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2018.12.10 (Mon)

【2018インカレ】12/10レポート(1回戦)

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第70回目となる記念のインカレが開幕
全32チームが大学日本一を目指す


 大学バスケットボールのシーズン総決算となる全日本大学バスケットボール選手権記念大会、通称インカレが、男子は大田区総合体育館で開幕した。

 初日から会場を沸かせたのは関西2位の京都産業大。関東8位の早稲田大と延長戦にもつれ込む大熱戦を見せ、あとわずかで勝利まで迫った。また、昨年ベスト8の中京大は九州産業大と好勝負を繰り広げたが、九州産業大が高さの利点が勝負ぎわの決め手となり、競り勝った。また、関西3位の関西学院大も大東文化大に善戦するが及ばず、関東越えはならず。東海大は新潟医療福祉大を、専修大は同志社大を序盤から圧倒。大阪学院大も富山大相手にうれしいインカレ初処理をあげた。

 この日勝利したのは関東1位の東海大、2位の大東文化大、3位の専修大、8位の早稲田大。そして関東以外のチームでは関西5位の大阪学院大、そして九州1位の九州産業大の6つ。翌11日は同会場で1回戦の続き6試合が行われる。

写真:京都産業大は早稲田大学を最後まで追い込むが、延長戦で敗れる。#23サンブ、#24大庭、主将の#3高田らの奮闘が光った。


※大阪学院大・木下選手、早稲田大・長谷川選手、京都産業大・高田選手、九州産業大・鈴木選手、関西学院大・高山選手、中野選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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2018.12.10 (Mon)

【2018インカレ】12/11試合予定(1回戦)

■大田区総合体育館

10:00 法政大学 vs 北海道教育大学岩見沢校
11:40 東海大学札幌キャンパス vs 神奈川大学
13:20 日本体育大学 vs 環太平洋大学
15:00 常葉大学 vs 白鴎大学
16:40 青山学院大学 vs 松山大学
18:20 福岡大学 vs 筑波大学


アクセス:京浜急行「京急蒲田駅」より徒歩約7分、JR「蒲田」駅より徒歩約15分。
入場料ほか詳しい情報、また女子については大会公式サイトにてご確認ください。


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2018.12.10 (Mon)

【2018インカレ】12/10結果(1回戦)

■大田区総合体育館

大阪学院大学101(22-20,29-15,23-8,27-22)65富山大学
早稲田大学81(17-22,18-19,16-12,21-19,9-4*)76京都産業大学 *OT
中京大学73(19-24,17-16,16-17,21-23)80九州産業大学
専修大学71(14-3,16-9,18-14,23-7)33同志社大学
関西学院大学67(7-17,20-25,17-17,23-20)79大東文化大学
東海大学102(33-4,16-14,30-21,23-7)46新潟医療福祉大学


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2018.12.09 (Sun)

【2018インカレ】12/10試合予定(1回戦)

■大田区総合体育館

10:00 大阪学院大学 vs 富山大学
11:40 早稲田大学 vs 京都産業大学
13:20 中京大学 vs 九州産業大学
15:00 専修大学 vs 同志社大学
16:40 関西学院大学 vs 大東文化大学
18:20 東海大学 vs 新潟医療福祉大学

アクセス:京浜急行「京急蒲田駅」より徒歩約7分、JR「蒲田」駅より徒歩約15分。
入場料ほか詳しい情報、また女子については大会公式サイトにてご確認ください。

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2018.12.09 (Sun)

【2018リーグ1部・コラム】2年生たちの台頭

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チームの未来を担う選手たちがリーグ戦で見せた成長
〜飴谷由毅(大東文化大#2)・小酒部 泰暉(神奈川大#75)・荒谷裕秀(白鴎大#23)〜


 チームの実力をはかる指針の一つに、節目節目に新たな選手が出てくるかどうか、というものがある。中でも長丁場のリーグ戦は安定して戦うためにも戦力は多い方ほど良く、ここで出場機会を増やして伸びていく選手の存在は欠かせない。それはBチームで努力を重ねて上がってくる上級生かもしれないし、実力ある下級生かもしれない。1部リーグでは今年、この先の成長が楽しみな2年生たちが何人も頭角を現した。今が伸び盛りと言える2年目の選手たちに焦点を当ててみたい。



