立った東洋大はその後も勢いを切らさず神奈川大の反撃の芽を摘み、81-67で嬉しい初勝利を挙げた。
長く互角の戦いが続いたが、最後は東洋大の思い切りあるプレーが良い流れを引き込み、相手を突き放した。終始明るい雰囲気が続き、東洋大#41前田も「試合に出てる出てない関係無しに、スタッフを含め本当に部員全員で戦えた」と笑顔。初勝利で大きな手応えを得た様子だ。反対に神奈川大は最後に力尽きた形となった。ファウルトラブルで自分たちのスタイルであるディフェンシブなバスケットが満足に出せなかった事も大きいだろう。初戦の勝利以降3連敗となり、黒星が先行している。
東洋大:1勝3敗
神奈川大:1勝3敗
写真:神奈川大#7古橋は22得点と奮闘したが、激しいマークに遭った。
【国士舘大が白鴎大に土をつける】
国士舘大と白鴎大の対戦は、因縁の対決とも言える。昨年のリーグ戦は1勝1敗。最終日には直接対決によって入替戦・インカレへの出場を争い、涙に暮れる国士舘大の目の前で白鴎大が出場への切符をさらった。今年はどちらも昨年から主力が多く残り、柱となる留学生インサイドも最終学年になる年。熾烈な争いが予想された第1戦、国士舘大がここまで無敗の白鴎大から初めて白星を奪った。
ポイントとなったのは1Qだった。試合の主導権を握ろうと、開始から互いに走り合う展開。だが開始3分で白鴎大は#5柳川(3年・F)が2ファウルとなり下がると、攻撃の手数が足りずに得点が伸び悩む。対する国士舘大は#13曹(4年・C)が好調で、1Q残り3分半にはマッチアップする#30アビブ(4年・C)を2ファウルでベンチに追いやった。まわりもよく見え、#13曹からのアシストでアウトサイドの選手も小気味よくシュートを決めていく。白鴎大も#15白濱(3年・F)のドライブで食らい付くものの、29-14と、国士館大のオフェンスが火を吹いた1Qだった。
続く2Qも、ミスの重なる白鴎大を国士舘大が圧倒。開始5分には大きく20点のリードを開いた。しかしそこからシュートがこぼれ得点がやや停滞し、その間に#5柳川のドライブ、#30アビブのインサイドで得点した白鴎大が12点差に縮めて後半に望みをつなぐ。
だが3Qには、再び国士舘大が勢いを取り戻した。ルーキー#22原(1年・F・習志野)がシュートを落とさず、国士舘大の応援席も沸きに沸く。#14星野(2年・SF)、#5柳川が連続で3Pを決めてここから追い上げたい白鴎大だが、インサイドで粘る#13曹を止められず、再度盛り返すことはできなかった。20点差に押し戻され、4Qは点の獲り合いになるも点差は縮まらず。95-73で、国士舘大が大勝した。
白鴎大は、序盤につまずき最後まで自分たちの展開に持ち込みきれなかった。国士舘大の的を絞らせない布陣にディフェンスが機能せず、オフェンスでは#5柳川、#30アビブ頼みになる場面も。ここまで連勝を重ねてきたが、初黒星を喫した。
対する国士舘大は、まさに自分たちのスタイルを出しての快勝。波はあるものの、乗った時の爆発力は如何なく発揮した。勝率をタイに持ち込み、しかも白鴎大に初黒星をつけた大きな勝利だ。ここから調子を上げていけるか。
国士舘大:2勝2敗
白鴎大:3勝1敗
写真:国士舘大のエース#11平田も23得点で安定の活躍ぶり。
【我慢の試合を法政大が逃切り勝利】
ここまで2勝1敗で並ぶ法政大と駒澤大の対戦。開始すぐに駒澤大は立て続けにファウルを吹かれ、完全に出鼻を挫かれた形に。特に司令塔の#55近藤 大(4年・PG)がディフェンスファウル2つにオフェンスチャージング1つで開始5分も経たずに3ファウルとなり、暗雲が立ち込める立ち上がりとなった。法政大は相手のエース#7馬場(4年・SF)に執拗なディフェンスを仕掛けてパスカットを狙い、#27岩崎(4年・SG)のアウトサイドも好調。リバウンドも掌握して7点リードで1Qを終える。
