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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.12.01 (Wed)

【2010インカレ】11/30 富士大VS法政大

【粘った富士大が逆転シュートで法政大を下す】
101130sato.jpg 第2試合、東北1位の富士大が、法政大を接戦で破るアップセットを果たした。法政大は一時リードしながらも守り切ることは叶わず、75-73で初戦敗退。2部降格という悪夢に続き、インカレ1回戦で消えるという幕切れを見せて今シーズンを終えた。

 立ち上がりで#4小島(4年・F)の速攻、3Pで流れを作ると、#2田口(3年・F)のシュートで攻める富士大。法政大は#11長谷川(3年・SG)の3Pで先制し、#21加藤(2年・C)が速攻、3Pと追う展開だが逆転し、1Qはリードする。1Q後半に点が止まり気味となった富士大は、#6渡辺(3年・G)を投入。早い動きで法政大を翻弄すると、渡辺は3Pでチームを盛り上げ、#7佐藤(3年・C)のシュート、バスケットカウントなどで法政大に追いすがる。法政大は#3鈴木(4年・G)が鋭い動きでアシスト、スティール、ドライブと活躍するがアウトサイドの確率が悪く、富士大をなかなか突き放すことができない。富士大は一時7点差をつけられるが、終盤の粘りで前半34-38と4点差に追い上げた。

101130taniguchi.jpg 3Q、法政大は#41谷口(3年・C)の得点でリードするが、次第にファウルもかさみ始める。富士大は諦めず攻めつづけ、離されても追い上げる展開が続く。4Qの出足でミスが続き、流れを失いかけたところを、法政大は#11長谷川の3P、#41谷口の得点でで一気にリードを広げる。しかし#21加藤、を始めファウルトラブルが深刻になり始め、富士大の勢いが盛り返した。#30冨樫(3年・G)の3Pで勢いづくと、#7佐藤、#2田口と続き残り1分で8点あった差を2点差にまで縮めることに成功。法政大は#6陳(3年・F)が残り42秒で退場になると、#21加藤も5つ目を犯し、消えた。法政大のチームファウルが5つを越えていたことが、富士大の追い風になった。3Qで4本のフリースローを落とした佐藤が、今度は4本とも成功し、残り24秒で逆転。法政大は15秒で#11長谷川のシュートで73-73の同点に戻すが、最後のワンプレー、富士大は#2田口がドライブを仕掛け、見事得点。ファウルのできない法政大は止める術がなかった。残り4.3秒、法政大はシュートまで持ち込めず75-73でタイムアップ。富士大がアップセットを果たし、歓喜に包まれた。

101130takahashi.jpg アップセットを果たした富士大。出場3回目で初めての勝利だ。主将の#87高橋「これまで2回出場して、最初は出ただけで2年目にようやくゲームができるというところになった。今回は絶対勝ちたかった」と笑顔だ。「自分たちは地方のチーム、格下に見られているだろうし、そこで粘ればチャンスはあると思った。最後の最後までついていって逆転できたというのは、だから考えていた通り」と、接戦は折り込み済みの事だったと言う。しかし、諦めず攻める姿勢は見事だった。これを持続できるかどうかが見所だろう。

 法政大は悪いというほど悪い立ち上がりではなく、一時は速攻も出すいい流れのバスケットも見せた。しかし、富士大のアグレッシブな攻撃にファウルがかさみ、次第に流れを失っていくと、最後はその勢いに押し負けたとも言える。長谷川が集中させようと声を出してはいたが、そこからもう一段階チームを奮起させることができなかった。「そこが課題」と本人も言い残したが、求めるような集中力をチーム全員に持続させるのが難しいことは本人も分かっている。法政大は長いオフに入るが、どこまで本気で取り組めるか、その結果を見るのは春までのお預けということになる。

写真上:リバウンドでも粘った富士大・佐藤。
写真中:法政大・谷口は29得点・13リバウンドのダブル・ダブルだったが、勝利はならなかった。
写真下:主将の高橋。「本当にうれしい」と終始笑顔だった。

※富士大・田口選手、法政大・長谷川選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】

「思い切ってやれればできると思っていた」
勝負強いプレーで法政大を翻弄

◆#2田口成浩(富士大・3年・F)
101130taguchi.jpg「勝ったんですよね?」と、興奮覚めららぬ様子で語る顔は夢見心地だ。攻撃の要として30得点。内外からのオフェンスが法政大を翻弄した。
 昨年も拓殖大と対戦し、善戦はしたが20点以上をつけられた。大学でいえば3年生は成長から充実への過程にある。しかも、高校生からバスケットを始めたというのだから、今は成長期の真っ只中なのだろう。そうしたいい状況の中で法政大に勝ったという経験を、今後も大事にして臨めば、まだ上位進出は見えてくる。


