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2011.05.06 (Fri)
第46回 日本体育大VS筑波大バスケットボール定期戦レポート
伝統の日筑戦は
日本体育大が4年ぶりの勝利
5月1日、日本体育大と筑波大の定期戦、通称「日筑戦」が開催された。
毎年“ニッツク”の名に因み4月29日に開催されるこの定期戦も、今年は震災の影響による延期でこの日程に。開会式では黙祷が捧げられ、義援金などチャリティー活動も行われた。
本戦の前に行われたジュニアバーシティー戦では、男子・女子共に筑波大が勝利。また女子の本戦では、前半20点以上離された日体大が後半怒涛の追い上げを見せ、4Qで2点差まで迫る白熱した展開となった。だが最後は筑波大が落ち着いて69-73で逃げ切り、4連覇を果たした。
男子本戦では日体大が93-81で筑波大を下し、歓喜に沸いた。両チーム共にトランジションの速いゲームを展開したが、リバウンドを制しセカンドチャンスをものにした日体大に軍配が上がった。特に日体大は#21熊谷(3年・F)がダンクシュートを含むチームハイの24得点で勝利に貢献。ルーキーの#12周 率(1年・C・大分明豊)と共にインサイドで存在感を発揮した。シーズンの始まりの大きな1勝は日体大にとって幸先の良い出足となった。
写真:日体大#12周率。1年生ながらガッツポーズで会場を盛り上げる。
※男子本戦のレポート、日体大・横江選手、筑波大・田渡選手のインタビューは「続きを読む」へ。
1Q、日体大は#21熊谷が積極的に攻めて得点を引っ張る。しかし、対する筑波大も速い展開で確実に得点を重ね、点差を開かせない。2Qに入っても互角の戦いが続くが、日体大がスティールから速攻など速い展開で筑波大を翻弄すると、点差は2ケタに。#76星野(3年・SF)の3P、#15山口(4年・SG)のバスケットカウント獲得で筑波大も追い上げを図るが、45-36と日体大の9点リードで後半へ。
だが3Q、筑波大のゾーンディフェンスに日体大が攻めあぐねる間、筑波大が連続得点。後半開始4分で同点に追いついた。しかし日体大もタイムアウト明けすぐに#23横江(4年・G)が3Pを沈めて流れを引き戻し、#14竹中(3年・C)らもオフェンスリバウンドに奮闘。日体大の8点リードで3Qを終える。
4Q、日体大は#11北川(2年・G)が開始早々3Pを沈め点差を2ケタとし、チームを盛り上げる。筑波大も#15山口が走って得点面でチームを引っ張るが、日体大にことごとくオフェンスリバウンドを取られ守りきれない。しかし#99加納(4年・CF)のバスケットカウント獲得などで食らいつき、徐々に点差を詰める。残り2分、ここで#34田渡(4年・G)が値千金の3Pを沈め、3点差に。しかしその後日体大も#21熊谷が落ち着いて得点。するとここで筑波大はアンスポーツマンライクファウルを取られて逆転の糸口を掴めず、#12周率、#22水沼(3年・G)に再び点差を広げられて93-81で試合終了となった。
リバウンド数は筑波大36に対し、日体大は51。日体大の#12周率は202センチの高さを武器に、20得点11リバウンドの活躍を見せた。この試合では日体大はエース#23横江だけでなく、万遍なく選手たちが活躍。下級生の成長も含め、今シーズンのこれからに期待したい。
筑波大は、速攻を連続で成功させるなどトランジションを意識したバスケットを展開するものの、「相手に走られて、それに対するディフェンスが出来ていなかった」と#34田渡(4年・G)が振り返るよう、走りでは日体大も負けなかった。筑波大は「色々課題も見えた」という部分をトーナメントまでに修正したい。
写真上:日本体育大・熊谷。強気で攻めてチームハイの得点。
写真下:筑波大・笹山。成長株のPGとして今後に期待がかかる。筑波大は今期よりユニホームを一新。
【INTERVIEW】
「自分が無理に行かなくてもいい」
信頼する仲間を得て、4年目のシーズンへ
◆#23横江 豊(日本体育大・主将・4年・G)
下級生の頃からチームを引っ張る存在だった。その高い得点能力は他チームの脅威であり、日体大にとって必要不可欠なもの。だがその分、横江自身にかかる負担も大きかった。しかし今シーズンは、下級生の伸びや期待の新入生加入がチームの好材料となっている。チームメイトの成長で、横江もプレーしやすくなっただろう。昨シーズンの悔しさを胸に、最終学年の今年、日体大をどう引っ張っていくか。横江のキャプテンシーに期待したい。
―この日筑戦にはどのような意気込みで臨みましたか?
