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2011.05.26 (Thu)
【2011トーナメント】5/15 3位決定戦 東海大学VS筑波大学
序盤から引き離した東海大が優位に立ち
筑波大は追いつくことができずに試合終了
東海大学80(19-10,22-21,18-18,21-11)60筑波大学
3位決定戦には昨年と同じく筑波大と、準決勝で青山学院大に敗れた東海大が臨んだ。
先行したのは東海大。#16坂本(4年・C)や#24田中(2年・SF)の得点などで開始からリード。筑波大はアウトサイドシュートの確率が悪く、1Qで19-10と追う形となった。2Qになると筑波大は#21笹山(1年・G・洛南)の連続得点などで追い上げをはかるが、東海大は#31高山(3年・SF)、#33狩野(3年・SG)、#16坂本らの得点が続き、簡単には追い上げさせない。しかし東海大がファールが続いたところで筑波大が得点し、じわじわと詰め寄っていく。しかし東海大は#33狩野がアウトサイド、速攻を成功させ、#24田中が3Pを決めて前半を41-31とリードで折り返した。
なんとか10点差を詰めたい筑波大。#99加納(4年・C)の3Pで4点差にまで追い上げる場面もあり、ムードに乗りたいところだが、東海大は速攻を連発し、筑波大を寄せ付けない。#35池田(2年・SG)や#15山口(4年・SG)のシュートも当たり始めて#99加納が3Pを決めていくが、3Q終了時も10点差は縮まらない。4Qに入り、#34田渡(4年・G)の3Pがようやく決まり、ベンチも湧くが追いつくには至らず。最後は80-60と東海大が余力を持ったまま引き離して勝利。3位が東海大、4位が筑波大となった。
東海大は今大会優勝候補の一つだったこともあって、バランスの良い戦力で見事勝利。#0満原(4年・C)がケガで出場時間が限られたが、万全な状態で秋は優勝を目指したいところだ。
教育実習などで春はチーム作りが難しい筑波大だが、今回は体育館の被災もあり、良い環境でここまで来たとは言いがたい。若い選手も多く、ここがまず第一歩、秋の成長を待ちたい。
写真:今大会で存在感を示した東海大・坂本は、インサイドで踏ん張れる選手。
※東海大・田中選手、バランスキー選手、筑波大・田渡選手、加納選手、池田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「今年は気持ちが上手く切り替えられるようになった」
精神的な成長を実感し、2年目のシーズンスタート
◆#24田中大貴(東海大・2年・SF)
2年生ではあるものの、今やりっぱにチームになくてはならないエース的存在である。
東海大の強みはインサイドにあるが、それと同時にこの田中が機能したときの強さは他チームの脅威となるだろう。
2年目となり、下級生を助けたいという良い意味での精神的余裕も生まれている。
今シーズンチームをどこまで引っ張っていけるか注目だ。
―3位という結果で大会を終えましたが。
「チームの状況としては満さん(#0満原)とか山田さん(#14)の怪我とかがあって良いとは言えないコンディションだったんですけど、昨日の負けから上手く切り替えて今日はみんな良い集中で試合が出来たと思います」
―万全ではない状況でこういう結果だったということで、手応えもあったのではないですか?
「そうですね。満さんが腰を痛めていましたが、そのかわりにザック(#10バランスキー)が入って彼も良い経験が積めたと思うし、去年怪我していた健さん(#16坂本)も活躍して、チームとして成長出来たと思います。うちのチームの強みはやっぱりインサイドだと思うし、それはチームにとってプラスでした」
―昨日の青学戦についてですが、田中選手は前半チームを引っ張る活躍でしたね。
「でも後半は足が止まってしまって上手く流れを掴むことが出来ませんでした。あとは昨日の試合は個人的に全然リバウンドが取れてなかったです。今日はリバウンドに絡もうという意識で臨みました」
―満原選手がインサイドにいるときに、そのまま攻めるのか周りの選手が攻めるのかというバランスが難しそうだなと感じたんですが。
「どうしてもローポストで満さんにボールを入れた時に、周りが止まることがありました。それは良い流れじゃないと思うので、入れた後にカッティングしたり、逆サイドでスクリーン掛けて動いたりとかをもっとやっていかないといけないなと思います」
―2年目になって何か変わったことはありますか?
「去年は負けた後の試合で自分自身上手く切り替えられなくて、引きずってしまう部分があったんですけど、今年は、昨日は昨日、今日は今日で上手く切り替えられたと思います。インカレで優勝するという最終的な目標があるので、それに向かって良い終わり方が出来るようにと思って試合に臨めました。精神面で去年よりも成長出来たと思います」
―去年から試合に出ている立場で、今年は後輩も入ってきたわけですが、そういう1年生を引っ張ろうという意識はありますか?
「そうですね。去年1年生で試合に出させてもらって、今試合に出る1年生の気持ちもわかるので。ザックは1年生ながら本当に良くやっていると思います。ディフェンスではローテーションとか出来ない部分もありますが、そこはまだ当たり前だと思うので、カバーしてあげられるようにと思っています。1年間経験を積んでる訳なので、引っ張るというか、助けてあげられればなと思います」
―秋に向けて。
「青学を倒すというのが、自分たちが優勝するために一つ必要なことだと思います。青学戦は最後にファウルゲームをしたからああいう風に点差が開きましたが、点差ほど大きな差はないと思いました。昨日はあと少しルーズボールだったりリバウンドだったりが負けていたので、そこはもう一回リーグ戦までにレベルアップして、最終的にはインカレで優勝出来るように頑張りたいと思います」
―今シーズン、チームとしてどんなバスケットをしていきたいですか?
「うちはディフェンスのチームですが、昨日の青学戦ではオフェンスが上手くいっていない時にそれを引きずってディフェンスが頑張れなかった部分がありました。それはうちのチームカラーではないと思うので、あくまでもディフェンスからオフェンスという形を徹底して、一人ひとりそういう意識を強く持ってやっていきたいです」
―個人としてはどうですか?
