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2011.11.24 (Thu)
【2011インカレ】11/24 2回戦Aコートレポート
気迫が勝った天理大が筑波大を撃破
専修大、富山大、白鴎大はそれぞれ良さを見せるも敗退
墨田区総合体育館Aコートで行われた2回戦4試合は、1回戦とはまた違う空気に包まれ、それぞれ一発勝負の真剣さが見えた。インカレは1回勝ち抜くごとに試合のレベルがグンと上がる。そうした面白さの見える試合が続いた。青山学院大は順当勝ち。入れ替え戦では惜しくも敗れた中央大は富山大を下した。大東文化大と専修大は競り合いから大東文化大が勝利し、2007年以来のベスト8入り。筑波大対天理大は最初からゲームの流れを掴んだ天理大が追いつかせることなく終了。ベスト8進出を決めた。
【富山大が粘るも中央大が確実さで勝利】
2年連続の1回戦突破となった富山大は中央大と対戦。サイズでは劣るものの、速さを活かして中央大に互角に渡り合う。富山大は得点が止まる場面もあったが、1Qは互いに点を取り合い、接戦に。中央大は#20小野(3年・F)の3Pがブザーとともに決まり、26-31。2Q、なかなかアウトサイドが入らない富山大だが、中央大も富山大のディフェンスの前にターンオーバーやシュートが決まらない場面も。富山大はリバウンドを取ってからの速攻を何度も出すが、中央大は#16佐藤将斗(3年・G)の3Pや#5谷口(1年・F・洛南)のシュートで簡単には追いつかせない。それでも富山大は#25志村(3年・G)、#91佐藤雄太郎(4年・F)の3Pが続いて、なんとか持ちこたえ、40-48で前半を終了した。
3Q、中央大は#20小野の得点が続く。富山大も3Pが連続し、追い上げたいところだが小野のオフェンスを止めることができない。一桁だった差を#20小野のバスケットで10点差にされると、なかなか差を詰めることができなくなった。それでも#35中村(1年・F・藤枝明誠)のフリースローや#25志村の3Pなどで再度6点差にまで追い上げるが、中央大が確実にシュートを決めていき、4Qではそのまま引き離されて最後は73-100で試合終了。中央大がベスト8を決めた。
中央大の次の相手は青山学院大。青山学院大相手にどこまでできるのか、1年間の成果を見せる時でもあり、どれくらい通用するようになったのか、はかる目安にもなる。奮闘を期待したい。富山大は一回戦は#11山本、この試合では#25志村が当たった。サイズがなく、自分たちで工夫しながらの取り組みだが、2年連続の一回戦突破は大きな糧になったはず。この経験を活かして来年も結果が出せるか、この舞台に戻ってくることを楽しみにしたい。
写真:中央大は小野が31点11リバウンドの活躍。
【接戦からじわじわ抜けだした大東文化大が専修大を下す】
専修大と大東文化大の対戦は、序盤は専修大のディフェンスが光ったが、次第に大東文化大が盛り返す内容となった。
1Q、専修大は#91太田(4年・C)の高さが大東大を阻んだ。#43鎌田(3年・C)が機能せず、#14岸本(3年・G)も簡単に中で勝負はできない。#33館山(3年・G)の3Pも決まり、立ち上がりでリードした専修大がそのまま優位を保って1Qは19-12。2Q、専修大は#33館山のドライブやフリースローもあり、リードを保つ。大東大は速攻のパスが大きすぎたり、#15遠藤(4年・PG)がブロックされたりとなかなかリズムが出てこないが、#13小原(4年・G)の3P、速攻も出て次第に流れが良くなる。専修大は開始5分に#41根岸(4年・F)のポストプレーが決まった後、得点が止まってしまう。大東大は#14岸本の3Pが連続で決まるなど波に乗り始め、逆転に成功。前半を33-34とリードして終えた。
一気に抜け出したい大東大だが、3Qはアウトサイドが落ちた。しかし専修大も攻撃の攻め手がなく、#22樋口(3年・F)がインサイドで粘るが、それ以外では伸び悩みこのQは9点に終わる。しかし大東大も3Pをことごとく落とし、12点。大東大が4点リードして4Qに入り、序盤に#43鎌田、#15遠藤の得点が続いてリードは8点に。追い上げたい専修大だが、インサイドでの得点ができず、アウトサイドを打つ形になってしまう。しかし#33館山も簡単には打たせてもらえず、差が縮まらない。そのまま専修大が追い上げかなわず57-62でタイムアップ。大東大がベスト8へ名乗りを挙げた。
#43鎌田は9点と苦しんだが、その分ガード陣が奮闘し、遠藤、小原、岸本の3人で42点を稼いだ。ロースコアで鈍い展開となったが、その中でも粘って勝ったことはリーグ戦を戦ってきた経験値も大きいだろう。次の相手は天理大。この勝負には大東大の躍進のみならず、来年のインカレにおける関東の1枠確保もかかっている。絶対に負けられない戦いだけに、注目必至だ。
