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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.11.30 (Tue)

【2010インカレ】11/29レポート

男子インカレが開幕!
関東1部は専修大が初戦で姿を消す


 第62回となるインカレが代々木第二体育館で開幕した。初日は1回戦6試合が行われ、愛知学泉大対札幌大が延長戦に、関東6位の専修大が初戦敗退となるなど、見所のある1日となった。1回戦は強豪と地方校の対決も多く、差がつく試合が多いがそれでも学生らしく最後まで挑んでくるチームもある。そうした新鮮なすがすがしさを感じるのもまた、1回戦の魅力だ。


【東海大札幌が大声援を受けるも、中央大が大差で初戦突破】
101129ono.jpg 東海大札幌は東海大の10あるキャンパスの一つであり、同じ大学ではあるが、北海道代表の一つの大学でもある。中央大との1回戦には本家・東海大のメンバーが第一試合にも関わらず代々木に駆けつけ、大きな声援を送られる中での試合となった。

 立ち上がりはその勢いからか、#10栗原(2年・G)、#8佐々木勇人(4年・G)らのシュートでベンチはもちろん、2階席の東海大応援団も喝采を送る。しかし中央大はミスマッチの差もあり、#20小野(2年・F)、#16佐藤(2年・G)も次々とシュートを決め、中央大らしい勢いある攻撃で1Qを37-19とリードすると後は控えを使いながら余裕の展開となった。東海大札幌はこうした中央大の攻撃に2、3Qは得点が伸びず苦労するが、4Qで中央大の集中力が散漫になると、奮起する。リバウンドやディフェンスで粘りを見せると、#8佐々木 昴(2年・G)や#15千葉(2年・G)らが早い展開で次々と中央大ゴールに向かっていき、このQ35得点。中央大も#2山田(4年・SF)や#3恋河内(4年・SF)ら4年生がいいプレーを見せ、追いつかせずに振りきった。中央大が103-79と100点ゲームで次へ駒を進めたが、東海大札幌の最後まであきらめない粘りあるプレーも光った。

写真:22点とエースらしい活躍を見せた中央大・小野。

※東海大札幌・原田監督のインタビューは「続きを読む」へ。


【接戦を制したのは最後に流れをつかんだ愛知学泉大】
101129fukuda.jpg 1Qは21-20と互角だが、やや流れをつかんだように見えたのは札幌大。#45近藤(3年・SG)と#33安達(4年・SG)のアウトサイドがよく決まり、波に乗った。「ディフェンスが主体で、普段は走って、早い展開からガードがアウトサイドを打っていくチーム。ロースコアながらうちの形のゲームだった」佐久本HC愛知学泉大もついてはいくが、アウトサイドの確率が悪い点で互角の出足となった。2Qになると両者なかなか得点が入らず4-7のロースコア。以降、このまま点が伸びない展開となるが、やはり外のシュートの確率がいい札幌大が要所で愛知学泉大をややリードする展開が続き、前半は28-24とリードした。

 後半も一進一退。札幌大の流れが止まれば愛知学泉大が取り返し、再び札幌大が勢いを増す、という攻防になる。3Qになって愛知学泉大はようやく外のシュートが決まってくるが、リバウンドでは札幌大が粘り、38-37の札幌大1点リードで4Qへ。札幌大は3Qで沈黙したアウトサイドが流れを再び呼ぶ展開となる。#45近藤、#33安達が勝負強いところでシュートを決め、#23栃本(1年・C・恵庭南)もゴール下で奮闘する。愛知学泉大は残り3分半、#17隅廣(3年・PG)のシュートでようやく48-48の同点。しかしここから札幌大はフリースローを得て行くものの4投のうちの1本しか決めることができない。一方の愛知学泉大はドライブのミスなどもあるが、最後のリバウンドでファウルを得ると、残り0.7秒で#22森田(3年・PF)がフリースローを獲得。1本を決め、2投目で失敗。愛知学泉大はこれをリバウンドからシュートに行くがわずかに間に合わず、49-49で延長戦に突入することになった。