「去年は1年生だったので、思いっきりやるだけだったんですけど、今年は試合の状況を見て、行くところ行かないところをもっと考えなきゃいけないと思います。ディフェンスでも相手のエースにつくことが多いと思うので、40分集中を切らさずに動けるような体力もつけていきたいです」
「あまりプレッシャーを感じずプレー出来た」
初めての大学公式戦も、堂々とプレー
◆#10バランスキー・ザック(東海大・1年・C・東海大三)
大黒柱#0満原の代わりにスターターとなったのバランスキー。
高校3年時、インターハイで3位という東海大三高の躍進に一役買った選手の一人である。
大学に進んでも1年生ながらスタメンデビューを果たし、存在感を発揮した。
ディフェンス面ではまだまだ課題も見えたが、高確率で決まるミドルシュートと体を張ったリバウンドは大きな武器。また、チームメイトとの連携も試合を追うごとに良くなっていった。ここで得た経験を、今後の成長に活かしたい。
―トーナメント全体の感想をお願いします。
「自分にとっては初めての公式戦で、緊張はあまりしなかったんですが、最初の方は先輩とあまり息が合わなかったりしました。でも試合を重ねるうちにだんだん良くなっていったと思います。先輩たちはみんなパスが上手いので、合わせれば入れてくれるのが心強かったです」
―今大会、シュートもよく決めていましたね。
「大会前から先輩方やコーチたちから“思い切ってやって来い”と言われていたので、あまりプレッシャーは感じずにプレーできて、それが良かったんだと思います」
―東海大という層が厚いチームの中で、1年目の春に出場機会をかなり得ることが出来ましたがそれについてはどう感じていますか?
「今回は怪我人が多くて自分がスタートになっただけなんですけどね。選手争いについては、良い選手がいっぱいいるので誰がメンバーになるのか分からないですし、ちょっと調子が悪ければ外されることもあると思います。だから試合に出る機会を得られたら毎回良いプレーをしてアピールできるようにしていきたいです。怪我人がいなくても、レギュラーになれるように頑張ります」
―大学に入ってからこのトーナメントまでの練習はどうでしたか?
「自分は高校が付属校なので、ディフェンスの意識だったりチームの考え方はあまり変わらないです。だからか環境的にはやりやすかったですね」
―高校との違いはどういう部分で感じますか?
「やっぱり体の当たりが全然違いますね。一人ひとりのディフェンスが違いました」
―チームの中で、自分の役割はどこにあると思いますか?
「やっぱりリバウンドですね。あとは自分のマークマンをしっかり守ることを求められていると思います」
―この大会で得たものは何ですか?
「一番大きいのは経験ですね」
―今ある課題はどんなところですか?
「インサイドをやるので、もっと体とか鍛えてフィジカル面で負けないようにして、オフェンスはもっとバリエーションを増やしたいです」
―1年目のシーズン、抱負をお願いします。
「これから先全部の大会が初めてなので、フレッシュな気持ちで、自分らしく頑張りたいです」
「まだできたなとすごく思う」
数字に表れた課題と表せなかった自信を胸に
◆#34田渡修人(筑波大・主将・G)
準々決勝までの勝利と、準決勝・3位決定戦での敗戦。
このトーナメントにおいて筑波大は、様々な姿を見せた。どれが本当の今の力と言い切れないし、今後どんなチームに仕上がるかも、色々な可能性がある。
その今の状態を、司令塔であり主将である田渡は“言葉でうまく表せない”と言いながらも、丁寧に説明してくれた。
その中で伝わってきたのは、チームとして掴もうとしている“何か”がはっきり見えたとき、チームは間違いなく一段階ステージが上がるだろうということ、そして田渡も新しい顔を見せてくれるだろうということだ。
「全て自分のせい」「4年目にして」と田渡は自嘲したが、大学最上級生の“自分のバスケ”とは、大学3年までのそれとは異なるはず。
誰よりもチーム思いで勝ちにこだわる田渡を信じて、今年の筑波大というチームの羽化を待ちたい。
―試合振り返って。
「東海がサイズがあるとか、何をやってくるかというのは何度も対戦していてよくわかっていたんですが、自分がだめでした。それでオフェンスでシュートに行く前のターンオーバーで終わってしまったり、打てるのに打たないでパスしたり。自分としては攻め気がなかったわけではないんですが、特に自分だけシュートに行けていなくて、思ったプレーができないなと試合中ずっと考えてしまっていました」
―その要因として考えられるのは、相手のディフェンスでしょうか?それともチーム内のコミュニケーション?
「筑波はガードから始まるセットプレーが多くて、つまり自分からオフェンスが始まるんですが、うーん、感覚でしかわからないものと言うか…。東海のディフェンスもよかったと思いますが、それ以上にうちのスペーシングが悪くてチームとしてだんだん攻めが小さくなってしまったという感じですかね」
―準決勝からの切り替えという意味ではどうでしたか?
「それはできていました。もちろん、僕らの代は何度もベスト4には入っているんですが3位が最高で、今度こそ決勝に行こうと言っていたのに行けなくて、試合が終わった後に決勝への壁は厚いな、何かわからないけどここにきたら自分達のプレーができなくなっちゃうなという話もしました。でも、3位と4位は違うし、新人戦・リーグ戦とつなげていくためにも3位になるのは大事だから、東海は強いけどしっかり3位になろうと切り替えはできていました」
―トーナメント後半は、東海含め1部でまた戦うチームとの連戦でしたが、秋に向けてどんな課題がありましたか?
「ディフェンスはゾーンでごまかしているところがあるなと。例えばマンツーマンのときに(東海大#24田中)大貴のヘルプに行ったところで(東海大#16坂本)健にゴール下に入られたりということがありました。うちはディフェンスのチームなので、1on1とトランジションディフェンスを意識してやらなければと思います。オフェンスは、さっきも言ったようにスペーシングと、皆がもっとシュートに行くというのを意識した方がいいなと。リングを見ないと始まらないし、それがバスケットの基本。…まあ、特に自分の課題ですが。自分が攻めなければいけないとわかっているのにこのトーナメントを通してシュートを打てなかったので、反省しか出てこないです、このトーナメントは」
―では、チームとしての手ごたえは?
「ベスト4に入れたのはそれなりに実力はあるということだと思います。(準々決勝で対戦した)早稲田も強かったし、その前の白鴎だって決して弱いわけではなかった。それを勝ってきたのは自信になりました。もちろん(準決勝の)拓殖だって(3位決定戦の)東海だって、もし準決勝で勝っていたら青学だって、勝つ自信はあったんです。でも結果だけを見たら、こんなに差があるんだと、ビックリしたと言うか、唖然としてしまったと言うか」
―白鴎・早稲田に勝ったときのいい筑波と、準決勝・3決で出たよくない筑波との差が、この春の時点ではまだ大きいということなんでしょうね。
「いいときと悪いときはどこでもあると思うんですが、いいときはチーム全員攻めているし、そういうときってきっとディフェンスもチームで守れているんですよね。逆に悪いときは、(#99加納)誠也お願い、(#15山口)タカお願いと個人に頼るバスケットになってしまっている。特に今日の3決は大半がそんな感じになってしまいましたね。で、それが自分のせいなんですよホントに」
―あまり自分ばかり責めないでほしいなと思いますが、確かに見ていていつもの田渡選手らしくないなとも思いました。
「あまり試合で調子いい悪いとかないタイプなんですが、このトーナメントを通して、ホントにバスケ難しいなって思いました。周りはうまいし、皆がしっかりやってくれたからベスト4までこれたと思うんですけど、なんだろう。他のガードの選手にも、みんな上手いですが負ける気もしないし、チームとしても負ける気もしないんですけど…結果を見ると?内容を見ると?となりますよね。自分としてはよく“攻めろ”と言われるんですが、攻めるって何だろうと。攻めると言ってもただ攻めればいいわけじゃなくて、合わせるところまで含むはずが、今日もうまく合わせられなかったので、攻めるって何かなっていうのをリーグまでに見つけたいです」
―田渡選手を先頭に皆が攻めるのを意識する、というのがきっかけになりそうでしょうか?