専修大は序盤こそ高さとディフェンスが生きたが、得点が停滞した時間帯に攻めあぐねた。守りに注力したチームである分、オフェンスのパターンはそう多い訳ではない。苦しい時間帯にどうやって加点していくべきか、今後の課題でもあるだろう。
写真:大東文化大・遠藤は12点。ほかにも岸本、小原がそれぞれ15点とバランスが良かった。
【2Qで白鴎大が失速、青山学院大がベスト8へ】
第一シード、連覇を狙う青山学院大は白鴎大と対戦。1Qは白鴎大の良さが随所に出た。序盤、#65高橋(4年・SG)が幸先良く3Pを決めると#5柳川(2年・SG)の3Pもそれに続き、#30アビブ(3年・C)もインサイドで高さを発揮。青山学院大は立ち上がりで白鴎大にリードされるが#56比江島(3年・SF)がバスケットカウントなどを獲得し、これを追う。白鴎大は#15白濱(2年・SF)の3Pも出てリードを保つが、青山学院大は#88張本(2年・PF)、#56比江島の得点で追い上げ、1Q終盤で逆転。だが21-21の互角で2Qへと入った。
2Qになると白鴎大が失速し、青山学院大が一気に加速する。白鴎大は#3横塚(3年・G)を投入し、ドライブからバスケットカウントを獲得する場面も出たが、なかなか得点が伸びずこのQは10点に終わってしまう。反対に青山学院大は32点の大量得点で20点以上の差をつけ、53-31で前半を終えた。
前半の得点で余裕の出た青山学院大は後半、余裕で勝負を進める。白鴎大もここからは苦しい時間帯もあるが主将の#44小山(4年・G)らも出場し、白鴎大らしく粘りも見せて踏ん張りを見せる。しかし青山学院大の優位は変わらず、90-59で試合終了。青山学院大は順当勝ち、白鴎大はここでシーズンを終えた。
白鴎大の斎藤監督は後半は自分たちのやれる部分をちゃんと出せたとし、下部から地道に強化と進歩を重ねてきたチームを、「ここまで来られた」と評価した。白鴎大はまだ歩みの途中だ。長く3部に在籍し、ようやく2部に上がってインカレに出場し始めたのも近年のこと。成績を上げるにつれて選手も集まり始め、今年の4年生はようやく有望選手を獲得できるようになった頃に入学した選手だ。こうした積み重ねなくしてはチームは成長しない。下級生にはさらに能力ある選手が揃っているだけに、ここからもたゆまぬ歩みを進めるだけだろう。
青山学院大は1Qでリードされる展開には甘さが見えたが、試合が進むにつれてギアも上がるだろう。近年、優勝候補筆頭として大学バスケを牽引してきたが、インカレの連覇はまだない。ここからが正念場だ。
写真:青山学院大・比江島は25点。高さも気にせずゴールに切れ込み得点した。
※各試合の写真、白鴎大・小山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※富山大・山本選手、白鴎大・高橋選手のインタビューは追って掲載します。
※筑波大対天理大は別途掲載します。
「後輩が頑張ってくれたから4年生は幸せ者だった」
4年生と下級生とで結ばれた強い絆
◆#44小山幸広(白鴎大・4年・主将・G)
自分のことは多く語らず、インタビューではいつも後輩たちのことを口にしていた。下級生の台頭もありあまり長くプレータイムは得られなかった今シーズンだが、「後輩たちが頑張ってくれて、ベンチから見ていてすごく嬉しかった」と自身は笑顔を見せて振り返る。裏方としての役割を全うしチームの土台となる存在だったことは、後輩たちの彼を慕う様子からもよく伝わってきた。
白鴎大の今期を振り返れば、チーム初の新人戦準優勝、初の入れ替え戦進出と、これまでの歴史を塗り替えてきた1年間だった。目標の1部昇格は果たせず悔しさも味わったが、小山が言うように下級生も多く「これからのチーム」。一歩一歩進んでいることは間違いない。
―最後の試合は青山学院大学との対戦になりましたが、いかがでしたか?。
「最後にチャンピオンチームと戦えたことは本当に幸福だったと思います。夏に青学と戦った時よりも全体的に手応えがありました。そこは『青学に走りで負けないようにしよう』と走ってきたことが良かったのかなと。最終的には、青学はやはり走りはもちろんディフェンスやシュートの精度もすごかったんですけど、自分たちもやりたかったブレイクや決まりごとができたので良かったと思います」
―1Qは好調で同点でしたね。
「やはりこの試合に向けて気持ちが入っていた結果だと思います。でも2Qがダメで…そこは継続することの難しさを感じましたね。青学はそういうところもちゃんとしていました。そうではないと1部のトップにはなれないんだろうなと分かりましたね」
―インカレ全体を振り返っていかがでしたか?