「期待されている以上、それに応えていきたい」
〜#2飴谷由毅(大東文化大)〜


 昨年インカレ初制覇を成し遂げた大東文化大。長らく2部と1部を行き来しながら地道に力をつけてきたが、今季のリーグ戦でも2位に入り、今や立派な1部強豪校だ。今年飛躍的にプレータイムを伸ばし、チームが苦しいときに鮮やかな活躍を見せたのが、今年から出番を得ている飴谷由毅だ。身長190cm、細身の身体はまだ下級生らしさを残すが、高い跳躍力を持ち、リバウンドや速攻は伸びやか。立ちはだかる相手チームのインサイドの壁にもひるまず、ぶつかっていく強さも備えている。昨年は1年生で唯一のベンチ入りを果たしていたが、出場機会はほとんどなかった。しかし2年目に入るにあたり、西尾監督は「昨年1年生で一人だけベンチ入りを果たした意味を、本人はわかっているはず」と発破をかけた。その言葉に応えるように、春から急成長を見せている。

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「昨年の葛原さん(現Bリーグ富山)の仕事が、今年の自分の仕事だと思っています。西尾監督にもそれは言われています」。

監督の言葉を、飴谷も痛いほど自覚している。インカレを制覇したときに欠かせなかった主将の葛原が抜けた分の働きをこなすのは、今年は自分だと春から言い続けてきた。高い身体能力を持ち、指揮官から期待のかかる逸材だが、彼の良さはそのポテンシャルだけではなく、常に一生懸命にプレーできるところだ。ディフェンス力の高い大東文化大は、チーム全体が粘りを持っているが、飴谷も最後まであきらめない選手。その根底には絶対にボールを取る、という強い気持ちがある。

「飛び込みリバウンドなどは勘もあると思います。でも、跳んでおけば自分は手足の長さを活かして高い位置でボールに触れることができます。絶対に自分のボールにできる、と思って跳ぶだけですね。それに、チームとしてもどんなときも泥臭くディフェンスをまとまってやるように練習を継続しています。負けても、どんなときもディフェンス、ディフェンスと突き詰めて練習していくことで、自分の中にどんなプレーでも最後まであきらめない粘りが蓄積されていっているんだと思います」。

1811209ametani1.jpg 飴谷が偉大な先輩の抜けた穴を埋めることを意識し、粘り強く泥臭くプレーし続けている部分は見逃せない。そして、もっと大きく飛躍していける選手としての期待もかけられている。

「監督からは将来も見据えて、選手としてさらにグレードアップして欲しいという話もされています。だから今できているプレーだけではなく、アウトサイドのシュートやドライブといった幅広いプレーを積極的に習得しているところでもあります」。

その言葉通り、リーグ戦では春に比べて外のシュートを打つシーンも多く見られるようになった。外も自分の強みにすれば、チームをもっと助けることができると今は痛いほど感じている。2巡目の筑波大戦で負けたあとは「自分がもっと決められたら。もっと練習しないと」と、決意を新たにしていた。

「学年が上がり、求められていることも増えました。外のシュートがないというのはこの先プレイヤーとして有り得ません。アウトサイドはもちろん、ドライブもそうです。期待されている分、それに応えないといけません。そうでなければ出られない人もいる中で自分が出してもらっている意味がないし、多くの人に支えてもらっているからこそ、成長しないといけないと思っています」。

求められていることを素直に受け入れ、それに向かってひたむきに努力しようとする姿勢。それがあれば、まだまだ伸びていける。これから先、飴谷はまだいくつもの階段を上がっていけるだろう。


飴谷由毅
#2/SG/190cm/77kg/富山工業/2年



「悔しかったから、シュート練習を積んできた」
〜#75小酒部 泰暉(神奈川大)〜


 ダイヤの原石、と評されるのは神奈川大の#75小酒部 泰暉だ。神奈川県の最西端にある山北町に生まれ、小学生から高校まで同地で過ごした小酒部。所属した地元のバスケット部は強いわけではなかったが、抜群の跳躍力を持ち、オールラウンドなプレーでチームを牽引する小酒部は県内では知られた存在だったという。本人は神奈川大へは地元だから「普通に受験しよう」くらいの考えだったと言うが、幸嶋監督のかける期待は大きい。また、今季はチームが1部に昇格したことで注目され、小酒部の能力も大きく花開くに至った。

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 昨年、彼がルーキーイヤーの神奈川大は3、4年の上級生が多く、リーグ戦ではスポット的な出場にとどまった。自身、「まだ大学の練習にも馴染めていなかった」と、チームルールや大学の練習のレベルに慣れるまで少し時間が必要だったようだ。だが、インカレ時には既になくてはならないバックアップ選手となっており、神奈川大初のベスト8にも貢献した。そして、そのインカレの戦いが彼の成長を大きく促すことになる。

