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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2012.05.12 (Sat)

【2012トーナメント】5/12 準決勝 東海大VS拓殖大

エースを筆頭にチームが奮闘した東海大
拓殖大はアグレッシブに攻め続けるも及ばず


120512tanaka.jpg 準決勝第一試合、機動力を誇る第2シード拓殖大と攻守バランスに長けた第3シード東海大の試合は、東海大が優位な部分を生かしてリードを続ける展開となるが、拓殖大が気迫で再三追い上げる白熱の展開となった。

 ミスマッチの差は大きかった。177cmの#40藤井(3年。SG)には191cmの#24田中(3年・SF)、184cmの#14大垣(2年・SF)には191cmの#晴山(2年・PF)といったようにサイズでは東海大の方が上。#94長谷川(4年・SG)には#33狩野(4年・SG)がマッチアップする。攻撃起点のひとつ、#40藤井は1Qには田中の前に全くシュートを打つ形にはならず、#14大垣、#94長谷川がアウトサイドを打っていく。東海大は内外バランスよく得点し、1Q終盤には#31高山(4年・SF)のミドルシュートも決まってチームが沸く。しかし拓殖大も#94長谷川がこの日1本目の3Pを沈めて差を詰めると17-14と東海大の3点リードで1Qを終了。

 東海大の守りに思うような攻撃ができない拓殖大は2Qに#51大宮(4年・PG)、#29岩田(1年・SG・延岡学園)を投入。互いにファウルが続く状況になるが、拓殖大は#40藤井が3P、東海大は#24田中がバスケットカウントで流れを作る。拓殖大はファウルやターンオーバーが続いて引き離されそうになるが、#40藤井が4連続得点で追いすがると、コートに戻った#94長谷川の3Pで流れを作り、#1鈴木(4年・G)、#14大垣の得点なども続いて10点差から逆転。東海大はルーズボールに飛び込んだ#33狩野が3ファウル目を吹かれ嫌なムードになるが、交代した#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)のシュートで41-40と逆転して前半を終了した。

120512hasegawa.jpg 3Q、#33狩野をベンチに置く東海大はここで#24田中が奮起。内外から得点し、3Pを2本含む14得点を稼ぎだし、コート内で声を出して鼓舞、チームを引っ張る活躍を見せる。拓殖大は相変わらず簡単にはオフェンスさせてもらえないが、#94長谷川が意地のミドルシュートを決め、#14大垣や#40藤井、#11佐々木の3Pもあって離されない。東海大は8点のリードをこうした3Pで同点に戻されるが、最後に#24田中の3Pで63-60と3点リードで3Qを終了する。

 4Qの立ち上がりはシーソーゲームとなった。東海大は#0ベンドラメ、#7晴山が連続ファウル。拓殖大#94長谷川の3Pが2本決まり逆転するが、#33狩野が3Pを決め返し譲らない。ここで勝負の流れを東海大に引き寄せたのが#0ベンドラメと#24田中。ベンドラメのドライブできっかけを作ると、田中の3Pが続き、ベンドラメが#94長谷川のシュートを狙い定めてブロック、拓殖大の勢いを断ち切った。拓殖大は苦しい中でシュートを打っていくが、追い上げはかなわず91-82で試合終了。東海大が2度目の決勝進出を決めた。

120512tt.jpg 田中が37点10リバウンド、ベンドラメは18分の出場で12点2スティールと、エースが貫禄を見せ、ルーキーがセンセーショナルな活躍でチームの勝利に貢献した。特にここまで周囲から「もっと自分を出していい」と言われてきた田中の今大会の働きは光っている。コート上でチームを鼓舞する姿も上級生として頼もしい。また、ベンドラメ、#21橋本(1年・C・宇都宮工)といったルーキーは求められた仕事を確実にこなし、#22飯島(2年・PG)や#8藤永(2年・PG)、#7晴山(2年・PF)も次第に試合に馴染んできている。このまま東海大初となる春の栄冠に向かってチームの力を出しきるだけだろう。青学大の#56比江島は「田中と自分が五分なら勝てる」と分析。常に比べられる両者だが昨年のチーム対戦成績は青学大の2勝1敗。それぞれの活躍の度合いが勝負の一つの鍵になるだろう。

 拓殖大は奮闘及ばずとなった。しかし劣勢と思われる展開から追いつき、逆転を可能にした藤井の機動力と長谷川の意地は大いに会場を沸かせ、拓殖大が持つ破壊力を十分印象づけた。ここまで3Pが決まっていなかった長谷川もこの試合では6本。これまで以上に激しいプレッシャーを受けながらシュートを打ち続けた。インサイドの選手が卒業し、ガード陣にかかる負担はこれまで以上に大きい。池内監督「もう少し彼らの負担を減らして軽くオフェンスできるようにしなければ」と課題を口にする。しかし必死に食らいつき、アグレッシブに攻め続ける姿は拓殖大の大きな魅力だ。昨年同様決勝進出とはならなかったが、最後まで拓殖大らしいバスケットを展開して欲しい。