「今度のトーナメントでは、2回戦で東海大と当たるんです。今年は1年生や下級生が多く試合に出ているので、そこで戦うためにもまずは試合経験を積んでいかないといけない。そういった意味で、今日の試合は経験を積ますための練習という感じで、でも、絶対勝ちに行こうという気持ちで臨みました」
―1試合通してとても良い雰囲気で勝ちを収めましたね。
「今年に入って練習試合などをしてきた中で、雰囲気は一番良かったですね。会場がこういう風に大きいという事も関係しているかも知れません」
―1年生も活躍していましたが、ルーキーたちはどうですか?
「センターの周率(#12・大分明豊)や、フォワードの出羽(#9・市立船橋)、ガードの本間(#4・福岡第一)とか良い1年生が入ってくれました。でも正直あまり1年生に頼りたくない気持ちもあります。そこは2年生・3年生にもっと頑張って欲しいなと。でも良い1年生が入ってきたことで2・3年生も競争意識が生まれて、チーム内で切磋琢磨するようになってきているので、それは良かったですね」
―3年生の熊谷選手(#21)も、すごく良いプレーを決めてましたね。
「あいつは3月ぐらいからか、気持ち的に強くなって、強気で攻めるようになったと思います。今日のダンクも凄かったですし、ああいうのをこれからも続けていって欲しいです」
―横江選手も、点を獲りに行くというよりはコントロールする姿が目立つかなと思ったのですが。
「そうですね。今年はセンターもフォワードも点を取れる選手がたくさんいるので、自分が無理に行かなくてもいいなと。今までもそういう選手はいたんですけど、今年は特に信用していますね」
―そういう意味では、自身の負担も減ったのではないですか?
「いや、負担は減ってないです。キャプテンにもなったし試合に出ている4年生も一人なので、声を出したりチームをまとめたりといった事もやっぱり自分がやらなきゃいけなくて。逆に去年よりもしんどいかもしれないですね」
―キャプテンとして、チームをどういう風にまとめていきたいですか?
「チームが明るいので、練習にしろ試合前のアップにしろ、怒るというよりは“締めるとこは締める”というメリハリを付けられるようなチームにしていきたいです」
―今シーズン目指すバスケットスタイルというのは?
「チームとしてはやっぱり、ディフェンスからブレイク。その昔からのスタイルはずっと変わらないです。個人としては、スピードと周りを活かすプレーを意識しています。目指すところはもちろん1部復帰です」
―日体大は、春の時点で好調でもリーグ戦で負けが込んでしまうという年も過去ありましたが。
「それは無いようにしないといけませんね。尻上がりにもっともっと良くしていきたいです。藤田コーチもいるので、信じてやっていきたいと思います」
「チームとして何をするか明確にしていきたい」
課題の見えた敗戦を今後の糧に
◆#34田渡修人(筑波大・主将・4年・G)
今期の筑波大主将は田渡。明るい性格で実力もあり、チームメイトからの信頼も厚い。入学時から期待されてきた田渡らの代も遂に最終学年となった。筑波大は3月の地震で体育館が損傷し、その影響も少なからずあるだろう。それらを乗り越えて今シーズン、筑波大での4年間の集大成を見せてほしい。
―この日筑戦にはどのような意気込みで臨みましたか?
「伝統的な大会ですし、僕らの代は3年間負けたことがなかったんですよ。去年3回連続勝つのも筑波は初めてだったんですけど、今年も勝って一回も負けずに終わりたいという気持ちでした。それに、勝ってトーナメントに上手く繋げようと話していて。でも結果は負けてしまいましたが、色々課題も見えてきたのでそういう部分では良い大会でした」
―課題というのは具体的には?
「相手がすごく走ってきて、それに対するディフェンスが出来ていませんでした。後半はそれを抑えて逆にこっちが走ろうという形を意識したんですけど、後半はトランジションよりもリバウンドからのセカンドチャンスでやられて。特にその2つですね」
―オフェンスでは早く攻める形が上手く出ていたと思います。
「セットプレーをやるというよりは、トランジションで攻めきろうという事で今はやっています。だからあまりセットプレーはコールしませんでした。でも速攻で攻めきれなかった時にそこからみんな“どうしよう”となってしまって、プレーが曖昧になってしまいましたね。トーナメントではそこを修正したいと思います」
―地震の影響というのはどうですか?
「総合体育館が壊れて、しばらく練習が出来なかったんです。練習場所もなくて、確保できても数時間しか練習出来ない日もありました。でもそういう状況の中でも結構走るキツイ練習はしてきたんですけどね。それでも今日走れなかったのが悔しいです。80点取れても90点取られてますからね。ディフェンスのチームとは言えないです」
―田渡選手は今年キャプテンとなりますが、今シーズンどのようなチームにしていきたいですか?
