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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.12.14 (Tue)

【2010インカレ】青山学院大インタビュー

「自分自身で想像を越えるくらい成長できた」
チームのリーダーとして得た充実感

◆#0橋本竜馬(青山学院大・4年・PG・主将)
101205hashimoto3.jpg 23得点、3Pは4/4だった。チームの主将として、4年生として手本となる見事な数字だ。ケガでリーグ後半を欠場し、このインカレに賭ける思いで調整してきた橋本にとっては最高の結果だろう。
 強さの中に足りないものがあることを、橋本は昨年から薄々自覚していた。自分が主将となり、おおらかで橋本を慕う永吉が加わり、チームの雰囲気は格段に明るくなった。昨年、一昨年と目の前で逃した頂点をつかんだ背景には、そうした変化も少なくとも影響したに違いない。
「橋本の代」と言われる年に結果を残したいと言っていた春の言葉を、見事実行した最後となった。


―怪我もあって、ここまで苦しい事もあったのではないですか?
「苦しかったです。自分だったらこうしたい、ああしたいと思っても、それをコートで表現できない時期があったので。でも逆に今となっては、それが成長の糧になったのかなと思いますね。この1年間もだし、青学に入って4年間ですごく成長できたと思います。長谷川さんが、自分のことを4年間でこんな選手になると思っていたかわかりませんが、自分自身では想像を超えるくらい成長出来たのではないかなと思います」

―怪我で試合勘が鈍るという不安はありませんでしたか?
「それはすごくありました。でもこのインカレは、アシストとか得点とか自分自身の記録ではなくて、気持ちを見せることが4年生として大事だと考えていたので。それが出来たのでこういう風な結果になったと思います」

―準決勝で日本大ではなく関東学院大が上がってきた事はどう感じていましたか?
「自分たちは2年前に国士舘に負けたじゃないですか。そのことを思い出しましたね。あの時は国士舘が上がってくるとは思ってなくて、みんな多分心の中に油断があって負けたと思うんですよ。それでみんなに、こういう事が前にあったし何が起こるかわからないよって事を話して、後半ああいう風に点差を開くことが出来ました。準決勝は自分の中でターニングポイントだったんですけど、それをうまく乗り越えられて良かったです」

―どれだけ強いと言われていても、油断はなかったんですね。
「2年生の時もすごく強いと言われていたのに負けてしまったし、そういう事もあるんだというのは経験していました。それに長谷川先生が常々仰っていたのが、前回3冠を取った時とは今の状況は全然違うという事です。前回は最後まで全力で向かってくる相手があまりいなかったけど、今はどこのチームもすごく練習してきています。うちもすごく練習しているけど、他のチームもうちに走り負けないと思うんです。だから今年チャンスはあるけど、出来るかはわからないよと長谷川さんに言われました。それを出来るようにするのは、4年生がみんなの力を一つに出来るかどうかだって。だから自分は、油断だけはしないようにとみんなに言いきかせていました。最初、辻とか比江島とかは、オフェンスが上手くいかないとディフェンスもそんなに頑張りたがらないタイプだったんですけど、徐々にそれが変わってきてくれました。そういう意識があったから優勝できたと思います」

―プレッシャーも相当あったのではないですか?
「そうですね。今週1週間、ストレスではないですけどプレッシャーのかかる日が毎日続いて、本当に疲れました。先輩たちから受け継いできたものもあって、自分たちの代でそれを崩せない、負けられないという想いもありましたし。2年生、3年生では勝てなかったんですけど、その先輩たちの想いも含めて今日は勝ちたいと思っていました。今年は、今までの良いものを続けてきて、さらに1年の永吉が入って、ハーフコートのオフェンスが上手くいくようになったことが大きいです。後輩頼みなのかもしれないですけど、このチームで出会えたことが運命だと思ったので、絶対に勝ちたいと思っていました」

