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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.12.02 (Thu)

【2010インカレ】12/1天理大VS関東学院大

【力強いインサイドと3Pで関東学院大が関西1位を下す】
101201ps1.jpg 天理大関東学院大の戦いは、事前の予想通りインサイドの#1パプ(4年・C)対#10サンバ(4年・C)が激しいマッチアップを繰り広げるエキサイティングな一戦となった。

 プレーの幅では天理大#10サンバ、パワーでは関東学院大#1パプという構図が、序盤からはっきり出た。1Qは互いの司令塔がインサイドへボールを入れるが、#1パプは力強い1対1からフィニッシュ。一方の#10サンバはパプのディフェンスの前に中に入れず、ターンオーバーが続く。関東学院大は#1パプが#10サンバからターンオーバーを奪うだけではなく、次々に1対1からシュートを決めて会場にため息をつかせると、このQ一人で16得点。天理大は#5清水(3年・SG)や#25平尾(3年・PG)、#2大谷(3年・SF)らの得点もあったが、インサイドで攻められず15-23と関東学院大リードとなった。

 2Q、天理大はゾーンでインサイドの#1パプへ簡単にボールを入れさせない形を取る。#10サンバはややゴールから離れ、パプより広いプレーエリアで対抗し中距離のシュートを次々に沈めていく。#1パプはそこまでチェックに行かず、天理大が追い上げる形となった。#77川田(3年・SF)の3Pや#25平尾の連続得点もあって前半は天理大が39-40と1点差に追い上げて終了した。

101201hirao.jpg 3Q、開始早々#パプが3つ目のファウルを吹かれる。オフェンスではインサイドアウトでチャンスを狙うが、動きの良くなった#10サンバのディフェンスもあり、得点が採れない時間帯が続く。天理大は#10サンバ、#17船津(2年・PF)で逆転すると、#10サンバが#1パプを豪快にブロックし、意地を見せる。ここで#25平尾が3Pを決めると天理大のリードは48-40と最大8点となった。だが、ここから関東学院大が流れを変える3P攻勢に出る。#30村田(1年・PF・明成)、#32前田(3年・SF)に続き、#31原田(4年・PF)が2本連続で決めると同点。そこから更に#32前田のミドルシュートと#30村田の3Pで4分で5本の3Pを沈めた関東学院大が逆転。天理大はタイムアウトで立て直しをはかるが、その後も#1パプのバスケットカウントと#31原田がダメ押しの3Pを決めると点差は54-64の10点差にまで開いた。結局、この3Pの逆転劇が勝負の大きなポイントになった。3Qで54-71まで差をつけられた関東学院大は、4Qに#17船津が意地を見せて一時3点差まで追い上げるがそこで追撃はストップ。72-84でタイムアップし、関東学院大が勝利を手にした。

 インサイドの勝負はスタイルの違う2人がそれぞれ見ごたえのあるプレーを見せた。1対1のゴール下の強さはパプが際立ったが、サンバも軽いミドルシュートとブロックで魅せた。ポイントは追い上げの貢献者、関東学院大・原田の3Pだ。一時8点引き離れた展開を引き戻す大きな役目を果たし、その勢いで村田や前田も積極的に仕掛けていけた。
 天理大はインサイドを気にしすぎたか、清水や大谷ら、周囲の選手の本来のいいところを出せない印象が残った。平尾が奮闘するが、周囲を生かしきれずに終わった。

写真上:1対1からシュートに行くパプ。
写真下:平尾は16点と頑張ったが、周囲が伸びなかった。

※関東学院大・パプ選手、原田選手、天理大・サンバ選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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「チャレンジの中からいいプレーが生まれる」
自らがそれを体現し、大きな1勝

◆#1ファイエ・パプムール(関東学院大・4年・C・主将)
101201papu1.jpg 試合開始からサンバとのマッチアップで見せた。常に「1対1では誰にも負けない」と豪語するだけに、見事なシュートを次々と沈め、盛り上げた。しかし、それだけに固執している訳ではない。チームとして、相手を不利に陥らせるにはどうするかということを考えた結果の1対1でもある。サンバのファウルを誘発できれば関東学院大が有利になる。実際はそこまでファウルを誘えなかったが、サンバも迂闊に手を出せなかったのは事実だ。まずは1回戦突破、もう一段階、ベスト8に向けてもどのような戦いを見せるのかが楽しみだ。


