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第86回全日本大学バスケットボール選手権
筑波大学が3連覇を達成 3連覇以上の達成は1999年の日本体育大以来

2010.10.10 (Sun)

【2010リーグ1部】10/10レポート

終盤に向けて勝利に直結する重要事項は
チームで自分たちの“色”を出せるかどうか


 リーグ戦はチームの本質が見える大会だが、大事な時やピンチに結束したり、チームカラーを出すような試合ができるかどうかが、勝負を決め、チームを成長させる。今週はここまでどこかもどかしい内容が多かった東海大が、見事な守りで日本大に勝ち切った。「これが自分たちのゲーム」と胸を張れる試合ができれば大きな自信になる。拓殖大も粘りや勝負強さという持ち味を出して逆転勝利した。混戦にあえぐリーグから抜け出すには、それぞれのチームがこうした持ち味を出していく必要がある。終盤にかけての見所の一つだろう。


【4Qで消極的になった明治大が逆転負け】
101010nagai.jpg 第1戦で接戦となったこのカード。2戦目も点を取り合う内容となったが、最後まで勢いを切らさず攻めつづけた拓殖大が逆転で勝利した。

 1Qは23-16とやや明治大ペース。拓殖大はゾーンからターンオーバーを奪う場面もあるが、#94長谷川智伸(2年・F)のアウトサイトが当たってこない。明治大は#14金丸(4年・SG)が「拓殖大のディフェンスががちゃがちゃしているので」とラインから離れて遠めで打つが、この3Pが連続し、#66加藤(2年・PF)のドライブなどもあってリードした。2Qも明治大はゾーンを前にアウトサイド中心。3Pが続いて一時は10点リードとなるが、拓殖大も交代した#6長南(3年・F)がバスケットカウント、3Pを決めるなどして追い上げる。明治大のオフェンスが重くなるのとは反対に、調子をあげた拓殖大は#6長南を中心に得点を重ね、前半は40-41と逆転して終えた。

101010kanamaru.jpg 後半はマンツーマンとゾーンのチェンジングに拓殖大はシフト。明治大はマンツーマンとなったところで#14金丸と#19田村(3年・F)の3Pが3連続で決まり、再び10点以上拓殖大を引き離す。拓殖大は再びゾーンに戻してじわじわ追い上げるが3Q終了時は61-53と8点差。しかし4Qに勢いは逆転する。「リードしていたので、残りの時間をコントロールしていこうとしていました。無理して得点しなくてもいいかなと。でもそこでパスばかりになってしまって、ターンオーバーも出た。チームが弱気になってしまいました」#14金丸。拓殖大のディフェンスは激しさを増すが、反対に明治大はなかなかシュートにまで持っていけない展開が目立つ。残り7分で#26上杉(3年・F)に1点差にされると、#99長谷川 技(3年・F)のスティールで拓殖大が逆転。明治大は残り3:41の#66加藤のバスケットカウントを最後に得点がストップ。拓殖大は#94長谷川智伸、#6長南の3Pでリズムを掴むと明治大を圧倒し、78-68と逆転から10点差をつけて勝利した。ここまでの拓殖大らしい粘り強さと早い展開からの攻撃が生きた勝利だった。

 明治大は金丸の言うように、終盤消極的になってしまったのが響いた。勝敗ではまだ苦しんでいるが、それでも終盤に向け、負けられない思いは強い。「これまでは副将の若林(#20)が主に声かけをしていましたが、今は自分も練習中から言っています。試合だけで示してもできるものではないし、そうした4年生の取り組みに、下級生も答えて欲しい。みんなに攻め気を見せて欲しいと思っています」(#14金丸)。ここまでプレーで見せてきた主将が、周囲に言葉で奮起を促す。「一人ひとりが仕事ができれば明治は強い」。それを残りの試合で実証できるか、注目したい。

写真上:前半奮闘した拓殖大・永井。
写真下:金丸はシュートから場合によってはコントロールまで、求められる部分は多い。

※拓殖大・上杉選手のインタビューは「続きを読む」へ。
 

【これぞ東海!守りを意識して日本大に2連勝】
101010tokai.jpg 日本大東海大は1戦目同様ロースコアにもつれこみ、最後は接戦を抜け出し東海大が2連勝を飾った。