「愛知学泉大もすごく強敵で、気の抜けない戦いでした。でも目に見えてチームが良い状態になったのが分かったんですよね。ずっと1部に上がることを目標にしていたんですが、入れ替え戦の専修戦は自分たちらしさやチームの良さが全然出せなくて。でも入れ替え戦からインカレまでの2週間の間で練習にも変化が見えましたし、学泉戦は本当に後がないという中でやるべきことをやれました。それはやっぱり主力の後輩たちが見せてくれたんじゃないかなと思います。練習では自分たち4年生も見せることができますが、やはり試合で表現できるのは5人しかいないので。後輩たちが頑張ってくれて、ベンチから見ているキャプテンとしてもすごく嬉しかったですね」
―入れ替え戦での悔しい敗戦からすぐにこのインカレということで、気持ちの切り替えも難しかったと思いますが。
「そうですね。1部に上がることを本当に目標としてずっとやってきたので、目標が一回なくなってしまったことに田中優二(#10)や柳川(#5)、白濱(#15)も少し落ち込んでしまった部分があったと思います。でも自分たち4年が『最後まで少しでも長くお前らと一緒にやりたい』と伝えたらあいつらもそれに応えてくれて、モチベーションを持ち直して練習も一生懸命頑張ってくれましたね」
―小山選手はいつも後輩たちのことを語りますね。後輩思いなのが伝わってきます。#10田中選手らも4年生をすごく慕っていますし、その絆は強かったと思いますが。
「そうですね。自分たち4年生はスタメンに高橋(#65)しかいなくて、試合に出るメンバーは多くが後輩たちで。その中で後輩たちは、自分の為だけじゃなく自分たち4年生の為にも、という気持ちで戦ってくれました。後輩たちが頑張ってくれて本当に4年生は全員幸せ者だったと思いますね。それが結果的にチーム全体の為にもなりましたし、来年、再来年にもつながってくると思います。本当に白鴎はこれからのチームですから。自分も本当に楽しみにしているし、来年の3・4年には頑張ってもらいたいですね」
―あの悔しい入れ替え戦を糧に2・3年生も成長してくれるといいですね。
「そうですね。勝つことは難しいんだということを、みんな身を持って分かったと思います。後輩たちは能力もすごく高いですし、今までは気持ちの面で弱い部分もあったんですが、それも段々となくなってきました。来年は絶対に1部昇格してくれると思います」
―キャプテンを務めた1年間はいかがでしたか?
「自分はキャプテンでもあまり試合に出て貢献できる選手ではありませんでしたが、練習で引っ張る姿勢は見せていこうと思っていましたし、そういう姿を後輩たちも見てくれたんじゃないかなと思います。自分が試合に出る時は後輩たちがすごく盛り上がってくれたし、今日も試合が終わってみんなが自分に握手を求めてくれたりしたので、自分のやってきたことは間違いではなかったんだなと実感しました。そういう姿勢が後輩たちに伝わっていればいいなと思います。それに自分だけじゃなくて、黒川(#32)であったり森田(#22)であったり、今年の4年みんなが練習で引っ張る姿勢を見せてくれました。自分たちの代は2・3年の頃よく試合に出ていたメンバーもいるのでみんな試合に出たいという気持ちもあったと思いますが、そこは能力の高い後輩たちに出番を譲ってその分練習を頑張ってきました。あとは後輩たちが試合でどう表現するかというところだけでしたし、後輩たちもそれをしっかり果たしてくれたと思います」
―小山選手から見て同期はどんな存在でしたか?
「目立たないことをチームの為に、後輩たちの為に頑張る学年だったと思います。自分はキャプテンとは言われますが、叱られ役だったり、怒られた後輩と一緒に謝りに行く役だったりしたんですよ(苦笑)。それで悩んできた事も今までいっぱいあったんですが、同期の皆には聞いてもらったし、色々助けてもらいました。チーム全体として仲が良くて、自分たちは後輩の為に、後輩たちは先輩の為にと頑張ってきたからこそ最終的にチーム力も上がったんだと思います。今回のインカレも負けてしまいましたが、来年につながる良い負け方だったなと自分では思いますね」
―4年間を振り返っていかがでしたか?
「1年目から毎年ずっと、その代の4年生が『1部に上がりたい』という目標を立てて頑張る姿勢を見てきました。それで今年やっとその切符を手にできたんですが、切符を使わずに終わってしまって…本当に悔しい思いをしましたね。でも段々チームのレベルが上がってきてるなとは自分でもこの4年間で感じたし、このベスト16も白鴎の歴史上、1位とタイ記録なんですよね。ベスト16の壁もこれから超えていけると思いますし、新人戦で結果を残している後輩たちなので、楽しみにしながらこれから応援していきたいと思います」
【富山大vs中央大】

