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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.06.14 (Thu)

【2012新人戦】6/14レポート

明治大は追い上げるも青山学院大には及ばず
注目の一戦を制し、青山学院大がベスト4へ


 準々決勝で最も注目されたのは第一シード青山学院大と明治大の対戦。連覇を続ける青山学院大だが今年は人数が少なく、層の厚みには欠ける。対する明治大はサイズもあり、昨年から試合に出続けているメンバーがそのまま新人戦のメンバーということもあって、上位進出も狙える格好であり、衆目が集まった。

 その他の対戦は上位校がやや追い上げられる場面もあったが拓殖大、東海大、筑波大の1部校が順当にベスト4へと進出した。


【日体大は追い上げるも届かず東海大が勝利】
120614NT.jpg 第一試合、1Qで20-9と東海大に対し遅れをとった日本体育大。東海大のインサイド陣の強さ、ディフェンスの厳しさに苦しいシュートを強いられた。2Qは日体大もやや持ち直すが、東海大の勢いは衰えず前半41-26と東海大が15点のリードとなった。

 後半3Q、日体大は#88万(1年・C・中部第一)のポストプレー、#39松田の3Pなどで追い上げ9点差に迫るが、攻撃起点のひとつ、#15濱田(2年・F)がファウル4となりベンチへ。それでも#18井星(2年・SF)、#39松田の3Pが連続し、5点差にまで詰め寄った。しかし東海大のタイムアウトを挟んでその後が続かず、再び東海大に差を広げられてしまう。13点差で入った4Q、日体大はうまく攻撃を繋げられず点差が開いていく。東海大は#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)のスティールや#8藤永(2年・PG)、#22飯島(2年・PG)の3Pも出てチームを盛り上げ、最後は#21橋本(1年・C・宇都宮工)のバスケットカウントも出て77-57の20点差で東海大が勝利した。

写真:周、万といった中国人インサイド陣がそびえる日体大。さすがの橋本もこれまでのように簡単には攻められない部分もあった。


【筑波大が終始優位を保ってベスト4へ】

120614BANDO.jpg 第二試合、筑波大国士舘大は1Qこそ互いに得点が決まって17-15と僅差となったが、2Qに筑波大が#14坂東(2年・SG)で集中的に得点していったのとは反対に、国士舘大はアウトサイドが決まらない。#5伊集(2年・G)の得点はあるが筑波大にじわじわ引き離され、開始4分で10点の差がついた。3Pが決まらない国士舘大は#5伊集の連続3Pなどでなんとか6点差で後半に入る。筑波大は#92村越(1年・PF・福大大濠)のりバウンド、カバーで貢献するが国士舘大は外頼みでインサイドで勝負ができない。筑波大は#14坂東も好調で次々に得点していくと3Qで62-44と再び大きくリードを奪い返し、4Qも逃げ切って78-61で試合終了。昨年3位の筑波大がベスト4へと進んだ。

 国士舘大は#23中島(2年・G)の3Pがもう少し決まればまだいい勝負ができただろうが、この日は0/12に終わった。シュートは日によって水ものだが、インサイド勝負で苦しいチームだけに、外の出来が勝負を分ける。筑波大は#14坂東のシュートが際立った。この確率の差が明暗を分けたと言えるだろう。

写真:19得点の筑波大・坂東。チーム全員で得点は分散しているが、ここぞというシュートを決めた点でやはり存在感は大きい。


【東洋大ディフェンスに苦戦するも拓殖大が勝利】
120614OOGAKI.jpg 白鴎大を逆転で下した東洋大拓殖大と対戦。1Qは互いにシュートが好調、拓殖大は#14大垣(2年・F)、東洋大は#7筑波(2年・F)を中心に得点していく。ただし東洋大よりさらにサイズのない拓殖大はここまでの試合より得点するのが容易ではなく、攻めあぐねるシーンも見えた。1Qは24-22と拓殖大2点リード。2Qになると東洋大はゾーンで対抗。拓殖大も序盤で攻めあぐねて得点が止まるが、#29岩田(1年・F・延岡学園)の3Pや#14大垣の速攻、3Pなどで終盤に一気に抜け出し、50-38で前半を終えた。