「そうですね。うちは今年はトランジションバスケです。(勝った)早稲田戦や白鴎戦のときはトランジションで攻めきっていたので、トランジションはそのまま継続できるようにして、その中で皆が1on1できるようなスペーシングを取りながらのバスケットができれば、いい方に向かうと思います」
―その、“何だろう”というのが見えたら、これまでベスト4だったチームが決勝に行けるようなチームに大きく変わるの予感がします。
「そうですよね。今年はうちは本当に勝負の年だと思います。その勝負の年の、ガードを任されていて、キャプテンの自分がこんなじゃダメなので、絶対にその“何か”を自分で見つけていきます」
―話は変わりますが、今日スタンドに“田渡先生頑張って”というボードが出ていましたが、あれを見てどうでしたか?
「教育実習先で、来るとは言っていたんですけど、まさかあんなふうにしてくれるとは…(笑顔)。すごく励みになったし、でも見に来てくれている分いい試合をしたい、自分がいいところを見せる以上に筑波大学ってすごくいいチームなんだよってところを見せたかったんですが、自分から崩れるという。一番見せてはいけない試合をしてしまったと思います」
―それでも、筑波大は春は教育実習の選手が多かったり、今年は地震の影響も受けたりする中でバスケットにもしっかり取り組んでいて、そういう姿から伝わるものはあったのではないでしょうか。
「確かに今年は4月くらいまで満足な練習ができなかったですが、それを言い訳にしないで優勝しようと話していました。だからそこから考えると…ベスト4には入れたんですが、まだできたな、とすごく思ったんです。拓殖も東海も強いですが、なぜこんなに点が離れるかなと。ちょっとしたところなんです。でもそれが大きな点差になった」
―秋までは時間があるので、ぜひ、その少しのところを埋めて、自分達のバスケットをする姿を見せてほしいです。
「そうですね。自分の中で“自分のバスケット”を確立していかないといけないです。4年目にして何?と思う自分もいるんですが、それをチームにうまく還元できたら、もっといいチームになれるのかなと…いや、いいチームよりも、絶対勝ちたいんですよ。1点差でもいい。いいチームだねと言われるのはもういやなんです。強いねって言われたい。だから本当に今年勝ちにこだわってやっていきます」
「ここぞという時に自分が、という意識で」
秋に向けてチームを盛りたてる大黒柱に
◆#99加納誠也(筑波大・4年・C)
田渡、山口とともに今年は最上級生としてチームを支える立場になった加納。インサイドでは、やはり彼がいるのといないのでは全く違う。
また、アウトサイドからも決められるもは大きな強みだ。
今年は他の多くのチームがそうであるように、主力に4年生が多く、筑波大にとっても何年かおきにやってくる“勝負の年”だ。それを本当に勝負し、勝っていけるかはここからの努力次第。
今大会で得た課題を秋に結果として出したい。
-試合を終えて。
「自分達の思っていた優勝があって。でも、いざ蓋を開けてやってみたら、結果は4位で。しかも、東海には20点差。青学とはやっていないですが、現時点では20点負けているので(筑波が負けた東海が、青学に20点差で負けているので)、自分たちの掲げた優勝はまだまだ遠いなというのを痛感しました」
-拓殖大戦と違って、中盤まではきちんと10点前後でついていっていましたが、最後は20点差になってしまいました。
「トーナメントを通して、うちは勝負所が弱かったですね。ここを頑張って一本抑えていたらって時にミスしてマイナス4点とか。それで、そのままズルズルいって、もう4Q終わっちゃったみたいなパターンが多かったですね」
-決定的な場面で、シュートが決まらなかったり、ミスしてしまったりと、あと一歩が出なかったですね。
「ここ一番ってときに、誰かじゃなくて、自分がっていう意識が足りない…というか、“自分がやってやるぞ”っていう気持ちは持っていると思うんですけど、それがプレーで表すことができなかったですね。あとは、東海は“自分がやってやるぞ”っていう気持ちが強い人が多かったので、自分達が後手に回って、最後は20点プラスになってしまいましたね」
-オフェンスがちぐはぐしていて、もどかしそうだな、という印象です。
「なんか周りに頼っちゃうんですよね…。誰かがスティールして走っても片方が走ってなかったりとか。“全員バスケット”っていうのがまだまだ足りないと思います。あと、練習では走ることを意識しているのに、試合だと相手に合わせてしまって。自分達のプレーができてないから、『え?こんなことやってないし!』みたいなこともあったりします。『今行こう!』って時に、作れなかったり…。考えすぎているのかもしれませんね。それに、トーナメントは外と中の割合が悪かったですね。今日は比較的インサイドにボールが入っていましたけど、拓大戦は外がずっと持っていて、僕らインサイド陣は全然ボールを持っていなかったし。5:5でも、6:4でもいいんですけど、試合の中できちんとバランスが取れるようになればいいですね」
-加納選手自身は、インサイドはもちろんですが外角でのプレーも光りますね。意識していますか?
「打てたら打とうかなとは思っています。今年は僕が5番で出たとしても、だいたいミスマッチなんですよね。それは覚悟していたことなので、それを逆にプラスに捉えようかなって。外に出てもらって、攻めて。外からパスして中でもらうとか。動きの中できちんと攻められればいいと思っています。だから、外は得意…とまではいかないですけど、チャンスが来たら打とうかなって。でも、外でダメだったら、中でもらってしっかり攻めようと思っています。インサイドで攻める時は、ただガツガツ攻めるんじゃなくて、スマートに攻めることを意識しています」
-オフェンスの1つのバリエーションとして、田渡選手と加納選手のコンビプレーがあるかなと思ったんですが。しかも、それが軸になっているというか。
「機械的には入れているつもりです。勝負所というか、流れの中で『いくよ?』ってアイコンタクトしている部分もあります。僕と修人がピックする場面は多いと思います。それがこっちの強みかなと。引きつけてシュートもあるし。自分たちだけではなくて、そこからパスをさばけばタカ(山口)がいるし。だから、ハマると強いんですよ!ただ、まだみんなふわーっとしてしまっているので、そこが課題ですね。秋はしっかりした気持ちでやれるように、夏は頑張ってリーグを迎えたい…と、試合の途中から思っていました」
-このトーナメントは、日筑戦よりもいい雰囲気でバスケットができていたと思いますが。
「そうですね。日筑で見えた課題をきちんと直せましたし、いい雰囲気で大会に臨めたと思います。今年は“変われる力”を持っていると思うんです。4年生が各ポジションにいて、アドバイスしやすいんですよね。ガードは修人(#34田渡)、ウィングはタカ(#15山口)、インサイドは僕という感じで。僕は、4・5ポジションに対してアドバイスをすることが多いですね。でも、もちろんガードにも『ピックはこういうタイミングで来てほしい』とか言いますよ?そんな感じで、意思疎通し合っています。ポジションごとに4年生がいるのは今年の強みだと思っています」
-セカンドガードは1年生の笹山選手(#21)となっていますが、いかがですか?