だが続く2Q、主導権を握ったのは駒澤大だった。むやみに飛ばないディフェンスでファウルを抑えながらよく守り、法政大の得点を4分半のあいだ無得点に抑えることに成功。その間オフェンスでは#8鈴木(4年・G)が引っ張り、#6伊藤(4年・CF)もリバウンドに奮闘して結局このQは10-22。駒澤大がリードを奪い返し29-34で前半を終えた。
3Qも序盤は駒澤大ペースで試合が進む。#55近藤 大がルーズボール争いで不運な4つ目のファウルを吹かれる危機も、#5槇坂(4年・SG)の好守や#8鈴木の2本連続の3Pでなんとか凌いだ。しかし3Q残り3分を切り、これまで我慢の展開を強いられていた法政大が猛攻を見せる。前からディフェンスして相手にボールを運ばせず、#0高田(3年・G)も鋭いドライブでチームを引っ張った。駒澤大はパスミスがアンスポーツマンライクファウルにつながるなど失速。3Qラスト3分間で怒涛の17得点を積み上げた法政大が、再度リードを奪い返した。
勝負の4Q、駒澤大はスタメンに戻したことでリズムが良くなり同点に追い付くが、すかさず法政大も勝負強い#0高田が2連続得点で返し逆転させない。そのまま時間を使いながら攻め、残り11.5秒に#14大塚(3年・G)のフリースローで4点リードとなり優位に立った。残り5.7秒に#8鈴木の3Pで1点差に詰め寄られたものの何とか逃げ切り、最終スコア77-73で逃げ切った。
法政大は慶應大戦、国士舘大戦に続き、競り合いを制しての3連勝。相手に流れを奪われる時間帯も多いが、「接戦になっても勝てているのは精神的に強くなった証拠」と#0高田も手応えを感じている様子。これまでの法政大とは一味違うカラーを見せ、早くも昨季リーグ戦の2勝という記録を塗り替えた。全勝の中央大に続き、2位に位置付けて虎視眈々と頂点を狙う。
対する駒澤大は、不安要素だったファウルトラブルが最後まで響いた。「負ける試合はいつも自分たちのミスで自滅している」と主将の#43近藤圭太。スタメン5人がほぼ40分間フル出場で戦う布陣だけに、些細なファウルが命取りになる。#31新井(4年・PG)らベンチメンバーが経験を積めたことは大きいが、接戦を落としての悔しい2敗目となった。
法政大:3勝1敗
駒澤大:2勝2敗
写真:駒澤大・#8鈴木は3P6本を含む24得点の活躍だったが、勝利には結びつかず。
※法政大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「楽しくやろうと開き直ったことが良い結果に」
原点回帰で得た嬉しい初白星
◆#41前田健滋朗(東洋大・主将・4年・F)
攻守共にチームの柱として活躍した前田。下級生主体のチームの中、試合に絡む数少ない4年生でもあってこれまで背負いすぎてしまう様子も見られたが、この日は自身でも言うよう思い切りよくのびのびとプレーしていた。4本の3Pを含む20得点、ディフェンスでもブロックショットなどで魅せ、チームの勝利に大きく貢献した。
味方の良いプレーにはベンチもコートの5人も笑顔を見せ、試合を通して非常に明るい雰囲気を貫き通した東洋大。このような「楽しく」という雰囲気の転換が、白星という結果に結びついたことは大きい。ここからの上昇に期待したい。
―初勝利となりましたが、今のお気持ちはいかがですか?
「今シーズンに入って2部で戦うということで、とりあえず“まず1勝”ということは自分の中でずっと考えてきました。勝てて本当に良かったです」
―終始勢いが途切れない印象でしたが、その要因は?
