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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.10.31 (Sun)

【2010リーグ1部】10/31 筑波大VS明治大 第2戦

【気迫で明治大が筑波大を引き離し、入れ替え戦を回避】
101031komamizu.jpg 勝った方が最後に残った入れ替え戦行きのポジションを回避――。

 最終日に相応しいプライドのかかった筑波大と明治大の戦いは、最初に勢いある攻撃で筑波大を追い立てた明治大が圧倒する内容となった。

「エゴでもいいから行くしかないと思った」#14金丸(4年・SG)。負ければ終わり、その思いがエースを動かした。ここまでディフェンスを念頭にロースコアでも勝ちきるという方針はどこか明治大の選手たちの動きの自由度を奪っていたが、崖っぷちに立って金丸のスコアラーとしての決意がチームに勢いを与えた。開始から#14金丸の連続シュートで筑波大の出鼻をくじくと、明治大は波に乗った。#14金丸が積極的に打っていくことで筑波大ディフェンスは寄らざるを得ないが、それでもこの日は守られようが、体制が崩れようが、シュートが次々とネットに沈んだ。しばらく眠りについていた金丸本来の得点能力がようやく戻ってきた印象だった。明治大は他の選手が動きやすくなり、#20若林(4年・SG)の3Pや#31駒水(4年・C)のバスケットカウントなど、勢いが途切れない。気持ち面でも完全にこの1Qで流れをつかんだ。一方の筑波大は完全に押される形となり、オフェンスで空回りが続く。#15山口(3年・F)のシュートが決まらず、インサイドでも決定力を欠いて、#14金丸に何度もオフェンスリバウンドを奪われてしまう。筑波大は引き離された焦りが全体の動きを悪くしてしまい、1Qは結局12-32のトリプルスコアに近い内容となった。

101031tawatari.jpg 2Qになり筑波大にもようやくエンジンがかかり始める。#34田渡(3年・G)や#99加納(3年・C)の3Pも出て持ち直すが、明治大の勢いも止まらない。#11佐藤(3年・G)も積極的に打っていき、明治大は20点以上のリードを保ったまま試合を進め、25-49の大差で前半を終了した。苦境に立った筑波大だが、この試合の中で逆転の希望が見えた場面が3Qに1度だけあった。明治大は#11佐藤が開始早々にシュートを決めるなど勢いはあるが、筑波大もディフェンスの動きが良くなり、#6西村(1年・G・正智深谷)の好守で明治大から立て続けにターンオーバーを奪うと、#34田渡もスティールし、残り2分半で44-55の11点差にまで詰め寄った。さらに#66加藤(2年・PF)、#14金丸から連続でターンオーバーを奪うなど、得点を一桁にする最大のチャンスが到来する。しかし痛かったのは筑波大もここで得点が決まらず、追い上げの流れが止まってしまったことだ。ピンチをしのいだ明治大は3Q最後に#14金丸の3Pがブザーとともにネットに吸い込まれ、筑波大の気持ちをたち切る。4Qはそのまま明治大が余裕を持って逃げきり、64-85で入れ替え戦回避を決めた。

 気持ちの差、といえばそれまでだが試合開始から金丸の気迫がこれまでの試合と全く違っていた。最初に気持よくシュートを決めたことが試合の流れを作り、周囲の負担も軽くし、大量リードを奪う展開につながった。佐藤の重圧から解き放たれたようなシュートも勝利に一役買った。筑波大は先行リードされた時に、それを逆転できるだけの得点力が最後まで戻らなかった。もし3Qの追い上げで1桁にできていれば、4Qは勝負できたはずだが、その勝負際があと一歩足りなかった。#35池田(1年・F・京北)は途中出場で決めていったが、アウトサイドはそれ以外は皆無。3Pは明治大14本に対し、4本しか決まっていない。追い上げても決められ、差が開く悪循環に陥ってしまった。この結果により、筑波大は関東学院大との入れ替え戦が決定した。チーム全体の選手の層、バスケットの質は筑波大の方が上だ。しかしパプは日本人選手が及ばないほど勝つことに貪欲で、非常に気持ちの強い選手。「2部に私を止められるセンターはいない」とまで言い切っている。筑波大のツインタワーはこれに引きずられずに実力を示し、1部のプライドを示すことができるだろうか。

