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2011.09.24 (Sat)
【2011リーグ1部】9/24レポート
大東文化大が筑波大から2勝目
優勝争いの大局は大きく動かず
1巡目の戦いも終盤戦。上位を守る拓殖大は早稲田大と競り合いを展開する場面もあったが、最後は拓殖大がかわし、上位の牙城は崩れるまでには至らなかった。現在下位に位置する大東文化大は筑波大からうれしい2勝目。浮上のきっかけとなるかが注目となる。勝敗の差はついてきたが、各順位の差はまだ1勝ずつとわずかだ。1勝がチームの運命を変える重さが、今後どう働くだろうか。
【大東文化大が筑波大からうれしい2勝目を上げる】
筑波大と大東文化大の対戦は、4Qで畳み掛けるようにシュートを沈めた大東大が筑波大の猛追をかわし、70-72で嬉しい2勝目を上げた。
1Q、#15遠藤(4年・G)の3Pなどでリズムを掴んだのは大東大。反対に筑波大は良いブレイクは出るものの全体的にオフェンスが上手く噛み合わず、大東大の5点リードで2Qに入る。そのまま2Qが開始してもすぐに大東大は#14岸本(3年・PG)がスティールからワンマン速攻を決め、勢いを切らさない。筑波大は幅のある大東大のインサイド陣相手になかなか中での勝負をさせてもらえず、外のシュートも外れて無得点の時間帯が続いた。その間大東大は3P攻勢に出てリードを伸ばし、18-34と差を大きく開く。だがここで筑波大は#32武藤(2年・C)が奮闘。追い上げのきっかけとなる速攻を成功させると、筑波大はゾーンプレスで大東大のミスを誘い、点差をつめた。#35池田(2年・SG)の3Pもあり、33-37と筑波大が追い上げて前半を終える。続く3Qは一進一退の展開。大東大は筑波大に何度も追い上げられるも、簡単には逆転させない。46-52と、ほぼ点差の変わらないまま最終Qへ向かう。
勝負が動いたのは4Q。開始から筑波大が#32武藤らのシュートで3連続得点とスタートダッシュを切り、2分も経たないうちに同点に追いついた。大東大の得点がぴたりと止まる間に筑波大が攻め続け、58-52と逆転からリードを奪う。だがこの大東大にとってのピンチを救ったのは、#14岸本。3Pでバスケットカウント獲得の4点プレーを皮切りに、次々にシュートを決めて勢いに乗った。この活躍に勇気づけられた大東大は周りの選手も積極的にリングに向かい、残り1分半には64-71とリード。だがここから筑波大は#34田渡(4年・PG)がリングに向かって3連続得点し、持ち前の得点能力を見せる。しかし70-72に詰め寄ったところで、残り時間はわずか。逆転とまではいかず、大東文化大が何とか逃げ切って2勝目を手にした。
大東大はまたもや追い上げられる展開になったものの、力ある相手からの1勝はチームの弾みになるだろう。負けは込んでいるが、チームの雰囲気は決して暗くない。勢いに乗り、勝ち星を増やしていきたい。一方の筑波大は#32武藤が23得点と好調だったが、チームとしては試合の中で波があった。相手に合わせてしまう場面も見られる。課題も見えてきた一戦だっただろう。
写真:活躍が光った筑波大・武藤。
筑波大:4勝3敗
大東文化大:2勝5敗
※大東文化大・岸本選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【中盤のディフェンスが機能した専修大が明治大を下す】
明治大対専修大の対戦は、両チーム共に高さがあり、激しいリバウンド争いや豪快なブロックが見所となった。勝負は2Q・3Qに専修大のディフェンスが効いて明治大の得点が停滞し、そのまま専修大が差を広げて66-51で勝利。4勝目を上げた。
