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2010.11.11 (Thu)
【2010リーグ】11/11入れ替え戦 中央大VS早稲田大 第3戦
【早稲田大が連勝で2007年以来の1部復帰】
2007年、入れ替え戦で対戦した両者。3年を経て再びこの場でまみえる事になった勝負は、3戦目に突入した。
立ち上がりは早稲田大のミスが続いた。開始すぐに#14久保田(3年・C)が1本フリースローを決めた後が続かず、ボールがことごとくリングに弾かれる。ゴール下でも中央大のディフェンスに阻まれ、何度もリバウンドを取りながら決めきれず、パスミスも出て流れが生まれない。一方の中央大は立ち上がりはターンオーバーもあるが、#14渡邊(2年・F)のミドルシュートに#20小野(2年。F)が3Pのファウルをもらい、先行。#16佐藤(2年・G)のドライブや#20小野の3Pも復調の兆しを見せてチームを盛り上げる。中央大は#14渡邊の3Pで残り2分、19-7までリードを広げることに成功した。しかし早稲田大も#14久保田が存在感を示し、2本連続でゴール下を決めると、途中投入となった#52相井(4年・SG)が3Pで勢いをつける。中央大は残り2分でシュートが決まらず、1Qは19-14とリードしたものの、追い上げられる形となった。
2Q、早稲田大はゾーン。中央大のオフェンスが重くなる。しかし早稲田大もやはりシュートの決定率は上がらず、ミドルシュートの確率で苦しい時間帯が続く。中央大はファウルも続くが#20小野がリバウンド、得点で奮闘。#22山田(1年・CF・東海大菅生)の速攻も出て再び27-20と早稲田大を引き離す。しかし残り1分半を切ったところでミスが出て、#16佐藤がアンスポーツマンライクファウルを取られてしまうと、そこから#00金井(4年・F)のフリースローなどで詰め、最後は#8玉井勇気(1年・G・福岡第一)の3Pで29-28と1点差に追い上げて前半を終えた。中央大は逆転こそされなかったが、ファウルと得点が止まる時間帯で苦しい展開に追い込まれた。
3Q、早稲田大が逆転し、一気に中央大を引き離す展開となる。前半シュートミスが続いていた#00金井がようやく本領を発揮し、得点を重ねると#8玉井勇気のシュートも決まり始め、2連続のアウトサイドで残り4分で中央大に10点差をつける。中央大はターンオーバーが続き、#8遠藤(4年・C)が開始数分で足を痛めて下がると、インサイドが苦しくなった。#20小野の3Pもあるが得点は止まりがち。このQで勢いづいた早稲田大に37-50と13点のビハインドを負うことになってしまう。4Qもリードを得て余裕の出た早稲田大が勢いのまま得点を重ねる。中央大はなんとか返そうとするが、簡単にシュートを打てず引き離されていく。早稲田大は勝利を確信し、最後には#9平井(4年・G)、#74安達(4年・F)といった4年生もコートに送り出し、52-73と20点以上の差をつけて早稲田大が見事1部に返り咲いた。
早稲田大は、前半の悪さを引きずらなかった。中央大ディフェンスが久保田を気にしてインサイドに寄る分、空いたアウトサイドを積極的に攻めて後半に流れを作った。中央大はそうした早稲田大に対し、中と外、両方を守りきることはできず、課題の後半をまたしても乗り越えることができなかった。能力はあるがまだ2年生、若さは目立つ。そして入れ替え戦はそうした経験不足を大目には見てくれない。駒数や高さなど足りないものは多々あるが、2部でそれにめげず自分たちのバスケットを貫ければ再び浮上のチャンスはある。過去多くのチームがそうした苦節を経て成長を遂げている。ここからが勝負だ。そして早稲田大はようやく1部へと戻って来られた。勝負どころを逃さない部分は、早稲田大の方が上だった。エースの金井はもちろん、2戦目の要所で決めた井手、3戦目では相井がここぞという時に3Pで貢献し、4年生は自分たちの仕事を果たした。そこに玉井や河上らルーキーが絡み、久保田の力強さでゴール下を支配した。「充実」と「勢い」、その両立が昇格の鍵となった。
写真上:得点、リバウンドと中央大を引っぱった小野。リーグ戦中のケガがなければと惜しまれるが、真のエースへと成長して欲しい。
写真下:春は「(プレーの中で)自分の居場所がない」と悩んでいた井手。しかし今は「やりながら自分のプレーができる部分を見つけた」と、ようやくチーム内での役割に馴染んだ様子。井手がどこで打ってくるか、というのは相手チームには一つの脅威だ。