101129sakumoto.jpg 延長戦は、4Q終盤の勢いを持続した愛知学泉大が制した。「延長の前、どこかやったと選手たちは満足していた。4Qが終わってベンチに戻ってきた時、疲れてもいた」佐久本HCが言うように、ゴールに向かう愛知学泉大とは反対に、延長序盤のシュートが決まらなかったことでリズムをつかめなかった札幌大は、最後の執念のようなものが見えなかった。愛知学泉大に速攻を許すような展開となり、61-53で敗退。北海道勢の1回戦突破はならなかった。北海道では強さを誇る札幌大だが、佐久本HCは難しさも語る。「道内でやっていると、接戦の経験がないので難しい。関東と練習試合などをして気づいて、やるようになっていく感じ。いいものを持っている選手はいるが、それを“勝ちたい”と出していけない選手もいて、内面を出して行くようには言ってはいるけれど、まだ自分も2年目、学ぶことが多い」と言う。とはいえ、今年は札幌大のメンバーが入っている北海道選抜は東海選抜に勝っていることもあり、この接戦等の経験を生かしていきたいところだ。一方、愛知学泉大はシュートの決定率で苦しんだ。次は青山学院大との対戦、再度修正して調子を上げていきたい。

写真上:アウトサイドに苦しんだが、主将としての気迫を見せて23点の愛知学泉大・福田。
写真下:負けたもののインサイド陣の奮闘も光り、「今日はいいゲームをした」という佐久本HC。一流選手からコーチとして今度はどこまで学生に伝えていけるだろうか。


【鹿屋体育大が自分たちのバスケを貫きまず1勝】
101129kasahara.jpg 昨年、初のベスト8に入り、九州から名乗りをあげた鹿屋体育大。その原動力となり、鹿屋大にプリンストン大スタイルのバスケットを与えた福田コーチが去り、今年は新しい船出をきっている。しかし、関東6位であり、高さ、攻撃力では高い能力を持つ専修大相手に序盤からリードすると、そのままリードを広げて92-58の大差で勝利した。

 立ち上がりから鹿屋らしくうまいスペーシングからパスをつないで、アウトサイドも高確率で入れていった。一方の専修大は立ち上がりが全てといっても過言ではないが、ターンオーバーも多く、鹿屋体育大の懐に攻め込めないまま25-12と1Qで大きく引き離された。2Qでゾーンをしくと、鹿屋体育大の足が止まりがちとなるが、それでも「セットオフェンスでは足が止まるので、パスを回して動いていくようにした」と鹿屋体育大の金本コーチが言うように流れを止めずうまくスペースをつくってシュートを決めていく。2Qは#33館山(2年・G)が“らしい”遠目の3Pを連続で決めて専修大が点数では上回ったが、鹿屋体育大も傷は最小にとどめ、42-35で前半を終えた。

 3Qでは再び鹿屋体育大がチャージ。#8月野(4年・SG)が連続の3Pで勢いに乗ると、このQ31点を取り、再び専修大を突き放す。追いあげられない専修大は4Qになると精神的にも切れてしまった。うまく攻められずフラストレーションがたまる中、ファウルトラブルに陥っていた#11宇都(1年・G・中部第一)がまず5ファウル退場。続いて#33館山が3Pのファウルに加え、わざとぶつかった態度でテクニカルを取られ、合計6つのファウルで退場し、鹿屋体育大#16笠原(3年・F)に合計5本の3Pを与える始末。気持ちの切れた専修大は立て直すことが叶わず、そのまま引き離されて試合終了。1回戦で姿を消した。

 専修大は#4高橋が機能せず、#33館山、#11宇都のファウルアウトはチームの意欲も削いだ。いいものを持つ選手たちだが、それを出せない日の落差が大きすぎる。今後も続く課題が残ったシーズン最終戦だった。最後に4年生の5名をコートに立たせたものの、苦い引退試合だったのが惜しまれる。

 鹿屋体育大は関東の壁相手に1回戦突破。しかも、一昨年ベスト8に挑んだ時、高さとゾーンで差をつけられた専修大相手にリベンジした恰好だ。#8月野、#7中村の4年生はもちろん、昨年大きな活躍を見せた#16笠原、#18小川らは終始落ち着いて鹿屋大のバスケットを展開。昨年でチームを去った福田コーチの残したものをきちんと継承し、2回戦へ駒を進めた。全国区となって間もないチームだが、既に「これが鹿屋のバスケット」だと言えるスタイルがあることは大きい。2回戦の中央大相手にもそれを見せられるかどうかを楽しみにしたい。