「笹山は誰とでも合うガードって感じですね。それが強みだと思います。セカンドガードで出るっていうのはわかっているから、ガツガツ言ってますね。それに、わからないところがあったら絶対に聞けって言ってあるから、すぐに聞いてくるし。それは助かっています。今年は学年関係なく仲がいいので、かなり言い合っていると思います」
-今年が学生最後のシーズンになりますね。田渡選手は日筑戦の時に、“今年は勝ちたい!”と力強くおっしゃっていました。
「勝ちたいっす!とりあえず、トーナメントベスト4で終わってしまいましたけど、リーグもインカレもあるし。今年は日本一に届くところにいると思うので、頑張りたいですね。最後ですからね、僕らビッグスリー…。まぁ、周りはどう思っているかわからないですけど(笑)」
-それを叶えるためには、今の筑波にどんなことが必要だと思いますか?
「総合力ですかね。東海は交代できる選手がたくさんいます。でも、僕らは今のところシックスマンくらいまでかな…。10番目とかまで試合に絡めるようにしないとダメですね。だから、僕らも責任もってプレーすることが大事だなって。トーナメント中は、イージーなプレーが多かったし。そんなのはベンチの人に失礼だし。試合に出るからにはちゃんとやりたいと思っています。そんな僕たちを見て、ベンチも僕らとやり合えるような気持ちを持ってほしいです。とにかく、全員で勝ちたいです」
-これからリーグ、インカレと続きますが、学生最後のこのシーズンをどんなシーズンにしたいですか?
「勝って笑いたいですね。あと、吉田先生を胴上げしたいです。吉田先生は、僕を4年間見て来て、多分期待外れだと思っていると思うので(苦笑)、“誠也が筑波に来てよかった”って言われるように頑張りたいです。あとは、みんなで笑顔で吉田先生を胴上げしたいですね」
「自分の役割は何なのかずっと考えていた」
2年目のシーズン、去年までとは違う自分へ
◆#35池田龍之介(筑波大・2年・SG)
ただがむしゃらにやっていただけの1年目とは違い、今年は考えてプレーしたいという池田。
その言葉の一言一言から、2年目になったことによる意識の変化と強い自覚が感じられる。
これからの成長と活躍が楽しみな選手だ。
結果4位となったが、筑波大はここ数年ベスト4のその先、決勝までがあと一歩たどり着けずにいる。
“あとひと押し足りない”という部分を修正し、今シーズンこそさらに上を目指したい。
―4位という結果についてどう受け止めていますか?
「去年もこういう風に準決勝で負けて、今年は勝つぞって臨んだ3決でも負けて4位になってしまいました。吉田先生も、3決というのは精神的にもタフじゃないと勝てないと仰っていたんですが、本当にその通りでしたね。決勝だと最終日でも力が出てくると思うんですが、3決というのはそういう力が出しづらい戦いで、自分たちはそこであとひと押しの気迫が足りなかったんだと思います。だからそういう時に精神的に強くいれるように、リーグ戦に向けて練習や新人戦など頑張っていきたいです」
―今日の試合は、離されそうになっても10点差でずっとついていってるなと思ったのですが。
「この前のインカレで東海さんとやらせてもらった時は、最初からばーっと差が開いてしまって詰められなかったんですが、今日はハーフタイムでも“今回は離されずついていけてるからもうひと押し頑張ろう”と話していました。でもついていけたのは良かったんですが、やっぱり最後のひと押しが足りなくて最後はさらにもう10点開いてしまって。あとひと押しが足りないって、全てはそういうところだと思います」
―池田選手は去年より出場機会も増えたと思いますが、それについてどう感じていますか?
「自覚を持たなきゃなとは思いますが、プレータイムにこだわるという事はないです。そういうのは関係なく、試合を見てて、今チームに何が足りないかを考えて、自分の仕事は何なのかを意識してプレーしようと思っています。ただがむしゃらにやってればいいというのはもう卒業しなきゃ、という気持ちでこの大会は臨んで、波とかはあったんですけど、自分なりに考えることが出来たのは良かったと思います」
―そういう意識に変わったきっかけなどはありますか?
「去年を振り返った時に、正直試合後に“こうすれば良かった”“ああすれば良かった”と思う事があまりなくて、自分はただがむしゃらにやってるだけだなと感じました。1年生で、ただ入った勢いだけでやっていたと思います。でもそれじゃあこれから先なかなか勢いは出せないと思うし、勢いでやり続けるのは2年生として違うなと思って。だから、今年のチームを見た時に自分はどうすべきなのか、自分の役割を春先からずっと考えていました。それでどうしていいのか分からない部分もたくさんあったんですけど、こうやって試合を重ねて、ようやく自分の中で分かった部分があったと思います。口で上手く説明できないんですが、こういう感じなのかなって。でもまだまだ研究していかなきゃいけない部分もあったので、そこをもっと追究していきたいです」
―何か掴んだという手応えもあったという事ですか?
「…どうなんですかね。でも今は手応えを感じる前に、次に何をすべきかってことを考えていたので、手応えとかはあまり意識していないです」
―見えてきた課題というのは具体的には?
「吉田先生も仰っていたんですが、ディフェンスがきつくなった時に決めきるような1対1の強さがなかったと思いますし、あとは逆にこっちのディフェンスも、練習してきたことが試合で良い形で表れていなかったと思いました。あとは、きつい練習でさっき言った気持ちの部分をもっと強くすることが出来れば、もう少し良い試合が出来るんじゃないかなと思います」
―田渡選手、加納選手、山口選手も4年生になって、3人の勝ちたい気持ちも相当強いと思いますが、そういう想いは直接言われたり感じたりしますか?