―後輩たちも活躍しましたが、湊谷選手も4年生としての気持ちを見せましたね。
「4年になってアレックは泥臭いルーズとかリバウンドとか飛び込むようになりましたね。自分がこんなこと言える立場ではないですけど、あいつは一回り成長したと思います。ほんとにそれがチームにとって大きかったですね。“あんなアレックさんでもリバウンド飛び込んでルーズ追っかけるんだ”って後輩たちは多分驚いたと思うんですよ(笑)。後輩にもいい影響をもたらしたと思うし、自分としても助かりましたね」

―強いと言われる中で、キャプテンとしてどうまとめようと思っていましたか?
「あんまり怒るとか怒鳴りつけるとかはしないで、どっちかというとそれは長谷川さんがしてくれますし、自分はうまく乗せていこうかなと思っていました。褒めて、いけないところは何故だめなのかを説明して、わかってもらえるようにと。それをみんな素直に聞き入れてくれたから良かったです」

―橋本選手は、下級生の頃から長谷川さんと試合中もよく意見を交わす姿が見られました。それは今までの青学にはあまりなかったと思うのですが。
「自分としてはコミュニケーションが大事だと思っていました。上がぶれると下もぶれてくるので、長谷川さんがドンといるのは当然なのですが、最近は色々相談もしてくれるようになって、信頼されているのかなと思いますね。みんな怖いじゃないけど、やっぱり少し話しにくいじゃないですか。でも誰か結ぶやつがいないといけないと思ったので、自分がその役目をやろうかなと考えていました」

―これで学生の大会は終わりましたが、4年間を振り返ってどうでしたか?
「1年生のときとか最初は先輩についてくだけという感じでした。その中でも試合に出るチャンスをもらえたというのは長谷川さんに感謝したいです。大学のトップレベルにいるチームの中でバスケットをして、技術にしても人としても成長できたと思います。人生の中でも大きく飛躍できた4年間でした」

―一番辛かった時期はいつ頃ですか?
「3年生のトーナメントですね。あの時は李相佰も選ばれていて、でも試合に出られなくてモヤモヤしていました。なんで出られないんだろう、もっと出たいなって色々な気持ちが交錯して、ふてくされていた時期もあったと思います。でもそこでどうするかが後に関わると思って、何か変えなきゃと思って練習から頑張るようにしました」

―去年は良いメンバーが集まりすぎて出番が増えなかったと思うのですが、そういうチームの難しさを経験したことが、今年チームを上手くまとめられた事に繋がったのではないですか?
「上手くまとめられたかはみんなに聞かないとわかりませんが(苦笑)、自分はあまりそういうタイプではなかったのに、色んなところに気配り出来るようになったというか、試合に出ていない人の気持ちもわかるようになりました。例えば、昨日の試合で30点ぐらい離したときに伊藤が交代したじゃないですか。でもやっぱり選手としてはシーソーゲームみたいな燃える展開で試合に出たいと思うんですよね。それでミスが続いて。たぶん去年の自分だったらああいう感じでやってたかなと思います。でも大事になるのはそこでどうするか。だから、今のはダメだよ、最後にしっかり締めないと明日に繋がらないよ、そういうのもチームとして大事だからと声を掛けたら、最後に3P決めてくれました。そういう風に気付けて言えるようになったのは大きかったと思います」

―今の試合に出ていない3年生は、去年の橋本選手に少し境遇が似ていますね。
「そうですね。去年中川とか福田はスタメンで使われていましたし。でも、そこでまた試合に出るために何が必要か考えることが大事で、今の自分からもう一つ殻を破らなきゃいけないですよね。それは人から言われるんじゃなくて、自分自身で気付かなきゃいけないことだと思います。だから自分はちょっとしたアドバイスはするけど、そこまでは言わないです。それは自分で気付いて欲しいと思うから。来年は今試合に出てないあいつらに期待したいと思います」

―次はオールジャパンですね。
「本気で狙ってますよ。倒しに行きます。大事なのは、戦い方をどれだけアジャストできるかだと思います。大学生には大学生の戦い方があるけど、それだけじゃ勝てないので。JBLと戦う時には外国人選手もいますしね。勝つためには、ノーマークのシュートとか全部決めるくらいじゃないときついと思います。みんな多分今日の優勝で“よっしゃ”って気が抜けてると思うので、リーグとインカレの間に頑張ったように、オールジャパンまでも頑張っていきたいですね。さらにワンランク上げていきたいと思います」