写真上:白鴎大戦に続き、素晴らしい活躍を見せた東海大・田中。
写真中:電鉄杯の絶好調とは裏腹に苦しいシュートが多かったが、それでも決めてきた拓殖大・長谷川。
写真下:両者激しいディフェンスで、ルーズボールで度々床に転がるシーンもあった。

※東海大・ベンドラメ選手、拓殖大・藤井選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

値千金のスティールを連発
東海大に新風を呼び込めるか

◆#0ベンドラメ礼生(東海大・1年・SG・延岡学園)
120512vendrame.jpg終盤の重要な局面でしつこいディフェンスで何本もスティールを奪い、拓殖大に引導を渡した。アウトサイドの確率こそ上がってきていないが、まだ1年生初の公式戦、まだまだここからだ。サイズが小さいながらもしつこくボールに絡むプレースタイルは、決勝でも今の青学大にとっては厄介な存在になるはずだ。高校三冠チームの中心選手という華々しいキャリアの持ち主だが、東海大にも待望のタイトルをもたらせるか。


―今日は大活躍でしたが、振り返ってみていかがですか。
「初戦から準決勝までどんどんレベルも上がってきていて、『自分がどこまで通用するのか』という思いもあったんですけれど、途中から試合に出る選手はオフェンスよりもディフェンスが大事なので、ディフェンスの入り方を頑張ろうと思ってプレーをしたら、ああいう結果に繋がったのかなと思います」

―狩野選手のファウルトラブルという形で出番が回ってきましたが、プレーする上でその点は意識しましたか。
「狩野さんがいなくなったところで点差を縮められてしまうのではなくて、狩野さんが戻ってくるまで自分が繋いでいければなぁと。コートに出たときは必死な気持ちでした」

―高校と大学とで、レベルの差はどういったところに感じますか。
「一番は、体の当たりが全然違って、多少の接触ではファウルにならないので、そういうところが厳しいですね。これからもっと体を鍛えていかないといけないなと思います」

―ドライブは効果的ですが、アウトサイドに課題があるように感じますが。
「そこは自分の気持ちが弱いというのもあると思うんで。思い切り打てば良いシュートが入ると思うんですけど、今日は少し迷いもあったので、だからああいう駄目なシュートになってしまったのかと思います」

―ディフェンスに関してはどうでしょうか。
「一番に、『まずディフェンス』という気持ちだったので、そこで結果を出せたのは良かったです」

―今日はロングリバウンドへの対応が良かった印象ですが、外のプレーヤーとしてもそういった面を意識されているのでしょうか。
「そういうところからも流れは来るので、下の仕事というか、地味なところから頑張って。そこからオフェンスも波が来るので、その辺りを意識しました」

―高校のときとは違い、今はベンチスタートでその点の難しさも感じていると思いますが。
「高校のときはスタートで、自分が点数を取らなきゃいけない部分があったんですけど、大学は頼れる先輩たちがいるので、自分はディフェンスだけを集中して。オフェンスはそんなに考えていなかったです」

―東海大の雰囲気は、ベンドラメ選手としてはどのように感じていますか。
「大学の中では良いと思いますね。応援席からもああやって先輩方が応援してくれるんで、やっている僕たちも元気づけられるというか」

―延岡学園と共通する面もありますよね。
「延学もベンチが盛り上がって、監督も盛り上げてくれる方なんで、そういう点も似ているんですけど、東海はそれ以上にベンチ外の応援もあるので。ああいう環境は良いなぁと思います」

―今後、どういうプレーヤーを目指していきたいと思っていらっしゃいますか。
「シックスマンは流れを切ってはいけないし、悪くしてはいけないと思うんで、一年生らしく声を出して、強気なプレーでチームを明るくできたらいいなぁと。そういうプレーヤーになりたいですね」

―今日もコート上で声が出ていましたね。
「シーガルスはそういう意識が普段からできているんで、そこは自然に出てきましたね」

―チームのメンバーが小さくなって、そこから流れが変わった印象ですが、サイズの小さいメンバーでの練習はしていたんでしょうか。
「していないです。でも全然違和感はなかったし、相手も小さいので自分たちが小さくなったことでむしろやり易かったです」

―明日への意気込みをお願いします。
「相手が大きいので、先輩たちがボックスアウトしてこぼれてきたボールをしっかり拾って、ルーズボールも負けないように頑張りたいです」