 第1戦同様、序盤からロースコア展開となった。日本大は#19浜田(2年・F)スタメンに戻すが、得点につながらず#11飛田(2年・F)に交代するなど試行錯誤が続く。東海大も得点が伸びないが、交代した#1佐々木(3年・PF)も得点に絡む部分を見せて、1Qは15-12と追う展開。ともに相手ディフェンスを崩しきれない立ち上がりとなった。2Qも一進一退。日本大は#29金城(3年・G)や#25菊池(1年・C・明成)らここまでほとんど使ってこなかったメンバーを起用。#15熊澤(4年・G)の3Pなどもあるが、東海大は#24田中(1年・SF・長崎西)のバスケットカウントや#0満原(3年・C)のポストプレーなどでやや優勢に。前半は27-28と東海大リードで折り返した。

101010kinjyo.jpg 東海大が3Q前半で8点リードと抜け出すが、日本大も食い下がる。ここまで東海大のコントロール重視のディレイドに、なかなか早い展開が出せない日本大だったが、#29金城の奮闘で追いつくと、逆転して流れをつかんだかに見えた。だが、4Qは一進一退のゲームが続く。勝負は終盤まで読めない展開になった。日本大は#29金城のバスケットカウントなどで盛り上げるが、守りの要でもある#14森川(3年・F)と#24熊(3年・C)が残り2分を切ってともにファウル4。逆に東海大は#0満原のインサイドのバスケットカウントで残り1分半に63-65とリードする。しかしタイムアウトの後#29金城が#0満原をかいくぐってシュートを決め65-65の同点。残り1分で勝負は振り出しに戻るが、ここから明暗が分かれた。日本大は#3石川(2年・G)のファウルで#0満原がフリースローを獲得。これを1本決めて65-66と1点リードした後、満原は#24熊をブロック。続く攻撃で#33狩野(2年・SG)の3Pが外れるが、#34三浦(3年・SG)が豪快な飛び込みリバウンドでボールを保持して沸き返る。最後の勝負に賭ける日本大は、ボールを取りに行った#3石川がここでアンスポーツマンライクファウルを吹かれ万事休す。東海大はフリースローをきっちり決め、最後に#0満原の3Pで71-65と勝負を締めて2連勝。日本大は2試合連続きわどい勝負を、目の前で落とす痛い敗戦となってしまった。

 選手も監督も、このシーズンで一番納得のいく試合だと認めた。「これが東海」と多嶋ほか全員が胸をはる。インサイドの守りや最後の三浦のリバウンドなど、キーポイントとなるディフェンスが目を引いた。陸川監督は言う。「東海大の3本柱はディフェンス、ファーストブレイク、モーションですが、最近はずっとハイスコアな試合が多くなっていました。そういうのが好きな慶應さんであったり、青学さんだったりと入れあいをすると何か違うなと。そこで少しコントロールしたゲームをしようと。ディレイドなどがそうですが、速攻も出すタイミングも整理して、こういうゲームになりました」。リーグ戦開始からここまで早い展開も多少意識してきたが、逆に東海の良さであるディフェンスが疎かになっていると認めた上での方針修正だった。「日本大の石川選手(#3)は非常にスピードのある選手ですが、その良さを出させない、気持よくバスケットをさせないようにしようとしました。正面について周りもディフェンスで固めました。ただ周りもうまいのでやられた部分はありますが、日大にとって本当のいい形での速攻はそんなになかったんじゃないかと思います」と、本来の東海大の良さである守りが機能したことを強調する。多嶋「どうすべきか、陸さんとも話しあって決めた」とここまで少しあった迷いをふっきったように見える。選手の成長や層が厚くなるにつれて「あれも、これも」と取り入れたくなる気持ちは理解できるが、本来の東海大の良さをまず押し出すこと。その基本に立ち返ったことが勝利を呼び込んだと言えるだろう。

 日本大は惜しい4敗目。この試合でも布陣を変えて金城が機能した部分はあるが、依然ウイングの不安定さは気になるところ。残す対戦は上位が続く。どのような戦いをするかここが正念場だ。

写真上:日本大の熊を必死に止めに行く東海大ディフェンス。この試合では#24田中が4番でも機能した。
写真下:13点と奮闘した金城。

 慶應義塾大中央大は、序盤に慶應大が抜けだすがミスをついて中央大が前半で追いついた。しかし3Qで慶應大が37得点するとその後は追いつけず試合終了。ハイスコアリングゲームとなったが、慶應大相手に点の取り合いをするには中央大は分が悪い。リバウンドの差が響いて109-96で敗れた。中央大は筑波大と同じ4勝にとどまる。一方、勝敗で日本大に追いついた慶應大だが、走りあいとなってディフェンスのほころびが大きかった。次は青学大戦、修正したいところだ。