インカレのベスト4がかかった試合は、その年の1部リーグを制した拓殖大との対戦だった。この年の拓殖大はルーキーのドゥドゥ ゲイと岡田侑大を両エースとし、得意のオフェンスで勝っていくチーム。一方、守備力に定評のある神奈川大は1Qから拓殖大をロースコアに押さえて接戦を繰り広げ、最後までわからない勝負になる。この試合、小酒部はゲーム終盤の勝負がかかった場面で自分が放ったスリーポイントが決められなかったことを、今でも悔やんでいる。

「もし、自分があのスリーポイントを決めていたら勝てたかもしれないし、延長に持ち込むとか、勝機があったと思うんです。だから本当に悔しくて。この春からそのためにシューティングをしてきました」。

1811209osakabe3.jpg 敗戦が彼の意識を変えた。これまでの得点の取り方だけではダメだと、2年目の春から本格的にスリーポイントに取り組み始めたのだ。そして、リーグ戦では初戦から小酒部のスリーが勝負どころで試された。試合の勝敗を決める最後の1本、それを託されたのだ。惜しくも第1戦の筑波大戦ではそれを落とし、1点差で黒星スタートとなったが、2戦目以降もきれいなフォームから放たれるスリーポイントは次々にネットに沈み続けた。その勝負強さは、「これまでちゃんとスリーポイントの練習をしたことがなかった」、というのが信じられないぐらいの美しさと確実さでチームを勇気づけた。

その後も「自分の出来が勝敗を決める」と常に高い意識で試合に臨み続け、リーグ戦では1試合平均で35分近いプレータイムで、工藤卓哉らをはじめとする4年生のエースたちとともにチームを支えた。順位的には苦しんで9位となったが、挑戦という意味では得たものは小さくないに違いない。個人ランキングでは得点、スリーポイント、リバウンドでトップ10以内に食い込み、その能力の高さを示した。また、「やってみたい」と言っていたキャリアのある選手たちとのマッチアップも刺激を得ただろう。「まだまだプレーのバリエーションも、スキルも上げたい」と言うだけに、ここからの輝ける飛躍も大いに期待したい。


小酒部 泰暉
#75/SF/184cm/70kg/山北/2年




「ディフェンスでも流れを作っていく選手を目指す」
 〜#23荒谷裕秀(白鴎大学)〜


 今季のリーグ戦で後々まで記憶に残るであろう一戦が、9月12日の第6戦、白鴎大と拓殖大の試合だ。この試合はのちにBリーグの三河入りした拓殖大の岡田侑大が58得点を記録した試合であり、両チーム合わせて20本の3Pが沈む熾烈な点取り合戦でもあった。終始両者の集中力は切れず、100点を超えて延長戦にもつれ込んだが、終盤になってその得点能力を発揮し、チームの大きな助けになったのが、白鴎大の荒谷裕秀だ。アウトサイドシュートをしぶとく決めた白鴎大の髙間 龍之介や、岡田のマークマンだった前田怜緖らの要所の活躍も光った。その中で合計31点を挙げた荒谷は、119―117の2点差のゲームを制するに当たって見逃せない働きを見せた。

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 この春はトーナメントからの出場を果たし、新人戦ではベスト8入りに貢献。独特のタイミングでペイントに切れ込むプレーのリズム感と、抜群の得点感覚が光る。

「外のシュートよりはそういったプレーが得意ですね。春のトーナメントで公式戦に初出場したときは緊張があってうまくできない感じもありました。でも試合に慣れてきて新人戦ではベスト8入りの結果が残せました。ここでうまくプレーできたのも、春に準決勝や3位決定戦に出て少し試合に慣れたおかげだと思います」。

新人戦のあとでそんなふうに語っていたが、リーグ戦ではもっとチームに欠かせない存在となり、件の拓殖大戦では荒谷のプレーが何度もチームを救った。しかも、この試合で取った31点のうち、4Qと延長戦だけで17点を入れたのだ。リーグ戦の抱負として、「まだ他のチームにスカウティングされていないであろう自分だから、チームの役に立てることがあるはず」、とも言っていたが、第6戦のプレーはまさにそれに当てはまるような状況だった。この試合後もやはり「新人戦で自信がついたから」と控えめな態度だったが、その後は得点面で確かに計算できる選手としてプレータイムを伸ばしていく。そんな荒谷に課題を聞くと、アウトサイドのシュートとディフェンスという答えが帰ってきた。