「昨日の試合が終わった後にみんなでミーティングして、『自分たちは一番下から来て失うものも何も無いんだから、もっと楽しくやろう』ということを話し合ったんです。今までの3試合は、勝たなきゃいけないってことで変に気負ってしまって…。でも今日は見ての通り雰囲気も良かったし、みんな試合中も結構笑顔になることが多かったと思います。応援団もベンチも盛り上げてくれたし、楽しくやろうと開き直ったことが良い結果につながったんだと思いますね」
―雰囲気良く自分たちのバスケットができましたね。
「今までの3試合は、相手を結構スカウティングして対策を立てて試合に臨んだんですけど、今日の試合はもう一回自分たちのバスケットをやろう、という形で臨みました。だから相手どうこうというのはあまり考えずに、新チームになってからずっと練習でやってきたことをやろうと。前からプレッシャーを掛けたりとか、特にディフェンスの部分はそれを上手く出せたと思います」
―前田選手自身も、思い切りのいいプレーが光りましたね。相手のチャージングを奪ったり3Pを決めたり、攻守共に活躍していましたが。
「チャージングはたまたまですけど(笑)。あまり変に考えてやらない方がいいかなと思ったので、空いたら打とうと思っていました。誰かが打って外しても、みんなでリバウンドに行ってみんなでディフェンスすればいいからって感じだったので、いちいち一本一本外したことを気にしたり、シュートを打つことに対して考えすぎることがなくて。思い切ってやって、失敗しても次やればいいって雰囲気が良かったんだと思います」
―控えの選手も良い働きをしましたし、選手一人ひとりに活躍の場がありましたね。
「そうですね。うちは誰ってチームでは無いですから。それに今日は試合に出てる出てない関係無しに、マネージャーを含め本当に部員全員で戦えたかなと思います」
―後輩たちの成長は感じますか?
「それはありますね。結構下級生たちも上級生に声を掛けてくるようになりました。1年生でも自分に声掛けてきますからね。まぁまだまだ声は足りないですけど」
―この1勝が、弾みになるといいですね。
「そうですね。でもまだまだ駄目な部分もたくさんあって、今日もちょっと点差を開いた時に、ミスをしてしまうことが多かったですね。思い切りやる中でももう少し頭を使うことが必要なのかなと思います。来週の練習で修正していきたいです」
―ではリーグ戦はまだまだこれからですが、意気込みを。
「毎試合毎試合、課題を見つけて克服していって、リーグ戦の最後に最高のチームを作ろう、ということをみんなで話して。自分も最後ですし、頑張りたいですね。まわりの人たちから応援してもらえるような、最高のチームを作っていきたいです」
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「自信がついて堂々と戦えるようになった」
苦しい過去を乗り越え、好調の今シーズン
◆#0高田歳也(法政大・3年・G)
初戦の中央大戦以外、ここまで3連勝と好調の法政大。今年のチームは、昨年にはあまり見られなかった自信や明るい雰囲気などが接戦に競り勝つ原動力となっているようだ。
その中でも、今やチームを引っ張る司令塔として欠かせない存在となった高田は、3年目になり成熟した印象を受ける。大事なところで確実に決める勝負強さで、これまで何度もチームを救ってきた。過去2年間、苦しいリーグ戦を経験をしてきたからこそ、それを糧に勝利への飽くなき執念を見せて欲しい。
―接戦を制して、嬉しい3勝目ですね。
「去年のリーグは2回くらい延長戦になっても勝てませんでしたが、今年は競り合いになっても最後に勝てているので嬉しいです。今年に入って結構接戦になる試合が多いんですけど、こうして勝てているのも精神的に強くなった証拠かなと思います」
―精神的に強くなったというのは、去年の苦しい経験があったからでしょうか?
「それももちろんあると思いますし、春のトーナメントで少し自信がついたことも大きいかなと思います。相手を舐めている訳ではないですけど、堂々と戦えるようになりました。去年は負け続けて、負ける数が多くなればなるほど気持ちも下がってしまって駄目だったんですけど、今年は気持ちも上向きになって良い状態で戦えていると思います」
―ただ、今日も試合の中で少し波がありましたね。
「そうですね。1Qは良い流れだったんですけど、2Qで流れが悪くなった時に立て直すのに時間がかかってしまいました。そういう悪い流れの時こそ、ガードの自分が今チームがどういう状況なのかや試合の展開をちゃんと把握して、どうすればいいのか仲間に的確に指示を出さなきゃいけないんですが…。監督の今井さんにも、コートの中では自分が指示を的確に出さなきゃいけない、そのために試合に長く出しているんだと言われています。自分がもっと責任感を持ってみんなを引っ張らなきゃいけないですね」
―ガードとしての自分の出来にはまだ満足していないということでしょうか。
「まだまだですね。熱くなってしまう時がありますし。ガードが熱くなってしまうのは良くない、もっと仲間を信じてパスをしろと監督からもよく言われるんです。もっと冷静に周りをよく見て、自分だけじゃなくしっかり仲間を活かせるようになりたいです」
―仲間を活かすアシストパスも見られますが、やはりここ一番の場面では高田選手の勝負強さが光りますね。
「まぁでも、行くと決めたら本気で決めてやろうという気持ちでやっています。やっぱり最後に決めたら気持ちいいですし(笑)」
―3年生になってますますプレーに磨きがかかりましたね。下級生の時はガードにコンバートしてかなり試行錯誤している様子でしたが。
「1・2年生の時はガードをやるのがほぼ初めてだったので、どういう風に攻めればいいのか全然分からずにかなり悩みました。でも3年生になって上級生になったことで、指示を言えるようになったし、まわりも段々見えてきたので、ちょっとは良くなってきたかなと思います」
―今の4年生は、下級生でも遠慮なく言いたいことを言い合える環境づくりをしているようですが。
「そうですね。学年関係なく下級生から上級生にも色々言うし、良い雰囲気でやっていると思います」
―1年生たちも活躍が光りますし、層が厚くなりましたね。
「いや、でもまだ1年生は遠慮してる部分があるんですよ。もっとできるやつらだと思います。練習中もっとやっているので。さらにガンガン行って欲しいですね」
―オフェンスのリズムもいいですね。その要因はどこにあると思いますか?