※早稲田大・相井選手、中央大・澤田選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
「絶対勝てるという雰囲気で心配はしなかった」
1部復帰を追い風に、インカレでの活躍も誓う
◆#52相井大樹(早稲田大・4年・SG・主将)
2007年以来の1部復帰となった早稲田大。主将である相井の顔に安堵の笑顔が浮かんだ。自分では「久しぶり」という3Pでは大きくガッツポーズを見せ、気持ちが入ったプレーで応援団を沸かせた。4年生ならではのパフォーマンスだ。
春はトーナメント6位に入り復調の兆しを見せた早稲田大だが、リーグ戦では思わぬところで躓くなど、安定感はまだ足りない部分もあった。しかし入れ替え戦での2試合は悪い部分をゲームの中で立て直せる部分を見せ、見事復帰を決めた。4年生はこれで一つ仕事を終えたことになるが、続くインカレでどのような戦いぶりを見せるか。そこで早稲田らしいプレーを見せて、1部に相応しいチームであるとコート上で強く表現して欲しい。
―今の気持ちは?
「これを目標にやってきたので、すごくうれしいです。1年生の時の入れ替え戦で負けた相手に勝てたというのはすごくうれしいですし、ずっと1年間チームで1部昇格を目指してやってきたので、そこを達成できたという2つの喜びがあると思います」
―1戦目は悪い内容でしたが、残り2連勝できました。
「特に1戦目の内容が悪かったからといって焦りがあった訳ではなかったです。まだまだ自分たちのバスケットができていないという正直な気持ちはありましたが、それで落ち込むとかそういうのはなくて、うまく切り替えて2戦目、3戦目といいバスケットができたので、良かったと思います」
―ただ、今日の前半はあまりにも悪い入り方のように思いましたが、緊張感などがあったのでしょうか?
「会場に着いてからやアップの時の雰囲気は全然悪くなかったし、絶対勝てるという感じでした。フタを開けたら今日勝てば上がれるという堅さでシュートが落ちたりしたのかもしれません。特に金井(#00)はいつもなら入れてくるシュートを落としていて顕著だったかもしれませんが、次第にほぐれていったので全然心配はしていませんでした。2Q途中から変わってきて、3Qで一気にいけましたね」
―相井選手も3Pが決まって盛り上がりましたね。
「そうですね、久しぶりでした(笑)」
―リーグ戦中は固くなっているというか、なかなかプレーで示していけていなかったように思いました。主将としてチームをまとめるという立場でしたし、そういう面でも大変だったのでしょうか。
「多分自分の中で割りきってやらなければいけなかったと思うんです。シューターとしてタイミングが来れば打つという事が出来ていなかったというか。チームの方針としてインサイドで効率良く点数を取っていくという方針だったので、シューターとして割りきって打てるところは打つと考えていけば良かったんですが、キャプテンとしてチームの方針を体現しようとして打てなくなっている部分がありました。でもそこが甘さだと思います」
―でも今日はいいところで3Pを決めました。
「そこは思いきって打っていけと言われていました。ちょうど久保田(#14)のところにディフェンスが寄るので、普段なら久保田が攻められるところを中央が潰しにきていたので、逆サイドに展開したら思い切って打てと言われていたし、そこは逆にやりやすかったです。今日は玉井(#8)もそうですし、1戦目、2戦目では井手(#7)もだいぶオープンになっていましたし」
―決めた時はガッツポーズも出ましたし。
「そこは無我夢中でした(笑)」
―いい勝利でしたが、早稲田大は浮上と下降を繰り返していることもありますし、1部に定着して欲しいですね。
「そうですね。でも2年の藤原(#91)や久保田も泣きながら『僕がいる間は絶対に1部に定着させておくので、ぜひ見に来てください』と言ってくれました。むしろこれからは定着を期待して、僕ら4年はしっかりインカレを戦って一線を退こうかと感じています」
―インカレについてはどうですか。
「このいい雰囲気、勢いのままインカレに臨みたいです。決して楽なブロックではないし、留学生のいるチームがたくさんいるブロックです。日大という1部の中でも上位のチームとも勝っていけば当たります。でもこの昇格した勢いをうまく使えれば戦えない相手ではないし、後は思い切ってやるだけですね」
―昨年のインカレは1回戦で天理大と対戦して負けていますが。