「4年生の3人は口でも言ってくれますし、プレーでも表してくれています。いつも引っ張ってくれるというか、“はっ”と気付かせてくれて奮い立たせてもらっていますね。そういう気持ちはすごく伝わってるので、僕ら下級生もそれに応えて一緒に乗っていきたいなと思います」
―今シーズンの抱負をお願いします。
「色んなことを覚えたいなと思っています。もらって打つだけとかはもう通用しないと思うので、ドライブして周りを活かしたりだとか、リバウンドだとか。この大会を通して、得点以外のアシストとかリバウンドとかディフェンスとか、そういう部分を地道に頑張っていけるような選手になりたいと思ったので、それに向かって頑張りたいです」
筑波大は追いつくことができずに試合終了
東海大学80(19-10,22-21,18-18,21-11)60筑波大学

先行したのは東海大。#16坂本(4年・C)や#24田中(2年・SF)の得点などで開始からリード。筑波大はアウトサイドシュートの確率が悪く、1Qで19-10と追う形となった。2Qになると筑波大は#21笹山(1年・G・洛南)の連続得点などで追い上げをはかるが、東海大は#31高山(3年・SF)、#33狩野(3年・SG)、#16坂本らの得点が続き、簡単には追い上げさせない。しかし東海大がファールが続いたところで筑波大が得点し、じわじわと詰め寄っていく。しかし東海大は#33狩野がアウトサイド、速攻を成功させ、#24田中が3Pを決めて前半を41-31とリードで折り返した。
なんとか10点差を詰めたい筑波大。#99加納(4年・C)の3Pで4点差にまで追い上げる場面もあり、ムードに乗りたいところだが、東海大は速攻を連発し、筑波大を寄せ付けない。#35池田(2年・SG)や#15山口(4年・SG)のシュートも当たり始めて#99加納が3Pを決めていくが、3Q終了時も10点差は縮まらない。4Qに入り、#34田渡(4年・G)の3Pがようやく決まり、ベンチも湧くが追いつくには至らず。最後は80-60と東海大が余力を持ったまま引き離して勝利。3位が東海大、4位が筑波大となった。
東海大は今大会優勝候補の一つだったこともあって、バランスの良い戦力で見事勝利。#0満原(4年・C)がケガで出場時間が限られたが、万全な状態で秋は優勝を目指したいところだ。
教育実習などで春はチーム作りが難しい筑波大だが、今回は体育館の被災もあり、良い環境でここまで来たとは言いがたい。若い選手も多く、ここがまず第一歩、秋の成長を待ちたい。
写真:今大会で存在感を示した東海大・坂本は、インサイドで踏ん張れる選手。
※東海大・田中選手、バランスキー選手、筑波大・田渡選手、加納選手、池田選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「今年は気持ちが上手く切り替えられるようになった」
精神的な成長を実感し、2年目のシーズンスタート
◆#24田中大貴(東海大・2年・SF)

東海大の強みはインサイドにあるが、それと同時にこの田中が機能したときの強さは他チームの脅威となるだろう。
2年目となり、下級生を助けたいという良い意味での精神的余裕も生まれている。
今シーズンチームをどこまで引っ張っていけるか注目だ。
―3位という結果で大会を終えましたが。
「チームの状況としては満さん(#0満原)とか山田さん(#14)の怪我とかがあって良いとは言えないコンディションだったんですけど、昨日の負けから上手く切り替えて今日はみんな良い集中で試合が出来たと思います」
―万全ではない状況でこういう結果だったということで、手応えもあったのではないですか?
「そうですね。満さんが腰を痛めていましたが、そのかわりにザック(#10バランスキー)が入って彼も良い経験が積めたと思うし、去年怪我していた健さん(#16坂本)も活躍して、チームとして成長出来たと思います。うちのチームの強みはやっぱりインサイドだと思うし、それはチームにとってプラスでした」
―昨日の青学戦についてですが、田中選手は前半チームを引っ張る活躍でしたね。
「でも後半は足が止まってしまって上手く流れを掴むことが出来ませんでした。あとは昨日の試合は個人的に全然リバウンドが取れてなかったです。今日はリバウンドに絡もうという意識で臨みました」
―満原選手がインサイドにいるときに、そのまま攻めるのか周りの選手が攻めるのかというバランスが難しそうだなと感じたんですが。
「どうしてもローポストで満さんにボールを入れた時に、周りが止まることがありました。それは良い流れじゃないと思うので、入れた後にカッティングしたり、逆サイドでスクリーン掛けて動いたりとかをもっとやっていかないといけないなと思います」
―2年目になって何か変わったことはありますか?
「去年は負けた後の試合で自分自身上手く切り替えられなくて、引きずってしまう部分があったんですけど、今年は、昨日は昨日、今日は今日で上手く切り替えられたと思います。インカレで優勝するという最終的な目標があるので、それに向かって良い終わり方が出来るようにと思って試合に臨めました。精神面で去年よりも成長出来たと思います」
―去年から試合に出ている立場で、今年は後輩も入ってきたわけですが、そういう1年生を引っ張ろうという意識はありますか?
「そうですね。去年1年生で試合に出させてもらって、今試合に出る1年生の気持ちもわかるので。ザックは1年生ながら本当に良くやっていると思います。ディフェンスではローテーションとか出来ない部分もありますが、そこはまだ当たり前だと思うので、カバーしてあげられるようにと思っています。1年間経験を積んでる訳なので、引っ張るというか、助けてあげられればなと思います」
―秋に向けて。
「青学を倒すというのが、自分たちが優勝するために一つ必要なことだと思います。青学戦は最後にファウルゲームをしたからああいう風に点差が開きましたが、点差ほど大きな差はないと思いました。昨日はあと少しルーズボールだったりリバウンドだったりが負けていたので、そこはもう一回リーグ戦までにレベルアップして、最終的にはインカレで優勝出来るように頑張りたいと思います」
―今シーズン、チームとしてどんなバスケットをしていきたいですか?
「うちはディフェンスのチームですが、昨日の青学戦ではオフェンスが上手くいっていない時にそれを引きずってディフェンスが頑張れなかった部分がありました。それはうちのチームカラーではないと思うので、あくまでもディフェンスからオフェンスという形を徹底して、一人ひとりそういう意識を強く持ってやっていきたいです」
―個人としてはどうですか?