谷口はこの日思い切りの良いプレーが続いた。

ケガにも苦しんだ塩谷だが、コートで少しずつ存在感を増している。

2年連続主将を務めた富山大・佐藤。この試合では3Pで何度も仲間を勇気づけた。

一回戦でブザービーターを決めた志村はこの試合22点の活躍。

勢いあるオフェンスを見せた1年生の中村。攻め気が出すぎてファウルも込んだが、来期も楽しみな選手。
【専修大vs大東文化大】

小原は15得点、思い切りボールを追いかけ、壁に激突したシーンもあった。

岸本が乗ってくるとチームも盛り上がる。3Pが反撃の大きなポイントになった。

樋口はインサイドで粘りを見せた。

館山の3Pも勝負を左右する。この試合では決め続けることはできなかった。
【青山学院大vs白鴎大】

確実にシュートを決めた辻。

柳川、そして白濱の2年生は攻め気が見えるプレーだった。

横塚のケガでインカレではスタメンとなった田中。この経験を大事にしたい。

アビブも奮闘したが青学インサイド陣を破るのは容易ではなかった。
専修大、富山大、白鴎大はそれぞれ良さを見せるも敗退
墨田区総合体育館Aコートで行われた2回戦4試合は、1回戦とはまた違う空気に包まれ、それぞれ一発勝負の真剣さが見えた。インカレは1回勝ち抜くごとに試合のレベルがグンと上がる。そうした面白さの見える試合が続いた。青山学院大は順当勝ち。入れ替え戦では惜しくも敗れた中央大は富山大を下した。大東文化大と専修大は競り合いから大東文化大が勝利し、2007年以来のベスト8入り。筑波大対天理大は最初からゲームの流れを掴んだ天理大が追いつかせることなく終了。ベスト8進出を決めた。
【富山大が粘るも中央大が確実さで勝利】