写真:頼もしい得点源となった鹿屋体育大の笠原は21点。

※鹿屋体育大・金本コーチのインタビューは「続きを読む」へ。


【優勝候補・青山学院大が余裕の1回戦突破】
101129hashimoto.jpg 初日の最終試合となった青山学院大新潟経営大の試合は、112-53で青学大が勝利した。出だしこそ思い切りの良いシュートで食らいつき、切り替えの速さも光った新潟経営大だが、青学大の堅い守りに次第に攻めが単発となる。2Qは6得点、3Qは7得点とオフェンスが完全に沈黙し、逆に青学大が多彩な攻めで得点を重ね3Q終わって86-32と大差がついた。青学大は全員出場の余裕を見せ、ダブルスコアでまず1勝を収める。優勝候補として注目される青学大。オールジャパンは目標の一つだが、「インカレだってもちろん大事なタイトル、簡単に考えていない」長谷川監督。リーグ後にはディフェンスを強化し、「課題を与えた方が伸びる」と新しい守りにも取り組んできている。ここから先の戦いぶりにも注目だ。

101129yokota.jpg 一方の新潟経営大は気持ちを切り替えた4Qで青学大相手に最後まで戦う姿勢を見せた。4年生にとっては最後の10分間、スタメンを下げ、4年生を投入した時間帯で横田学生コーチが作戦ボードに「4年間」と大きく書いてコート、そして応援席に書いて掲げるとそれに奮起したか、出場した4年生が得点を重ね、応援席も大盛り上がりとなる。ボードを掲げた横田学生コーチ「北信越大会でインカレを賭けた試合では20点差以上をつけて勝たないといけない状況でした。そこでも同じように“四年間”と書いたんですが、こういう時は気持ちの勝負。自分も4年生だし、奮起してもらいたいと後押しする気持ちで書きました。自分の分まで頑張って欲しかったのもあります。そこで4年生が決めてくれて盛り上がったし、青学相手のこの経験はチームの財産。後輩にも引き継がれると思います」と、この舞台で仲間が力を発揮してくれたことを喜んでいた。主将の#4柳原「チーム一丸となってバスケットが出来た」と言い、新潟経営大の奮闘に試合後には観戦していた東海大札幌など他チームからも称賛の拍手が送られた。試合の後、涙しながら4年生たちが引退の言葉を述べていたが、悔いのない経験で代々木を去ったことだろう。

写真上:復帰の青山学院大・橋本。
写真下:ボートを掲げ、最後まで明るく応援していた横田学生コーチと新潟経営大ベンチ。

※新潟経営大・柳原選手のインタビューは「続きを読む」へ。

 
 筑波大日本経済大は、1Qで日本経済大のアウトサイドが当たり、インサイドで#41ンジャイ(4年・C)相手に筑波大インサイドが攻めあぐんだことで、大きく日本経済大がリードする出足となった。5本の3Pを決めた日本経済大に対し、筑波大はなかなか外も当たらず出遅れた。しかし2Qで#33加藤(4年・F)のシュートが流れを変え、インサイドでは#99加納(3年・C)が#41ンジャイ相手に固い守りを見せると、日本経済大が次第にアウトサイド、インサイドとも失速。筑波大が逆転してそのまま逃げ切り、73-61で1回戦を突破した。
 東海大中京大は1Qから東海大が圧倒し、83-53で勝利。中京大は#7小林(3年・SG)が最後まで果敢にシュートを決めるが、大きく引き離された。東海大はこの日は10時20分開始の東海大札幌の応援のため、8時半に大学を出発、17時の試合まで時間が空く形となったが、油断のない初日の出足を見せ、問題なく乗り切った。


東海大札幌・原田監督、鹿屋体育大・金本コーチ、新潟経営大・柳原選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】
「最高のメンタリティを見せてくれた」
初出場の選手たちに与えた“いい経験”

◆原田政和監督(東海大札幌)
101129harada.jpg 代々木へはほぼ6年ぶりの帰還、ということになる。「ここに監督で来ることになるとは夢にも思っていなかった」と、感慨深げだ。仙台高校から東海大に進み、指導者として東海大四の中等部を教えて全中を経験した後、東海大札幌のバスケット部を率いて3年目となる。2005年のオールジャパン、代々木で引退を迎えたのはつい最近のことのように思えるが、立派な指導者となってここに帰ってきた。
 中央大相手に差はつけられたものの、コートで選手が体現したバスケットは仙台高校らしくもあり、東海大らしいともいえる激しいディフェンスと諦めない姿勢だった。2部から昇格し、まだここからとも言えるが、そうした姿勢が続けば、今後も北海道地区で上昇していけるのではないだろうか。


―初出場ということですが。
「去年は2部だったんです。今年の自分の青写真としては北海学園と札幌大学相手にどこまで高められるかということだったんです。でも頑張り続けた結果、最終日の2位決定戦を延長で制することができました」