 明治大は他のチームとは異なり、このリーグで目立ったケガ人こそ出さなかったが苦しんだ2ヶ月だった。HCの求められるものに応えきれないことで、次第に全てが悪い方へと流れていっていた。しかし結果は7位だが、この回避が一つの自信となると考えたい。インカレでのリカバリを期待したい。

写真上:4年生の駒水にも気持ちが見えるプレーが多かった。
写真下:田渡のアウトサイドは持ち味の一つだけに、シュート確率が悪かったのが惜しまれる。

※明治大・金丸選手、佐藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】

「全員バスケで勝てて満足」
初めての1部リーグでの苦戦を今後の糧に

◆#14金丸晃輔(明治大・4年・SG・主将)
101031kanamaru.jpg 点数は32得点と金丸にしては平凡な数字だが、その得点能力を試合開始すぐに全力でぶつけてたきたことが鍵だった。1Qでバテたと言うが、エースの気迫あるプレーに筑波大は出だしで屈したと言える。
 今シーズンは春にケガもあり、リーグも7位と苦しんだ。今後日本を背負って立つエースになることを嘱望されている金丸にとって、学生バスケは一つの通過点でもある。しかし「全員であんな雰囲気で勝てて良かった」という、学生らしいバスケットの良さも忘れて欲しくない。エースとして、主将として、残された時間でどんな姿を見せてくれるかを楽しみにしたい。


ー今日のオフェンスの勢いはすごかったですね。
「今日は負けたらヤバイし、エゴでもいいから攻めるつもりで行きました」

ーここまではそういう姿勢というか、なかなか攻めない印象が続いていました。
「マークも来るし、パスを回していく方がいいのかなというのはありました。ダブルチームに来られれば、必ず誰かが空いている訳だし、それを考え出したらパス回しばかりになってしまっていました。他を活かそう、活かそうとばかり考えていたせいがあったと思います」

ー自分が40点、50点を取っていくよりは、という感じでしょうか。
「それもありますね。去年はなぜあれだけ点を取れたかと言えば英悟さん('09年度主将・金丸英悟)や岩澤さん('09年卒)も攻めていたし、ディフェンスがそこまで2部なのでついてきていなかったのはあるんです。だからそういう面で今年はマークも昨年とは全く違いますし、仕方がないところはありました」

ーそういう中でもリーグ戦で得られたものは?
「ちょっとは周りを見られるようになったかなと思います。無理して自分で行かないで、空いているところにパスをさばくことができるようになりました。今日の前半はエゴで行き過ぎましたが、後半はパスを回すことを意識してました。目(#2)とかにも(笑)。そこで決めてくれたし、本当に良かったです」

ー終盤に向けて苦しい試合が続いていましたが、チームの雰囲気は?
「第1戦がああいうダメな状態での負けだったのでHCたちにも結構言われましたし、雰囲気も悪かったんです。自分も“帰ったら一人ひとり今日の事を考えて、気持ちを切り替えて明日来い”というような事を言いました。そうしたらみんな、もうやるしかないと思ったんじゃないですか。みんなが攻め気でやって、あれだけの点差をつけることができました。それがいつもできればいいんですけど、今年はそういう面で本当に大変でした」

ーでも今日勝てたことでチームとして得たものは大きいのでは?
「とりあえず最後に勝てて、あんな雰囲気で全員でバスケをできたのでそこで満足です。得点王は逃しましたが、この勝利には変えられないと思います」

ー9週間のリーグはどうでしたか? 何か来年こうすればいいというアドバイスはありますか?
「長いからコンディションを保つのは本当に難しかったですね。ずっといい調子が続く訳じゃないので、そういう波をどう少なくするかも考えなくてはいけないし。今回18試合戦ったのは初めてなので、どうすればいいかというのは未知数ですよね。去年はここまで疲れるようなことはなかったし。だから今後どうすればいいかというアドバイスは難しいですね」

