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2017.12.10 (Sun)

【2017関西新人戦】12/10 最終日レポート

関西新人戦は大阪体育大が制覇
年間最後の大会を笑顔で締める


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 関西では今年もインカレ閉幕から間もない12月前半のこの時期に、一年を締めくくる新人戦が行われた。インカレからのインターバル期間がほぼ無い中での開催なだけに、インカレ出場チームにはとりわけ難しい舞台。昨年、一昨年は、その年の1部リーグで下位に沈んだ同志社大や関西大が優勝を果たしている。しかし今年は、ベスト4のうち3チームがインカレ出場組。全国で味わった悔しさを来シーズンにぶつけるべく、体力的に過酷となるダブルヘッダーが当たり前の大会を勝ち進んでいった。


171210KOHNO.jpg 最終日午前中の準決勝で敗れ、3位決定戦にまわることとなったのは、昨年この大会で決勝を戦った近畿大関西大となった。立ち上がりは近畿大が好調。#36榎田(1年・PF・延岡学園)の3Pや#24今村(2年・PF)のバスケットカウントなどで上々の滑り出し。すぐに10点以上の差とする。ところがタイムアウトから一挙に関西大が流れを引き戻す。#7河野(2年・C)、#21窪田(2年・SF)といった全体チームでも主力を担う面々の活躍が光った。1Qのうちに逆転に成功すると、2Qは#6秋岡(1年・PG・岡山工業)の活躍も飛び出し逆に二桁のリードを獲得。近畿大がトラベリングやターンオーバーを犯して悪い流れを断ち切れないまま前半を終えると、後半も関西大優位の構図は変わらず。終盤にやや近畿大が詰め寄るが大勢を覆すには至らなかった。89−78で勝利の関西大が、3位の座を掴んだ。

写真:河野も10得点の関西大。来季は1部での再挑戦が控える。

※関西大・足立選手のインタビューは「続きを読む」へ。


最後の流れを呼び込んだ大阪体育大が押し切る

 決勝戦で2017年最後のタイトルを争うこととなったのは、ともにインカレは1回戦で敗れ、準備期間がほとんどない中で大会に挑んだ京都産業大大阪体育大の2校となった。

171210IKEDA.jpg 立ち上がり、まずペースを掴んだのは大阪体育大だった。早速に#7山田(2年・SG)が獲得したツースローを揃え、#30藤本(1年・PG・育英)が自ら積極的に決めていく。リーグMVPの#30大庭(2年・SF)を負傷で欠く京都産業大は、#38リンダー(2年・PF)の3Pが決まるが、#14川口(2年・SG)が当たらずにやきもきした状態が続く。大阪体育大は、なおも#18池田(1年・SF・洛南)の得点が続くなど、好リズムを切らさず。このまま6点のリードを得た状態で、最初の10分間を終えた。しかし2Q、京都産業大は#38リンダーが3Pに続いてドライブで得点し、#14川口の3Pもようやく決まるなどじわじわと詰め寄る。大阪体育大も#13大橋(2年・PF)の3Pや#7山田のフローターで返すが、1Qのようには続かない。5分頃から得点が止まり、オフェンスが単発に陥る。残り2分を切ったところで、京都産業大は#14川口が2連続3Pを沈めて、この試合初めてリードに成功。35−33という僅差ながら、京都産業大が流れを引き寄せた状態で前半終了となった。

171210KAWAGUCHI.jpg 迎えた後半開始直後、京都産業大は#0佐藤(2年・SG)のレイアップが飛び出し前半終盤の流れを維持させる。しかし大阪体育大は#7山田が3Pを決め返し食らいつく。互いにここからミスも出る中、京都産業大が抜け出しかければ大阪体育大が詰め寄る流れが続くこととなった。京都産業大がスティールから#38リンダーが走れば、大阪体育大は#5神野(2年・SG)のバスケットカウントで返す。そうかと思えば、#30藤本のランニングショットに#6中谷(2年・SG)の速攻も続いて一旦再逆転した大阪体育大に対し、#16川尻(2年・C)のゴール下や#14川口の3Pなど立て続けに決め返して京都産業大はすぐにリードを奪還。追いつ追われつの拮抗状態が続く中、4Q残り7分から流れは大阪体育大に。5点を追いかける状態で#13大橋のゴール下、#18池田の速攻で迫る。相手に息をつかせぬまま、得意の速攻で#18池田が走り再び逆転した。京都産業大はこの時間完全に後手となりピタリと得点が止まってしまった。直後に#38リンダー、#14川口両名の得点で一旦はリードを取り戻すも、そこからターンオーバーが続いてしまう。大阪体育大もミスが出るが、慌てず#30藤本、#4生越(2年・SG)、#7山田といった面々が落ち着いてシュートを決め、残り1分半で4点リードに。京都産業大は#16川尻のポストプレーで得点するが、ここからは互いに決定打が出ない形になった。最後は落ち着いてキープにまわった大阪体育大。このまま71−68としてもつれた試合を制し、新人戦優勝を決めた。