「結構合宿でも走り込んできたので、それが上手く試合に出てるのかなと。3メンとかでも、1本1本本気でやろうというのを意識してやってきたことが良かったんだと思います」
―これで3勝1敗と好調な立ち上がりですが、今後への意気込みを。
「3勝して、とりあえず去年の成績を越えることができました。でもやっぱり目標は優勝してインカレへの出場権を手に入れて入替戦で1部に行くことなので、接戦になっても勝って、2部1位で1部に復帰したいです」
昇格組の東洋大が2部リーグ初勝利
2部リーグも2週目を終了し、この日は順位にやや動きがあった。国士舘大が白鴎大から大きな一勝を上げ、これで中央大が単独首位に。3連勝中で好調の法政大が白鴎大と共に3勝1敗でこれを追う。2部からのインカレ出場が1枠となった今期は、首位争いにかける各チームへの思いは強い。また、東洋大も終始良い雰囲気で試合を進め、初めての白星を得た。この1勝を弾みにここから上昇できるか注目したい。

慶應義塾大と順天堂大の対戦は、序盤から#14権田(2年・F)のミドルシュート、#18大元(1年・G・洛南)の3Pが快調にネットを揺らした慶應大が序盤から試合を優位に進め、前半終わって20点のリードを奪った。順天堂大は#23泉(3年・F)らが奮闘して何度も追い上げるものの、20点~10点の間で点差は推移。4Q序盤に連続得点で10点差に縮め、ここからかと思われたが、慶應大のタイムアウト後にターンオーバーが重なり再度引き離されて106-86で敗れた。順天堂大は2年生の成長や一人ひとりの頑張りは見えるものの、なかなか勝ち星に結びつかずに開幕から4連敗。リーグ戦序盤は苦しい戦いを強いられている。
写真:中央大#20小野も調子を上げてきている。この日も短い出場時間で17得点。
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【思い切りの良さで東洋大が初白星】

東洋大は序盤から激しくディフェンスを仕掛けるものの、その積極性が仇となりファウルがかさむ。だがここで#7筑波(2年・F)がバスケットカウントを獲得、その後も次々ファウルを得てフリースローで加点し、チームに流れを呼び込んだ。神奈川大は#29田村(3年・PF)が止血のため一時ベンチに下がるなど重いムードが漂うものの、エース#7古橋(3年・SF)が点の取り合いに食らい付いて拮抗した展開に。#41前田(4年・F)の2本の3Pもあり東洋大がわずかにリードするが、2Qに入っても互角の戦いが続いて点差が離れず、東洋大の2点リードで前半を終えた。
3Q、#41前田がブロックショットなどでマッチアップした#7古橋をよく抑え、チームに勢いをもたらす。一方の神奈川大はファウルトラブルに悩まされて勢いが失速。しかし#98大石(2年・PG)がドライブやタップパスでのアシストで魅せ、6点差に食らい付いて最終Qに向かう。
続く4Q、開始早々神奈川大は#20早川(3年・PG)がドライブで#7筑波の4つ目のファウルを誘い、得点源をベンチに下げさせかつ2点差に詰め寄った。だが東洋大はこのピンチを#24遠山(2年・F)の3連続得点で上手く乗り切り、さらに#41前田がダメ押しの3Pとドライブを決め、一気に点差を2桁に。優位に立った東洋大はその後も勢いを切らさず神奈川大の反撃の芽を摘み、81-67で嬉しい初勝利を挙げた。
長く互角の戦いが続いたが、最後は東洋大の思い切りあるプレーが良い流れを引き込み、相手を突き放した。終始明るい雰囲気が続き、東洋大#41前田も「試合に出てる出てない関係無しに、スタッフを含め本当に部員全員で戦えた」と笑顔。初勝利で大きな手応えを得た様子だ。反対に神奈川大は最後に力尽きた形となった。ファウルトラブルで自分たちのスタイルであるディフェンシブなバスケットが満足に出せなかった事も大きいだろう。初戦の勝利以降3連敗となり、黒星が先行している。