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◆長谷川健志監督(青山学院大)
ー試合を終えて。
「とにかくうれしいです。インカレの優勝は、やはり格別ですね。優勝できる、という自信はありました」

ーその根拠は?
「うちのトランジションバスケットにクイックブレイクが加わったこと。あとは、今年はハーフコートのオフェンスも、橋本(#0)がしっかりしてできるようになったこと。そして、永吉(#25)というインサイドの柱ができてバランスがよくなったこと。ハーフコートバスケットもできて、バリエーションが増えて、スマートさも増えて、強さも早さもある程度できたことがあげられます。懸念していたのはディフェンスでした。リーグ戦ではオフェンス志向になったんですが、リーグ戦終わってからディフェンスの練習をやり直しました。そのディフェンスの良さがインカレでは加わったので、優勝できるだろうとい自信はありました」

ー歴代のチームも含めて、今年のチームはどれくらいの強さか?
「一番強いんじゃないかなと思います」

ー慶應対策について。
「慶應のバスケは“Simple is best.”。トランジションといっても、きれいにアウトナンバーを作るというよりは、強さの中で1対1や2対2の中でトランジションをやってくる。意識は常にゴールに向かっているし、思い切りリバウンドにも入ってくるという、シンプルなパターンを40分間繰り返すんですよね。そこでちょっとでも手を抜くと、一気に10点くらい詰められてしまう。あとは、思い切りのいい3P。二ノ宮(#4)、酒井(#5)、家治(#11)、中島(#14)は、みんな3Pが打てる。そこが慶應の怖さ。バリエーションでいったら、うちのほうが上だと思っていたけど、思い切りの良さを出されると怖い。だから、それを出させないようにということは、ミーティングで繰り返しました」


「大学では泥臭いことをやるようになった」
自分に必要なことを理解し、成長した4年間

◆#23湊谷安玲久司朱(青山学院大・4年・F)
101205alex.jpg 長谷川監督が記者会見では湊谷のプレーに涙していた。この4年間、頑張ってもらいたい一心で叱咤し、指導してきた事を思い出したようだった。
 1年生から活躍していたものの、昨年はベンチで多くの時間を過ごした試合もあり、長谷川監督も常に奮起して欲しい旨のコメントを繰り返していた。しかしこの春からはインサイドのリバウンドや地道なプレーを続け、チームメイトを助ける部分で大きな貢献をしている。必要な場面では積極的に攻める姿勢も橋本が欠場したリーグ後半ではチームの助けになっていた。
「チームで勝つことを学んだ」そんなコメントから、この4年間の成長が伝わってくる。


―自分たちの代で4冠を成し遂げたことについて。
「でもやっぱり意識するっていうのはないですね。いつも通りにやったら、青学は優勝できると思っているので、いつも通りにやるっていうことを思ってやってきました。特別なことは何もないですね」

―自分の中で思い入れのある年はいつですか?
「やっぱり3年生の時ですかね。出れなくて、自分で何が足りないから出られないのか考えて。だから今年、足らなかったものをやって優勝できたと思うし。やっぱり3年生の時ですね」

―高校時代もインターハイで負けても、最後のウィンターカップで優勝しましたね。大学でも最後の年に優勝して、自分は何か持っているというのは感じますか?
「そうですね、なんか持っているんだと思いますね(笑)。ずっと最後には勝って終わっているんで。何か持っているんでしょうね(笑)。もちろん仲間のおかげです」

―次は今年ずっと目標として掲げていたオールジャパンですね。
「長谷川さんが勝ちたいって言っているので。インカレ優勝したから自分的にはもういいんですけど、実際(笑)。でも長谷川さんがオールジャパンで外国人チームがいるチームに1勝しようっていうのを目標としてきたので、最後まで一生懸命頑張りたいと思います」