「今日トランジションで攻めきれなかった後に結構バラバラになってしまったように、まだ曖昧な部分があるのでそこをチームとして何をするか明確にしていきたいです。あとみんな元気で個性を持っていると思うので、それぞれの個性を活かせるチームにしたいと思います」
―1年生はどうですか?
「みんな上手いです。ガードで言ったら笹山(#21・洛南)が、交代で僕と同じポジションで出たり僕が2番ポジションに落ちたりするんですけど、今日はまだ一緒に出た時に役割分担がはっきりしていなかったので、そういう所を明確にしたいです。僕が2年の時は(片峰)聡太さん(09年卒・現福大大濠高監督)とよくそういう話をしていたんですよ。だから今後役割を明確にしていけば、もっと上手くいくかなと思います」
―最終的に目指すところは?
「もちろん日本一です。絶対勝ちたいです。僕ももう4年ですもんね。頑張ります」
日本体育大が4年ぶりの勝利
5月1日、日本体育大と筑波大の定期戦、通称「日筑戦」が開催された。
毎年“ニッツク”の名に因み4月29日に開催されるこの定期戦も、今年は震災の影響による延期でこの日程に。開会式では黙祷が捧げられ、義援金などチャリティー活動も行われた。
本戦の前に行われたジュニアバーシティー戦では、男子・女子共に筑波大が勝利。また女子の本戦では、前半20点以上離された日体大が後半怒涛の追い上げを見せ、4Qで2点差まで迫る白熱した展開となった。だが最後は筑波大が落ち着いて69-73で逃げ切り、4連覇を果たした。

写真:日体大#12周率。1年生ながらガッツポーズで会場を盛り上げる。
※男子本戦のレポート、日体大・横江選手、筑波大・田渡選手のインタビューは「続きを読む」へ。
[続きを読む]
【GAME REPORT】
だが3Q、筑波大のゾーンディフェンスに日体大が攻めあぐねる間、筑波大が連続得点。後半開始4分で同点に追いついた。しかし日体大もタイムアウト明けすぐに#23横江(4年・G)が3Pを沈めて流れを引き戻し、#14竹中(3年・C)らもオフェンスリバウンドに奮闘。日体大の8点リードで3Qを終える。
4Q、日体大は#11北川(2年・G)が開始早々3Pを沈め点差を2ケタとし、チームを盛り上げる。筑波大も#15山口が走って得点面でチームを引っ張るが、日体大にことごとくオフェンスリバウンドを取られ守りきれない。しかし#99加納(4年・CF)のバスケットカウント獲得などで食らいつき、徐々に点差を詰める。残り2分、ここで#34田渡(4年・G)が値千金の3Pを沈め、3点差に。しかしその後日体大も#21熊谷が落ち着いて得点。するとここで筑波大はアンスポーツマンライクファウルを取られて逆転の糸口を掴めず、#12周率、#22水沼(3年・G)に再び点差を広げられて93-81で試合終了となった。

筑波大は、速攻を連続で成功させるなどトランジションを意識したバスケットを展開するものの、「相手に走られて、それに対するディフェンスが出来ていなかった」と#34田渡(4年・G)が振り返るよう、走りでは日体大も負けなかった。筑波大は「色々課題も見えた」という部分をトーナメントまでに修正したい。
写真上:日本体育大・熊谷。強気で攻めてチームハイの得点。
写真下:筑波大・笹山。成長株のPGとして今後に期待がかかる。筑波大は今期よりユニホームを一新。
【INTERVIEW】
「自分が無理に行かなくてもいい」
信頼する仲間を得て、4年目のシーズンへ
◆#23横江 豊(日本体育大・主将・4年・G)

―この日筑戦にはどのような意気込みで臨みましたか?
「今度のトーナメントでは、2回戦で東海大と当たるんです。今年は1年生や下級生が多く試合に出ているので、そこで戦うためにもまずは試合経験を積んでいかないといけない。そういった意味で、今日の試合は経験を積ますための練習という感じで、でも、絶対勝ちに行こうという気持ちで臨みました」
―1試合通してとても良い雰囲気で勝ちを収めましたね。
「今年に入って練習試合などをしてきた中で、雰囲気は一番良かったですね。会場がこういう風に大きいという事も関係しているかも知れません」
―1年生も活躍していましたが、ルーキーたちはどうですか?