 第1戦で白熱した展開となった青山学院大筑波大。しかし2戦目は筑波大も果敢に攻めこむが決めきれないシーンが多く、序盤から追う展開に。青学大は短かったシュートを修正し、この日はきれいに決めていった。筑波大は1戦目の#99加納(3年・C)に続きこの試合では#15山口(3年・F)が欠場。流れを変えるきっかけをつかめないまま95-62で敗退。青学大は12勝0敗を守り、筑波大は4勝8敗と9位にとどまった。

 法政大専修大101-71と専修大が法政大を圧倒。法政大は#3鈴木(4年・G)の欠場も響いた。専修大は6勝6敗と5割を守る。法政大は残りの試合で明治大、中央大、筑波大が全敗し、自らが全勝しないと入れ替え戦回避はできない計算。次週に運命が決まる。

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【INTERVIEW】

「声を出してチームをサポートしていきたい」
上級生の責任を自覚しつつ、楽しいバスケットを体現

◆#26上杉 翔(拓殖大・3年・F)
101010uesugi.jpg長谷川 技とともに上級生の一人としてチームを引っ張っている。高校時代はインサイドだったがアウトサイドも上手く、大学では内外こなせる選手として活躍。ペイント内では力強く、シュートは柔らかい。そして表情豊かなパフォーマンスもまた魅力の一つ。拓殖大になくてはならない選手だ。チームへの責任感も増してきた。終盤に向けてどこまで周囲を引き上げられるか。


-今日良かった点はどこでしょう。
「粘り強くいけたのと、後は拓大らしく楽しくできたので追いついて逆転できたのかなと思います」

-1戦目と違ってゾーンを使ってきましたが。
「1戦目はやらなかったんですが、池内さんが今日はやるということで、使いました。そこで相手もひっかかっていて成功している部分があったので、続けていったと思います」

-今日は序盤で長谷川智伸選手(#94)のシュートが入ってこなかったので、苦戦したかなと思いますが。
「そこは伸はシューターなので、打ってもらわないとチームとしての流れが生まれないので、入らなくてもああやって打ってくれた方がいいですね。1本入ればその後も入るようになると思うので、その最初の掴みが大事ですね。でも今日はディフェンスを頑張ってくれていたので、それはそれで良かったと思います」

-3年生になって上級生が少ない分、責任も感じるようになったのではないですか?
「4年生が数人で、試合に出ているのがオーティスさん(#42永井)しかいません。そこで3年生はもっと引っ張っていかないといけないなと思っていますし、自分は声でチームを引っ張っていきたいなと思っています。プレー面ではハセ(#99長谷川 技)が引っ張ってくれると思うし、自分が意識しているのはサポート役となることですね。リーグ前に自分たちが引っ張る立場になりましたし、チーム一丸になってやらないといけないなというのは思いました。でも今はよくみんなでまとまってやれていると思います」

-拓殖大のディフェンスは非常にアグレッシブですが、その面ファウルが増えている部分はもったいないと思うんですが。
「そこはディフェンスからのブレイクが持ち味だと思うので、激しく当たっている面ではいいと思うんですが、ファウルを今後減らしていかないとフリースローで点数を取られてしまいます。第1戦でもそういうところがポイントになっているのでそこを抑えていかないといけないなと思います」

-どういう面を注意していくべきでしょうか?
「審判の笛がなったらすぐ対応していけるようにならないといけないですね。自分もインサイドの面では抑えないと。壮二郎さん(小野コーチ)にも『お前がファウルするよりは相手に2点取られた方がいいから』と言われていますし、考えていきたいです」

-後は勝率は5割ですが追う展開でも追いついて惜しい、という試合がここまでいくつかありました。この明治大との1戦目もそうでしたね。
「第1戦は今日の試合よりちょっと悪いなという感じでした。今日は4Q目になって楽しくやれていたんです。そういうのが続いていけば勝てるかなと思います。きわどい試合を勝つにはそこを意識していかないと思います」

-リーグ戦も後3週ですね。
「一つひとつ勝てるように、うちらしく、楽しく、明るくやっていけば結果はついてくると思うので、頑張っていきたいと思います。そして見ている人にも楽しんでもらいたいですね」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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