 後半3Qは拓殖大がリードしたまま進むが東洋大も付かず離れずで推移。このQでは15-16とロースコアとなり、東洋大が1点上回った。4Q、拓殖大はオールコートで当っていくが東洋大も#7筑波を中心に得点を重ね、じわじわと追い上げていく。しかし東洋大は6点差まで追い上げるが追いつくには至らず。79-72で試合終了。拓殖大が勝利した。

写真:先頭を切って得点する拓殖大・大垣。この先強い相手に対してどこまでオフェンスで見せられるかが勝負を分けそうだ。


【明治大の反撃に耐えた青学大がベスト4進出】
120614TAKAHASHI.jpg この日の最終試合は、昨年度の覇者青山学院大と、全体チームでの主力がメンバーとなっている明治大の注目のカード。青学大が序盤からリードを奪うと、3Qの明治大の怒涛の反撃をかわし78-61で勝利した。

 青学大は序盤から#7野本(2年・CF)が積極的にドライブを仕掛けてフリースローを獲得。明治大は1Qでファウルトラブルに見舞われ、思うようなプレーができない。#12中東(2年・SG)は開始5分でファウル3となり、ベンチへ下がらざるを得なくなってしまう。青学大はスピーディーな展開から#5高橋(2年・PG)らが得点して更に点差を広げ、24-14で1Qを終えた。明治大のファウルは1Qで9つ。#16安藤(2年・G)も2ファウルと苦しい立ち上がりだった。

 続く2Q、開始早々#21岩淵(2年・PG)の3P、#51皆川(2年・PF)のブロックショットで明治大が流れを掴み、#16安藤(2年・G)のジャンプシュートも決まって点差を縮める。しかしキャッチミスやダブルドリブルなどもったいないミスも出て追い上げムードを継続できない。青学大は相手のミスを確実に得点に結び付け、#0船生(1年・SF・前橋育英)や#7野本もよくリバウンドに絡んで苦しい時間帯を凌いだ。終盤に3連続得点に成功し、青学大が再びリードを2桁に乗せて試合を折り返す。

 しかし「3Qは気持ちが前に前に向かっていた」(#16安藤)明治大が、ここから一気呵成に攻めたてる。#16安藤のアシストから#51皆川がゴール下シュートで先手を打つと、前半は沈黙した#14中東の豪快なダンクまで飛び出した。#92水口(2年・SF)の得意の0度からの3Pも追い風となり、残り4分半には47-46と1点差に。慌てる青学大は足が止まって攻撃が散漫となり、キャッチミスや速攻のイージーショットを落とすなど重苦しい空気に。#7野本の勝負強い2連続3Pで何とか再び差を広げるも、明治大は勢いを切らさずに追い上げ、#12中東のバスケットカウントで締めて57-55で3Qを終えた。

120614MINAGAWA.jpg だが、3Qの我慢の時間帯を逆転させずに乗り切った試合巧者の青学大は、4Qで再び立て直す。#0船生が開始すぐに負傷退場となるも、堅い守りから相手のターンオーバーを誘い、速攻に走って自分たちのペースに持ち込んだ。対する明治大は3Qの勢いを失い、淡白な攻めが続いてしまった。結局明治大はこのQで6点しか奪えず。終盤は時間を使いながら#18笠井(1年・PG・尽誠学園)が落ち着いて1on1をものにし、青学大が78-61で明治大を下した。
 
 1Qで主力にファウルが続き、出遅れた明治大。3Qでの追い上げは光ったものの、噛み合わずに苦しい時間帯も長かった。塚本HCも大事な時間帯で得点が止まったことについて「アグレッシブに攻撃できなかった」と振り返る。だが「これも彼らにとっては勉強。2年後を見据えて貴重なゲームになったし、60点から70点はあげてもいい」と評価。土日の順位決定戦では切り替えて戦いたい。

 対する青学大は「選手が少ないのが厳しい。しかしみんなが頑張った」長谷川監督。注意していたのはリバウンドとターンオーバー。特にターンオーバーからのブレイクをさせないことを意識し、自分たちのオフェンスでは1対1の仕掛けどころをうまくすることで、相手のファウルを誘えたことを勝利のポイントに上げた。後半の出来に関してはまだ反省材料も多いが、勝負の出だしで主導権を握ったことは大きかった。「今の2年生が4年になった時、サイズが小さくなる分、今よりもっとずる賢いスタイルで戦っていく。それをこの新人戦チームで今から求めている」と、こちらも2年後を見据えている。次は東海大との対戦。充実した戦力に対し、少数精鋭の青学がどう戦うかが見どころだ。