―今の気持ちを。
「今はもうずっと勝ちに浸っていたいです。もう何も今はしたくないくらい勝利だけに浸りたいです(笑)」

―今日はずっと接戦になりましたね。
「自分たちが我慢をして、離されなかった結果です。1Q目はもっと競れたと思うんですけど、リバウンドのこぼれ球でやられてしまって、そこで思い切りできなかったのがあります。そこを立て直していくことで徐々に自分たちのリズムになれましたし、チームのディフェンスができました」

―法政大は関東10位ですが、勝負できると思っていましたか?
「そうですね。自分たちが運が良く、相手がなめてくれればという気持ちもありました。もちろん実力もあるので、思い切ってやれれば競ることができるかなと。昨年も拓殖に竸った経験もあるので、やれるだろうという気持ちはありました。それができた結果だと思います」

―7番の佐藤選手も目立ちましたが、3年生が中心なんですね。30番の冨樫選手も3年ですね。
「佐藤とは2人で1年の時から試合に出ていたので、経験というのもあったと思うし、選抜大会などもにも出させてもらってきました。それがこういう大舞台で思い切りできた結果だと思います。冨樫はリーグ戦では全然出ていなくて、最近調子を落としていたので、よくこの大舞台でできたと思います」

―そういう意味ではあまり固い感じはしませんでした。代々木では緊張する地方の選手は少なくないんですが。
「いや、最初の方は少し慌てていました。佐藤も緊張してフリースローを落としたりしていたし。でも最後は決めてくれたので良いと思います」

―でも一時10点近く離れたのに、最後はよく粘りました。
「あと3、4点離されていたらダメだったかもしれませんが、法政大はファウルもこんでいてフリースローがもらえました。リバウンドで粘った結果だと思います」

―佐藤選手と田口選手は国体経験しかないんですね。大学で伸びたのでしょうか?
「自分は高校でバスケットを始めたので、最初は全然できませんでした。だから高校の先生によく教えてもらいましたし、今の金監督にも“ばかじゃないの、真面目にやりなさいよ”と怒られながらやってきました。先輩にも恵まれてコーチにも鍛えられてここまで来られました」

―最後15秒で1対1に挑みましたが、そこは行く、と決めていたのですか?
「とりあえずインサイドを攻めてファウルをもらおうと思っていました。自分か一幸(#7佐藤)で行こうと思っていたんですが、自分が決められて本当に良かったです」


「この悔しさを1年間持続させなければいけない」
課題を越えていく力をどうつけるか、ここからが勝負

◆#11長谷川 智也(法政大・3年・SG)
101130hasegawa.jpg エースとして攻撃を引っ張り、声を出し続けたが、富士大の勢いの前に長谷川自身も思うほどはシュートを決められなかった。チーム全体として見れば、谷口の29得点や鈴木の良さも出ており、いい面もあった。ただ、勝負際の攻防で持続できなかった部分が、結果に出たかもしれない。勝負はわずかな差だが、今期の法政大にとっては遠い差だった。
 トーナメントの時点から、法政大は僅差の勝負を落とし続けてきた。リーグ戦でも勝てる試合をわずかの差で逃し、入れ替え戦でも4点が足りなかった。その最後のわずかな部分をどう越えていくのか、長谷川自身もエースとしてこれから研鑽を積んでいかなければならないだろう。


―試合を振りかえっていかがでしたか?
「初戦という事でお互い最初は堅くて、でも試合の中でだんだん慣れていった部分がありました。それで途中10点くらい離したんですが、そこでみんな少し安心してしまったのか分からないですけど、向こうの気迫に押されてしまって、そのまま立て直すことが出来ませんでした。悔しいというか…よくわからない気持ちです」

―最大の敗因は何だと思いますか?
「やっぱり相手の気持ちがうちより強かったんだと思います。僕らもリーグ戦で全敗して2部に落ちることにもなって、失うものはもう何も無いし、東北1位の富士大に対してチャレンジャーの気持ちで挑もうと試合前に言っていたんですけど、でも実際試合では悪い法政が出てしまったというか、一つになりきれませんでした」

―入れ替え戦から今日まで、どういう想いでしたか?
「入れ替え戦の結果というのはもう戻せないものなので、すごく落ち込んだんですけど、へこんでばっかりじゃいけないと思ってすぐ切り替えました。インカレもトーナメントが良い組み合わせだったので、自分にとっては大学初のベスト8も狙えるという事をすごく楽しみにしていましたね。入れ替え戦の負けを引きずったということはなかったです。むしろ入れ替え戦で負けたことでチームがまとまった部分もありました」