「でもこの組み合わせは今年はある意味、2部で良かったと思う部分もあります。相手が浜松大に決まりましたが、リーグ戦では関東学院大や白鴎大の留学生と戦えましたし、国士舘の馬隆(#4)も強かったですし、そういった相手と戦ってかつ、アウトサイドを決めることもリーグ戦ではできました。だから心配はしていません。むしろいい雰囲気で臨めるのでやってやろうという気持ちです」
―ここから残りの時間でどこを詰めていきますか?
「うちが走れている時の展開はリズムがいいんです。久保田が走ることであったり、ガードのつなぎを早くすることでもっとチームが良くなると入れ替え戦では思いました。後は倉石さんの方針で絞って練習していくことになると思います。頑張ります」
「課題を克服していかばければならない」
1部に戻るために必要なもの
◆#7澤田大樹(中央大・4年・PG)
「チームが若くてまとめきれなかった。4年生がしっかりしなくてはいけなかったのに」
申し訳ない思いと、自分では限界がある苦しさに満ちている。プレーでしか後輩に伝えられないものを、伝える機会が澤田にはなかった。
かつて2004年に2部降格が決まった時は、プレーもメンタルも、チームとして何もかもが悪い方へ向かっていった。しかし今はそうした面は払拭され、新しい再生が始まったばかりだった。それだけに降格は惜しいが、主力はまだ2年生。まだ充分可能性は残されている。中央大が真に生まれ変わったなら、再び1部の舞台に戻れるはずだ。
2部がどんなところか知っているのは今の4年生だけだ。そこに行くことになっても腐らず、自分たちのバスケットを貫く姿勢を残った時間で下級生に伝えて欲しい。
―どうしても2年生が中心になってしまう状況ですが、このシーズンはベンチで見ていてどう感じていましたか?
「2年生の代わりもいないのが課題で、そこでどうしても危機感は足りなくなってしまったと思います。それは2年生以外が試合に絡めなかったのが原因なんですが、もう少しコートに出ている選手は危機感がないといけないですね。一つのミスの重みをもっと感じて欲しい部分はありました」
―去年は小野龍猛(現JBLトヨタ)という選手がいて、引っ張ってくれました。今年は彼がいなくなった分の危機感というのが必要だったと思います。そこを感じるまでには至らなかったということでしょうか?
「去年は龍猛さんがいて、コートの中で鼓舞してくれました。でも今年はそういう中でリードをする選手がいなかったので、出ているメンバーが全員でやらなければいけないのは頭では分かっていると思うんです。でも確かにそこができなかったということですよね」
―試合にあまり絡めない分、澤田選手もキャプテンとして難しいとは思いますが、どういう風になって欲しい、というのはありますか?
「チームで競れる時間帯もあれば切れる時間帯も多い。リーグを通して試合に集中していない部分が見えました。負けましたが今日みたいな試合を集中して毎回していればチームの能力も上がっていくと思うので、そういうのは今日の敗戦で分かったと思います。2戦目は相手の勢いにそのまま飲まれてしまって、そういうのは悪い面が出ました。そうではなく、集中したゲームをできるようになって欲しいと思います」
―今日の第3戦も早稲田大は序盤良くなかったですが、問題は中央大の後半ですよね。
「そうですね。リーグを通しての課題の3Qですね。毎回言われているんですが、やはりそこでした。でもこれを克服していかないと勝っていけないと思いますね」
―2年生はこのリーグでケガもありましたし、調子の波も出てしまいましたが、シーズンを通して変わってきましたか?
「もう少し自覚が出てきたら変わると思います。でも将斗(#16佐藤)はこの入れ替え戦ではいつもなら切れているところも切れていなかったし、中でも声を出そうとしていて、その辺で入れ替え戦の重みを感じていたと思います。だから少しずつ成長してきていると思います」
―来年にそこを成長して見せて欲しいですね。
「2部にいた時代はあまりいいチームではなかったと周囲の声を聞くこともありますが、今は変わりました。でも少し真面目すぎる部分もあるので、もっと気持ちを出してプレーできるようになって欲しいと思います。来年、1部はメンバーを見ればどこも混戦になってくると思います。2部も厳しいと思いますが、そうした1部に匹敵する力はあるはずなので、頑張って欲しいと思います」
―でもまだシーズンは終わっていないし、やるべきことはありますね。
「今は申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど、インカレは最後にいい勝ち方をして終わりたいですね」