1811209araya3.jpg「外のシュートをもっと打てるようになりたいです。そうすれば攻撃の幅も広がると思います。ずっとドライブが好きで、ドライブばかりしてきて、高校だとそれでも問題なく攻めることができました。でも大学だとそれだけではうまくいかないので、武器を増やしたいですね。あとはディフェンスです。勝たなければいけない接戦ではどうしてもオフェンスの方が先に立ってしまう。でも、ディフェンスを頑張って、そこからチームの流れを作っていける選手にならなければと思っています」。

白鴎大はディフェンスを重要視するチーム。それができた上でのオフェンスであれば、今より荒谷はもっと強力で存在感ある選手になるだろう。ディフェンス自体は「得意じゃない」と素直に認めるが、それが何よりも大事だということも理解している。

今季のチームは1部の中盤でリーグ戦を終えたが、荒谷の成長がチームの躍進と重なっていくかどうか、そういったところもここから見どころになっていくだろう。


荒谷裕秀
#23/PF/188cm/78kg/東北/2年



 2年生たちはいずれもまだ多くのことを学び、身につけようとしている段階だ。課題に正面から向き合い、克服していくこと、そして目指すところをはっきりと持ち、高い意識で臨んでいる姿勢が感じられる。20歳前後はまだ多感で、揺れもある。だが、学生時代だからこそ得られる豊富な練習時間を活かして素直になんでも習得し、伸びていける時期でもあることは間違いない。すでに自分のやるべきことを意識した彼らの、ここからのもう一段階、二段階のステップアップを楽しみにしたい。


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2018.12.09 (Sun)

【2018リーグ1部】東海大学〜ルーキーたちの挑戦〜

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1年生がみずみずしい魅力を発揮して
初めてのリーグ戦で優勝に貢献


94回目の関東大学リーグ戦は、東海大学の3年ぶり5度目の優勝で幕を閉じた。2005年に1部に参戦してから、大学界の強豪としてライバルたちとトップを争い続けてきた東海大には、優れた選手たちが毎年入学してくる。今年、チーム一丸で優勝に向かっていく中で目を引いたのは、そうした1年生たちの活躍だ。大会の優秀選手に入った大倉颯太、八村阿蓮の2名はリーグ戦途中からスタメンとしてチームに大きな貢献を果たすプレイヤーとして活躍。またもう一人、佐土原 遼もセカンドメンバーとして出場機会を得て、経験を積んだ。



「絶対どこにも負けられないと思ってやってきた」
 〜#11大倉颯太〜


 強い東海に憧れ、「東海大でチャンピオンになる」という固い決意を持って入学してきたのが、大倉颯太だ。彼にとって東海大は大学界を代表するチームであり、だからこそ勝たねばならない、という確固たる意志が1年目から彼を突き動かしていた。

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 今年最大の鳴り物入りとされ、注目を浴びていた大倉。その期待に違わずトーナメントからプレータイムを獲得して短い時間でもその実力を知らしめると、新人戦では主力として活躍し、優勝こそ叶わなかったものの3位。リーグ戦では第6戦からスタメンを務め、アシスト、得点にと随所でチームを輝かせるプレーを見せた。結果、チームは優勝。個人としてはリーグ優秀選手賞を八村阿蓮とともに受賞した。順調に見える初年度のここまでの結果は、彼がもともと持っている能力だけで獲得したものではない。チーム全体の取り組みはもちろん、大倉個人としてもどのようにすればチームの信頼を勝ち得、また対戦相手を凌駕し、勝利という結果を残していくことができるのか、普段の練習からたゆまぬ努力とあくなき追求を行ってきたからに他ならない。

「最初はもちろん信頼なんかありません。だから試合を重ねて自分の存在感を出して、しっかりチームの中心になれるように努力し、そのために必要なことを考えてやってきました。リーグ戦では帰宅中と帰宅後にはその日の試合のビデオを見直し、それから翌日には次の対戦相手の映像を見て、また次の日にはチームミーティングで再び映像を見て、と振り返りと次戦の予習を学生コーチにも協力してもらって、何度も繰り返しました。勝つために絶対に努力は怠りたくなかった。練習ももちろんファイトして、みんなに認めてもらわなければならないと思ってやり続けました」。

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勝つために必要なことを突き詰め続ける彼の姿勢が、チームに通じないわけはない。そして信頼を得た分、大きな責任を背負っていることも決して忘れていない。バスケットに真剣で、試合中は自分の意見をはっきり言い、ミスをしたら全力で謝る。リーグ戦中はそんな姿勢でチームに影響を与えるプレーを見せ続けた。