 拮抗した状態が続き、どちらに転ぶか分からない決勝だった。ともにチームの総合力の面で荒削りな部分もあったが、持ち味のファーストブレイクをこのチームでも貫いた大阪体育大が、ほんの僅かに上を行った形となった。絶対的存在だった内藤が卒業していくが、この新人戦チームで結果を得たことは自信となったはずだ。京都産業大は、エース大庭を欠く中でここまで勝ち進んだことは誇っていい部分。全体チームではまだ出番の少ないメンバーも経験を積み、大庭がいなくとも力のあるところを見せた。他チームのマークが今年以上に厳しくなるであろう来年に向け、オフシーズンも抜かりなく過ごしたい。

写真上:この1年、全体チームでもポイント出場で経験を積んだ大阪体育大・池田。来年は求められる役割も増してくる。
写真下:このところ3P率にムラのある部分が気になる京都産業大・川口だが、終わってみれば決勝は5本決めて面目躍如。

※大阪体育大・山田選手、藤本選手、京都産業大・リンダー選手のインタビューは「続きを読む」へ。
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2017.12.10 (Sun)

【2017インカレ】11/26 4位 白鴎大インタビュー

「背中で見せて欲しいと言われていた」
求められたエースとしての存在感を追求した4年目

◆#0野﨑零也(白鴎大・4年・SG)

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試合の入りが課題と語った準決勝から一夜明け、最終戦は1Qで3Pを6本沈め、観客の度肝を抜いた。シュート力で非凡なものを見せ、特に勝負際のクラッチシューターとしての存在感が大きかった野﨑だが、高校時代は4番ポジションというのだから、彼のこの4年間の成長ぶりが伺える。春から自分が見せなければという意識は強く、トーナメントはチームを準優勝に導くには欠かせない活躍を見せ、秋は夏の怪我が尾を引く状態でもまったくそれを感じさせずにシュートを決めてみせた。落合コーチから求められたエースとしての責任を、しっかり果たす姿がそこにはあった。


—試合が終わった瞬間、どんな思いでしたか。
「4年間あっという間だったなという印象が強かったのと、最後は勝って終わりたかったんですが、ベスト4ということは簡単なことではないですし、後輩たちをここまで連れてこられたので良い経験だったかなと思います」

—去年が3位ということで、少なくともその順位だけはという思いもあったことと思います。
「そうですね。できれば決勝に行きたかったんですけど、昨日負けてしまって。去年と同じ順位(3位)を取りに行きたかったんですけど、そこは悔しいです」

—まだ今ひとつ心の整理がついていないような状態でしょうか。
「そう思う部分もありますが、僕としては、神里(#21)、奥野(#18)、須田(#33)という4年生3人とバスケができたというのは、すごく光栄で楽しかったです。それに最後に高校の同期の拓大の富山(#33)とマッチアップができたのも、すごく楽しくて(笑)。まだちょっと悔いが残っているんですけど、楽しい時間でしたね」

—その言葉通り、今日は笑顔がある中でのプレーでしたね。
「もう悔いが残るようなことはしたくないですし、最初から最後まで楽しむということを、僕自身思っていました。後半が始まる前には拓大のドゥドゥ(#23)も『楽しもう』と言っていたので、そこは楽しめたと思います」

171126nozaki1.jpg—1Qが快調で、昨日話をされていたゲームの入りはうまくいきました。
「あれがずっと持続できれば良いんですけどね(苦笑)。前半では良い勝負ができていたんですけど、後半で足が止まってしまって、完全に持って行かれてしまったことは反省点です」

—そこは後輩たちの課題ですね。
「そうですね。ただ、今年は今年なりの改善点がありますし、来年は来年でまず僕たちが抜けていくので、新しい課題が見えてくると思いますし、そういったことはまた一から作り直していって欲しいです」

—インカレでは4年間で着実に戦績を上げてきました。チームとしても個人としても成長を実感できると思います。
「1、2年生の時のインカレは1回戦や2回戦での敗退で、その時も目標がまだベスト8でオールジャパン出場だったんですけど、去年は3位にも届きました。そこから優勝したいという気持ちがみんな芽生えて、チーム一丸となってやってこられたことは、チームとしてのすごい成長だと思います。個人としては、この大学でバスケットが今までよりずっと学べたと思いますし、人間性の部分でも強くなったと思います。白鴎に来て、良かったなと。それだけです」