1Q、開始から専修大がオフェンスリバウンドで明治大を圧倒し、2本連続のバスケットカウント獲得で5-0と幸先の良い立ち上がりを見せる。だが明治大も#51皆川のブロックショットから勢いに乗り、#22西川(2年・F)や#12中東(1年・SF・光泉)の3Pで持ち直してリードした。専修大#11宇都の1on1にはファウルがかさんで明治大も苦労するが、第3週の日曜から登場しこの日はスターターとなった#12中東が思い切りの良いプレーで活躍。17-23と、明治大がリードして1Qを終える。
しかしここから2Q、3Q、明治大は専修大のディフェンスの攻略に苦労し得点が伸び悩んだ。専修大も#33館山(3年・F)の3Pが不調で、明治大の守りにミスも出て流れに乗るに乗れないが、リバウンドからの速い展開からじわじわ点差を離し、3Q終了時点で45-35と10点差をつけた。4Qは、互いに点の取り合いに。専修大が#11宇都や#22樋口(3年・F)のドライブで得点するのに対し、明治大も#51皆川のインサイドプレーや#17田村(4年・SG)のシュートで食らい付く。しかし残り5分を切って、明治大は司令塔の#6佐藤(4年・PG)が5ファウルで退場。そのままゲーム中盤でついた点差を縮められず、66-51でタイムアップとなった。
写真:明治大の期待のルーキー、中東。怪我から復帰し、これからの活躍が見物。
専修大:3勝4敗
明治大:1勝6敗
※専修大・宇都選手のインタビューは「続きを読む」へ。
拓殖大と早稲田大の対戦は、早稲田大が順調にシュートを決めて拓殖大との点の取り合いについていき、ほぼ互角の戦いが続いた。両者ファウルがかさんで3Q残り1分半には拓殖大#26上杉が5ファウル。そこから早稲田大がオフェンスリバウンドを掌握してリズムを掴み、61-64とリードして4Qに入る。しかし拓殖大は#94長谷川智伸(3年・SG)、#11佐々木(3年・C)らが勝負どころでシュートを落とさなかった。追う展開となった早稲田は大事な場面でのミスも見え、88-82と拓殖大が勝負強さを発揮して接戦をものにした。早稲田大も全員が積極的にリングに向かい、リバウンドでも拓殖大を圧倒するなど良さは随所で見えたが、終盤の時間帯の上手さでは拓殖大が上をいった。中でも#34長谷川智伸が5本の3Pを含む34得点と、エースにふさわしい活躍。5勝目をあげた。
拓殖大:5勝2敗/早稲田大:3勝4敗
慶應義塾大対東海大は、立ち上がりこそ慶應大にも良さが出たが、東海大の前に次第にミスが増え、大きくリードされる展開となった。この日は#23本橋(2年・C)、#21権田(1年・F・慶應義塾)ら下級生にふんばりが見られたが、東海大の強さ、正確さが上回った。東海大は#25祐川(4年・SF)、#11坂東(4年・PG)ら4年生にまで出番が回り快勝。次戦は優勝を争う青山学院大との対戦となる。
東海大:6勝1敗/慶應義塾大:2勝5敗
青山学院大対日本大はペースの遅い展開でロースコアとなった。青学大はやや集中力を欠く場面が見られたが、無難に73-63で逃げ切った。青山学院大はリーグ初戦でケガをした#3小林(2年・PG)がようやく復帰。一方の日本大はこの日#21熊吉(4年・C)、#18富山(4年・F)の4年生2名が復帰。残りも順次復帰予定だ。
青山学院大:7勝0敗/日本大:2勝5敗
はつらつとしたプレーでチームに活力を
◆#14岸本隆一(大東文化大学・3年・PG)

キャプテン#11田中の欠場もあり、ほぼ1試合を通して出番を得た岸本。この試合では連続3Pで会場を沸かせ、見事勝利の立役者となった。
勝ちきれてはいないものの、接戦を演じているだけに手応えもあってチームの雰囲気は良好。何より、大東大の選手たちは一人ひとりがこの1部という舞台を目を輝かせて楽しんでいるように見える。
チームが勢いに乗った時の爆発力は大きい。今後どこまで力を発揮できるか注目だ。
―嬉しい2勝目ですね。今のお気持ちは?
