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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.05.13 (Sun)

【2012トーナメント】5/13青山学院大学vs東海大(決勝)

勝負どころの確実性で上回り青学大がまずは一冠目
東海大は最大10点のリードを守れず悔しい逆転負け


120513aogaku_20120518165123.jpg 新年度最初の公式戦タイトルをかけた春のトーナメント。決勝戦は、青山学院大東海大の黄金カードとなった。昨年のインカレ決勝戦以来の対戦となる両者だが、ともにキーマンが卒業し、戦いのスタイルや布陣はがらりと変容した。

 アウトサイドの要であった辻(現・JBL東芝)が抜けた青山学院大は特にそれが顕著となっている。199cmの#7野本(2年・F)がスタートに名を連ねて大きくサイズアップ。高さは絶対的だが、アウトサイドの手数が減りバランスは良くない。また、本来のスタメンガードである#32畠山(3年・PG)が離脱中で、コントロールは#3小林(3年・PG)ひとりが担う。ベンチメンバーも試合に絡むにはまだ安定度が足らず、高さを強調し押し切って決勝まで駒を進めてきた。

 逆に東海大は例年よりもインサイドが小さくなり、下級生の比率が高まった。エースである#24田中(3年・SF)やキャプテンの#33狩野(4年・SG)のプレーは安定しているが、その他の選手は1、2年ということもあり、陸川監督がそれを見極めつつ采配を行いながらトーナメント初優勝まであと一勝までこぎつけた。

 ともにチームが完成していない中迎えた決勝戦は、それでも、今の大学界を代表する両チームの対戦とあって、代々木には多くの観客が詰めかけ、試合の流れも互いに二転三転し、最終盤までどちらに転ぶか分からない接戦となった。勝負を制したのは青学大。ポイントとなったのは、今年のチームの課題であるオフェンスでのバランスだった。

写真:優勝し、抱きあう青山学院大・野本と張本。

※詳しいゲームレポートと試合の写真は「続きを読む」へ。インタビューは別途掲載します。

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【GAME REPORT】
120513hiejihasimoto.jpg まず流れを掴んだのは大会三連覇を目指す青学大。#3小林と#7野本の得点で早々にリードを広げる。東海大は青学大#25永吉(3年・C)のゴールテンディングで得点が入るものの、自分たちのシュートはなかなか決まらずに重い立ち上がりに。開始3分で#7晴山(2年・PF)のミドルシュートがようやく決まるが、晴山は早々に2ファウルで#21橋本(1年・C・宇都宮工)と交代。青学大は相手がまごつく間にも得点を重ね、課題の3Pも#56比江島(4年・SF)が決めて7分足らずで15―6とし、東海大はタイムアウトを請求せざるを得ない。明けると東海大はゾーンディフェンスを開始。#21橋本のゴール下、#33狩野(4年・SG)の3Pで追い上げを試みるが、青学大は#25永吉の連続得点でリードを保ち、立ち上がり10分は21―11と一方的な展開となった。

 しかし、2Qに入るとリズムが東海大に傾く。#24田中がレイアップとフェイダウェイを決めてオフェンスを引っ張り、ディフェンスでゾーンの効果が出始めて青学大のシュートがこぼれる場面が目立ち始める。東海大は#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)がバスケットカウントで流れを呼び込むと、#21橋本がリバウンドを上手くタップして1点差に迫り、5分半に#7晴山が決めて逆転に成功。青学大のタイムアウトとなる。東海大の勢いはそれでも止まらず、#21橋本がゴール下で上手く得点し、雰囲気を盛り上げる。青学大もペイントエリアで#7野本や#56比江島が得点していくが、#21橋本は得たフリースローを二本とも揃えると、この時間1番ポジションをこなす#0ベンドラメの連続得点で流れを渡さない。青学大も#25永吉の得点でついていくが、東海大は最後のオフェンスで#24田中がブザービーターを決め、32―36となって2Qを終える。

 後半に入っても、依然として東海大がペースを握る。3Q開始早々に#33狩野の3Pが決まると、#10バランスキー(2年・PF)の速攻に続いて、#22飯島(2年・PG)も得点してリードを10点に広げる。青学大は#7野本を一旦ベンチに下げ、#8張本の3P、#25永吉のバスケットカウントでつなぐ。しかしディフェンスで#21橋本をフリーにしてしまいミドルシュートを許すと、勢いづく橋本は3Pも決め、東海大は二桁リードに戻す。しかし、タイムアウトを挟んだ青学大がここから修正した。ディフェンスを3-2ゾーンに切り替えると、#8張本が気迫のドライブ。#21橋本にはまたも得点されるが、この局面で#56比江島が遂に覚醒する。レイバックとターンシュートで点差を詰め、東海大はたまらずにタイムアウトを請求する。しかし青学大は掴んだ流れを渡さず、#7野本と#56比江島の連続3Pで再逆転に成功。東海大は#24田中が再びのブザービーターを狙うが、ボールはリングに大きく弾かれ、51―50の青学大1点リードで最終4Qを迎えることとなった。