―高校時代よりプレイ面で成長したところはどこですか?
「一緒ですよ。でもディフェンスは今もできないですけど、高校よりは良くなりました。ルーズボールとかも高校時代は絶対行っていなかったですけど、そこですかね。泥臭いとこ。3Pもあんまり打たなくなったし、今日も辻(#14)とか入るやつに回した方が勝てるっていうか。今日も辻にアシストしようと思っていましたし」

―高校時代は金丸選手とライバルとしてピックアップされていましたが、大学に入ってもちろんチーム状況が全く違いますが、湊谷選手より金丸選手の方が活躍していたことで葛藤などはありましたか?
「どうですかね。でも逆に自分が明治に行っていたら、シュートもボッコボコ打っていたと思うし。金丸が青学にいたらああいう風にプレーできたとは思えないですし。青学に来てチームで勝つということを学びました」

―先ほどの記者会見で長谷川監督が“アレックがよく頑張った”と涙ながらに話していましたが。
「本当ですか? 絶対自分のことを褒めないんですけど。良かったです。試合終わって握手した時も泣いていたので…一回でも長谷川さんを泣かせられて良かったです」



苦しさを乗り越えた果ての喜び
青学を共に支えた4年生


個人のインタビューではなく、スタメン以外の4年生3人は並んでのコメントとなった。仕事人として渋いプレーを見せた宇田川、副将としてチームを支えた小林、一般入学で努力を重ね、最後は学生コーチとしてインカレで仕事を果たした塩田ら、彼らも青学を支えた大事な最上級生だった。

◆#27宇田川一馬(青山学院大・4年・SF)
「(今の気持ち)うれしいですね。それだけです。4年間やってきて優勝できたってことがうれしくて。
チーム全員で優勝を勝ち取ったと思います。
(スタメンほどの力がありながら、シックスマンという役割だったが)シックスマンというのが大変なのはわかっていますし、自分の中でシックスマン方が大事だと思っていました。なので、 スタメンで出られない時点で切り替えていました。派手なプレーではなく、リズムを変える選手としていこうと。
(4年間を振り返って)1年のときにインカレ優勝しましたが、2・3年は3位という悔しい結果に終わっていて。今日は絶対優勝したかったので、気持ちの面でも、体の面でもみんな集中して、この舞台に立てたのでよかったです。 全部優勝できてうれしいです!
(後輩へのメッセージ)今年4冠したということで、来年はプレッシャーがかかるかもしれないけど、それも跳ね除けて、4冠して欲しいです」

◆#9小林純也(青山学院大・4年・SG)
「(今の気持ち)うれしいです。本当にそれだけです。
(リーグが終わってから、ディフェンスの練習をしてきたそうですね)そうですね。ディフェンスの基本的なことをずっとやってきました。ディフェンスメインでやってきたおかげで、 相手の失点を抑えるということに繋がりました。やってきて正解でしたね。
(試合の最後は3Pでくるかなと思っていましたが、違いましたね)ずっとシュートタッチがよくなかったし、今日は点が取りたかったので。シュートを決めた後は、“最後だからいいかな”と思って、ガッツポーズしてみました(笑)。
(4年間を振り返って)青学の4年間はマジでキツかったです(苦笑)。色んな面でキツかったです。 1年の時は、優勝して訳の分からないうちに終わったけど、2・3年で負けて、悔しい思いをして。4年では悔いの残らないようにしたいと、 同期はずっと思っていたと思います。それが下級生にも伝わって、この結果が生まれたと思います。キツかったですけど、最後はこういう風に終われてよかったなって思っています。 でも、本当にキツかったです(笑)。
(後輩へのメッセージ)この1年間大変かもしれなかったけど、うれしさを味わったと思うので、これからも長谷川さんの指導を信じて、一生懸命やってほしいです」