―1Qからサンバ相手に強い気持ちで攻めましたね。
「サンバはブロックを狙っていたと思います。でも私はあくまでも中で勝負することにこだわりました。相手が誰であっても、何度止められても、私は中で勝負します。そのチャレンジの中から良いプレーが生まれてくるから。逃げるのは良くないです。あとは、早くサンバをファウルアウトさせようと考えていました。天理大はサンバ(#10)と平尾(#25)の二人が鍵だという話で、サンバを引っ込ませればチームが崩れると思いましたし。対戦してみて、私とサンバのプレースタイルは全然違いますね。サンバは中ではなくて少し遠いところから打ってきたので、それはもったいないんじゃないかと思いました。だってやっぱり外だとファウルがもらいにくそうだったから。中で勝負すれば外れてもリバウンドにもう一度行きやすいですし。それに、思ったより天理はサンバの所で勝負してきませんでした。周りの選手が3Pを結構打っていましたね。でもやっぱりインサイドがキーになるから、まずはそこにボールを入れて、それから外に展開した方が良いと思います。うちのチームはそれが上手くいきました」

―チームのディフェンスはどうでしたか?
「うちのゾーンも、効かないかなと思っていたんですが意外に効きましたね。あのゾーンは今まであまりやってこなかったので、筑波との入れ替え戦の時は効かなかったんですけど、今回はトラップで囲めばサンバは外にさばくのが遅いからガードかフォワードがスティール出来ました。その守りで点数を一気に離せたのは良かったです。でも点差を離したときにまたうちは油断して追い上げられてしまいましたね」

―入れ替え戦の時も、点差を離した後に追い上げられることを敗因として上げていましたが。
「そうですね。今日も点差が離れた時にまた追い上げられました。僕の所に全然ボールが入らなくなったこともあって、みんな好き勝手なことをやり始めて、それはチームプレーではなかった。点差を離した時にそうなるのはうちのチームの癖で、なかなか直らないですね。どうすれば直せるかって色々話し合ってきたんですけどまだまだです。でも今日はまぁ逆転されなかったから良かったかなと思います。もう一度突き放すっていう切り替えがないと、試合は勝てない。今回はそれが出来ました。でもうちのチームはまだ2部に上がって1年目でみんなそんなに経験がないから、もうちょっと2部で勉強すればその切り替えももっと早く出来るようになると思います」

―もう一度突き放す時にも、もう一人の4年生の原田選手(#31)の活躍が光りましたね。
「そうですね。あんなに最後シュートを決めて、しっかり4年生の役割を果たしたと思います。下級生だったらプレッシャーもかかって打てなかったりするかもしれません。あれを決めたのは、さすが4年生という感じでした。やっぱり引退がかかって最後だし、気持ちを出し切っていましたね」

―下級生も奮闘しました。
「私が1年生だった時は、コートに出ている他の選手は上級生ばっかりだったけど、今は逆で、下級生がいっぱい試合に出ています。今回、後輩たちがこんなにやってくれて自分は嬉しいなと思いますね。こんなにやってくれて、もう何もいう事がない。この経験はこれから活きるから、1・2年生はもっと自信もってこれからもやっていった方がいいなと思います。失敗しても負けても、そこで諦めないことが大事です。諦めないでやっていけばいつか良いことが起こるから。だから、ポジティブでいくと良いことが起きると思います。ネガティブは良くないですね」

―入れ替え戦のあとも、ポジティブに切り替えられましたか?
「入れ替え戦で負けたけど、今日まで悪いことは言いませんでした。切り替えろ、まだチャンスはあるからってことを言い続けました。入れ替え戦では負けたけど、まだインカレっていう全国の大会には出られるから、そこで上を目指そうって。私は、チームが家族みたいになればいいと思っています。セネガル人が入っても、中国人が入っても、どんな人が入ってもそれは関係なく、チームは家族です。それがないとチームはまとまらない。だから負けた時はみんなの責任。勝った時はみんなのお蔭。とにかく負けた時にあいつが駄目だとか、キャプテンとしてそういうことはしないようにしています。負けてももう一回仕切り直して、ポジティブにやっていけばやる気も出ると思います。あんまり言いすぎるのはプレッシャーもかかっちゃうから。その切り替えが大事。切り替えれば、今日みたいに強いチーム相手でも勝てる可能性もあるということです。天理大は関西で1位だったから、こっちでも簡単に勝てるという気持ちがあったのかもしれないですね」