「やっとですね。今週は絶対2勝が課題だったので、まぁ嬉しいというか、ホッとしたって感じです。とりあえず勝てて良かったです」
―4Qで岸本選手の連続シュートがチームを勢いづけましたね。
「もうあれは完全にノリです!1本決まって完全に調子に乗りました(笑)。ベンチとか応援団が“いけいけー!”って盛り上がってくれたので、自分もそのおかげで乗せられましたね」
―大東大は本当に応援がにぎやかですよね。悪い流れのときも静かにならないのはチームの良さだと思いますが。
「そうですね、逆転されたりしても全然暗くならないですし、そういうところは応援にすごい助けられています。感謝してますね」
―でも、今日の試合でも10点くらい離した後に追い上げられてしまいました。
「もうそれは春からずっと続いてる課題じゃないですか。それを想定したゲーム形式の練習もしてきたんですよ。それでもまだ克服できてないですよね。でも今日勝ちきれたのは良かったです」
―4勝2敗の筑波大相手に、大きな1勝だったのでは?
「いや、でも筑波が上位校だからどうとかは全然考えませんでした。実際負けは込んでいるんですが、ここまで拓大みたいな強いチームとも結構競っているし、そこまで実力の差はないかなと。それにやっぱり大事なのは気持ちじゃないですか。だから筑波相手に弱気になることはなかったですね。とりあえず、2勝目が欲しいって、ただそれだけでした」
―トーナメントでお話を伺った時に、初めての1部リーグが楽しみだと仰っていたと思うんですが、実際こうしてプレーしてみてどうですか?
「もうすっごい楽しいですね。レベルも高いし、雰囲気も全然違いますよね。1プレー1プレーで見てるお客さんも一喜一憂してくれるし。“あーバスケしてるなー”って実感します。自分は沖縄出身なんですけど、地元ではバスケも人気あってこんな雰囲気なんですよ。だから久しぶりというか、懐かしい感じはありますね。めっちゃ楽しいです」
―ここまでの7試合全体を振り返っていかがですか?
「青学と東海の試合以外、全部4Qに入るときにはうちがリードしてるんですよ。だから振り返ってあれが悪い、これが悪いというよりは、とにかくもう課題が明確なんです。いかに追いつかせずに引き離せるか。そこをどうにかすれば絶対勝ち切れると思いますね」
―リーグ戦はスターターとして出番を得ていますが、ベンチからのスタートとはどういう部分が違いますか?
「やっぱり控えのときは、当たり外れがあるのもある程度しょうがないという感じで使ってもらってたんです。ガンガン行って、当たればそのまま続行だし、外れればベンチに戻すという感じで。でも、スタートだとそうはいかないじゃないですか。だから春より今の方が色々考えてプレーしてると思いますね。試合の流れとかチームの雰囲気とか。でも、まだまだな部分もたくさんあります。今はまだ、遠藤さん(#15)、将道さん(#11田中)、小原さん(#13)に指示を出してもらってやっと動き出すということも多いですから。そこは本来自分がやらなきゃいけないことで、それを西尾さん(ヘッドコーチ)も自分に求めていると思います。でも、段々と自分も色々言えるようにはなってきましたね。それに先輩たちは、後輩の自分が何か言ってもちゃんと理解してくれる人達なんですよ。大東って上辺だけじゃなくてそういう信頼関係も結べているので、それはすごくやりやすいです」
―雰囲気はすごく良い感じですね。
「そうですね。負けてるから落ち込むとかは全然ないです。自分たちは2部から上がってきて、1部の底辺だって開き直ってやってますね。やっぱり構えるのって大東っぽくないですし、チャレンジャーとしてガンガン行きたいですね」
―今後のリーグ戦への意気込みを。
「今週2連勝すれば、まだまだ上も目指せると思うんです。今日勝ったし、下は見ないですね。自分たちは2部から上がってきましたけど、大きな力の差があるわけではなくて、勝ちきれない分のあと一歩が足りないだけだと思うんです。そこを修正して勝ちに行きたいと思います。出来れば上位争いに絡みたいですね。そうすれば来年にも繋がるので。頑張ります!」
「勝負どころで自分が点を取れば、チームも勢いに乗れる」
芽生えたエースとしての自覚と責任
◆#11宇都直輝(専修大・2年・G)
今や専修大の“顔”とも呼べる選手の一人だ。
その得点能力は1部の中でも屈指で、1対1に来ると分かっていてもなかなか止めることは難しい。
スピードを活かして抜き去り、ヘルプディフェンスをかわしてシュートをねじ込む。その派手なプレーに、思わず目を奪われた観客も多いはずだ。自身も2年目になり、精神的成長も見られる。エースとして当然相手チームのマークも厳しくなるだろうが、今後の奮闘にも期待したい。
―試合を振り返ってどうでしたか?