—高校時代はインサイドのプレーが中心だったと思います。この4年間でポジションが上がり、別人のようなプレイヤーという印象です。
「確かに高校時代は4番で、相手のセンターとマッチアップすることも多かったです。それで大学に来て、オフェンスの面では苦労することは多くなかったんですけど、ディフェンスが4番ポジションとしてのディフェンスがそれまでは多かったので、最初は相手のフォワードにつくのはきつかったです。でも4年間やってきたことで、ディフェンスも慣れましたし、オフェンスの面でもエースと言われて頑張ってこられたと思います」

—このチームで学べたことは大きかったですか。
「嘉郎さん(HC)はすごく良いバスケットをされていて、僕自身かなり身になった部分が多いです。そこで学んでいけたことは僕自身にとってすごく良いことでしたし、もっと色んなバスケットを知りたいと思うようになりました」

171127suda.jpg—落合HCからは会見で選手一人ひとりと定期的に面談されているという話がありました。一対一の話の中で、どのようなことを求められていましたか。
「『プレーで見せて欲しい』ということと、『背中で見せて欲しい』ということを言われてきました。最後は勝たせてあげられなくて、それができたかと言われれば、できていなかったのかなとは思いますけど(苦笑)、後輩たちにそれが少しでも響いてくれたら良かったのかなと思います」

—最後にこの4年間を振り返って。
「後輩や先生にももちろん感謝ですけど、一番は4年生の同期ですね。同期がいなかったら僕も潰れていたと思います(笑)。最後のインカレまでバスケができて良かったです。これからそれぞれのステージに進むんですけど、そこでも切磋琢磨して、頑張っていきたいです」

写真下:野﨑が同期として触れた中で、「本当に支えてもらった」と言う主将の須田。コートに立つ時間こそ多くはなかったが、白鴎大の精神的支柱として仲間の信頼は厚かった。3位決定戦では終盤に出場し、シュートを放った。

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2017.12.09 (Sat)

【2017インカレ】11/26 5位・7位決定戦レポート

接戦を制し東海大が5位でシーズンを終了
神奈川大は持ち味を十分発揮し過去最高の7位


 2017年度のインカレの5位〜8位の順位決定戦最終日は、日本体育大学世田谷キャンパスにて行われた。会場の都合で青山学院青山キャンパスでの3位決定戦、決勝とかぶり観客には観戦しづらい形になってしまったが、どのチームも優勝はない中、4年生の最後の試合ということもあり気持ちの入った内容となった。


【7位決定戦】
神奈川大がリードを守って中京大を下す

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171126kume.jpg 7位決定戦はどちらもサイズが小さく、ディフェンスが持ち味の神奈川大VS中京大。試合開始序盤からお互いディフェンスを意識し簡単にシュートに持っていかせない。第1Q、神奈川大は少し固さが見え、ベンチからは厳しい指摘も飛ぶ中、開始5分が経過すると合わせのプレーが見られ調子を取り戻す。中京大は#44伊藤(4年・SG)のシュートが好調だが19-15と4点ビハインドで終了。第2Q、神奈川大はディフェンスでは#24河野(4年・SG)と#34工藤(3年・PF)のスティールが光る。中京大はQの終盤にゾーンを仕掛けると最初こそうまくいきブレイクに成功するが、神奈川大が一歩リードとなり43-28で折り返す。

 第3Q、神奈川大#34工藤はオフェンス面でも活躍を見せる。中京大は神奈川大のディフェンスを突破できず、苦しい展開に。それでも#51粂(2年・SG)と#44伊藤が3Pで応戦し56-45で終える。第4Qの先制点は神奈川大#1阿達(4年・主将・PG)の鋭いドライブイン。追いつきたい中京大はディフェンスリバウンドから走った#51粂がブレイクに成功すると、再び#51粂の3Pで7点差まで迫る。しかし残り時間はわずかとなり、ファウルゲームに持ち込むと、主将の#44伊藤がファウルアウト。ベンチでは悔しそうな姿が見られた。神奈川大は残り1分半に4年生を出場させタイムアップ。77-63で神奈川大が7位を獲得した。

171126_kanagawa2.jpg ディフェンスを武器に2部リーグ、そしてインカレでも忘れがたい印象を残した神奈川大。リーグ戦ではまだ不安定なところを見せていたが、インカレではディフェンスを貫き、1部の強豪相手でも引けを取らないバスケットを展開した。ディフェンスは頑張ればできると誰もが言うが、それを40分間徹底できるチームはそう多くない。1部のチームはそれを勝負どころで披露するが、神奈川大は愚直にやり続けられるところに大きな意味がある。3部落ちからここまで上り詰めた軌跡は、どのチームににも学ぶところがあるはずだ。