181208okura.jpg だが見事優勝を果たし、努力の成果は出たのでは、という問いはきっぱりと否定した。「4敗もしているようではまだまだ」と、厳しい表情を見せる。個人としてもチームとしても最大限の準備とトレーニングをしているのに、それでも4敗したというのは、まったく納得いっていない。そしてこのリーグ戦中、チームで最大の敗北感にうちのめされた出来事もあった。9月の半ばにあった天皇杯一次ラウンド、社会人チームの黒田電気に78-83で破れたことでチーム全体も言いようのない衝撃を受けた。

「あそこでチームが一番落ちました。陸さんも、学生コーチもあんな厳しいことを言ったことはありません。勝てた試合だったと皆が思っているはずだし、出ているのだったら本当にその分の役目を果たさないと、ということをもう一度突きつけられました。そこから一戦一戦をファイトしていくことを今まで以上に意識するようになったし、チームとしても大きく変わった瞬間だったと思います」。

敗北で得た教訓を生かし、チームは一つ大きくなった。優勝も遂げたが、まだそれは大倉が理想とする頂点ではない。もっと強く、もっと圧倒的な東海大にならなくては、という思いはむしろ強く掻き立てられたに違いない。リーグ戦はゴールではない。続くインカレでの戦いぶりはもちろん、自身の目指す強い東海大をどんなふうに見せてくれるのか、ここから描いていく軌跡をしっかりと見届けなくてはならない。

大倉颯太
#11/G/184cm/79kg/北陸学院/1年




「幅広いプレーのできる選手を目指していく」
 〜#86八村阿蓮〜


 大倉と呼応するような息のあったプレーを見せたのが、八村阿蓮。春こそ怪我で試合には出場せず、状態が気になるところだったが、新人戦からコートに登場すると、存在感を示し始めた。リーグ戦は鶴田 美勇士、平岩 玄といった上級生とプレータイムを分け合う形でスタートするが、どっしりしたセンターらしい先の2名と異なり、飛び込みリバウンドや合わせ、セカンドチャンスにも絡むうまいポジション取りでチームに何度も流れを持ってくるプレーを見せている。

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「新人戦では膝の状態があまり良くない中でのプレーでした。でもリーグ戦までは時間もあったのでしっかり完治させて、トレーニングも積んでいい状態にしていけました。リーグ戦では問題なくプレーできて、体力的にも不安はなかったです。トレーナーの方々には本当に感謝しています」。

リーグ序盤はベンチスタートで、数字も控えめだったが、プレータイムの増加とともにそれがどんどん上がっていく。第6戦から大倉とともにスタメンに入ると、その神奈川大戦では30分の出場でチームハイの19点12リバウンドを記録。一気にブレイクすると、それ以降はどの試合でも欠かせない活躍を見せ、得点やリバウンドで数字をあげていく。

181208hatimura4.jpg「最初はあまりプレータイムもなかったけれど、徐々に慣れてフィジカルの強い当たりも気にならなくなりました。リバウンドは練習から意識してきましたが、玄さん(平岩)が留学生と競り合ったときに、こぼれたりチップしたボールを取ったりして、玄さんの助けになるプレーを心がけていました。それが数字にも出てきたのかなと思います」。

そんなふうに先輩をサポートする意識でもぎ取ったリバウンドはもちろん、彼と一緒に出場している大倉との息の合ったプレーでも見せた。大倉のプレーぶりは際立っていたが、そこに抜群のタイミングで合わせてくる八村の動きもまた素晴らしかった。

「大倉はゴール下の動きを本当によく見てくれていて、そこにちゃんとジャストでボールが来る。すごいです。もちろんプレーの合わせは練習でもやっていますが、うまくそれを試合でも出せました」。

この2人がのびのびとプレーできるチーム環境もいい方向に働いたが、両者の働きは大きく、2人揃って1年ながらリーグの優秀選手賞を受賞する栄誉にも浴した。良い循環が働き、入学1年目でリーグ優勝を経験することになったが、もちろんそれでは終わらない。個人的にもまだもっとレベルアップしたいと思うところは多い。

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「国際的に見れば自分は大きくありません。代表の合宿ではラマスHCに世界で通用するようなプレイヤーになって欲しいと言われました。そのために大学のうちに3番ぐらいはこなしたいし、いずれは代表に入って3番や4番をやれるような選手になりたいんです。今はゴール下が多いですが、外のエリアへどんどんプレーを広げていきたいと思っています」。