「こっちのディフェンスが良かったんじゃないですかね。2・3Qで相手の得点を一桁に抑えられましたから。それでその時に自分もある程度点が取れて、そこで勢いに乗れたのが良かったですね」
―やはり宇都選手は1on1の強さが光りますね。分かっていても止められないというか。
「いやいや、たまたま入ってるだけです(笑)」
―チームで春からずっとディフェンスの練習をしているそうですね。
「そうですね。春からずっとやってきて、やっとこのリーグ戦でその形を出し始めています。意外と相手がハマってくれるものですね。だから自分ではそこまで激しくディフェンスしてる感じではないんですよ。勝手に相手がハマってくれるイメージっていうんですかね。自然と練習の成果が出てるのかなと思います」
―春もディフェンスは良かったと思いますが、さらにこのリーグ戦ではコミュニケーションもより取れるようになった印象を受けます。
「そうですね。うち、最近練習から少し変わったんですよ。専修らしくない練習というか、真面目に一生懸命やる感じになったんじゃないかなと思います。みんなやたらと張り切って声も出してますね。あまりにも専修らしくないので、“あれ、このチームどこのチームだっけ?”ってやってて思うくらい(笑)。良い意味でチームカラーも少し変わってきたのかなと思います。多分ですけど、去年の3年生が今年から4年生になったことが大きいですね。今まで去年の3年生が一番いい加減な学年だって言われてたんですけど、今年は最上級生になって気持ちが切り替わってますから。それがチームにも良い影響を与えてるのかなと思います」
―先行逃げ切り型という感じだった去年よりも、今年は粘れるようになりましたね。
「そうですね。青学戦は自分たちで崩れてしまったんですが、いつも苦手だった東海にも今年は4Qまでついていけました。強豪相手にもやれるんだと分かって東海戦は次に繋がる試合だったかなと思います。でもまだまだ、今年は粘れても勝ち切れてないんですよね。チーム的には結構頑張っていると思うので、あとは結果がついて来ればいいなという感じです。筑波戦とか慶應戦とか、絶対勝てた試合じゃないですか。もったいないですね。まぁでも慶應戦は完全に自分のせいで負けたと思いますね」
―“自分のせい”とは?
「慶應戦だけじゃないですけど、やっぱりまだまだ止められてるので。勝負どころで自分が点を取れば、チームも勢いに乗ると思うんですよ。今日の試合みたいなバスケットカウントとかブレイクとか、そういう勢いがやっぱりうちのチームには必要です。それで乗ってきたところで館山さん(#33)のスリーが決まれば、さらに盛り上がりますからね。自分が勝負どころで点を取れなきゃだめだと思います」
―慶應戦はかなり悔しそうでしたね。
「あれは本当に悔しかったですよ。死にそうでした(苦笑)。バスケ辞めようかって頭によぎった位です」
―そこから切り替えられましたか?
「いやでもやっぱりリーグ戦はどんどん続くじゃないですか。だから今日の試合で、とりあえず取り返そうと思ってましたね。それで今日は結構点も取れたし、しかも割とチームに合わせつつプレー出来たので良かったと思います」
―宇都選手は去年よりコートの中でチームメイトに声を掛けることが増えましたね。
「やっぱり去年は1年生だったしコートに4年生とかもいたので、完全に声かけてもらう側でした。でも2年生になってちょっと変わったんですかね?去年得点王も取ったし、今はやっぱり自分が声を出してコミュニケーション取らなきゃと思って。それは結構いい感じで出来てるかなと思います。でも個人的な自分の出来はまだまだですね。もっと頑張りたいです」
―去年にもまして、相手チームからのマークは厳しいですね。
「そうですね、去年よりきついと思います。東海戦とか3人くらい寄ってきましたから。でもリーグ戦の1週くらいまでジャンプシュートが調子悪かったんですけど、最近は良くなってきたなと思います。あれがもう少し入れば、ドライブにも行きやすくなるんじゃないですかね。あとは、もう少しファウルを吹いてもらえればいいな…と。仕方ないですが。結構突っ込むんで、毎回試合終わったら傷だらけですよ(苦笑)」
―今後のリーグ戦をどういうリーグにしていきたいですか?