―でも最後まで仙台らしいというか、プレーに最後まで頑張りが見えましたね。選手にはどういうプレーを求めているのですか?
「やはり一瞬一瞬手を抜かないということですね。キャプテンの村山なんかは短い時間で最後まで懸命にプレーして、向かって行って相手をひるませるようなプレーをしてくれました。あれでチームが“あ、やらなきゃ”という風に変わりました。屈しない精神というか、ルーズボールはもちろん、ファウルを怖がらずぶつかっていく。細かい部分はいろいろありますが、やって欲しいのは最後の最後までボールを追っていくという、そういう部分ですね」

―仙台高校出身の選手たちもよく頑張っていましたね。
「佐々木(#8)なんかは、高校時代から明成の石川海斗(日本大)なんかと戦ってきたし、今年は学生選抜の大会に北海道代表で選んでもらって全国の選手とも試合ができて、そういう意味ではずっと全国区の選手と戦ってきていますし、経験で足りないということもないと思いますね」

―最後の4Qに35得点できたのはそういう気持ちなどが出たということでは?
「そうですね。最高のメンタリティを出してくれたと思います」

―最初は中学、3年前から大学で教えている訳ですが、指導者としてどこを教えたいというような希望はあったんですか?
「与えられているところでどのぐらい挑戦できるのかと、与えられたところでどんな工夫をしてチームを作っていくことになるので、どこがいいというのはないですね。中学生は純粋でかわいかったし、手ごたえを感じ始めていた時期の異動だったのでちょっと残念は部分はありました。でも逆に大学生は年も近くだし、お酒を飲みながら語り合うというようなこともできますし、違った楽しみがありますね」

―指導としては大学生の方が難しいのでは?という気もしますが。
「最初は厳しく練習もして、休みも少なくてしっかり大学生らしく、私生活からも正していったので多少反発もありました。でも最後まで頑張ってやめないでいた選手たちを、この場に来てプレーさせてあげられたことに安堵しました。負けたのにそんな事を言ってしまえばダメなんですが、本当に良かったなと」

―今日は東海大の面々も朝一番から応援に駆けつけてくれましたね。
「そうですね、もうなんと言ったらいいのか…感謝しかないですね。今日は久しぶりに代々木に来て、久しぶりにロッカーに入って、“相変わらず狭いなあ”と思ったり、“陸川監督のミーティングが長かったなあ”と、ちょっと学生時代を思い出しましたね(苦笑)」

―久々に関東1部との公式戦に触れることになったと思いますが、どう感じられましたか?
「自分が選手としてやってきた感覚としてはやれるなという感じですが、まだまだ自分も勉強不足だなという感じはします。今日のゲームの流れを振り返ってみてもダメだなと感じますね。まだまだです」

―コーチとしては東海大の卒業生はつくば秀英の稲葉コーチや、東海大三高校の入野監督など、皆が全国大会で活躍していますが。
「だから自分も負けられない、という感じですよね。仲もいいので連絡をとり合っていますし、楽しいのはもちろん、学ぶこともありますね」

―選手たちはインカレに出られたということで何か変化はありましたか?
「リーグ戦の1次リーグが終わった時点で自信をつけて、2次リーグは破竹の勢いでした。ただ、札幌大学には追いつけずに負けてしまって、北海学園に勝てるかどうかで、挑んで勝つことができて、インカレ初出場につながるまでの過程でいい経験をしたと思います。自分は全中に出場した時に“こんないい経験をさせてもらっている25歳(当時)はいない”とインタビューで答えましたが、今もこんないい経験をさせてもらっている28歳はいないし、いろんな人に感謝しなければと思います。それを、今度は選手たちにもっといい経験をさせられるよう、今後も頑張っていきたいと思います」


「鹿屋のバスケットを一人ひとりが徹底する」
スタイルを引き継ぎ、更に自分の色を加えてコーチ業にも挑む

◆金本 鷹コーチ(鹿屋体育大)
101129kanemoto.jpg 昨シーズンでチームを後にした福田コーチに変わり、チームを預かることになった。なんとまだ2年生という若さだ。しかし試合では終始落ち着いた姿を見せて、見事専修大に勝利した。福田コーチの残したものを受け継ぎつつ、周囲の協力も得て鹿屋のバスケットを強化し、発展させたいという思いがある。下級生が上に物を言うのは簡単なことではないが、そうした挑戦なくしては成長しない。コーチとして、チームとしての成長のために次の中央大戦も臆さず挑んで欲しい。