「去年は1年生だったので、思いっきりやるだけだったんですけど、今年は試合の状況を見て、行くところ行かないところをもっと考えなきゃいけないと思います。ディフェンスでも相手のエースにつくことが多いと思うので、40分集中を切らさずに動けるような体力もつけていきたいです」
「あまりプレッシャーを感じずプレー出来た」
初めての大学公式戦も、堂々とプレー
◆#10バランスキー・ザック(東海大・1年・C・東海大三)

高校3年時、インターハイで3位という東海大三高の躍進に一役買った選手の一人である。
大学に進んでも1年生ながらスタメンデビューを果たし、存在感を発揮した。
ディフェンス面ではまだまだ課題も見えたが、高確率で決まるミドルシュートと体を張ったリバウンドは大きな武器。また、チームメイトとの連携も試合を追うごとに良くなっていった。ここで得た経験を、今後の成長に活かしたい。
―トーナメント全体の感想をお願いします。
「自分にとっては初めての公式戦で、緊張はあまりしなかったんですが、最初の方は先輩とあまり息が合わなかったりしました。でも試合を重ねるうちにだんだん良くなっていったと思います。先輩たちはみんなパスが上手いので、合わせれば入れてくれるのが心強かったです」
―今大会、シュートもよく決めていましたね。
「大会前から先輩方やコーチたちから“思い切ってやって来い”と言われていたので、あまりプレッシャーは感じずにプレーできて、それが良かったんだと思います」
―東海大という層が厚いチームの中で、1年目の春に出場機会をかなり得ることが出来ましたがそれについてはどう感じていますか?
「今回は怪我人が多くて自分がスタートになっただけなんですけどね。選手争いについては、良い選手がいっぱいいるので誰がメンバーになるのか分からないですし、ちょっと調子が悪ければ外されることもあると思います。だから試合に出る機会を得られたら毎回良いプレーをしてアピールできるようにしていきたいです。怪我人がいなくても、レギュラーになれるように頑張ります」
―大学に入ってからこのトーナメントまでの練習はどうでしたか?
「自分は高校が付属校なので、ディフェンスの意識だったりチームの考え方はあまり変わらないです。だからか環境的にはやりやすかったですね」
―高校との違いはどういう部分で感じますか?
「やっぱり体の当たりが全然違いますね。一人ひとりのディフェンスが違いました」
―チームの中で、自分の役割はどこにあると思いますか?
「やっぱりリバウンドですね。あとは自分のマークマンをしっかり守ることを求められていると思います」
―この大会で得たものは何ですか?
「一番大きいのは経験ですね」
―今ある課題はどんなところですか?
「インサイドをやるので、もっと体とか鍛えてフィジカル面で負けないようにして、オフェンスはもっとバリエーションを増やしたいです」
―1年目のシーズン、抱負をお願いします。
「これから先全部の大会が初めてなので、フレッシュな気持ちで、自分らしく頑張りたいです」
「まだできたなとすごく思う」
数字に表れた課題と表せなかった自信を胸に
◆#34田渡修人(筑波大・主将・G)

このトーナメントにおいて筑波大は、様々な姿を見せた。どれが本当の今の力と言い切れないし、今後どんなチームに仕上がるかも、色々な可能性がある。
その今の状態を、司令塔であり主将である田渡は“言葉でうまく表せない”と言いながらも、丁寧に説明してくれた。
その中で伝わってきたのは、チームとして掴もうとしている“何か”がはっきり見えたとき、チームは間違いなく一段階ステージが上がるだろうということ、そして田渡も新しい顔を見せてくれるだろうということだ。
「全て自分のせい」「4年目にして」と田渡は自嘲したが、大学最上級生の“自分のバスケ”とは、大学3年までのそれとは異なるはず。
誰よりもチーム思いで勝ちにこだわる田渡を信じて、今年の筑波大というチームの羽化を待ちたい。
―試合振り返って。
「東海がサイズがあるとか、何をやってくるかというのは何度も対戦していてよくわかっていたんですが、自分がだめでした。それでオフェンスでシュートに行く前のターンオーバーで終わってしまったり、打てるのに打たないでパスしたり。自分としては攻め気がなかったわけではないんですが、特に自分だけシュートに行けていなくて、思ったプレーができないなと試合中ずっと考えてしまっていました」
―その要因として考えられるのは、相手のディフェンスでしょうか?それともチーム内のコミュニケーション?
「筑波はガードから始まるセットプレーが多くて、つまり自分からオフェンスが始まるんですが、うーん、感覚でしかわからないものと言うか…。東海のディフェンスもよかったと思いますが、それ以上にうちのスペーシングが悪くてチームとしてだんだん攻めが小さくなってしまったという感じですかね」
―準決勝からの切り替えという意味ではどうでしたか?
「それはできていました。もちろん、僕らの代は何度もベスト4には入っているんですが3位が最高で、今度こそ決勝に行こうと言っていたのに行けなくて、試合が終わった後に決勝への壁は厚いな、何かわからないけどここにきたら自分達のプレーができなくなっちゃうなという話もしました。でも、3位と4位は違うし、新人戦・リーグ戦とつなげていくためにも3位になるのは大事だから、東海は強いけどしっかり3位になろうと切り替えはできていました」
―トーナメント後半は、東海含め1部でまた戦うチームとの連戦でしたが、秋に向けてどんな課題がありましたか?
「ディフェンスはゾーンでごまかしているところがあるなと。例えばマンツーマンのときに(東海大#24田中)大貴のヘルプに行ったところで(東海大#16坂本)健にゴール下に入られたりということがありました。うちはディフェンスのチームなので、1on1とトランジションディフェンスを意識してやらなければと思います。オフェンスは、さっきも言ったようにスペーシングと、皆がもっとシュートに行くというのを意識した方がいいなと。リングを見ないと始まらないし、それがバスケットの基本。…まあ、特に自分の課題ですが。自分が攻めなければいけないとわかっているのにこのトーナメントを通してシュートを打てなかったので、反省しか出てこないです、このトーナメントは」
―では、チームとしての手ごたえは?
「ベスト4に入れたのはそれなりに実力はあるということだと思います。(準々決勝で対戦した)早稲田も強かったし、その前の白鴎だって決して弱いわけではなかった。それを勝ってきたのは自信になりました。もちろん(準決勝の)拓殖だって(3位決定戦の)東海だって、もし準決勝で勝っていたら青学だって、勝つ自信はあったんです。でも結果だけを見たら、こんなに差があるんだと、ビックリしたと言うか、唖然としてしまったと言うか」
―白鴎・早稲田に勝ったときのいい筑波と、準決勝・3決で出たよくない筑波との差が、この春の時点ではまだ大きいということなんでしょうね。
「いいときと悪いときはどこでもあると思うんですが、いいときはチーム全員攻めているし、そういうときってきっとディフェンスもチームで守れているんですよね。逆に悪いときは、(#99加納)誠也お願い、(#15山口)タカお願いと個人に頼るバスケットになってしまっている。特に今日の3決は大半がそんな感じになってしまいましたね。で、それが自分のせいなんですよホントに」
―あまり自分ばかり責めないでほしいなと思いますが、確かに見ていていつもの田渡選手らしくないなとも思いました。
「あまり試合で調子いい悪いとかないタイプなんですが、このトーナメントを通して、ホントにバスケ難しいなって思いました。周りはうまいし、皆がしっかりやってくれたからベスト4までこれたと思うんですけど、なんだろう。他のガードの選手にも、みんな上手いですが負ける気もしないし、チームとしても負ける気もしないんですけど…結果を見ると?内容を見ると?となりますよね。自分としてはよく“攻めろ”と言われるんですが、攻めるって何だろうと。攻めると言ってもただ攻めればいいわけじゃなくて、合わせるところまで含むはずが、今日もうまく合わせられなかったので、攻めるって何かなっていうのをリーグまでに見つけたいです」
―田渡選手を先頭に皆が攻めるのを意識する、というのがきっかけになりそうでしょうか?