「チーム的には一戦必勝ですね。自分たちはそんなに強いチームではないので、目の前の相手を一つずつ倒しながらという感じで上位を狙いたいと思います。まぁやっぱり、バスケットは楽しいですね。練習とかはきついですけど、やっぱり楽しいです。練習を頑張って試合は楽しむというのが自分のやり方なので、これからもそういう感じでやっていきたいです」
優勝争いの大局は大きく動かず
1巡目の戦いも終盤戦。上位を守る拓殖大は早稲田大と競り合いを展開する場面もあったが、最後は拓殖大がかわし、上位の牙城は崩れるまでには至らなかった。現在下位に位置する大東文化大は筑波大からうれしい2勝目。浮上のきっかけとなるかが注目となる。勝敗の差はついてきたが、各順位の差はまだ1勝ずつとわずかだ。1勝がチームの運命を変える重さが、今後どう働くだろうか。
【大東文化大が筑波大からうれしい2勝目を上げる】

1Q、#15遠藤(4年・G)の3Pなどでリズムを掴んだのは大東大。反対に筑波大は良いブレイクは出るものの全体的にオフェンスが上手く噛み合わず、大東大の5点リードで2Qに入る。そのまま2Qが開始してもすぐに大東大は#14岸本(3年・PG)がスティールからワンマン速攻を決め、勢いを切らさない。筑波大は幅のある大東大のインサイド陣相手になかなか中での勝負をさせてもらえず、外のシュートも外れて無得点の時間帯が続いた。その間大東大は3P攻勢に出てリードを伸ばし、18-34と差を大きく開く。だがここで筑波大は#32武藤(2年・C)が奮闘。追い上げのきっかけとなる速攻を成功させると、筑波大はゾーンプレスで大東大のミスを誘い、点差をつめた。#35池田(2年・SG)の3Pもあり、33-37と筑波大が追い上げて前半を終える。続く3Qは一進一退の展開。大東大は筑波大に何度も追い上げられるも、簡単には逆転させない。46-52と、ほぼ点差の変わらないまま最終Qへ向かう。
勝負が動いたのは4Q。開始から筑波大が#32武藤らのシュートで3連続得点とスタートダッシュを切り、2分も経たないうちに同点に追いついた。大東大の得点がぴたりと止まる間に筑波大が攻め続け、58-52と逆転からリードを奪う。だがこの大東大にとってのピンチを救ったのは、#14岸本。3Pでバスケットカウント獲得の4点プレーを皮切りに、次々にシュートを決めて勢いに乗った。この活躍に勇気づけられた大東大は周りの選手も積極的にリングに向かい、残り1分半には64-71とリード。だがここから筑波大は#34田渡(4年・PG)がリングに向かって3連続得点し、持ち前の得点能力を見せる。しかし70-72に詰め寄ったところで、残り時間はわずか。逆転とまではいかず、大東文化大が何とか逃げ切って2勝目を手にした。
大東大はまたもや追い上げられる展開になったものの、力ある相手からの1勝はチームの弾みになるだろう。負けは込んでいるが、チームの雰囲気は決して暗くない。勢いに乗り、勝ち星を増やしていきたい。一方の筑波大は#32武藤が23得点と好調だったが、チームとしては試合の中で波があった。相手に合わせてしまう場面も見られる。課題も見えてきた一戦だっただろう。
写真:活躍が光った筑波大・武藤。
筑波大:4勝3敗
大東文化大:2勝5敗
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【中盤のディフェンスが機能した専修大が明治大を下す】

1Q、開始から専修大がオフェンスリバウンドで明治大を圧倒し、2本連続のバスケットカウント獲得で5-0と幸先の良い立ち上がりを見せる。だが明治大も#51皆川のブロックショットから勢いに乗り、#22西川(2年・F)や#12中東(1年・SF・光泉)の3Pで持ち直してリードした。専修大#11宇都の1on1にはファウルがかさんで明治大も苦労するが、第3週の日曜から登場しこの日はスターターとなった#12中東が思い切りの良いプレーで活躍。17-23と、明治大がリードして1Qを終える。