―福田コーチから引き継いだという形になりますが、経緯を教えてください。
「自分は2年生になります。入学してからコーチングの勉強がしたかったのでスタッフに入っていたんですが、他のスタッフは自分以外はみんな4年生だったので卒業してしまって、スタッフも自分だけになりました。それでチームの幹部と話して、自分がやることになりました」

―堂々としていたので、もう少し上の学年かと思いました。今年はどのような取り組みをしてきたのでしょうか?
「今シーズンは昨シーズンまでいた福田さんが教えてくれたバスケットをまずやることを意識しています。新しいことは昨シーズンよりは少し早い展開を作ることぐらいです。自分自身の実力はまだ足りないですし、それをバスケットに出せているとは言えませんが、福田さんが教えてくれて、やってきたバスケットを今の選手一人ひとりが徹底してやっているのが今の鹿屋のバスケットだと思います」

―今日はその鹿屋らしいバスケットを出して勝てましたね。
「ずっと言ってきたことなんですが、インカレで関東の大学が相手になった時でも自分たちらしい、鹿屋らしいバスケットをやろうと。ディフェンスから頑張って泥臭く、愛し愛されるチームを目指しているし、今日はそれを最初から出せたので安心して見ていられたのはありました」

―学生だけでやってきて、そういう風に戦えているのが素晴らしいと思いましたが。
「でも自分たちでやっていく分、難しさはあります。自分が2年生という気持ちになる部分は確かにありますし、上の学年からすれば後輩になります。あまり言い合うというのが難しいチーム状況で、そこで妥協したりしてしまうのか課題ではあります」

―確かに逆転している状況ですが、チームとしての決定権や意志というのは?
「自分がコーチなので、自分にあります。コーチになるのが決定した時、チームで集まりました。キャプテンの月野さんから“今シーズンはこいつがコーチをやる。そうする以上はこいつの意見が全てだ”と言ってくれました。最初にそこを徹底しようとを決めたので、今までやってこられたと思います。最初にみんなで決めたその土台は大きかったですね。自分もまだ実力が足りない部分もあったんですが、コーチとしての自分をみんなが本当に支えてくれました。それがあったから今日のゲームもできたと思うし、今の鹿屋というチームがあると感じています」

―今日は専修大相手で、サイズでは不利な面もありましたが、最初から鹿屋らしいパス回しからきれいにシュートを決めていきましたね。相手のエースもしっかり止めました。
「サイズのところは一番気になっていたので、リバウンドの部分を徹底してやってきたし、ディフェンスでも館山選手や宇都選手を終始守ることを徹底して練習してきました。ポイントポイントを絞って、その中でいつもの自分たちのバスケットにプラスαを加えてやっていくスタイルで練習をしてきたし、今日のゲームはいいゲームでした」

―ゾーンアタックについては、福田コーチも注力していた部分ですが、今日は専修大のゾーンに少し得点が止まりはしましたが、それでも対処しましたね。
「2年前も専修大とインカレで戦って、その時に後半のゾーンで攻められず負けてしまっています。専修のゾーンは変則的でボールマンに対してプレッシャーをかけてきますし、ハイポスト、ローポストが結構空いてきて、ダブルチームでプレッシャーをどんどんかけてきます。だから形にこだわるというより、みんなでどんどん動いて崩していこうという方を採っています。福田さんが教えてくれたセットオフェンスもあるんですが、ボールが止まって、形に固執している部分がありました。それだとプレッシャーをかけられて潰されてしまうと思ったので、変えたいと考えて研究してボールを回して崩す方向になっています。今日の試合でやってきた事が出せて良かったです」

ー次の相手は中央大ですね。こちらはまた専修大とは違うタイプですが。
「専修大とも形もスタイルも違うと思うんですが、研究して自分たちの色をもっと出していきながら勝ちたいですね」

ー最後に話は変わりますが、将来的には指導者を目指しているのですか?
「自分の父親が地元の宮崎で教員としてバスケット部の顧問をしています。だから自分も指導者になりたいという夢があって鹿屋に来ました。将来は日本のバスケット界を変えられるような指導者になりたいですね。これからもっと自分の色を出して頑張っていきたいと思います」