写真上:積極的なプレーを見せた青学大・高橋。
写真下:最後に豪快なダンクを見せた明治大・皆川。

※青山学院大・野本選手、明治大・安藤選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】

「コミュニケーションをしっかりできるチーム」
少ないメンバーだけに団結力を武器に

◆#7野本建吾(青山学院大・2年・CF)
120614NOMOTO.jpg21点10リバウンド、スティール3とまさにエースの活躍を見せた。
長谷川監督に言われたとおり明治大の皆川に対し、簡単にプレーさせないで優位を保った。今期は全体チームでもスタメンとして出場しており、1年で見違えるほどに成長してきてもいる。
コートでも表情豊かで見ていて楽しい選手だ。野本を中心にチームがどう戦っていくのか、残り2試合も見逃せない。


ーしんどい試合になりましたね。
「ここが山場だと思っていたので本当に負けるかと思った時もあったんですけど、勝って良かったです」

ーここまでの相手が大きく点差がつく試合だったんですが、明治大相手に油断はなかったですか?
「元から明治は力は同じくらいだと思っていたので、集中しないと負けると思っていたし、油断はなかったです」

ー今日注意していたところは?
「リバウンドと皆川(#51)に簡単に持たせないことです。四角の枠の中で持たれたら自分の方が分が悪いので、一歩二歩くらい前で持たせろと長谷川さんからは指示されていました。そこは意識していましたね。前半はうまくいきました」

ー確かに皆川選手にボールを入れる部分でのスティールというのが何度かありましたね。狙っていたんですか?
「そうですね。ボールを持たれたら本当に分が悪いので。そこはボールを入れさせないという気持ちで守っていました」

ー新人戦のメンバーは野本選手以外はまだあまり出番のないメンバーですね。
「自分が一番身長が高くて、でも2番3番の満山(#17)や高橋(#5)にボールを出せば確率良く決めてくれます。そこはいつものメンバーよりも違った部分で安心というか(笑)、外のシュートがいいので任せられますね。笠井(#18)もちゃんとコントロールしてくれてブレイク出す時はちゃんと出してくれるし、ハーフコートでやる時は組み立ててちゃんと指示してくれるのでやりやすいですね」

ー今年の青学はメンバーも少なくて、ちょっと不安視されている部分もあると思いますが、どんな意気込みでやってきましたか?
「逆に他のチームよりもメンバーは少ない分、コミュニケーションは取りやすい部分があるのでそこは強みとして戦っています」

ートーナメントの後は代表活動などもありましたよね。
「自分は韓国の李相伯杯に行っていました。その後に新人戦の練習をしてきた感じです。韓国の人たちは身体能力が明らかに違うので技術どうこうというより、体とかジャンプ力とかがすごかったですね。技術もすごいですけど、全体的に見習うことがたくさんあって韓国に行けてよかったです」

ー韓国で刺激を受けたのは良かったですね。野本選手も今年は目に見えて成長している部分があると思いますが、今日の自分のプレーについては?
「今日ドライブをして、何回かちゃんと止まればよかったのに止まらないで皆川にブロックされたりしたので、落ち着いてプレーすることがまず大事ですね。ちょっと簡単に打ちすぎて長谷川さんにも怒られてしまいました(苦笑)」

ー今日は大事なところでの3Pも大きかったですね。
「自分が外でシュートを打ったら他が小さいのでリバウンドに行けないじゃないですか。だからあまりチャンスがなければ打たないんですが、今日はノーマークが何回かあったので確率よく決められて良かったです」

ー次の東海大戦が最大の山場だと思いますが。
「はい、頑張ります」


「コミュニケーションをもっと取らなきゃいけない」
チーム一丸となり、もう一回りの成長へ

◆#16安藤誓也(明治大・2年・G)
120614ANDO.jpg昨年から主力として出番を得てきた明治大の2年生。勝負強い安藤を筆頭に、皆川、中東ら能力ある選手が揃うだけに、青学大との大一番を制せなったのは悔しい。実力あるメンバーで昨年から経験を積んできたとはいえ、まだまだ噛み合わない部分があることを安藤も気付いている。この日は安藤自身前半で3ファウルと波に乗れない出足だったが、3Qで垣間見せた爆発力のように、噛み合った時に凄まじい力を秘めていることは確かだ。まだ下級生だけに、もう一皮むけた更なる成長を楽しみにしたい。