ー明治大は夏もかなり遠征がありましたし、その分の疲労の蓄積もあったのでは?
「そこは分かりませんが、8月からずっと試合をしている印象なので、もしかしたらあるかもしれません。自分でも個人でマッサージに行ったり、ケアしたりいろいろな事はしましたが、やはり1日、2日の休みでは疲れは取れないですね。だから来年も続く後輩たちにはまだまだ課題だと思いますし、考えつづけなければいけないと思います」



「今後、この試合の経験が生きてくる」
入れ替え戦のかかった崖っぷちを乗り越え、自信に

◆#11佐藤卓哉(明治大・3年・G)
101031satou.jpg苦しんだリーグ戦だった。
元々はスコアラーとしての能力が高いが、金丸を生かし、チームを勝たせるための1番ポジションに春から苦しんでいる。リーグ途中で欠場がちとなり、自分自身もどうやっていいか分からなかった部分があるだろう。しかし、入れ替え戦のかかった大事な勝負で、むしろ考えずに伸び伸びやれたことが、勝利につながった。金丸に次ぐ28得点でチームに勢いをもたらし、大きな一勝に貢献した。


ー見事な勝利でした。
「良かった、本当に良かったです」

ー第1戦でも佐藤選手が出た時に攻め気が見えていい時間帯を作っていた部分もあったんですが、自分でも得点は意識していましたか?
「自分が攻めた方がリズムがいいなというのは思っていたので、意識はありました。今日も試合の前から攻めると決めていました」

ー塚本HCもそのように?
「リーグの最初は自分が一つのミスでどんどん落ちていってしまうというのが続いてました。そこで塚さんも『もっと気楽にやれ』と。ミスを引きずらないで気楽にやれと言われていたし、今回の試合では好きにやれとも言われたので攻めようと思っていましたね」

ーリーグの序盤ではかなりベンチでも厳しい言葉を浴びせられていましたよね。
「ここまではそうでした。でも今週の試合前のミーティングの最後に、行央(#35 岸本)と一緒に“ガードは好きなようにやれ”と言われて、この試合に臨んだ感じです」

ーこの試合まではガードとしていろいろな要求もあったと思いますが。
「そうですね、いろいろな要求がありました。そこに応えられずに調子を落として、スタートを落とされました。でも最後は使ってもらえましたし、そこで頑張ろうと思えました」

ースタートから落ちて試合も出られず、チームも負けていて苦しかったのでは。
「でもその時は正直あまり試合に出たくない気持ちもあったんです。出てもミスをしてしまっていたし、そもそも塚さんの要求も高かったし、やりきれなかった。だから塚さんもそれを分かってスタートを外したと思うんです。それでも拓大に負けた時に『お前のミスのせいでいつも負けてる訳じゃない』と言われました。そこから少し気持ちが変わっていったのはありますね」

ーその拓殖大戦だったと思うんですが、塚本HCに「やれるか?」とベンチで言われた時、相当顔が強ばっていたのが印象的でした。
「あの試合では使わないと言われていたんですが、試合のハーフタイムで『使うかもしれないから準備をしておけ』と言われたんです。そこで後半に呼ばれて『できるか?』と言われて返事はしたんですが、その時はやはり無理だなという気持ちの方がありましたね(苦笑)」

ーやはりリーグ戦は毎週試合が続く分、調子が悪いところをどう修正していくかといったことは難しかったということですね。
「そうですね。去年はベンチにいるだけだったんですが、今年は出ているし、調子が悪くても次の試合はすぐにやって来ます。だからリーグ戦の難しさをすごく実感した年でした」

ーでも岸本選手が良くなってきている分、分け合えた部分もあるのでは?
「確かにそうです。ミスをしても交代がいるという気持ちでやれますし、行央がいい時は自分が出なくてもチームが勝てれば全然いいという気持ちがあります。2人で良ければいいと思うんです」

ーではリーグ戦で得られたものはどういうことですか?
「最後に勝てたということですね。勝負強さというか、今後大事な場面で今日の経験が生きてくると思うんです。自分もいいプレーができたし。だからリーグ戦を通して得られたというよりは、入れ替え戦のかかったこの試合を経験して、そこでいいプレーができた事が自信にもつながったと言えます」

ーインカレに向けてもいい経験になりましたね。
「インカレでもこういう試合をしたいし、こういうプレーをしたいので、頑張りたいです」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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