3Q、中央大は#20小野の得点が続く。富山大も3Pが連続し、追い上げたいところだが小野のオフェンスを止めることができない。一桁だった差を#20小野のバスケットで10点差にされると、なかなか差を詰めることができなくなった。それでも#35中村(1年・F・藤枝明誠)のフリースローや#25志村の3Pなどで再度6点差にまで追い上げるが、中央大が確実にシュートを決めていき、4Qではそのまま引き離されて最後は73-100で試合終了。中央大がベスト8を決めた。
中央大の次の相手は青山学院大。青山学院大相手にどこまでできるのか、1年間の成果を見せる時でもあり、どれくらい通用するようになったのか、はかる目安にもなる。奮闘を期待したい。富山大は一回戦は#11山本、この試合では#25志村が当たった。サイズがなく、自分たちで工夫しながらの取り組みだが、2年連続の一回戦突破は大きな糧になったはず。この経験を活かして来年も結果が出せるか、この舞台に戻ってくることを楽しみにしたい。
写真:中央大は小野が31点11リバウンドの活躍。
【接戦からじわじわ抜けだした大東文化大が専修大を下す】

1Q、専修大は#91太田(4年・C)の高さが大東大を阻んだ。#43鎌田(3年・C)が機能せず、#14岸本(3年・G)も簡単に中で勝負はできない。#33館山(3年・G)の3Pも決まり、立ち上がりでリードした専修大がそのまま優位を保って1Qは19-12。2Q、専修大は#33館山のドライブやフリースローもあり、リードを保つ。大東大は速攻のパスが大きすぎたり、#15遠藤(4年・PG)がブロックされたりとなかなかリズムが出てこないが、#13小原(4年・G)の3P、速攻も出て次第に流れが良くなる。専修大は開始5分に#41根岸(4年・F)のポストプレーが決まった後、得点が止まってしまう。大東大は#14岸本の3Pが連続で決まるなど波に乗り始め、逆転に成功。前半を33-34とリードして終えた。
一気に抜け出したい大東大だが、3Qはアウトサイドが落ちた。しかし専修大も攻撃の攻め手がなく、#22樋口(3年・F)がインサイドで粘るが、それ以外では伸び悩みこのQは9点に終わる。しかし大東大も3Pをことごとく落とし、12点。大東大が4点リードして4Qに入り、序盤に#43鎌田、#15遠藤の得点が続いてリードは8点に。追い上げたい専修大だが、インサイドでの得点ができず、アウトサイドを打つ形になってしまう。しかし#33館山も簡単には打たせてもらえず、差が縮まらない。そのまま専修大が追い上げかなわず57-62でタイムアップ。大東大がベスト8へ名乗りを挙げた。
#43鎌田は9点と苦しんだが、その分ガード陣が奮闘し、遠藤、小原、岸本の3人で42点を稼いだ。ロースコアで鈍い展開となったが、その中でも粘って勝ったことはリーグ戦を戦ってきた経験値も大きいだろう。次の相手は天理大。この勝負には大東大の躍進のみならず、来年のインカレにおける関東の1枠確保もかかっている。絶対に負けられない戦いだけに、注目必至だ。
専修大は序盤こそ高さとディフェンスが生きたが、得点が停滞した時間帯に攻めあぐねた。守りに注力したチームである分、オフェンスのパターンはそう多い訳ではない。苦しい時間帯にどうやって加点していくべきか、今後の課題でもあるだろう。
写真:大東文化大・遠藤は12点。ほかにも岸本、小原がそれぞれ15点とバランスが良かった。
【2Qで白鴎大が失速、青山学院大がベスト8へ】