目標は明確で、大きい。バスケット一家で育ってきたが、東海大というチームで得られる刺激も少なくないはず。目指すところに向かってただ、突き進んで欲しい。

八村阿蓮
#86/C/198cm/98kg/明成/1年




「泥臭く、常に120%で自分の持ち味を出すことが大事」
 〜#23佐土原 遼〜


 インサイドプレイヤーとして八村ともう一人、リーグ戦で出場機会を得られたのが佐土原 遼だ。東海大相模のエースとして活躍し、大学部へと上がってきた。

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身長192cm・97kgと厚みのある体格だが、高校入学時は今より身長が5cmほど低く、体重は20kgも軽い、線の細い選手だった。しかし東海大出身の小山孟志トレーナーの指導の元、体づくりに取り組み、増量に成功。「食べてウエイトをするとすぐに増える」そうだが、力強い肉体を作ったあとはフィジカルを武器として活躍。高校3年の関東大会では40分で54点を取るようなパフォーマンスも披露している。しかし、大学はまたレベルが一段階上がる。

「高校のときはトレーニングのおかげでフィジカル負けはしなかったけれど、大学にはもっと強いフィジカルの選手もいて、やはり負けてしまうことがあります。だから自分のこれまでの持ち味である体の強さだけではない、新しいプレーがこれから必要になってきます。それを考えながらやっていきたいです」。

大学に来て新しい壁に直面しているが、東海大にはそれを乗り越えるため、思い切ってぶつかっていける先輩もいる。100kgを越え、佐土原より上背もある平岩や鶴田といった相手と練習できるいい環境が東海大にはある。1対1では先輩に勝てることもある、と練習での成功体験を自信にするが、その積み重ねを確実な実力としていく努力が問われるだろう。

181208sadohara2.jpg リーグ戦ではセカンドチームとしての出場を果たしたが、同じルーキーでも大倉や八村とはまた異なる面で貢献していこうとしている。

「自分はあの2人のような、得点を取って活躍するタイプではないと思っています。それよりはリバウンドや泥臭いプレーでチームを救うような働きをしなければいけない。高校時代の恩師からも常に120%でやり続けるように言われてきました。今、少ないプレータイムで少しなりとも結果を残せるのは、高校時代からその心がけを忘れずにやっているからかなとも思います」。

全国大会に出場したことがなく、先の2人に経験もまだ及ばないが、そこで焦るよりは自分ができることは何かを考える方が先だ。

「思っているようなプレーはまだできていないんですが、そういうことばかりに気を取られていたらそれは自分じゃない。泥臭いプレーを忘れたら自分の良さがなくなってしまいます。だからリバウンドは誰にも負けない、その気持ちを忘れず、そして自信を失わずにやっていきたいと思います」。

持ち味を忘れず、そこに良さを付け加えていくことが第一と捉えているが、仲間たちに触発される部分は少なくないようだ。同期たちは佐土原がこれまで会った誰よりも個性的で、バスケットに懸命だという。東海大を目指してくるだけあって皆が負けず嫌いで、練習などでも喧嘩をするぐらい熱く、真剣に取り組み、コートを離れれば皆が和気あいあいと仲が良い。佐土原にとってそうした仲間たちを得られたことこそ、きっと東海大に進んだ一番の財産になっていくに違いない。

佐土原 遼
#23/PF/192cm/97kg/東海大相模/1年



 大倉、八村、そして佐土原。彼らのほかにも期待の選手は多く、伊藤 領や坂本聖芽といった面々も新人戦で活躍し、リーグ戦も試合によっては登録され、少しずつチーム内でその力を示しつつある。大学バスケット界に一歩を踏み出したルーキーたちにここからの4年間、どのような時間が訪れるのか、その行く末には大きな希望が広がっている。



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2018.12.07 (Fri)

【2018リーグ2部・コラム】悲願の1部昇格とその原動力〜日本体育大・井手優希〜

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チームとしてのつながりを最重要に1部昇格の目標を達成
〜井手優希(日本体育大・4年)〜


 2部リーグの優勝候補の一つだった日本体育大は、20勝2敗で見事優勝。1部自動昇格とインカレ出場を勝ち取った。2013年に2部に降格してから6年が経過。来季7年ぶりの1部復帰となる。今年は2部の多くのチームが下級生主体で安定感に欠けるチームもあった。日本体育大も同様だったが、チームは大きく崩れることなく勝ち星を重ねた。その中でコートに立つ4年生として、主将として奮闘したのが井手優希。点取り屋のイメージが強かった下級生時代から、今季は周囲を生かすアシストでチームを引っ張り続けた。