―試合を振り返って。
「出だしが悪かったなと思います。ターンオーバから入ってしまったし、あとはもっとディフェンスのプレッシャーに負けないで前を見なくちゃいけなかった。全体的に攻め気が足りなかったと思います」

―3Qは怒涛の追い上げを見せました。
「やっぱり3Qは気持ちが前に前に向かっていました。切り替えられて、自分たちの流れが来たというか。気持ちが引いてたら駄目なんだなと思いました」

―中東選手が攻められずに苦しんだ部分があったかと思いますが。
「そうですね。泰斗(#12中東)が攻めれなくなった時に、他の誰かが攻めなくちゃいけないのに、見すぎてしまって…。佐藤(#25)とかも最近活躍できるようになったし、そこはまわりが頑張らないといけないと思います」

―ガードとして、こういう攻め方をしたいというイメージはありますか?
「落ち着いてしっかり、あまりガチャガチャしないで、簡素化してもっとシンプルに攻めたいなと思います。パッシングするときはして、止めるときは止めてって。でもまだ慌ててガチャガチャしてしまう時間帯もありますね」

―そういう時間帯で安藤選手の1on1に頼りきってしまう場面もあるかなと思いますが。
「そこなんですよね。自分がもっとゲームメイクしなくちゃいけないんですけど…。そこはしっかりみんなで話し合って、土日は切り替えて戦って絶対勝たないといけないと思います」

―明治大は下級生主体でこの新人戦チームも全体チームとほぼ変わらない布陣ですよね。経験も多く積んでいると思いますが。
「ずっと一緒にやってきてもちろん慣れてきた部分はありますけど、まだまだですね。これからもずっとやっていかなきゃいけないので、もっとチームで固まっていきたいです。若いチームなのでもっと激しくプレーすることと、コミュニケーションももっと取らなきゃいけないと思います」

―コミュニケーションを取るという部分では、安藤選手の働きかけが重要になりそうですね。
「そうですね、やっぱりガードなので意識はします。それに今ちょっと、声の出し方が難しいなと思っていて。ガツガツ怒るだけでもだめだし、だからと言って変にまとまりすぎたり背中で見せたりするだけでも良くない。そこはもっと夏の間に、練習から自分が成長しなきゃいけないなと思います。コミュニケーションは技術の問題じゃないので」

―キャプテンとして何か心がけていることはありますか?
「うまくチームを盛り上げて、良い空気を作りたいと思ってます。みんなもう高校生じゃないんだし、自分のやるべきことが何なのか一人ひとり分かっていると思うので、そこで自分がこうやろうってことを声かけて、チームをまとめていきたいです」


【PHOTO】
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アウトサイドで貢献する青学大・満山。


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ドライブに行く青学大・野本をブロックにいく明治大・皆川。2m級同士の対決は迫力があった。


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青学大・船生(前橋育英)は機動力あるプレーを見せた。


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船生退場の後、終盤のリバウンドやルーズボールで貢献した青学大・田中。


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明治大・佐藤は青学大のディフェンスをかいくぐってシュートする場面も。


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中東は抜群の身体能力からダンクも見せたが、前半のファウルトラブルが痛かった。


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筑波大・小松(福岡第一)はこの日シュートが好調。


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筑波大の見どころの一つは笹山の支配力。


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国士舘大・大河原。新田とともにインサイドでどこまで勝負できるかも重要になる。


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国士舘大・伊集が得点をリードした。


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拓殖大・岩田は180のサイズでリバウンドにも絡んでいった。


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拓殖大の司令塔・古賀。


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東洋大キャプテンの村上。筑波とともに1年の時から出番を得ている。


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東洋大のエース・筑波。


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日体大の万(中部第一)は体の強さもあり、今後が楽しみ。


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3Pシュートで反撃のきっかけを作った日体大・松田。


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終盤には3Pも決めてチームを盛り上げた東海大・藤永。


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ゴール下を固める東海大・バランスキーの活躍もキーになる。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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