勝利を決め、抱き合う平井と相井。

最後にコートに立っていた安達、大塚、玉井らも笑顔。

早稲田大学応援団の指導のもと、「紺碧の空」が歌われた。

苦しい中、なんとか立て直そうと必死だった中央大。懸命さは今の中央大の良さでもある。下級生はこの経験を糧にして欲しい。

立ち上がりは早稲田大のミスが続いた。開始すぐに#14久保田(3年・C)が1本フリースローを決めた後が続かず、ボールがことごとくリングに弾かれる。ゴール下でも中央大のディフェンスに阻まれ、何度もリバウンドを取りながら決めきれず、パスミスも出て流れが生まれない。一方の中央大は立ち上がりはターンオーバーもあるが、#14渡邊(2年・F)のミドルシュートに#20小野(2年。F)が3Pのファウルをもらい、先行。#16佐藤(2年・G)のドライブや#20小野の3Pも復調の兆しを見せてチームを盛り上げる。中央大は#14渡邊の3Pで残り2分、19-7までリードを広げることに成功した。しかし早稲田大も#14久保田が存在感を示し、2本連続でゴール下を決めると、途中投入となった#52相井(4年・SG)が3Pで勢いをつける。中央大は残り2分でシュートが決まらず、1Qは19-14とリードしたものの、追い上げられる形となった。
2Q、早稲田大はゾーン。中央大のオフェンスが重くなる。しかし早稲田大もやはりシュートの決定率は上がらず、ミドルシュートの確率で苦しい時間帯が続く。中央大はファウルも続くが#20小野がリバウンド、得点で奮闘。#22山田(1年・CF・東海大菅生)の速攻も出て再び27-20と早稲田大を引き離す。しかし残り1分半を切ったところでミスが出て、#16佐藤がアンスポーツマンライクファウルを取られてしまうと、そこから#00金井(4年・F)のフリースローなどで詰め、最後は#8玉井勇気(1年・G・福岡第一)の3Pで29-28と1点差に追い上げて前半を終えた。中央大は逆転こそされなかったが、ファウルと得点が止まる時間帯で苦しい展開に追い込まれた。

早稲田大は、前半の悪さを引きずらなかった。中央大ディフェンスが久保田を気にしてインサイドに寄る分、空いたアウトサイドを積極的に攻めて後半に流れを作った。中央大はそうした早稲田大に対し、中と外、両方を守りきることはできず、課題の後半をまたしても乗り越えることができなかった。能力はあるがまだ2年生、若さは目立つ。そして入れ替え戦はそうした経験不足を大目には見てくれない。駒数や高さなど足りないものは多々あるが、2部でそれにめげず自分たちのバスケットを貫ければ再び浮上のチャンスはある。過去多くのチームがそうした苦節を経て成長を遂げている。ここからが勝負だ。そして早稲田大はようやく1部へと戻って来られた。勝負どころを逃さない部分は、早稲田大の方が上だった。エースの金井はもちろん、2戦目の要所で決めた井手、3戦目では相井がここぞという時に3Pで貢献し、4年生は自分たちの仕事を果たした。そこに玉井や河上らルーキーが絡み、久保田の力強さでゴール下を支配した。「充実」と「勢い」、その両立が昇格の鍵となった。
写真上:得点、リバウンドと中央大を引っぱった小野。リーグ戦中のケガがなければと惜しまれるが、真のエースへと成長して欲しい。
写真下:春は「(プレーの中で)自分の居場所がない」と悩んでいた井手。しかし今は「やりながら自分のプレーができる部分を見つけた」と、ようやくチーム内での役割に馴染んだ様子。井手がどこで打ってくるか、というのは相手チームには一つの脅威だ。
※早稲田大・相井選手、中央大・澤田選手のインタビュー、試合の写真は「続きを読む」へ。
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【INTERVIEW】「絶対勝てるという雰囲気で心配はしなかった」
1部復帰を追い風に、インカレでの活躍も誓う
◆#52相井大樹(早稲田大・4年・SG・主将)