東洋大:1勝3敗
神奈川大:1勝3敗
写真:神奈川大#7古橋は22得点と奮闘したが、激しいマークに遭った。
【国士舘大が白鴎大に土をつける】

ポイントとなったのは1Qだった。試合の主導権を握ろうと、開始から互いに走り合う展開。だが開始3分で白鴎大は#5柳川(3年・F)が2ファウルとなり下がると、攻撃の手数が足りずに得点が伸び悩む。対する国士舘大は#13曹(4年・C)が好調で、1Q残り3分半にはマッチアップする#30アビブ(4年・C)を2ファウルでベンチに追いやった。まわりもよく見え、#13曹からのアシストでアウトサイドの選手も小気味よくシュートを決めていく。白鴎大も#15白濱(3年・F)のドライブで食らい付くものの、29-14と、国士館大のオフェンスが火を吹いた1Qだった。
続く2Qも、ミスの重なる白鴎大を国士舘大が圧倒。開始5分には大きく20点のリードを開いた。しかしそこからシュートがこぼれ得点がやや停滞し、その間に#5柳川のドライブ、#30アビブのインサイドで得点した白鴎大が12点差に縮めて後半に望みをつなぐ。
だが3Qには、再び国士舘大が勢いを取り戻した。ルーキー#22原(1年・F・習志野)がシュートを落とさず、国士舘大の応援席も沸きに沸く。#14星野(2年・SF)、#5柳川が連続で3Pを決めてここから追い上げたい白鴎大だが、インサイドで粘る#13曹を止められず、再度盛り返すことはできなかった。20点差に押し戻され、4Qは点の獲り合いになるも点差は縮まらず。95-73で、国士舘大が大勝した。
白鴎大は、序盤につまずき最後まで自分たちの展開に持ち込みきれなかった。国士舘大の的を絞らせない布陣にディフェンスが機能せず、オフェンスでは#5柳川、#30アビブ頼みになる場面も。ここまで連勝を重ねてきたが、初黒星を喫した。
対する国士舘大は、まさに自分たちのスタイルを出しての快勝。波はあるものの、乗った時の爆発力は如何なく発揮した。勝率をタイに持ち込み、しかも白鴎大に初黒星をつけた大きな勝利だ。ここから調子を上げていけるか。
国士舘大:2勝2敗
白鴎大:3勝1敗
写真:国士舘大のエース#11平田も23得点で安定の活躍ぶり。
【我慢の試合を法政大が逃切り勝利】

だが続く2Q、主導権を握ったのは駒澤大だった。むやみに飛ばないディフェンスでファウルを抑えながらよく守り、法政大の得点を4分半のあいだ無得点に抑えることに成功。その間オフェンスでは#8鈴木(4年・G)が引っ張り、#6伊藤(4年・CF)もリバウンドに奮闘して結局このQは10-22。駒澤大がリードを奪い返し29-34で前半を終えた。
3Qも序盤は駒澤大ペースで試合が進む。#55近藤 大がルーズボール争いで不運な4つ目のファウルを吹かれる危機も、#5槇坂(4年・SG)の好守や#8鈴木の2本連続の3Pでなんとか凌いだ。しかし3Q残り3分を切り、これまで我慢の展開を強いられていた法政大が猛攻を見せる。前からディフェンスして相手にボールを運ばせず、#0高田(3年・G)も鋭いドライブでチームを引っ張った。駒澤大はパスミスがアンスポーツマンライクファウルにつながるなど失速。3Qラスト3分間で怒涛の17得点を積み上げた法政大が、再度リードを奪い返した。
勝負の4Q、駒澤大はスタメンに戻したことでリズムが良くなり同点に追い付くが、すかさず法政大も勝負強い#0高田が2連続得点で返し逆転させない。そのまま時間を使いながら攻め、残り11.5秒に#14大塚(3年・G)のフリースローで4点リードとなり優位に立った。残り5.7秒に#8鈴木の3Pで1点差に詰め寄られたものの何とか逃げ切り、最終スコア77-73で逃げ切った。