―天理大戦まで、相手がどうであれそれ以上の努力をして準備するだけだというようなことを仰っていましたが、それは出来ましたか?
「もちろんです。私は毎日努力してトレーニングし続ける。それはこれからもずっと続くことです。だって天理のためにやっているんじゃない。自分の将来のためにやっていることだから。大学4年間終わっても、先は長いです。これから30年バスケをやっていく可能性もあるかもしれない。…というのは嘘かもしれないけど(笑)、とにかく努力は続けていきます。色々勉強することはまだまだあるから」

―今日の試合で見つかった課題などはありますか?
「チームとしては、本当に何もいう事なしだと思います。個人的にはいっぱいあって、やっぱり一番は、前からですが、自分のマークマンにどうシュートを打たせないかというところです。筑波戦もそうでしたけど、やっぱり今日もフェイダウェイとか、ちょっと外から打たれてしまいました。相手に外に逃げられるのを自分がどれだけつめられるかがこれからの課題です。外のディフェンスを諦めちゃうのが自分の悪いところですね。今日もちょっと外から打たれたのをやられなければもっと楽に勝てたと思います」

―天理大に大きな1勝をあげて、次の試合はベスト8がかかる試合になりますね。
「天理大の他に、これから色んなチームにあたっても、自分が勉強してきた今までのことを出すだけです。ベスト8になればオールジャパンまで残れるし、それが後輩たちのためにもなると思うから出来るだけ長くプレーして勉強できるように頑張ります。こういうだんだんプレッシャーがかかるトーナメントの試合は、いい経験が出来るチャンスです。全国大会が初めての選手もうちにはいっぱいいるから。これからも、自分のためにも来年・再来年の後輩たちのチームのためにも、勝っていきます。次の富山大は今日見ていてすごい外から打ってくるチームだから、なるべくチェックにいかないといけないなと思いました。あとは勝っていても、もう油断しません。まずはベスト8を目指して、そのあとは1戦1戦勝ちに行くだけです。頑張ります」

写真:シュートを決め、応援席にもアピール。

※パプ選手の名前の表記は、パンフレットに従っています。


「悔いの残らないようにと思っていた」
チームを救った3P

◆#31原田佳明(関東学院大・4年・PF)
101201harada.jpg 引き離されて流れが悪くなったところで、連続の3Pがチームを再び生き返らせた。「コートに入ったらいつも通りだった」という落ち着いた心境も良かったのだろう。これが4年生というものだ。入れ替え戦では結果は出せなかったが、リーグ戦では終盤に調子を上げていた。このまま持続して次も勝負したい。


―今の心境はどうですか?
「本当に勝ててほっとしています。正直、天理大は格上の相手だと思っていたので嬉しいです」

―原田選手自身、今日の試合すごく良かったですし気持ちが感じられました。
「まぁ最終学年で負けたら引退という事だったので、悔いの残らないようにやろうと試合前は思っていました。それが上手く試合に出せて良かったです」

―初のインカレという事ですが、気負いみたいなものはなかったんですか?
「チームもですが、自分自身も全国は初めての経験だったので最初は緊張しましたが、コートに入ったらいつも通りという感じでした。変な気負いはなかったです」

―チームとしてどういう部分が良かったと思いますか?
「今日はディフェンスでみんな頑張れました。後は追い上げられたときに、逆転されずにもう一度引き離せたのが良かったです」

―入れ替え戦の時も、点差を離したときに油断して逆転されてしまうとパプ選手が課題にあげていましたが、今日はそこを修正できたという事ですか?
「入れ替え戦と同じように追い上げられる展開にはなってしまいましたが、あの時よりは今日はみんな集中力がありました。入れ替え戦の時はミスばっかりで相手にチャンスを与えてそのまま逆転されましたけど、今日はミスも少なかったし持ちこたえられたから良かったです」

―入れ替え戦が終わってからチームの雰囲気はどうでしたか?
「結構いつも通りだったと思います。入れ替え戦に負けたショックは切り替えて、みんなインカレで天理に勝つことだけに集中していました。試合直前はみんな明るくいい雰囲気だったと思います」

―天理大に対してどのような対策を立ててきたんですか?
「うちは、ガードの平尾選手(#25)にボックスワンでついて、サンバ選手(#10)のところはパプ(#1)と1on1にしようという作戦でした。ポイントは平尾選手のところだと試合前から言っていたので、そこはうまく抑えられたと思います。それが勝てた一つの要因ですね」