「そうですね。うちは今年はトランジションバスケです。(勝った)早稲田戦や白鴎戦のときはトランジションで攻めきっていたので、トランジションはそのまま継続できるようにして、その中で皆が1on1できるようなスペーシングを取りながらのバスケットができれば、いい方に向かうと思います」
―その、“何だろう”というのが見えたら、これまでベスト4だったチームが決勝に行けるようなチームに大きく変わるの予感がします。
「そうですよね。今年はうちは本当に勝負の年だと思います。その勝負の年の、ガードを任されていて、キャプテンの自分がこんなじゃダメなので、絶対にその“何か”を自分で見つけていきます」
―話は変わりますが、今日スタンドに“田渡先生頑張って”というボードが出ていましたが、あれを見てどうでしたか?
「教育実習先で、来るとは言っていたんですけど、まさかあんなふうにしてくれるとは…(笑顔)。すごく励みになったし、でも見に来てくれている分いい試合をしたい、自分がいいところを見せる以上に筑波大学ってすごくいいチームなんだよってところを見せたかったんですが、自分から崩れるという。一番見せてはいけない試合をしてしまったと思います」
―それでも、筑波大は春は教育実習の選手が多かったり、今年は地震の影響も受けたりする中でバスケットにもしっかり取り組んでいて、そういう姿から伝わるものはあったのではないでしょうか。
「確かに今年は4月くらいまで満足な練習ができなかったですが、それを言い訳にしないで優勝しようと話していました。だからそこから考えると…ベスト4には入れたんですが、まだできたな、とすごく思ったんです。拓殖も東海も強いですが、なぜこんなに点が離れるかなと。ちょっとしたところなんです。でもそれが大きな点差になった」
―秋までは時間があるので、ぜひ、その少しのところを埋めて、自分達のバスケットをする姿を見せてほしいです。
「そうですね。自分の中で“自分のバスケット”を確立していかないといけないです。4年目にして何?と思う自分もいるんですが、それをチームにうまく還元できたら、もっといいチームになれるのかなと…いや、いいチームよりも、絶対勝ちたいんですよ。1点差でもいい。いいチームだねと言われるのはもういやなんです。強いねって言われたい。だから本当に今年勝ちにこだわってやっていきます」
「ここぞという時に自分が、という意識で」
秋に向けてチームを盛りたてる大黒柱に
◆#99加納誠也(筑波大・4年・C)

また、アウトサイドからも決められるもは大きな強みだ。
今年は他の多くのチームがそうであるように、主力に4年生が多く、筑波大にとっても何年かおきにやってくる“勝負の年”だ。それを本当に勝負し、勝っていけるかはここからの努力次第。
今大会で得た課題を秋に結果として出したい。
-試合を終えて。
「自分達の思っていた優勝があって。でも、いざ蓋を開けてやってみたら、結果は4位で。しかも、東海には20点差。青学とはやっていないですが、現時点では20点負けているので(筑波が負けた東海が、青学に20点差で負けているので)、自分たちの掲げた優勝はまだまだ遠いなというのを痛感しました」
-拓殖大戦と違って、中盤まではきちんと10点前後でついていっていましたが、最後は20点差になってしまいました。
「トーナメントを通して、うちは勝負所が弱かったですね。ここを頑張って一本抑えていたらって時にミスしてマイナス4点とか。それで、そのままズルズルいって、もう4Q終わっちゃったみたいなパターンが多かったですね」
-決定的な場面で、シュートが決まらなかったり、ミスしてしまったりと、あと一歩が出なかったですね。
「ここ一番ってときに、誰かじゃなくて、自分がっていう意識が足りない…というか、“自分がやってやるぞ”っていう気持ちは持っていると思うんですけど、それがプレーで表すことができなかったですね。あとは、東海は“自分がやってやるぞ”っていう気持ちが強い人が多かったので、自分達が後手に回って、最後は20点プラスになってしまいましたね」
-オフェンスがちぐはぐしていて、もどかしそうだな、という印象です。
「なんか周りに頼っちゃうんですよね…。誰かがスティールして走っても片方が走ってなかったりとか。“全員バスケット”っていうのがまだまだ足りないと思います。あと、練習では走ることを意識しているのに、試合だと相手に合わせてしまって。自分達のプレーができてないから、『え?こんなことやってないし!』みたいなこともあったりします。『今行こう!』って時に、作れなかったり…。考えすぎているのかもしれませんね。それに、トーナメントは外と中の割合が悪かったですね。今日は比較的インサイドにボールが入っていましたけど、拓大戦は外がずっと持っていて、僕らインサイド陣は全然ボールを持っていなかったし。5:5でも、6:4でもいいんですけど、試合の中できちんとバランスが取れるようになればいいですね」
-加納選手自身は、インサイドはもちろんですが外角でのプレーも光りますね。意識していますか?
「打てたら打とうかなとは思っています。今年は僕が5番で出たとしても、だいたいミスマッチなんですよね。それは覚悟していたことなので、それを逆にプラスに捉えようかなって。外に出てもらって、攻めて。外からパスして中でもらうとか。動きの中できちんと攻められればいいと思っています。だから、外は得意…とまではいかないですけど、チャンスが来たら打とうかなって。でも、外でダメだったら、中でもらってしっかり攻めようと思っています。インサイドで攻める時は、ただガツガツ攻めるんじゃなくて、スマートに攻めることを意識しています」
-オフェンスの1つのバリエーションとして、田渡選手と加納選手のコンビプレーがあるかなと思ったんですが。しかも、それが軸になっているというか。
「機械的には入れているつもりです。勝負所というか、流れの中で『いくよ?』ってアイコンタクトしている部分もあります。僕と修人がピックする場面は多いと思います。それがこっちの強みかなと。引きつけてシュートもあるし。自分たちだけではなくて、そこからパスをさばけばタカ(山口)がいるし。だから、ハマると強いんですよ!ただ、まだみんなふわーっとしてしまっているので、そこが課題ですね。秋はしっかりした気持ちでやれるように、夏は頑張ってリーグを迎えたい…と、試合の途中から思っていました」
-このトーナメントは、日筑戦よりもいい雰囲気でバスケットができていたと思いますが。
「そうですね。日筑で見えた課題をきちんと直せましたし、いい雰囲気で大会に臨めたと思います。今年は“変われる力”を持っていると思うんです。4年生が各ポジションにいて、アドバイスしやすいんですよね。ガードは修人(#34田渡)、ウィングはタカ(#15山口)、インサイドは僕という感じで。僕は、4・5ポジションに対してアドバイスをすることが多いですね。でも、もちろんガードにも『ピックはこういうタイミングで来てほしい』とか言いますよ?そんな感じで、意思疎通し合っています。ポジションごとに4年生がいるのは今年の強みだと思っています」
-セカンドガードは1年生の笹山選手(#21)となっていますが、いかがですか?