法政大は慶應大戦、国士舘大戦に続き、競り合いを制しての3連勝。相手に流れを奪われる時間帯も多いが、「接戦になっても勝てているのは精神的に強くなった証拠」と#0高田も手応えを感じている様子。これまでの法政大とは一味違うカラーを見せ、早くも昨季リーグ戦の2勝という記録を塗り替えた。全勝の中央大に続き、2位に位置付けて虎視眈々と頂点を狙う。
対する駒澤大は、不安要素だったファウルトラブルが最後まで響いた。「負ける試合はいつも自分たちのミスで自滅している」と主将の#43近藤圭太。スタメン5人がほぼ40分間フル出場で戦う布陣だけに、些細なファウルが命取りになる。#31新井(4年・PG)らベンチメンバーが経験を積めたことは大きいが、接戦を落としての悔しい2敗目となった。
法政大:3勝1敗
駒澤大:2勝2敗
写真:駒澤大・#8鈴木は3P6本を含む24得点の活躍だったが、勝利には結びつかず。
※法政大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「楽しくやろうと開き直ったことが良い結果に」
原点回帰で得た嬉しい初白星
◆#41前田健滋朗(東洋大・主将・4年・F)

味方の良いプレーにはベンチもコートの5人も笑顔を見せ、試合を通して非常に明るい雰囲気を貫き通した東洋大。このような「楽しく」という雰囲気の転換が、白星という結果に結びついたことは大きい。ここからの上昇に期待したい。
―初勝利となりましたが、今のお気持ちはいかがですか?
「今シーズンに入って2部で戦うということで、とりあえず“まず1勝”ということは自分の中でずっと考えてきました。勝てて本当に良かったです」
―終始勢いが途切れない印象でしたが、その要因は?
「昨日の試合が終わった後にみんなでミーティングして、『自分たちは一番下から来て失うものも何も無いんだから、もっと楽しくやろう』ということを話し合ったんです。今までの3試合は、勝たなきゃいけないってことで変に気負ってしまって…。でも今日は見ての通り雰囲気も良かったし、みんな試合中も結構笑顔になることが多かったと思います。応援団もベンチも盛り上げてくれたし、楽しくやろうと開き直ったことが良い結果につながったんだと思いますね」
―雰囲気良く自分たちのバスケットができましたね。
「今までの3試合は、相手を結構スカウティングして対策を立てて試合に臨んだんですけど、今日の試合はもう一回自分たちのバスケットをやろう、という形で臨みました。だから相手どうこうというのはあまり考えずに、新チームになってからずっと練習でやってきたことをやろうと。前からプレッシャーを掛けたりとか、特にディフェンスの部分はそれを上手く出せたと思います」
―前田選手自身も、思い切りのいいプレーが光りましたね。相手のチャージングを奪ったり3Pを決めたり、攻守共に活躍していましたが。
「チャージングはたまたまですけど(笑)。あまり変に考えてやらない方がいいかなと思ったので、空いたら打とうと思っていました。誰かが打って外しても、みんなでリバウンドに行ってみんなでディフェンスすればいいからって感じだったので、いちいち一本一本外したことを気にしたり、シュートを打つことに対して考えすぎることがなくて。思い切ってやって、失敗しても次やればいいって雰囲気が良かったんだと思います」
―控えの選手も良い働きをしましたし、選手一人ひとりに活躍の場がありましたね。
「そうですね。うちは誰ってチームでは無いですから。それに今日は試合に出てる出てない関係無しに、マネージャーを含め本当に部員全員で戦えたかなと思います」
―後輩たちの成長は感じますか?