「センターの周率(#12・大分明豊)や、フォワードの出羽(#9・市立船橋)、ガードの本間(#4・福岡第一)とか良い1年生が入ってくれました。でも正直あまり1年生に頼りたくない気持ちもあります。そこは2年生・3年生にもっと頑張って欲しいなと。でも良い1年生が入ってきたことで2・3年生も競争意識が生まれて、チーム内で切磋琢磨するようになってきているので、それは良かったですね」
―3年生の熊谷選手(#21)も、すごく良いプレーを決めてましたね。
「あいつは3月ぐらいからか、気持ち的に強くなって、強気で攻めるようになったと思います。今日のダンクも凄かったですし、ああいうのをこれからも続けていって欲しいです」
―横江選手も、点を獲りに行くというよりはコントロールする姿が目立つかなと思ったのですが。
「そうですね。今年はセンターもフォワードも点を取れる選手がたくさんいるので、自分が無理に行かなくてもいいなと。今までもそういう選手はいたんですけど、今年は特に信用していますね」
―そういう意味では、自身の負担も減ったのではないですか?
「いや、負担は減ってないです。キャプテンにもなったし試合に出ている4年生も一人なので、声を出したりチームをまとめたりといった事もやっぱり自分がやらなきゃいけなくて。逆に去年よりもしんどいかもしれないですね」
―キャプテンとして、チームをどういう風にまとめていきたいですか?
「チームが明るいので、練習にしろ試合前のアップにしろ、怒るというよりは“締めるとこは締める”というメリハリを付けられるようなチームにしていきたいです」
―今シーズン目指すバスケットスタイルというのは?
「チームとしてはやっぱり、ディフェンスからブレイク。その昔からのスタイルはずっと変わらないです。個人としては、スピードと周りを活かすプレーを意識しています。目指すところはもちろん1部復帰です」
―日体大は、春の時点で好調でもリーグ戦で負けが込んでしまうという年も過去ありましたが。
「それは無いようにしないといけませんね。尻上がりにもっともっと良くしていきたいです。藤田コーチもいるので、信じてやっていきたいと思います」
「チームとして何をするか明確にしていきたい」
課題の見えた敗戦を今後の糧に
◆#34田渡修人(筑波大・主将・4年・G)

―この日筑戦にはどのような意気込みで臨みましたか?
「伝統的な大会ですし、僕らの代は3年間負けたことがなかったんですよ。去年3回連続勝つのも筑波は初めてだったんですけど、今年も勝って一回も負けずに終わりたいという気持ちでした。それに、勝ってトーナメントに上手く繋げようと話していて。でも結果は負けてしまいましたが、色々課題も見えてきたのでそういう部分では良い大会でした」
―課題というのは具体的には?
「相手がすごく走ってきて、それに対するディフェンスが出来ていませんでした。後半はそれを抑えて逆にこっちが走ろうという形を意識したんですけど、後半はトランジションよりもリバウンドからのセカンドチャンスでやられて。特にその2つですね」
―オフェンスでは早く攻める形が上手く出ていたと思います。
「セットプレーをやるというよりは、トランジションで攻めきろうという事で今はやっています。だからあまりセットプレーはコールしませんでした。でも速攻で攻めきれなかった時にそこからみんな“どうしよう”となってしまって、プレーが曖昧になってしまいましたね。トーナメントではそこを修正したいと思います」
―地震の影響というのはどうですか?
「総合体育館が壊れて、しばらく練習が出来なかったんです。練習場所もなくて、確保できても数時間しか練習出来ない日もありました。でもそういう状況の中でも結構走るキツイ練習はしてきたんですけどね。それでも今日走れなかったのが悔しいです。80点取れても90点取られてますからね。ディフェンスのチームとは言えないです」
―田渡選手は今年キャプテンとなりますが、今シーズンどのようなチームにしていきたいですか?
「今日トランジションで攻めきれなかった後に結構バラバラになってしまったように、まだ曖昧な部分があるのでそこをチームとして何をするか明確にしていきたいです。あとみんな元気で個性を持っていると思うので、それぞれの個性を活かせるチームにしたいと思います」
―1年生はどうですか?
「みんな上手いです。ガードで言ったら笹山(#21・洛南)が、交代で僕と同じポジションで出たり僕が2番ポジションに落ちたりするんですけど、今日はまだ一緒に出た時に役割分担がはっきりしていなかったので、そういう所を明確にしたいです。僕が2年の時は(片峰)聡太さん(09年卒・現福大大濠高監督)とよくそういう話をしていたんですよ。だから今後役割を明確にしていけば、もっと上手くいくかなと思います」
―最終的に目指すところは?
「もちろん日本一です。絶対勝ちたいです。僕ももう4年ですもんね。頑張ります」
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