◆塩田歩人(青山学院大・4年・学生コーチ)
「(今の気持ち)本当にうれしいです。
(年間を通して、チームのここが伸びた・変わったと思うところはあるか?) 能力の高い選手がいて、オフェンスでは点を取れる選手がたくさんいましたが、 流れが悪くなったときにどこをどう頑張るかというのがあまりわかっていませんでした。 それが、リーグ終わってからインカレまでの1ヶ月、ディフェンスをやってきたおかげで、ダメなときにディフェンスを頑張るということができるようになったところだと思います。
(4年間を振り返って)自分は試合に出ることはあまりなかったんですけど、同期のやつと一緒にやれてよかったです。橋本(#0)がしっかりとリーダーシップをとって最後までやってくれて、最後に優勝できてすごく嬉しいです。
(青学の練習は大学バスケ界でもトップだと思うが、それでも一般生で4年間バスケを続けたことについて)福士(主務)も含めた同期と一緒に4年間頑張ってきたし、このメンバーと優勝したいと思っていたので、やめたくはなかったですね。
(後輩へメッセージ)優勝したということを忘れずに、自分たちで強いいいチームを作って欲しいです」


「慶應大相手に気合は入っていた」
大一番で出し切った気力

◆#14辻 直人(青山学院大・3年・SG)
101205tuji.jpg 青学大に対する守りの難しさは中と外の両方を警戒しなければいけない点だが、辻のアウトサイドは今年大きな武器だった。マークを振り切り、チームを盛り上げるシュートを確率良く決める力は昨年よりももっと伸びたという印象だ。今年は“止められない”、という印象のプレーで何度もチームの窮地を救った。
 気持ちが強く、拮抗したゲームの中でも決めていく強さは選手として優れた部分だ。それを、もっと幅広いプレーで発揮していけばもっと大きな選手になる。比江島とともに今後も期待がかかる。


―今の心境はいかがですか?
「スッキリというか、やっと終わったなという感じですね。嬉しいです」

―ここまで新人戦も含めれば3冠してきて、インカレに懸ける意気込みというのは?
「やっぱりリーグで優勝して間もなくインカレという感じだったので、自分としてはそこのモチベーションを保つのが難しかったです。でもインカレというのは4年生にとって学生最後の大会だし、4年生に優勝で終わって欲しいなと思って頑張りました」

―決勝の相手が慶應義塾大ということはどう感じていましたか?
「慶應とはやっぱりライバル関係みたいな感じなので、自分的にも燃えるというか、負けたくない気持ちはすごく強かったです。それで今日は最初から気合が入っていたと思います」

―序盤は慶應大がリズムの良い立ち上がりを見せましたが、そこで焦りというのは感じませんでしたか?
「それはなかったですね。昨日もああいう展開になって、それでも追いつけたという事が自分たちの中で自信になったと思うので。焦りとかはなかったです」

―今日はあまりディフェンスが来ないで外が打てましたね。
「リーグの時はすごいべったり付かれてたイメージがあるんですけど、今回はすごく攻めやすかったです。気持ちよくやれました」

―途中からは点差を離して余裕が出来たと思いますが。
「そうですね。最初は緊張もやっぱりありましたが、後半とかは楽しくやれたという感じはしました」

―今日はメンバー交代も少なく、最後まで主力で戦ったという感じでしたね。
「そうですね。疲れて本当に最後は倒れそうな感じだったんですけど、最後は気力を出し切ったという感じです」

―そこまで走ったという印象はないんですが、疲れたのはどうしてですか?
「やっぱり向こうの展開も速くてすごく走っていたので、それにつくのに必死でしたね。慶應さんは体力あります」

―青学のトレーニングなんかを見ると全然40分もちそうな気もするのですが。
「長谷川さんからも、疲れている時にそういうのを思い出せって言われました。そのおかげで頑張れたと思います」

―本当に強かったなという印象なのですが、勝ち続けることの難しさは感じませんでしたか?
「大会、大会は一つずつ別物として自分は考えているので、そんな勝ち続けるというよりはその大会で勝つことだけに集中していました。前の大会で優勝したから、とかは気にしてなかったです」

―去年はもどかしい結果だったと思いますが、この1年どうでしたか?
「やっぱり出だし、トーナメントで優勝できたのは大きかったですね。あとは遠征で韓国の大学とやったり夏も本当に厳しい練習で、休みもなく1年間苦しかったんですけど、最後にこうやって報われるんだなという事は実感したのでまた来年も頑張れると思います」