「それはありますね。結構下級生たちも上級生に声を掛けてくるようになりました。1年生でも自分に声掛けてきますからね。まぁまだまだ声は足りないですけど」
―この1勝が、弾みになるといいですね。
「そうですね。でもまだまだ駄目な部分もたくさんあって、今日もちょっと点差を開いた時に、ミスをしてしまうことが多かったですね。思い切りやる中でももう少し頭を使うことが必要なのかなと思います。来週の練習で修正していきたいです」
―ではリーグ戦はまだまだこれからですが、意気込みを。
「毎試合毎試合、課題を見つけて克服していって、リーグ戦の最後に最高のチームを作ろう、ということをみんなで話して。自分も最後ですし、頑張りたいですね。まわりの人たちから応援してもらえるような、最高のチームを作っていきたいです」
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「自信がついて堂々と戦えるようになった」
苦しい過去を乗り越え、好調の今シーズン
◆#0高田歳也(法政大・3年・G)

その中でも、今やチームを引っ張る司令塔として欠かせない存在となった高田は、3年目になり成熟した印象を受ける。大事なところで確実に決める勝負強さで、これまで何度もチームを救ってきた。過去2年間、苦しいリーグ戦を経験をしてきたからこそ、それを糧に勝利への飽くなき執念を見せて欲しい。
―接戦を制して、嬉しい3勝目ですね。
「去年のリーグは2回くらい延長戦になっても勝てませんでしたが、今年は競り合いになっても最後に勝てているので嬉しいです。今年に入って結構接戦になる試合が多いんですけど、こうして勝てているのも精神的に強くなった証拠かなと思います」
―精神的に強くなったというのは、去年の苦しい経験があったからでしょうか?
「それももちろんあると思いますし、春のトーナメントで少し自信がついたことも大きいかなと思います。相手を舐めている訳ではないですけど、堂々と戦えるようになりました。去年は負け続けて、負ける数が多くなればなるほど気持ちも下がってしまって駄目だったんですけど、今年は気持ちも上向きになって良い状態で戦えていると思います」
―ただ、今日も試合の中で少し波がありましたね。
「そうですね。1Qは良い流れだったんですけど、2Qで流れが悪くなった時に立て直すのに時間がかかってしまいました。そういう悪い流れの時こそ、ガードの自分が今チームがどういう状況なのかや試合の展開をちゃんと把握して、どうすればいいのか仲間に的確に指示を出さなきゃいけないんですが…。監督の今井さんにも、コートの中では自分が指示を的確に出さなきゃいけない、そのために試合に長く出しているんだと言われています。自分がもっと責任感を持ってみんなを引っ張らなきゃいけないですね」
―ガードとしての自分の出来にはまだ満足していないということでしょうか。
「まだまだですね。熱くなってしまう時がありますし。ガードが熱くなってしまうのは良くない、もっと仲間を信じてパスをしろと監督からもよく言われるんです。もっと冷静に周りをよく見て、自分だけじゃなくしっかり仲間を活かせるようになりたいです」
―仲間を活かすアシストパスも見られますが、やはりここ一番の場面では高田選手の勝負強さが光りますね。
「まぁでも、行くと決めたら本気で決めてやろうという気持ちでやっています。やっぱり最後に決めたら気持ちいいですし(笑)」
―3年生になってますますプレーに磨きがかかりましたね。下級生の時はガードにコンバートしてかなり試行錯誤している様子でしたが。
「1・2年生の時はガードをやるのがほぼ初めてだったので、どういう風に攻めればいいのか全然分からずにかなり悩みました。でも3年生になって上級生になったことで、指示を言えるようになったし、まわりも段々見えてきたので、ちょっとは良くなってきたかなと思います」
―今の4年生は、下級生でも遠慮なく言いたいことを言い合える環境づくりをしているようですが。
「そうですね。学年関係なく下級生から上級生にも色々言うし、良い雰囲気でやっていると思います」
―1年生たちも活躍が光りますし、層が厚くなりましたね。
「いや、でもまだ1年生は遠慮してる部分があるんですよ。もっとできるやつらだと思います。練習中もっとやっているので。さらにガンガン行って欲しいですね」
―オフェンスのリズムもいいですね。その要因はどこにあると思いますか?
「結構合宿でも走り込んできたので、それが上手く試合に出てるのかなと。3メンとかでも、1本1本本気でやろうというのを意識してやってきたことが良かったんだと思います」
―これで3勝1敗と好調な立ち上がりですが、今後への意気込みを。
「3勝して、とりあえず去年の成績を越えることができました。でもやっぱり目標は優勝してインカレへの出場権を手に入れて入替戦で1部に行くことなので、接戦になっても勝って、2部1位で1部に復帰したいです」
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