しかしここから2Q、3Q、明治大は専修大のディフェンスの攻略に苦労し得点が伸び悩んだ。専修大も#33館山(3年・F)の3Pが不調で、明治大の守りにミスも出て流れに乗るに乗れないが、リバウンドからの速い展開からじわじわ点差を離し、3Q終了時点で45-35と10点差をつけた。4Qは、互いに点の取り合いに。専修大が#11宇都や#22樋口(3年・F)のドライブで得点するのに対し、明治大も#51皆川のインサイドプレーや#17田村(4年・SG)のシュートで食らい付く。しかし残り5分を切って、明治大は司令塔の#6佐藤(4年・PG)が5ファウルで退場。そのままゲーム中盤でついた点差を縮められず、66-51でタイムアップとなった。
写真:明治大の期待のルーキー、中東。怪我から復帰し、これからの活躍が見物。
専修大:3勝4敗
明治大:1勝6敗
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拓殖大と早稲田大の対戦は、早稲田大が順調にシュートを決めて拓殖大との点の取り合いについていき、ほぼ互角の戦いが続いた。両者ファウルがかさんで3Q残り1分半には拓殖大#26上杉が5ファウル。そこから早稲田大がオフェンスリバウンドを掌握してリズムを掴み、61-64とリードして4Qに入る。しかし拓殖大は#94長谷川智伸(3年・SG)、#11佐々木(3年・C)らが勝負どころでシュートを落とさなかった。追う展開となった早稲田は大事な場面でのミスも見え、88-82と拓殖大が勝負強さを発揮して接戦をものにした。早稲田大も全員が積極的にリングに向かい、リバウンドでも拓殖大を圧倒するなど良さは随所で見えたが、終盤の時間帯の上手さでは拓殖大が上をいった。中でも#34長谷川智伸が5本の3Pを含む34得点と、エースにふさわしい活躍。5勝目をあげた。
拓殖大:5勝2敗/早稲田大:3勝4敗
慶應義塾大対東海大は、立ち上がりこそ慶應大にも良さが出たが、東海大の前に次第にミスが増え、大きくリードされる展開となった。この日は#23本橋(2年・C)、#21権田(1年・F・慶應義塾)ら下級生にふんばりが見られたが、東海大の強さ、正確さが上回った。東海大は#25祐川(4年・SF)、#11坂東(4年・PG)ら4年生にまで出番が回り快勝。次戦は優勝を争う青山学院大との対戦となる。
東海大:6勝1敗/慶應義塾大:2勝5敗
青山学院大対日本大はペースの遅い展開でロースコアとなった。青学大はやや集中力を欠く場面が見られたが、無難に73-63で逃げ切った。青山学院大はリーグ初戦でケガをした#3小林(2年・PG)がようやく復帰。一方の日本大はこの日#21熊吉(4年・C)、#18富山(4年・F)の4年生2名が復帰。残りも順次復帰予定だ。
青山学院大:7勝0敗/日本大:2勝5敗
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「1部はレベルも高いし、雰囲気も2部と違って楽しい」はつらつとしたプレーでチームに活力を
◆#14岸本隆一(大東文化大学・3年・PG)

キャプテン#11田中の欠場もあり、ほぼ1試合を通して出番を得た岸本。この試合では連続3Pで会場を沸かせ、見事勝利の立役者となった。
勝ちきれてはいないものの、接戦を演じているだけに手応えもあってチームの雰囲気は良好。何より、大東大の選手たちは一人ひとりがこの1部という舞台を目を輝かせて楽しんでいるように見える。
チームが勢いに乗った時の爆発力は大きい。今後どこまで力を発揮できるか注目だ。
―嬉しい2勝目ですね。今のお気持ちは?
「やっとですね。今週は絶対2勝が課題だったので、まぁ嬉しいというか、ホッとしたって感じです。とりあえず勝てて良かったです」
―4Qで岸本選手の連続シュートがチームを勢いづけましたね。
「もうあれは完全にノリです!1本決まって完全に調子に乗りました(笑)。ベンチとか応援団が“いけいけー!”って盛り上がってくれたので、自分もそのおかげで乗せられましたね」
―大東大は本当に応援がにぎやかですよね。悪い流れのときも静かにならないのはチームの良さだと思いますが。
「そうですね、逆転されたりしても全然暗くならないですし、そういうところは応援にすごい助けられています。感謝してますね」
―でも、今日の試合でも10点くらい離した後に追い上げられてしまいました。
「もうそれは春からずっと続いてる課題じゃないですか。それを想定したゲーム形式の練習もしてきたんですよ。それでもまだ克服できてないですよね。でも今日勝ちきれたのは良かったです」
―4勝2敗の筑波大相手に、大きな1勝だったのでは?