2Qになると白鴎大が失速し、青山学院大が一気に加速する。白鴎大は#3横塚(3年・G)を投入し、ドライブからバスケットカウントを獲得する場面も出たが、なかなか得点が伸びずこのQは10点に終わってしまう。反対に青山学院大は32点の大量得点で20点以上の差をつけ、53-31で前半を終えた。
前半の得点で余裕の出た青山学院大は後半、余裕で勝負を進める。白鴎大もここからは苦しい時間帯もあるが主将の#44小山(4年・G)らも出場し、白鴎大らしく粘りも見せて踏ん張りを見せる。しかし青山学院大の優位は変わらず、90-59で試合終了。青山学院大は順当勝ち、白鴎大はここでシーズンを終えた。
白鴎大の斎藤監督は後半は自分たちのやれる部分をちゃんと出せたとし、下部から地道に強化と進歩を重ねてきたチームを、「ここまで来られた」と評価した。白鴎大はまだ歩みの途中だ。長く3部に在籍し、ようやく2部に上がってインカレに出場し始めたのも近年のこと。成績を上げるにつれて選手も集まり始め、今年の4年生はようやく有望選手を獲得できるようになった頃に入学した選手だ。こうした積み重ねなくしてはチームは成長しない。下級生にはさらに能力ある選手が揃っているだけに、ここからもたゆまぬ歩みを進めるだけだろう。
青山学院大は1Qでリードされる展開には甘さが見えたが、試合が進むにつれてギアも上がるだろう。近年、優勝候補筆頭として大学バスケを牽引してきたが、インカレの連覇はまだない。ここからが正念場だ。
写真:青山学院大・比江島は25点。高さも気にせずゴールに切れ込み得点した。
※各試合の写真、白鴎大・小山選手のインタビューは「続きを読む」へ。
※富山大・山本選手、白鴎大・高橋選手のインタビューは追って掲載します。
※筑波大対天理大は別途掲載します。
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【INTERVIEW】「後輩が頑張ってくれたから4年生は幸せ者だった」
4年生と下級生とで結ばれた強い絆
◆#44小山幸広(白鴎大・4年・主将・G)