―今年は3Pが目立ちましたが、去年の新人戦などは自分がボールを持ってコントロールするということもありましたよね。それは将来的なことも考えてということだったんですか?
「自分がポイントガードになるかもしれないという事もあったんですけど、新人戦の時はガードが伊藤(#7)だけだったので自分も協力しようと思ってああいう風にやりました」

―そういう幅も来年広げていくという事はありますか?
「そうですね。自分からも指示を出したりして、もっと展開をスムーズにしていきたいです」


「1年生の時はもっと必死にやっていた」
そう気付かされて全力で臨んだ決勝

◆#56比江島 慎(青山学院大・2年・SF)
101205hiejima.jpg 23得点と、橋本と同じくチームハイを記録。この比江島が1Qから全開だったことは慶應大にとっては厄介だっただろう。
 のんびりとしたところもあり、試合の中ではどこか印象の薄い時間帯もあるプレイヤーだが、本来の能力を40分間発揮し続ければこれほど脅威を与えられる選手もいない。試合の最初は緊張していたというが、そんなことは全く感じられないプレーだった。
 まだ2年生、もっと広い世界に羽ばたかせたい能力を秘めている選手だ。大学の枠にとらわれない、大きな選手に育って欲しい。


―初めてのインカレ決勝はどんな印象でしたか?
「立ち上がりは息苦しいくらい緊張していました。なので、リバウンドとかそういうところからやっていこうと思っていました」

―その緊張はどのくらいで解けましたか?
「最初の方は覚えていないんですが…もういけるぞと思って時間を見たときは開始から5分くらい経っていました。これでも高校のときより緊張しなくなったつもりだったんですよ。準決勝もそれほどしなかったのに、決勝は全然違いました。あの雰囲気と、これで最後だとか決勝なんだとか色々考えてしまって、アップまでは何ともなかったのですが入場のときにばっと緊張がきました」

―それでも開始5分以降はいつも通りできましたか?
「いえ、いつも以上のプレーができたと思います。できた要因は…お客さんがたくさんいたのと、やはり優勝がかかっていたので、自然とだと思います」

―確かにこれまでは、言い方が難しいのですが“省エネ”していたような印象もあります。
「あれが実力です(苦笑)。この決勝は本当に実力以上のものが出ました」

―比江島選手の活躍などで先手を取りましたが、そのリードをキープし続けられた要因はなんだと思いますか?
「ディフェンスはちょっとやぶられてしまったかもしれませんが、最後までリバウンドとルーズボールだけは相手より勝っていたのが、詰められなかった要因だと思います。あとは逃げることだけはやめようと言われていて、攻め気だったのがよかったと思います」

―大きなリードを作って、終盤4年生にバトンタッチしたときはどんな気持ちでしたか?
「4年生を差し置いて試合に出させてもらっているので、最後に4年生がああして活躍されて、嬉しく思います。自分が言うのも何ですが腐らずにずっと練習していたし、ベンチでもずっと声を掛けてくれて、この4年生たちと一緒にやれて良かったです」

―比江島選手としては、全て初体験だった昨年と比べて、2年目の今シーズンは何か違いがありましたか?余裕を持てたとか。
「何か変わったか自分ではあまりわからないですが…余裕という意味では、悪い方向に出ちゃったかもしれないです。やるべきことをサボってしまったり。それでインカレ前に、長谷川さん(監督)にガツンと言われたんです。“お前の悪い癖が出ている、1年生のときは常に必死にやっていただろう”と。それで、はっ!と気付けたので、最初から集中していけたと思います」

―オールジャパンでもぜひこの決勝のように、最初から観客を沸かせてください。
「そうできたらいいなと思うので、頑張ります」


「竜馬さんのために頑張りたかった」
信頼できる先輩のために

◆#25永吉佑也(青山学院大・1年・C・延岡学園)
101205nagayoshi.jpg「このメンバーなら自分がいなくても優勝できますよ」と言うが、やはり彼の存在なくしては今年の青学大は成立しない。体格のみならず、おおらかで明るく、物怖じしないところはチームにも良い影響を与えたはずだ。
 慕ってきた主将の橋本最後の舞台、その彼を頂点に押し上げるために頑張った。話ながら淡く涙ぐんだ姿が、橋本を思う気持であふれていた。