春はトーナメント6位に入り復調の兆しを見せた早稲田大だが、リーグ戦では思わぬところで躓くなど、安定感はまだ足りない部分もあった。しかし入れ替え戦での2試合は悪い部分をゲームの中で立て直せる部分を見せ、見事復帰を決めた。4年生はこれで一つ仕事を終えたことになるが、続くインカレでどのような戦いぶりを見せるか。そこで早稲田らしいプレーを見せて、1部に相応しいチームであるとコート上で強く表現して欲しい。
―今の気持ちは?
「これを目標にやってきたので、すごくうれしいです。1年生の時の入れ替え戦で負けた相手に勝てたというのはすごくうれしいですし、ずっと1年間チームで1部昇格を目指してやってきたので、そこを達成できたという2つの喜びがあると思います」
―1戦目は悪い内容でしたが、残り2連勝できました。
「特に1戦目の内容が悪かったからといって焦りがあった訳ではなかったです。まだまだ自分たちのバスケットができていないという正直な気持ちはありましたが、それで落ち込むとかそういうのはなくて、うまく切り替えて2戦目、3戦目といいバスケットができたので、良かったと思います」
―ただ、今日の前半はあまりにも悪い入り方のように思いましたが、緊張感などがあったのでしょうか?
「会場に着いてからやアップの時の雰囲気は全然悪くなかったし、絶対勝てるという感じでした。フタを開けたら今日勝てば上がれるという堅さでシュートが落ちたりしたのかもしれません。特に金井(#00)はいつもなら入れてくるシュートを落としていて顕著だったかもしれませんが、次第にほぐれていったので全然心配はしていませんでした。2Q途中から変わってきて、3Qで一気にいけましたね」
―相井選手も3Pが決まって盛り上がりましたね。
「そうですね、久しぶりでした(笑)」
―リーグ戦中は固くなっているというか、なかなかプレーで示していけていなかったように思いました。主将としてチームをまとめるという立場でしたし、そういう面でも大変だったのでしょうか。
「多分自分の中で割りきってやらなければいけなかったと思うんです。シューターとしてタイミングが来れば打つという事が出来ていなかったというか。チームの方針としてインサイドで効率良く点数を取っていくという方針だったので、シューターとして割りきって打てるところは打つと考えていけば良かったんですが、キャプテンとしてチームの方針を体現しようとして打てなくなっている部分がありました。でもそこが甘さだと思います」
―でも今日はいいところで3Pを決めました。
「そこは思いきって打っていけと言われていました。ちょうど久保田(#14)のところにディフェンスが寄るので、普段なら久保田が攻められるところを中央が潰しにきていたので、逆サイドに展開したら思い切って打てと言われていたし、そこは逆にやりやすかったです。今日は玉井(#8)もそうですし、1戦目、2戦目では井手(#7)もだいぶオープンになっていましたし」
―決めた時はガッツポーズも出ましたし。
「そこは無我夢中でした(笑)」
―いい勝利でしたが、早稲田大は浮上と下降を繰り返していることもありますし、1部に定着して欲しいですね。
「そうですね。でも2年の藤原(#91)や久保田も泣きながら『僕がいる間は絶対に1部に定着させておくので、ぜひ見に来てください』と言ってくれました。むしろこれからは定着を期待して、僕ら4年はしっかりインカレを戦って一線を退こうかと感じています」
―インカレについてはどうですか。
「このいい雰囲気、勢いのままインカレに臨みたいです。決して楽なブロックではないし、留学生のいるチームがたくさんいるブロックです。日大という1部の中でも上位のチームとも勝っていけば当たります。でもこの昇格した勢いをうまく使えれば戦えない相手ではないし、後は思い切ってやるだけですね」
―昨年のインカレは1回戦で天理大と対戦して負けていますが。
「でもこの組み合わせは今年はある意味、2部で良かったと思う部分もあります。相手が浜松大に決まりましたが、リーグ戦では関東学院大や白鴎大の留学生と戦えましたし、国士舘の馬隆(#4)も強かったですし、そういった相手と戦ってかつ、アウトサイドを決めることもリーグ戦ではできました。だから心配はしていません。むしろいい雰囲気で臨めるのでやってやろうという気持ちです」
―ここから残りの時間でどこを詰めていきますか?
「うちが走れている時の展開はリズムがいいんです。久保田が走ることであったり、ガードのつなぎを早くすることでもっとチームが良くなると入れ替え戦では思いました。後は倉石さんの方針で絞って練習していくことになると思います。頑張ります」
「課題を克服していかばければならない」
1部に戻るために必要なもの
◆#7澤田大樹(中央大・4年・PG)