120513tanaka.jpg 青学大の勢いは4Qも更に続く。#3小林から#8張本へのアリウープが決まると、#7野本が連続得点。2回目のタイムアウトを使う東海大だが、#56比江島に豪快なペネトレイトから得点を許してしまう。#22飯島の3Pで一桁点差を維持するが、#8張本のリバウンドシュート、4分過ぎには#56比江島のこの3本目の3Pが飛び出し、64―54と10点差に。青学大はさらに#7野本がバスケットカウントを獲得。このまま青学大ペースで試合が終わるかと思われた。しかし、ここから東海大も粘る。#22飯島が再び3Pを決めて点差を一桁に戻すと、#24田中がリバウンドをタップして得点し、#33狩野も3Pを決めて差を詰める。青学大は#8張本のレイアップで返すが、残り2分を切って#22飯島がこのQ3本目の3Pを決めて70―65と5点差に。東海大は畳み掛けたいところだが、ここからは両者ターンオーバーが続いて1分間得点が動かない。状況を打開したい青学大は残り51.3秒でタイムアウトを請求し、逃げ切りを図る。するとタイムアウト明け、サイドスローインでボールを受けた#0ベンドラメから#3小林が値千金のスティールを奪ってレイアップを決める。急ぐ東海大は最後のタイムアウト後に#33狩野の3Pからファウルゲームを仕掛ける。しかし、青学大は何度も二投目のフリースローを落しながらもその度に#8張本、#25永吉がこれを拾って東海大にボールを運ばせない。東海大はようやくフロントまでボールを回すもパスミスでターンオーバーを犯してしまい、最後はシュートが打てなかった。結局79―70で青学大が逃げ切り、トーナメント三連覇を果たした。

 序盤は青学大がリードするも、2Qに東海大が逆転。だが3Qに青学大はラッシュして再逆転すると、そのまま粘る相手を振り切って勝利した。青学大再逆転のキーマンはやはりエースの#56比江島だった。この試合までほとんど3Pが決まっていなかった青学大は、長谷川監督もアウトサイドは「しょうがない、入らないから」と諦めていたが、3Qの3Pは大きかった。比江島本人は「たまたま」と言うが、「比江島君の中へのアタックはゾーンで止めようとしたが、外でやられたのが痛かった」陸川監督も痛恨の一撃であったことを悔しがる。

120513aogaku2.jpg チーム全体を俯瞰した勝因でも、この日の青学大は勝負どころのアウトサイドが良く決まり、そこから一気にオフェンスのリズムが良くなった。ただ、大会全体を通してみた場合は、外のシュートが減ったせいでオフェンスのパターンは限定されていたし、チームも現状はそこで戦うしかないことを認識していた。「(今の課題は)パッシング。あとはシューティング。それと、二対二、三対三のコンビネーションプレーをもっとやらないと」長谷川監督「今からシューターは出てこない。しかし秋までにはシュートを入れるようにはする」と強化ポイントも既に視野に入れている。ベンチメンバーの強化も含め、秋に向けてどこまで完成度を高められるかが見どころだろう。

 若い選手の多い東海大は、まずこの決勝の舞台で経験を積めたことが大きな収穫だろう。陸川監督も、試合後のインタビューでは開口一番に「この大会を通して、若いメンバーが非常に伸びた。試合で粘って得たものもあった。今できるメンバーでベストは尽くしてくれた」。メインガードの飯島や大型ルーキーの橋本も、大観衆に物怖じせずに思い切りの良いシュートを決めていった。準決勝の拓殖大戦で激しいディフェンスから幾度となくスティールを奪い、速攻につなげていったベンドラメも同様である。ベンドラメ自身は、そのプレーを決勝では逆に青学大・小林にやられてしまった形だが、ここで得た悔しさは大きな伸び代になるはず。悔しさをチーム全体で共有し、秋のタイトル奪還の糧にして欲しい。


【PHOTO】

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比江島は終始激しいマークを受けていた。飄々としているが、今のチーム状態では自分らしいプレーが出しにくいのは本人も感じている。その中でもチームを乗せるプレーを3Qで出せるのがすごいところ。


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1年ごとにレベルアップしているのがはっきり見える張本。ランプレーでもゴール下でも先頭きってプレー。この試合では東海大のエース・田中を徹底マークした。


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5試合をほぼひとりで乗り切った小林。昨年はリーグ戦1戦目にケガをしてからシーズン後半あまり出番がなかった。長谷川監督はこの活躍で秋から新しいことを試せる、と手応えを得た模様。


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シュートを決めてガッツポーズの野本。1年でぐっと伸びてきた。賢明なプレーぶりが目立ち、今後も期待大だ。


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好プレーの野本をベンチも笑顔で出むかえる。


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この試合、東海大のエース田中は張本とマッチアップ。7センチのミスマッチがあり、さすがに簡単には攻めさせてはもらえなかった。


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ブザービーターを決めてバランスキーと拳を合わせる田中。


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和田が欠場し、スタメンガードを務めた飯島。今大会で手応えを得た様子。


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飯島のシュートが決まった時は東海大ベンチも沸き返った。


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1番ポジションを務める時間帯もあったベンドラメ。能力の片鱗は随所に見える。あとは慣れていくだけだろう。


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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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