―優勝には大きな貢献をしたのではないでしょうか?
「いや、そんなことは全然。むしろディフェンスで1対1になったら自分のところが穴になってしまう感じなので、その辺で助けてもらいました。でもこのメンバーなら自分がいなくても優勝できていたんじゃないかと思います」

―でも去年はできなかった訳ですから…。
「自分はずっとついてきただけです」

―ただ、このメンバーで昨年優勝はならなかったのだから、自分が頑張らなければという思いはあったのではないですか?
「それはまあ、入学する前にはちょっと思っていました。荒尾さん(現JBLトヨタ)のような存在になるのを自分の中で意識していて、ゴール下の番人になれたらと思っていました。青学の以前の試合をDVDを見た時に、アレクさん(#23湊谷)が5番ポジションをしているのがあって、“あれ、なんでアレクさんが5番ポジションをやっているんだろう”と思ったんです。だからもし自分が入ったら、そこで助けられるかなと思ったし、わくわくしていましたね」

―今年、永吉選手が入ってきて、橋本選手(#0)が主将ということもあったかもしれませんが、それと相まってチームの印象も明るくなりました。入学した時はどうでしたか?
「歓迎されていて、“宝が来た、比江島以来の宝だ”と言われましたね(笑)。そこは自分が来たことを喜んでもらってうれしかったですね。それで春に延世大学と試合をした時にベンチからのスタートだったんですが、最初は高校時代までずっとスタメンだったんですけど、“ベンチから入りたいな”と思っていたんです。まだ慣れていないし責任もあるので。そうしたらいつの間にかスタートになっていて、そこから馴染んでいけましたね」

―橋本選手をとても慕っているようですが、そうしていい先輩がいたのも良かったのでは?
「あの人は本当にいい先輩です。自分の尊敬する人として中学の担任の先生と、コーチと…といろいろ好きな人はいるんですが、それと同じような男気溢れている人です。そういう熱い人が大好きで、竜馬さんはそういう選手です。だから竜馬さんのために頑張ろうとずっとそのことを思っていました。だから今日は勝てて本当に良かったと思います」



【記者会見】
◆#0橋本竜馬◆#23湊谷安玲久司朱◆#14辻 直人◆#56比江島 慎◆#25永吉佑也

―一人ずつ、今日の感想をお願いします。
橋本「今日の試合は、長谷川さんから慶應はトランジションが早いからと言われていてそこを気を付けようという事だったんですけど、最初の方はやっぱり相手も気持ちが入っていて3Pとかを良いようにやられてしまいました。でももう一回ディフェンスをやり直そうと声をかけて、それが徐々に出て2、3Qで離すことが出来ました。4Qはうちのチームが少し受けに回ってしまったので詰められる事もありましたけど、やっぱり安定して比江島とか辻がシュートを決めてくれたので、今日は勝つことが出来たんだと思います」

辻「今日の試合を振り返ると、すごく胸が熱くなるんですけど…。すごく楽しくやれたし、4年生と噛み合ったプレーもあったし、本当に今年1年の集大成と言える試合が出来たと思うので満足しています。慶應は最後まで気を抜けない相手なので、自分も持っている力を全てを出して戦った感があって、今は清々しい気分で浮かれてます」

比江島「今日はやっぱり、相手より勝ちたいという気持ちが上回ったから僕らが勝ったんだと思います。相手よりも走れたというのも勝ったところだと思いますし。4年生とやる学生最後の試合で1位になれたことは本当に誇りに思いますし、“青学強いな”というのは確信出来たというか証明出来たので良かったです」

湊谷「やっぱり、ルーズボールやリバウンドといった泥臭いところを頑張った方が勝つと思っていて、今日はこっちの方が気持ちが入っていてそれが出来たので、それに勝ちがついて来たんだと思います。後輩たちもよくやってくれて本当に嬉しいです」