申し訳ない思いと、自分では限界がある苦しさに満ちている。プレーでしか後輩に伝えられないものを、伝える機会が澤田にはなかった。
かつて2004年に2部降格が決まった時は、プレーもメンタルも、チームとして何もかもが悪い方へ向かっていった。しかし今はそうした面は払拭され、新しい再生が始まったばかりだった。それだけに降格は惜しいが、主力はまだ2年生。まだ充分可能性は残されている。中央大が真に生まれ変わったなら、再び1部の舞台に戻れるはずだ。
2部がどんなところか知っているのは今の4年生だけだ。そこに行くことになっても腐らず、自分たちのバスケットを貫く姿勢を残った時間で下級生に伝えて欲しい。
―どうしても2年生が中心になってしまう状況ですが、このシーズンはベンチで見ていてどう感じていましたか?
「2年生の代わりもいないのが課題で、そこでどうしても危機感は足りなくなってしまったと思います。それは2年生以外が試合に絡めなかったのが原因なんですが、もう少しコートに出ている選手は危機感がないといけないですね。一つのミスの重みをもっと感じて欲しい部分はありました」
―去年は小野龍猛(現JBLトヨタ)という選手がいて、引っ張ってくれました。今年は彼がいなくなった分の危機感というのが必要だったと思います。そこを感じるまでには至らなかったということでしょうか?
「去年は龍猛さんがいて、コートの中で鼓舞してくれました。でも今年はそういう中でリードをする選手がいなかったので、出ているメンバーが全員でやらなければいけないのは頭では分かっていると思うんです。でも確かにそこができなかったということですよね」
―試合にあまり絡めない分、澤田選手もキャプテンとして難しいとは思いますが、どういう風になって欲しい、というのはありますか?
「チームで競れる時間帯もあれば切れる時間帯も多い。リーグを通して試合に集中していない部分が見えました。負けましたが今日みたいな試合を集中して毎回していればチームの能力も上がっていくと思うので、そういうのは今日の敗戦で分かったと思います。2戦目は相手の勢いにそのまま飲まれてしまって、そういうのは悪い面が出ました。そうではなく、集中したゲームをできるようになって欲しいと思います」
―今日の第3戦も早稲田大は序盤良くなかったですが、問題は中央大の後半ですよね。
「そうですね。リーグを通しての課題の3Qですね。毎回言われているんですが、やはりそこでした。でもこれを克服していかないと勝っていけないと思いますね」
―2年生はこのリーグでケガもありましたし、調子の波も出てしまいましたが、シーズンを通して変わってきましたか?
「もう少し自覚が出てきたら変わると思います。でも将斗(#16佐藤)はこの入れ替え戦ではいつもなら切れているところも切れていなかったし、中でも声を出そうとしていて、その辺で入れ替え戦の重みを感じていたと思います。だから少しずつ成長してきていると思います」
―来年にそこを成長して見せて欲しいですね。
「2部にいた時代はあまりいいチームではなかったと周囲の声を聞くこともありますが、今は変わりました。でも少し真面目すぎる部分もあるので、もっと気持ちを出してプレーできるようになって欲しいと思います。来年、1部はメンバーを見ればどこも混戦になってくると思います。2部も厳しいと思いますが、そうした1部に匹敵する力はあるはずなので、頑張って欲しいと思います」
―でもまだシーズンは終わっていないし、やるべきことはありますね。
「今は申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど、インカレは最後にいい勝ち方をして終わりたいですね」

勝利を決め、抱き合う平井と相井。

最後にコートに立っていた安達、大塚、玉井らも笑顔。

早稲田大学応援団の指導のもと、「紺碧の空」が歌われた。

苦しい中、なんとか立て直そうと必死だった中央大。懸命さは今の中央大の良さでもある。下級生はこの経験を糧にして欲しい。
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