「いや、でも筑波が上位校だからどうとかは全然考えませんでした。実際負けは込んでいるんですが、ここまで拓大みたいな強いチームとも結構競っているし、そこまで実力の差はないかなと。それにやっぱり大事なのは気持ちじゃないですか。だから筑波相手に弱気になることはなかったですね。とりあえず、2勝目が欲しいって、ただそれだけでした」
―トーナメントでお話を伺った時に、初めての1部リーグが楽しみだと仰っていたと思うんですが、実際こうしてプレーしてみてどうですか?
「もうすっごい楽しいですね。レベルも高いし、雰囲気も全然違いますよね。1プレー1プレーで見てるお客さんも一喜一憂してくれるし。“あーバスケしてるなー”って実感します。自分は沖縄出身なんですけど、地元ではバスケも人気あってこんな雰囲気なんですよ。だから久しぶりというか、懐かしい感じはありますね。めっちゃ楽しいです」
―ここまでの7試合全体を振り返っていかがですか?
「青学と東海の試合以外、全部4Qに入るときにはうちがリードしてるんですよ。だから振り返ってあれが悪い、これが悪いというよりは、とにかくもう課題が明確なんです。いかに追いつかせずに引き離せるか。そこをどうにかすれば絶対勝ち切れると思いますね」
―リーグ戦はスターターとして出番を得ていますが、ベンチからのスタートとはどういう部分が違いますか?
「やっぱり控えのときは、当たり外れがあるのもある程度しょうがないという感じで使ってもらってたんです。ガンガン行って、当たればそのまま続行だし、外れればベンチに戻すという感じで。でも、スタートだとそうはいかないじゃないですか。だから春より今の方が色々考えてプレーしてると思いますね。試合の流れとかチームの雰囲気とか。でも、まだまだな部分もたくさんあります。今はまだ、遠藤さん(#15)、将道さん(#11田中)、小原さん(#13)に指示を出してもらってやっと動き出すということも多いですから。そこは本来自分がやらなきゃいけないことで、それを西尾さん(ヘッドコーチ)も自分に求めていると思います。でも、段々と自分も色々言えるようにはなってきましたね。それに先輩たちは、後輩の自分が何か言ってもちゃんと理解してくれる人達なんですよ。大東って上辺だけじゃなくてそういう信頼関係も結べているので、それはすごくやりやすいです」
―雰囲気はすごく良い感じですね。
「そうですね。負けてるから落ち込むとかは全然ないです。自分たちは2部から上がってきて、1部の底辺だって開き直ってやってますね。やっぱり構えるのって大東っぽくないですし、チャレンジャーとしてガンガン行きたいですね」
―今後のリーグ戦への意気込みを。
「今週2連勝すれば、まだまだ上も目指せると思うんです。今日勝ったし、下は見ないですね。自分たちは2部から上がってきましたけど、大きな力の差があるわけではなくて、勝ちきれない分のあと一歩が足りないだけだと思うんです。そこを修正して勝ちに行きたいと思います。出来れば上位争いに絡みたいですね。そうすれば来年にも繋がるので。頑張ります!」
「勝負どころで自分が点を取れば、チームも勢いに乗れる」
芽生えたエースとしての自覚と責任
◆#11宇都直輝(専修大・2年・G)

その得点能力は1部の中でも屈指で、1対1に来ると分かっていてもなかなか止めることは難しい。
スピードを活かして抜き去り、ヘルプディフェンスをかわしてシュートをねじ込む。その派手なプレーに、思わず目を奪われた観客も多いはずだ。自身も2年目になり、精神的成長も見られる。エースとして当然相手チームのマークも厳しくなるだろうが、今後の奮闘にも期待したい。
―試合を振り返ってどうでしたか?