「笹山は誰とでも合うガードって感じですね。それが強みだと思います。セカンドガードで出るっていうのはわかっているから、ガツガツ言ってますね。それに、わからないところがあったら絶対に聞けって言ってあるから、すぐに聞いてくるし。それは助かっています。今年は学年関係なく仲がいいので、かなり言い合っていると思います」
-今年が学生最後のシーズンになりますね。田渡選手は日筑戦の時に、“今年は勝ちたい!”と力強くおっしゃっていました。
「勝ちたいっす!とりあえず、トーナメントベスト4で終わってしまいましたけど、リーグもインカレもあるし。今年は日本一に届くところにいると思うので、頑張りたいですね。最後ですからね、僕らビッグスリー…。まぁ、周りはどう思っているかわからないですけど(笑)」
-それを叶えるためには、今の筑波にどんなことが必要だと思いますか?
「総合力ですかね。東海は交代できる選手がたくさんいます。でも、僕らは今のところシックスマンくらいまでかな…。10番目とかまで試合に絡めるようにしないとダメですね。だから、僕らも責任もってプレーすることが大事だなって。トーナメント中は、イージーなプレーが多かったし。そんなのはベンチの人に失礼だし。試合に出るからにはちゃんとやりたいと思っています。そんな僕たちを見て、ベンチも僕らとやり合えるような気持ちを持ってほしいです。とにかく、全員で勝ちたいです」
-これからリーグ、インカレと続きますが、学生最後のこのシーズンをどんなシーズンにしたいですか?
「勝って笑いたいですね。あと、吉田先生を胴上げしたいです。吉田先生は、僕を4年間見て来て、多分期待外れだと思っていると思うので(苦笑)、“誠也が筑波に来てよかった”って言われるように頑張りたいです。あとは、みんなで笑顔で吉田先生を胴上げしたいですね」
「自分の役割は何なのかずっと考えていた」
2年目のシーズン、去年までとは違う自分へ
◆#35池田龍之介(筑波大・2年・SG)

その言葉の一言一言から、2年目になったことによる意識の変化と強い自覚が感じられる。
これからの成長と活躍が楽しみな選手だ。
結果4位となったが、筑波大はここ数年ベスト4のその先、決勝までがあと一歩たどり着けずにいる。
“あとひと押し足りない”という部分を修正し、今シーズンこそさらに上を目指したい。
―4位という結果についてどう受け止めていますか?
「去年もこういう風に準決勝で負けて、今年は勝つぞって臨んだ3決でも負けて4位になってしまいました。吉田先生も、3決というのは精神的にもタフじゃないと勝てないと仰っていたんですが、本当にその通りでしたね。決勝だと最終日でも力が出てくると思うんですが、3決というのはそういう力が出しづらい戦いで、自分たちはそこであとひと押しの気迫が足りなかったんだと思います。だからそういう時に精神的に強くいれるように、リーグ戦に向けて練習や新人戦など頑張っていきたいです」
―今日の試合は、離されそうになっても10点差でずっとついていってるなと思ったのですが。
「この前のインカレで東海さんとやらせてもらった時は、最初からばーっと差が開いてしまって詰められなかったんですが、今日はハーフタイムでも“今回は離されずついていけてるからもうひと押し頑張ろう”と話していました。でもついていけたのは良かったんですが、やっぱり最後のひと押しが足りなくて最後はさらにもう10点開いてしまって。あとひと押しが足りないって、全てはそういうところだと思います」
―池田選手は去年より出場機会も増えたと思いますが、それについてどう感じていますか?
「自覚を持たなきゃなとは思いますが、プレータイムにこだわるという事はないです。そういうのは関係なく、試合を見てて、今チームに何が足りないかを考えて、自分の仕事は何なのかを意識してプレーしようと思っています。ただがむしゃらにやってればいいというのはもう卒業しなきゃ、という気持ちでこの大会は臨んで、波とかはあったんですけど、自分なりに考えることが出来たのは良かったと思います」
―そういう意識に変わったきっかけなどはありますか?
「去年を振り返った時に、正直試合後に“こうすれば良かった”“ああすれば良かった”と思う事があまりなくて、自分はただがむしゃらにやってるだけだなと感じました。1年生で、ただ入った勢いだけでやっていたと思います。でもそれじゃあこれから先なかなか勢いは出せないと思うし、勢いでやり続けるのは2年生として違うなと思って。だから、今年のチームを見た時に自分はどうすべきなのか、自分の役割を春先からずっと考えていました。それでどうしていいのか分からない部分もたくさんあったんですけど、こうやって試合を重ねて、ようやく自分の中で分かった部分があったと思います。口で上手く説明できないんですが、こういう感じなのかなって。でもまだまだ研究していかなきゃいけない部分もあったので、そこをもっと追究していきたいです」
―何か掴んだという手応えもあったという事ですか?
「…どうなんですかね。でも今は手応えを感じる前に、次に何をすべきかってことを考えていたので、手応えとかはあまり意識していないです」
―見えてきた課題というのは具体的には?
「吉田先生も仰っていたんですが、ディフェンスがきつくなった時に決めきるような1対1の強さがなかったと思いますし、あとは逆にこっちのディフェンスも、練習してきたことが試合で良い形で表れていなかったと思いました。あとは、きつい練習でさっき言った気持ちの部分をもっと強くすることが出来れば、もう少し良い試合が出来るんじゃないかなと思います」
―田渡選手、加納選手、山口選手も4年生になって、3人の勝ちたい気持ちも相当強いと思いますが、そういう想いは直接言われたり感じたりしますか?
「4年生の3人は口でも言ってくれますし、プレーでも表してくれています。いつも引っ張ってくれるというか、“はっ”と気付かせてくれて奮い立たせてもらっていますね。そういう気持ちはすごく伝わってるので、僕ら下級生もそれに応えて一緒に乗っていきたいなと思います」
―今シーズンの抱負をお願いします。
「色んなことを覚えたいなと思っています。もらって打つだけとかはもう通用しないと思うので、ドライブして周りを活かしたりだとか、リバウンドだとか。この大会を通して、得点以外のアシストとかリバウンドとかディフェンスとか、そういう部分を地道に頑張っていけるような選手になりたいと思ったので、それに向かって頑張りたいです」
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