「チーム一丸になれば強いし、楽しくバスケができる」
後輩に伝えることができて良い経験

◆#4柳原緋呂樹(新潟経営大・4年・F・主将)
1011269yanagihara.jpg 試合後、最終試合だった特権もあって代々木のコートで集合写真を撮影し、裏ではサークルで4年生が涙ぐみながらここまでの4年間を振り返り、感謝を語っていた。試合は青学大相手に敗退という結果だが、それをどういう形で終えるかはチームの質による。「まとまることで強くなれる」という一つの答えを見つけ出し、代々木で最後まで前向きにプレーできたことは、勝敗に関わらない大きな収穫ではないだろうか。


―試合を振りかえってどうでしたか?
「やっぱり青学は強かったですね(苦笑)」

―相手が青山学院大という事で、この試合に対してどういう意気込みでしたか?
「青学と当たるんじゃないかという話は前から出ていたんですけど、正式に決まってから、変に強いチームとやるより一番強いチームとやる方がむしろいいかなと思いました。一番強いチーム相手に、今まで自分たちがやってきたことがどれだけ通用するのかという事が楽しみでしたし。モチベーションを上げて、チームとしても良い方向を向けたと思います」

―そういう気持ちで臨んだからか、試合の入りも青山学院大にひるまず好調な滑り出しでしたね。
「開き直りですかね(笑)。何でもいいから一発やってやろうって気持ちが、逆に良かったのかもしれないです」

―2Q、3Qは点差を離されて悪い流れになりましたが、途中から切り替えて雰囲気もすごく良くなりましたね。そのきっかけなどはありましたか?
「いや、もう無我夢中だったので(苦笑)。でも、これはうちの持ち味なんですが、変に悪ノリというか、点差が離れても盛り上げていけたのが良かったと思います」

―最後までみんな楽しそうでしたし一生懸命で、良いチームだなと見ていて感じました。
「ありがとうございます。うちのチームは学年の境なくみんな仲が良いので、練習中も学年関係なく言い合ったりして、選手同士でも修正し合って1年間やってきました。それにみんなバスケットが好きですから、やっている人も見ている人も関係なくみんなでやっていこうと試合前からずっと言っていましたね。だから応援してくれた人も最後まで腐らずしっかり応援してくれて、チーム一丸となってバスケットが出来たことは本当に良かったと思います」

―柳原選手としても、引退試合をそのような形で終えることが出来て良かったですね。
「本当に良かったです。良かったというか、みんなのお蔭ですよね。みんなに感謝したいと思います」

―では、4年間を終えて今の心境はどうですか?
「正直、もう少しみんなとやりたかったですね…。僕、結構寂しがり屋なんで(笑)。いざ終わってみると、寂しいなぁっていう気持ちが一番です」

―4年間一緒にやってきた選手やスタッフはどういう人たちですか?
「みんな信頼できる仲間ですね。僕は本当に頼ってばっかりでした。キャプテンのくせに何も出来なかったので、フォローされまくりでしたね(苦笑)」

―キャプテンという役柄には苦労したということですか。
「キャプテンを決めるとき、今の4年にそういうキャラがいなくて、たまたま僕になったようなものなんです(苦笑)。それでやっぱり、チームが崩れた時にキャプテンとしてどうやってまとめればいいんだろうって悩みましたね。言いたいことを言い合えるチームだからこそ、我が強いというか、それでまとまらなかった時期もありました。それで“探り探り”って感じでやってきたんですが、みんな僕のそういう気持ちも分かってくれていて、すごくフォローしてくれたので助かりました」

―4年間、新潟経営大でやってきて得られたものは何ですか?
「それはやっぱり“仲間”ですよね。同期とか上とか下とか関係なしに仲良くて、監督とかスタッフも含めてこのチームでやれたことは、本当に幸せだったと思います」

―引退までにチームに何を残せたと思いますか?
「うちのチームは結構波があって、チームがまとまれなかった時は負け続けてチームの状況も悪かったんですけど、今年こういう風にまとまれることが出来て、“チーム一丸になったら強いんだ、楽しくバスケ出来るんだ”という事に気付けました。これは後輩たちに良い経験をさせてやれたかなと思います」

―その後輩たちはどうですか?伝えたいメッセージなどがあれば。
「まず本当にこの1年間、頼りないキャプテンですみませんって言いたいですね。後輩たちなら来年も絶対にこの場所に来られると思うので、ここで満足せずもっともっと上を目指していって欲しいです」

―北信越ブロックなどがこれからインカレ上位に進むためにも、どういう部分を出せば関東の強豪校に通用していくと思いますか?
「自分たちがやってきたことを信じてやるだけじゃないですかね。変に関東相手に対策をするより、自分たちがやってきたことを徹底することが通用していくと思います」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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