―オフェンスでも、パプ選手はもちろんですが周りの選手ものびのびプレーできましたね。
「そうですね。ボールがよく回っていたから、みんな自分のリズムで出来たと思います。いつもボールが止まるとリズムが悪くなるので。まぁディフェンスが良かったからそれがオフェンスにもいい影響を与えたんだと思います」

―チームで4年生がパプ選手(#1)と2人しかいない中ずっとやってきたと思いますが、何を意識してきましたか?
「やっぱりチームが崩れそうな時に声を出してまとめることですね。それぐらいしか自分は出来ないので。あとは、ディフェンスは絶対にやられないように頑張ろうというのはずっと思っています」

―次は富山大との対戦ですね。
「もちろん勝つつもりでいます。オールジャパンを目指して、絶対ベスト8に入りたいと思います」


「最後にこんな結果になって残念」
最終学年で無念の1回戦敗退

◆#10サンバ・ファイ(天理大・4年・C)
101201sanba.jpg さすがに消沈した様子だった。一昨年は6位、昨年は5位に入り、今年はベスト4以上が射程内に見えていただけに、ショックは大きいだろう。サンバは大学で飛躍的に進歩した選手だ。1年生の時は大きいだけでまだ不器用だったが、年々力をつけて天理大の勝利のために欠かせない存在として成長してきた。片言だった日本語も、今やセネガル人留学生の中では一番上手いのではないかというほど流暢に話す。本当に努力して溶けこみ、成長してきたことを伺わせる。これで引退となってしまったが、関西の王者として関西全体を引き上げる役目を果たしたことを誇りにして欲しい。


―関東学院とインカレと対戦するということで、どう思っていましたか?
「特にどう、というのはないけれどパプとは1回もやったことがなかったので、楽しみにはしていました。でもこういう結果になったのが残念ですが」

―1Qからパプ選手がどんどん攻めて16点取りましたが、天理側としては?
「とりあえずやられすぎました。でもファウルをするのは怖かったので、前半はあまりファウルをしないで後半ガツガツやろうと思ったんですけど、ちょっと甘かったですね」

―昨年までいた根来選手が卒業して船津選手(#17)が入っていますが、昨年との違いはありますか?
「そこはやはり小さいというのはありますね。でもあいつも頑張ってくれています。でも4番は大事ですね。あそこが強いと自分もプレーしやすいし。今は全部自分がやらなくてはいけないし、負担が大きいといえば大きいのかもしれません」

―ちょっと外のシュートがよく入っていましたが、そういう戦い方でいこうと思っていたのですか?
「自分のやる相手によって変えていきますが、今日はぶつかり合いをするより、体力をセーブして戦っていく方が楽にできると思いました。ゴール下でファウルを狙っていくことも考えたんですが、最初に笛が鳴らなかったので、そうした方がいいと思いました。相手にはファウルさせたけど、ゴール下でなかなか鳴らなかったですね」

―今日は周囲もインサイドを気にして、あまり本来のプレーではなかったように思うんですが。
「そうですね、多分気にしてそうなったのはあると思います。相手は思い切り外のシュートを打ってきて入っていたけど、こちらは入らなかった。ベンチでももっと外を使うよう指示もあったんですが、相手も結構動きが早くて、ダブルチームもあったので対応できなかったですね」

―4年生になって気持ちは変わりましたか?
「4年生になると気持ちは全然変わりますね。頼られて欲しいというか、みんなにいい思いをさせてあげたかったけど、できなかったですね」

―大学で4年、日本では7年になりますが、学生のバスケはどうでしたか?
「自分からしたら最悪な終わり方でした。もっといい形で終わりたかったですが、こういう結果になってしまったので受け止めるしかないですね」

―日本でプレーして良かったことはありますか?
「いろいろ学びました。日本のやり方や仲間の熱さ、気持ちが大切だなということとか。最初は日本で1人で大変だったけど、みんないい人で慣れていきましたね」

―後輩にメッセージをお願いします。
「僕らの代はチームを引っ張ったりとか、そういう力がなかなかなくて出来なかったんです。でも後輩は能力もあるし、自分たちの力を信じて一つになって、引っ張っていけると思います。そして今まで以上の結果を出していって欲しいと思います」



101201kangaku.jpg
#30村田も積極的なプレーを見せた。


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天理大は202cmの劉も使うが、パプを止めることは叶わず。


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パプをブロックするサンバ。全体的な数字ではパプが上まわったが、それに近い数字は出した。


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例年通り、にぎやかった天理大応援団。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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