―この試合で今シーズンも終わりとなりましたが、今季全体を振り返ってどうでしたか?
「一言で言ってしまえば“負け”の年でした。負け癖というか、勝てる試合も捨ててきたと思うので、悔しい1年でしたね。その中でもやっぱり入れ替え戦の負けというのは一番頭に残っていて、一番悔しかったです。それに、勝つことによってチームが一つになるという部分もあるじゃないですか。ずっと負け続けると、信じるところがなくなってきちゃうんですよね。自分自身も勝ちに結びつけられていないので、自信が失われるというか、そういう部分が辛かったです」

―そういう1年の中で得たものというのはありますか?
「勝負の世界では気持ちがすごく大事なんだという事を学びました。相手をしっかり尊重して試合に臨まなきゃいけないと思います。今日の試合も、どこかしら相手を下に見ていた部分がみんなあったと思うんですよね。そういう部分を負けて学んだと思うので、新しいシーズンが始まる前にもう一回みんなで話し合って、頑張っていきたいと思います」

―今季の法政はどのようなチームでしたか?
「去年のようにずば抜けているエースがいるわけではないので、そこをみんなでどう補っていくかが課題だったんですけど、やっぱり1年間じゃ補いきれない部分がありました。でも、今まで試合に出ていなかった経験の少ない選手たちもみんな頑張ってくれていましたね。そこで僕がみんなを引っ張りきれなかったのがこういう結果になった原因だと思っているので、リーダーシップとかをもっと発揮出来たらなと思います。そこはチームのみんなに申し訳なかったです。自分は下級生の時から経験させてもらっているのに、それをみんなに伝えきれていないなという風に感じました」

―それでも長谷川選手自身、声を出してチームをまとめようとしていたと思います。でもそれがチームに浸透しきれないまま、まとまりきれていないような印象でした。
「そうですね。練習中から自分は声を結構出しているんですけど、インサイドとか自分から声を出すという選手が少ないんですよね。でも逆に、そういう人がたまにでも一言声を出せばチームに一体感が出ると思うんですよ。毎回言っている自分よりも、たまに声出す人の方が説得力があるというか、みんなも頑張らなきゃという気持ちになると思うので。それは練習中からも言ったりしますし、やっぱりまとまるためにはそういうところを浸透させていかなきゃいけないですよね。難しいですけど」

―あとは入れ替え戦のときに山越選手が、選手同士のモチベーションの違いを課題に挙げていましたが。
「そうですね。うちはトレーニングなどがほぼ自主性なので、自分の自由な時間を使っても筋トレとかしている選手と、そうでない選手が当然出てくるんですよね。そういう部分が仕方ないとしても、これから変わっていきたいです。みんな能力はあるんだから、身体をもっと作ればもっとやれると思いますし。でも人から言われるより、自分でそういう部分は気付いて欲しいですね」

―4年生はこれで引退となりますね。
「今年は本当に負けてばっかりだったので、鈴木さん(#3)とか山越さん(#10)とか4年生はみんな悔しい想いをしてきたと思います。試合に出られない4年生も練習とか来てくれていましたし。だからこの1年間4年生たちがやってきたことを無駄にしないで、来年はもっと勝ってる姿を見せたいと思います」

―来年はどんなチームにしたいですか?
「今年から“頑張る”というスタイルが少し浸透してきたと思うんですけど、まだ頑張りきれていない部分があるので、頑張りきれるチームにしたいです。あとは、個々で能力が高い選手はいっぱいいるので、そこをもっと上手くまとまりたいですね。もっとコミュニケーションが取れるチームにしたいです」

―最終学年を2部でプレーするという事に対してはどうですか?
「でも逆に明確な目標が出来たと思います。今まではただ単にリーグ戦とかインカレを迎えてきましたけど、来年は絶対に1部に上がらなきゃいけないという目標があるので、それをしっかり頭に入れて頑張りたいです。入れ替え戦に勝って1部昇格という経験が出来るのも2部だけですし、修行ではないですが、自分にとっても良い経験になるんじゃないかなと思います。環境は整っていないかもしれませんが、そんな贅沢は言っていられないし、勝ちだけをしっかり見つめてやっていきたいですね」

―来季の目標は?
「1部昇格です。この悔しさを、3日間とかで終えるんじゃなくて、1年通してずっと忘れずにやっていかなきゃいけないと思います。あとは、ダークホースになって最後のインカレでてっぺん獲りたいと思います」


101130taguchi1.jpg
勝利し、ベンチの仲間の元へ走りより、大きくジャンプする田口。


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以前に比べれば、法政大も変わってきた。そうした姿を今度こそ勝利につなげられるよう、来年に期待したい。
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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