永吉「今日の試合をやるにあたって、お世話になった4年生のために絶対優勝に貢献したいという想いがあったんですが、それをずっと考えていたら緊張してしまって、最初からミスを繰り返してしまって…。でも一生懸命やるだけだと思って今日は戦いました。優勝して本当に嬉しかったです。全部のタイトルを獲れたのは、10年ぶりくらいの偉大な事なので、そういうチームにいれたことを誇りに思ってます」

―優勝候補のプレッシャーはありましたか?
橋本「もちろんありました。勝たなければいけないプレッシャーもあるし、キャプテンとしての責任もあるし。その中で勝ってきたというのは、やっぱり自分一人の力ではなくて4年生や下級生の力だと思います。まぁみんな話してる事は大したこと言ってないですけど(笑)、プレーはみんな凄いものを持っているので、そういう所は信頼していますね。自分自身も子供ですけどみんな自分よりも子供な子たちなので、それを上手くあやして(笑)、乗せることが出来たので今回は全部勝てたんだと思います。一人ひとりの勝ちたい気持ちも本当に強かったですし、ここで4冠取らなきゃ次出来るかわからないよという事でみんな気持ちも込もっていました。プレッシャーは本当にありましたけど、チーム一丸となってそれに打ち勝ったという感じです」

―今年1年間ずっと勝ってきたわけですが、チームが危機的状況に陥った時はありましたか?
橋本「そうですね…。自分が怪我した時はどうなるかなと思ったんですが、コートに立てなくても何か出来る事はないかなと思って自分もアドバイスを言ったりして、代わりに出た伊藤(#7)も本当に良い活躍をしてくれました。あれが危なかった時期かもしれませんが、あいつが逆に自分自身の成長に変えてくれたので、プラスに変わったと思います。自分もバックアップがいるから自信を持って思いっきり出来ますし。危機的状況を逆に自分たちの成長に出来たことが、今回の優勝にも繋がったのではないかなと思います」

―リーグ戦が終わった時、ディフェンスを強化するということでしたが。
橋本「リーグが終わって、1対1のディフェンスの足を基礎から作っていこうという事で、基礎的なディフェンス練習を結構ハードにやってきました。その結果としてやっぱりみんな足が出来てきたし、“最後まで抜かれないぞ”という気持ちも出来たと思うので、そういう面でみんな1ランク成長出来たと思います。今日も76点というのは慶應にしては本当に少ない点数だと思いますし、そういう風に抑えられた事が勝ちに結びついたんだと思います」

―永吉選手は初めてのインカレですが、“インカレは違うな”といった実感はありましたか?
「はい。昨日の夜も眠れなくて、今日も朝早く起きちゃって、こんなに緊張するものなんだと初めて思いました」

―ディフェンス王を獲りましたが。
「本当にびっくりしました。何を評価されてディフェンス王になったのか少し疑問です。でも、副将あったじゃないですか、オーブントースター。あれ嬉しかったです。鹿児島からおばあちゃんが来ていて今日も自分の家に来てくれたんですけど、餅を持ってきてくれたんですよ。でもうちトースターがなくて電子レンジしかないので、レンジで焼かなきゃいけなくて。だからおばあちゃんが聞いたら多分喜んでくれると思います。嬉しいです」

―4冠を成し遂げたわけですが、辻選手は3年生として、来年自分たちの代になったらといった事が頭をよぎる事はありますか?
辻「とりあえず、明日からのオフはバスケットから離れて本当に気の抜けた生活をしたいと思うんですが、またその後オールジャパンに向けて今まで以上の練習が待っていると思います。そういった練習も来年4年生が抜けてからに繋がってくると思うので頑張りたいです。竜馬さんやアレックさんが抜けた穴というのはすごく大きいと思うんですけど、伊藤とか他の4番ポジションとかもすごく頑張ってるのでトーナメントまでには穴を補えるようになると思うし、チームも今年以上を目指してまた4冠達成します」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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