大切なのはコミュニケーション
4年生がコート内外でチームのために働く


 春からチームとしての勢いが見えていた日本体育大。今年藤田監督が取り入れた速いバスケットスタイルがメンバーにはまり、下級生たちが成長を見せてルーキーも輝き、チームに勢いが生まれていた。1年生の#50バム ジョナサンはハードワークに徹し、#24土居 光や#33遠藤 善は抜群の機動力を発揮。#3大浦颯太は昨年の怪我を乗り越え、ポイントゲッターとして花開いた感がある。トーナメントではベスト16だったが新人戦は準優勝、2部リーグは見事優勝を飾った。

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 4月の日筑戦で井手は「自分はキャプテンとしてチームメイトの気分の浮き沈みやチーム全体の波を一定にして、悪い方に行かないように声掛けをするようにしています。学年関係なく喋ろうとしています」と、大事にしたいのはコミュニケーションと語っていた。昨年もトーナメントでは3位という結果を出し、1部昇格の力は備えていた。しかし何が足りなかったかと言えば話し合うことや横のつながりではないか、という結論に至ったからだ。それは井手だけではなく、同じ4年で学生コーチの畠山 大や、試合には出ていないが他の4年生にも同様の思いがあったと言う。リーグの開幕戦では「AからCチームまである中で、信頼関係を大事にしていろんな人と接し、できるだけ温度差をなくしたい」そんなコメントがあった。そしてその意識はリーグの最後まで貫かれたからこその優勝だった。最終週、チームメイトがどんな働きをしていたのかを教えてくれた。

181207iide4.jpg「昨年までは監督に言われたことだけしかやっていないし、言われた通りにしかしていなかった。これはやっぱり良くないことだと思いました。だから今年は“自主性”をすごく大切にしてきました。練習の内容も自分たちで考えたり、みんなで意見を出し合ったり。自分が言ったことであれば、選手たちもやるしかない。その結果、試合でも力を発揮することができたんだと思います。学生コーチの畠山も一緒にいろいろ考えましたし、出ていない4年生も試合とは違う部分で協力してくれました。ダリ(#32フェイ)も怪我をしていて出られない時期もありましたが、彼はチーム内で誰かが落ち込んでいたらしっかり声を掛けてくれました。そこが昨年とはぜんぜん違うところだと思います」。

下級生が多いチームであった日本体育大がむしろ若さを勢いに変え、快進撃が続いたのはそうしたチームでの共有やコミュニケーションがうまく働いたからだろう。井手がコート上では絶えずチームに声を掛け、見えない部分でも4年生が支え、下級生たちはのびのびと自分たちの持ち味を発揮しての20勝だった。

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チームに合わせたスタイルチェンジで
見事2部リーグアシスト王を獲得


 これまで点を取るイメージが強かった井手。昨年はスリーポイントやビッグマン相手にでも軽々と決めるフローターなど、さまざまなテクニックや得点パターンを見せ、その存在を知らしめた。しかし今年はガラリと印象が変わった。得点能力のある下級生が伸びてきたことで、自身はゲームコントロールをより意識するようになったのだ。

「下級生はフレッシュにやってくれるので、自分は彼らが思い切りできるようにパスをしたり、声を掛けたりすることを考えていました。自分は大事なときにだけ得点を取れればいいと思っているんです」。

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ポイントガードというポジションを意識し始めたのは高校時代だと言うが、大学に入ったときは攻められるガードでなければいけないという思いもあり、攻撃的なスタイルを意識してきた。しかし、周囲に頼りがいがあって伸び盛りの選手がいる今年は、それを活かそうとさらにスタイルチェンジ。1部に行くためには安定感も重要だと考え、その土台となるのは4年生の自分であると考えての選択だった。そして今年入学してきた弟の井手拓実もガードの控えとして、頼もしい活躍を見せて兄をサポート。その結果、今年は2部リーグでアシスト王を獲得。やろうと意識したことが見事に結果として現れた形になった。


「自分や4年生がやろうとしたことに、みんながついてきてくれました。だからチームとしてまとまって2部リーグ優勝を達成できたと思います。それは本当に良かったです」。

181207iide5.jpg 喜びがある一方、リーグ戦では課題も見つかった。リーグ最終週にダリ、バム、大浦、磯野といった面々が欠場し、連敗で最後を迎えることになってしまったからだ。井手は悔しいときは素直に悔しさを表に出す選手だ。チームの3つの目標のうちの一つである全勝優勝が潰え、試合が終わったあともいつまでも納得のいかない顔で眉をひそめていた。チームを勝たせるためにやってきた主将として、この負けには忸怩たる思いがあったに違いない。

「メンバーがこれだけいないとさすがに大変だったけれど、主力がいないときも想定してやっていかないといけません。本当に悔いが残る最後になりました」。

敗戦を受け止めた井手の顔は、決意に満ちていた。得られた課題は飛躍のバネにしなければならない。続くインカレはこの1年間、そして井手の4年間の集大成でもある。次はインカレでどのようなプレーを披露するか。成長を続けるチームを率いる井手の姿を目に焼き付けたい。