「こっちのディフェンスが良かったんじゃないですかね。2・3Qで相手の得点を一桁に抑えられましたから。それでその時に自分もある程度点が取れて、そこで勢いに乗れたのが良かったですね」
―やはり宇都選手は1on1の強さが光りますね。分かっていても止められないというか。
「いやいや、たまたま入ってるだけです(笑)」
―チームで春からずっとディフェンスの練習をしているそうですね。
「そうですね。春からずっとやってきて、やっとこのリーグ戦でその形を出し始めています。意外と相手がハマってくれるものですね。だから自分ではそこまで激しくディフェンスしてる感じではないんですよ。勝手に相手がハマってくれるイメージっていうんですかね。自然と練習の成果が出てるのかなと思います」
―春もディフェンスは良かったと思いますが、さらにこのリーグ戦ではコミュニケーションもより取れるようになった印象を受けます。
「そうですね。うち、最近練習から少し変わったんですよ。専修らしくない練習というか、真面目に一生懸命やる感じになったんじゃないかなと思います。みんなやたらと張り切って声も出してますね。あまりにも専修らしくないので、“あれ、このチームどこのチームだっけ?”ってやってて思うくらい(笑)。良い意味でチームカラーも少し変わってきたのかなと思います。多分ですけど、去年の3年生が今年から4年生になったことが大きいですね。今まで去年の3年生が一番いい加減な学年だって言われてたんですけど、今年は最上級生になって気持ちが切り替わってますから。それがチームにも良い影響を与えてるのかなと思います」
―先行逃げ切り型という感じだった去年よりも、今年は粘れるようになりましたね。
「そうですね。青学戦は自分たちで崩れてしまったんですが、いつも苦手だった東海にも今年は4Qまでついていけました。強豪相手にもやれるんだと分かって東海戦は次に繋がる試合だったかなと思います。でもまだまだ、今年は粘れても勝ち切れてないんですよね。チーム的には結構頑張っていると思うので、あとは結果がついて来ればいいなという感じです。筑波戦とか慶應戦とか、絶対勝てた試合じゃないですか。もったいないですね。まぁでも慶應戦は完全に自分のせいで負けたと思いますね」
―“自分のせい”とは?
「慶應戦だけじゃないですけど、やっぱりまだまだ止められてるので。勝負どころで自分が点を取れば、チームも勢いに乗ると思うんですよ。今日の試合みたいなバスケットカウントとかブレイクとか、そういう勢いがやっぱりうちのチームには必要です。それで乗ってきたところで館山さん(#33)のスリーが決まれば、さらに盛り上がりますからね。自分が勝負どころで点を取れなきゃだめだと思います」
―慶應戦はかなり悔しそうでしたね。
「あれは本当に悔しかったですよ。死にそうでした(苦笑)。バスケ辞めようかって頭によぎった位です」
―そこから切り替えられましたか?
「いやでもやっぱりリーグ戦はどんどん続くじゃないですか。だから今日の試合で、とりあえず取り返そうと思ってましたね。それで今日は結構点も取れたし、しかも割とチームに合わせつつプレー出来たので良かったと思います」
―宇都選手は去年よりコートの中でチームメイトに声を掛けることが増えましたね。
「やっぱり去年は1年生だったしコートに4年生とかもいたので、完全に声かけてもらう側でした。でも2年生になってちょっと変わったんですかね?去年得点王も取ったし、今はやっぱり自分が声を出してコミュニケーション取らなきゃと思って。それは結構いい感じで出来てるかなと思います。でも個人的な自分の出来はまだまだですね。もっと頑張りたいです」
―去年にもまして、相手チームからのマークは厳しいですね。
「そうですね、去年よりきついと思います。東海戦とか3人くらい寄ってきましたから。でもリーグ戦の1週くらいまでジャンプシュートが調子悪かったんですけど、最近は良くなってきたなと思います。あれがもう少し入れば、ドライブにも行きやすくなるんじゃないですかね。あとは、もう少しファウルを吹いてもらえればいいな…と。仕方ないですが。結構突っ込むんで、毎回試合終わったら傷だらけですよ(苦笑)」
―今後のリーグ戦をどういうリーグにしていきたいですか?
「チーム的には一戦必勝ですね。自分たちはそんなに強いチームではないので、目の前の相手を一つずつ倒しながらという感じで上位を狙いたいと思います。まぁやっぱり、バスケットは楽しいですね。練習とかはきついですけど、やっぱり楽しいです。練習を頑張って試合は楽しむというのが自分のやり方なので、これからもそういう感じでやっていきたいです」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ
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