「意識や責任感が、去年と比べて変わってきた」
上級生になり益々の自覚を持ってチームを引っ張る

◆#40藤井祐眞(拓殖大学・3年・SG)
120512fujii.jpg東海大の堅いディフェンスを掻い潜り、チームハイの28得点を叩きだした藤井。コートを縦横無尽に駆け回り、流れを変えるスティールやシュートで見るものの目を奪った。
豊富な運動量と驚異のアウトサイドで長く東海大を苦しめた拓殖大。最後に足が止まって一歩及ばなかったのは惜しいが、終始レベルの高い戦いを展開し、小さい布陣でも自分たちのバスケットを徹底すれば強いことを身を持って証明してくれた。今後の戦いぶりにも期待したい。


―試合を振り返って。
「まず試合の入りで自分がファーストブレイクのシュートを落として、チームの士気を下げてしまいました。それで1Qはあまり上手くいかなくて。試合の中盤ようやくチームとして足が動き始めて流れを掴むことができたんですが、結局終盤も足が止まって、40分間走り切れなかったことが今回の負けにつながったのかなと思います。それに田中大貴(#24)を止められなかったことも大きかったです」

―藤井選手は1Q#24田中選手にディフェンスでつかれてあまり勝負できませんでしたが、徐々に調子を上げて大活躍でしたね。
「1Qは一対一で攻めにくかったので周りにパスをさばこうと思って、でもあまり噛み合わなくて上手くいきませんでしたね。でもチームの足が徐々に動き出して、みんなが動いたことでスペースも空いて、一対一や打てるチャンスも多くなりました。だからディフェンスがどうとか自分の調子がどうというよりは、チームとして動きが良くなっていったのが自分のプレーにつながったんだと思います」

―東海大・陸川監督も、藤井選手があれだけ激しくマークされる中で点を取っていったのは相当練習しているのだろうと高く評価していました。3年生になってよりチームを引っ張ろうという気持ちが生まれたのでは?
「そうですね。去年までは長谷川技さん(現JBL東芝)や上杉さん(現リンク栃木)、長南さん(現JBL2黒田電気)に、流れが悪い時は頼ってあの人たちがどうにかしてくれる感じでしたが、今年はそうはいかないので。自分も上級生になったし、流れが悪くなった時は自分から率先して声を出してチームを盛り上げなきゃいけないなと思っています。そういう意識や責任感の部分は、去年と比べたら変わってきたんじゃないですかね」

―藤井選手の活躍で流れを引き寄せ追い上げて食らい付きましたが、終盤に失速してしまいましたね。
「相手もでかくて、結局我慢する時間帯が長くなってしまって力尽きた感じでした。終盤相手に決められたあとにこっちのオフェンスが単発になったり、相手のシュートが落ちてるのにオフェンスリバウンドを取られたり。そういうところは良くなかったですね」

―1試合通して相当走っていましたし、終盤にはやや疲れも見られましたが。
「そうですね…。まぁ足にきてたというよりは、動きが止まってしまって。ノブさん(#94長谷川)に気持ちよく打たせたかったんですけど、まわりの足が止まっちゃったからスペースも無くて、楽に打たせてあげられなかったのは今後の課題ですね。もっと自分たちが動いてフリーにさせてあげないといけないと思います」

―オフェンスの足が止まるということ以外に、チームの課題はありますか?
「やっぱり自分たちはサイズが無いので、リバウンドとルーズボールをいかに頑張れるかが勝敗の鍵になると思います。あとは、ディフェンスは結構上手くローテーションなど動けたと思うんですが、相手のセンターにスクリーンプレーをやられた時にファイトオーバーしきれなくてスイッチして、ミスマッチを作ってしまったのも良くなかったなと思いました」

―池内監督が練習をあまり見れなかった時期も、選手同士で頑張っていたとお伺いしましたが、新チームになって練習の雰囲気などはいかがですか?
「新チームが始まって、池内さんが忙しい時とかはやっぱりノブさんがキャプテンとして声を出してみんなを引っ張ってくれました。雰囲気が悪い時とかも一回練習を止めて『もっと楽しく元気よくやろう』みたいな感じで言ってくれて。そういう点ではすごく良い雰囲気で練習できたと思います」

―その成果もあって京王電鉄杯では青学大を倒して優勝を果たしましたね。ただ、それで気負ってしまった部分はありませんでしたか?
「自分たちも京王杯は京王杯、トーナメントはトーナメントだからと言っていたんですが、やっぱり少し切替えがしきれなかったかなと思います。京王杯でみんなあんなに調子が良かったのにトーナメントの入りは全然拓大らしさが出せなくて…。変に意識して構えてしまったのかも知れません」

―トーナメントは明日3位決定戦となります。
「もう負けは負けなので、切り替えて明日の試合に臨みたいです。ラスト1試合なので全力を尽くして、気持ち良く終われるように頑張ります」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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