井手 優希/いで ゆうき
#64/PG/175cm/70kg/4年/福岡第一



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2018.12.07 (Fri)

【2018リーグ2部・コラム】法政大学〜1部復帰までの軌跡〜

「1部復帰」までの長い3年間と、インカレにかける思い
~法政大4年生たちの奮闘~


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 2018年10月27日、江戸川大学駒木キャンパス会場で行われた2部リーグ第20節。その日の最終試合終了のブザーと同時に、法政大のコート内の選手、ベンチ、応援席は歓喜に沸いた。苦しかった日々が、ようやく報われた瞬間だった。2015年のリーグ戦で2部降格、翌年は3部降格でどん底に。しかし1年で2部復帰を果たすと、今季2位で来季の1部復帰を決め、最短距離で彼らは駆け戻ってきた。



玉城が全4年生の気持ちを背負い
誰よりもコートで奮闘する姿を見せる


 現在の4年生たちは苦しい道を歩んできた。そのためリーグ戦序盤から、いやシーズンを通して「1部昇格」と「インカレ」への思いは特別だった。試合に出場する、4年生唯一の主力である#5玉城啓太はリーグ中にコメントを求めると「もう一度インカレという大舞台に立ちたい」と3年前を思い出すように話していた。自身はもう1部でプレーすることはできない。それゆえに、「インカレ」は心の支えだったに違いない。1部昇格を決めた試合後、さわやかな満面の笑みで喜び噛みしめ、同時にここまでの長い苦労の道を振り返った。

「本当にめちゃくちゃ嬉しいです。最高です。でもここまで本当に大変でした。例えばと言われると難しいですが、僕が1年時に2部に落ちて、そのまま2年目で3部に落ちて。それでもここから這い上がるぞとなって、チームで頑張りました。特に今年は2部から1部へということで、簡単ではないことはわかっていました。4年生が引っ張らなければいけない状況でしたが、あまり試合に出る選手は多くなかったので、その分責任が重かったですね。その中で一人ひとりができることをやっていけたと思います。学生スタッフも頑張ってくれました」。



それぞれの役割で最上級生としての責任を
キャプテンと学生コーチの努力


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 選手のみならず、スタッフも含め全員で作ったチーム。コート内外で大きな役割を果たした者が2人いる。4年生の多治美 篤学生コーチはチームとともに歩んできた欠かせない存在だ。高校時代は法政二高でプレーし、大学に進学し1年目は審判、2年目はマネージャー、そして3年目から学生コーチとして携わった。監督が練習に毎日来ることができない中で、常にベストな形を模索してきた。

 コーチングの対象となる選手も多様だった。3年生の#6中村太一を筆頭に、プロを目指しすでに経験を持つ選手もいれば、同時に「法政大に入ってきた目標の一つとして、1部に上げること」とチームへ熱い思いを示す2年生の#30水野幹太のような選手もいて非常に多様で個性的。サイズのある選手も揃い、能力の高いメンバーは豊富だが、3年生以下が主力であるがための「協調性」や「安定感」に欠ける課題もあった。それをいかにうまく導くかが多治美に問われた部分だ。

「選手たちはもともといいものを持っていますし、高校までしっかりバスケットをやってきたという自信もあります。個性が強く、『自分がやる』という意志がそれぞれ強い分、チームとしてまとめることには苦労しました。ただプロを目指す選手も多いので、自分のコーチングの勉強にもなりましたね」。

コートでの玉城、戦術での多治美、そしてもう一人チームに欠かせなかったのはキャプテンの#54小野玲音だ。この3人はチームについて頻繁に話し合いを重ねた。小野は常に声かけを忘れず、メンタル面の核として大きな役割を担った。試合に出ない選手たちのモチベーション管理や普段の練習の強度を保つことは、チーム強化には必須だ。しかし少数のスタッフだけでは細部まで把握しきれない部分もある。選手同士で切磋琢磨していかなくてはいけないチーム状況で、小野がこの部分で責任と役目を果たしていった。

 彼らの努力は長い時間をかけて実を結んだ。あとはここまで作ってきた「個性を生かしたチーム力」を存分に発揮するだけだ。玉城が言う「2部からインカレに出場するチーム」の意地を見せ、多治美が掲げる「2部からインカレ優勝」は実るかどうか。3年ぶりの大舞台での戦いが控え、4年間の集大成はここからだ。

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