白鴎大の今期を振り返れば、チーム初の新人戦準優勝、初の入れ替え戦進出と、これまでの歴史を塗り替えてきた1年間だった。目標の1部昇格は果たせず悔しさも味わったが、小山が言うように下級生も多く「これからのチーム」。一歩一歩進んでいることは間違いない。
―最後の試合は青山学院大学との対戦になりましたが、いかがでしたか?。
「最後にチャンピオンチームと戦えたことは本当に幸福だったと思います。夏に青学と戦った時よりも全体的に手応えがありました。そこは『青学に走りで負けないようにしよう』と走ってきたことが良かったのかなと。最終的には、青学はやはり走りはもちろんディフェンスやシュートの精度もすごかったんですけど、自分たちもやりたかったブレイクや決まりごとができたので良かったと思います」
―1Qは好調で同点でしたね。
「やはりこの試合に向けて気持ちが入っていた結果だと思います。でも2Qがダメで…そこは継続することの難しさを感じましたね。青学はそういうところもちゃんとしていました。そうではないと1部のトップにはなれないんだろうなと分かりましたね」
―インカレ全体を振り返っていかがでしたか?
「愛知学泉大もすごく強敵で、気の抜けない戦いでした。でも目に見えてチームが良い状態になったのが分かったんですよね。ずっと1部に上がることを目標にしていたんですが、入れ替え戦の専修戦は自分たちらしさやチームの良さが全然出せなくて。でも入れ替え戦からインカレまでの2週間の間で練習にも変化が見えましたし、学泉戦は本当に後がないという中でやるべきことをやれました。それはやっぱり主力の後輩たちが見せてくれたんじゃないかなと思います。練習では自分たち4年生も見せることができますが、やはり試合で表現できるのは5人しかいないので。後輩たちが頑張ってくれて、ベンチから見ているキャプテンとしてもすごく嬉しかったですね」
―入れ替え戦での悔しい敗戦からすぐにこのインカレということで、気持ちの切り替えも難しかったと思いますが。
「そうですね。1部に上がることを本当に目標としてずっとやってきたので、目標が一回なくなってしまったことに田中優二(#10)や柳川(#5)、白濱(#15)も少し落ち込んでしまった部分があったと思います。でも自分たち4年が『最後まで少しでも長くお前らと一緒にやりたい』と伝えたらあいつらもそれに応えてくれて、モチベーションを持ち直して練習も一生懸命頑張ってくれましたね」
―小山選手はいつも後輩たちのことを語りますね。後輩思いなのが伝わってきます。#10田中選手らも4年生をすごく慕っていますし、その絆は強かったと思いますが。
「そうですね。自分たち4年生はスタメンに高橋(#65)しかいなくて、試合に出るメンバーは多くが後輩たちで。その中で後輩たちは、自分の為だけじゃなく自分たち4年生の為にも、という気持ちで戦ってくれました。後輩たちが頑張ってくれて本当に4年生は全員幸せ者だったと思いますね。それが結果的にチーム全体の為にもなりましたし、来年、再来年にもつながってくると思います。本当に白鴎はこれからのチームですから。自分も本当に楽しみにしているし、来年の3・4年には頑張ってもらいたいですね」
―あの悔しい入れ替え戦を糧に2・3年生も成長してくれるといいですね。
「そうですね。勝つことは難しいんだということを、みんな身を持って分かったと思います。後輩たちは能力もすごく高いですし、今までは気持ちの面で弱い部分もあったんですが、それも段々となくなってきました。来年は絶対に1部昇格してくれると思います」
―キャプテンを務めた1年間はいかがでしたか?
「自分はキャプテンでもあまり試合に出て貢献できる選手ではありませんでしたが、練習で引っ張る姿勢は見せていこうと思っていましたし、そういう姿を後輩たちも見てくれたんじゃないかなと思います。自分が試合に出る時は後輩たちがすごく盛り上がってくれたし、今日も試合が終わってみんなが自分に握手を求めてくれたりしたので、自分のやってきたことは間違いではなかったんだなと実感しました。そういう姿勢が後輩たちに伝わっていればいいなと思います。それに自分だけじゃなくて、黒川(#32)であったり森田(#22)であったり、今年の4年みんなが練習で引っ張る姿勢を見せてくれました。自分たちの代は2・3年の頃よく試合に出ていたメンバーもいるのでみんな試合に出たいという気持ちもあったと思いますが、そこは能力の高い後輩たちに出番を譲ってその分練習を頑張ってきました。あとは後輩たちが試合でどう表現するかというところだけでしたし、後輩たちもそれをしっかり果たしてくれたと思います」
―小山選手から見て同期はどんな存在でしたか?
「目立たないことをチームの為に、後輩たちの為に頑張る学年だったと思います。自分はキャプテンとは言われますが、叱られ役だったり、怒られた後輩と一緒に謝りに行く役だったりしたんですよ(苦笑)。それで悩んできた事も今までいっぱいあったんですが、同期の皆には聞いてもらったし、色々助けてもらいました。チーム全体として仲が良くて、自分たちは後輩の為に、後輩たちは先輩の為にと頑張ってきたからこそ最終的にチーム力も上がったんだと思います。今回のインカレも負けてしまいましたが、来年につながる良い負け方だったなと自分では思いますね」
―4年間を振り返っていかがでしたか?
「1年目から毎年ずっと、その代の4年生が『1部に上がりたい』という目標を立てて頑張る姿勢を見てきました。それで今年やっとその切符を手にできたんですが、切符を使わずに終わってしまって…本当に悔しい思いをしましたね。でも段々チームのレベルが上がってきてるなとは自分でもこの4年間で感じたし、このベスト16も白鴎の歴史上、1位とタイ記録なんですよね。ベスト16の壁もこれから超えていけると思いますし、新人戦で結果を残している後輩たちなので、楽しみにしながらこれから応援していきたいと思います」
【富山大vs中央大】

谷口はこの日思い切りの良いプレーが続いた。

ケガにも苦しんだ塩谷だが、コートで少しずつ存在感を増している。

2年連続主将を務めた富山大・佐藤。この試合では3Pで何度も仲間を勇気づけた。

一回戦でブザービーターを決めた志村はこの試合22点の活躍。

勢いあるオフェンスを見せた1年生の中村。攻め気が出すぎてファウルも込んだが、来期も楽しみな選手。
【専修大vs大東文化大】

小原は15得点、思い切りボールを追いかけ、壁に激突したシーンもあった。

岸本が乗ってくるとチームも盛り上がる。3Pが反撃の大きなポイントになった。

樋口はインサイドで粘りを見せた。

館山の3Pも勝負を左右する。この試合では決め続けることはできなかった。
【青山学院大vs白鴎大】

確実にシュートを決めた辻。

柳川、そして白濱の2年生は攻め気が見えるプレーだった。

横塚のケガでインカレではスタメンとなった田中。この経験を大事にしたい。

アビブも奮闘したが青学インサイド陣を破るのは容易ではなかった。
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