 8位となった中京大は健闘したがベスト8以降は勝利には結びつかなかった。サイズがない中、ディフェンスで粘る姿勢は見事で、主将の伊藤以外にも粂や速井といった下級生も光るプレーを見せた。関東のチームを破ってベスト8のシードを守ったことは大きく、来季再びこの舞台に戻ってくることを期待したい。

写真上:中京大・粂は中京大の次世代を引っ張る選手として注目。
写真下:インカレでは田村の得点が光ったが、誰かが突出しているというより、チームとしての印象が強かった神奈川大。


【5位決定戦】
接戦となった戦いは東海大が最後の勝負際を制す

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 5位決定戦は関東4位の青山学院大VS関東9位の東海大。関東の雄として何度も激突してきた両者は、今年度は最後にここでまみえることになった。

171126tokita.jpg 第1Q東海大は高さを生かし#25平岩(2年・C)と#91山本(4年・PF)を中心に加点。一方青学大は3Pで互角の戦いに。さらに#8時田(4年・PF)がブザーと共に3Pを沈め20-17で1つリードを得る。第2Q、東海大は序盤から上級生チームに切り替え、ディフェンスを強化。ミスを誘いブレイクで逆転に成功する。しかし青学大は#6木田(4年・主将・F)のドライブから流れを掴み、チーム全体で思いっきりいいシュートを打ち応戦し、36-33と点差は変わらず後半へ。

 第3Qは両チーム4年生の活躍が目立つ。青学大は#6木田が3Pでチームを牽引する。東海大は#91山本のシュートが好調で、21点の活躍を見せる。シーソーゲームが続くが、#19西田(1年・PG・福大大濠)のシュートで東海大が53-57とし一歩リードで終えと、第4Q開始序盤には#23佐藤(4年・SF)のバスケットカウントで、勢いをつける。青学大は#13前田のシュートなどで対抗するが、試合終了間際に#22笹倉(2年・PG)がジャンパーで勝負を決めると、両チーム4年生をコートに出し幕。78-70で東海大が5位、青学大は6位と順位が決定した。

171126yamamoto.jpg 苦しんだシーズンだった東海大は、最後に4年生をはじめとする上級生が渾身のディフェンスを見せ、これぞ東海大という姿をインカレでしっかり見せた。最終戦は主将の佐藤を始め、4年生が存分に活躍。下級生は今季を糧に来季さらなるレベルアップを目指して欲しい。

 青山学院大も決して順風満帆で関東4位をつかんだ訳ではなかった。その中でも4年目にスコアラーとして輝いた主将の木田の活躍はチームにとっても大きい。そこに前田が続き、インカレでは強い印象を放った。赤穂を始め、こちらもやはり下級生に期待の選手が多いチーム。ここからまた新たに成長を遂げて欲しい。

写真上:青学大の4年生として#8時田も欠かせない存在。1Qではブザーの3Pを沈めた。
写真下:東海大は山本が21得点。豪快なダンクも飛び出し、チームを盛り上げた。

※神奈川大・山本選手、河野選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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2017.12.09 (Sat)

【2017インカレ】11/26 3位 拓殖大インタビュー

「拓大に新しいものを残せたら意味がある」
努力を怠らず、チームを陰ながら支える役割を追求

◆#16飯田遼(拓殖大・4年・主将・SG)
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4年目にして多くの印象的なプレーと言葉を残してくれた。シュートの美しさは折り紙付きだが、過去3年間で起用された場面は少ない。自分ができる努力をし続けた4年間、今年は自ら主将の役割を勝って出た。岡田やドゥドゥといったスタープレイヤーを輝かせるために、チームをまとめて支えることが自分の役割だと判断したからだ。だが、それだけではなく試合でも自らの力を示し、リーグ戦では何度も得意の3Pでチームに貢献した。努力を結果に変えた4年目だった。
今年の拓殖大は粘り強かった。それは飯田や阿部ら4年生が昨年の悔いを晴らすために努力し、チーム作りが実った証でもあるだろう。それがチームの伝統として続いていくかどうか、それは次世代に問われることになる。


ー3位で大会を終えました。今どんな気持ちですか?
「優勝はできたと思います。でも去年苦しい思いをして一からチームを作ってきて、結果的にはインカレは3位ですが、チーム一丸で掴み取ったリーグ1位という成績もあります。いろんな4年生が結果を残して後輩にいい思いをさせてあげたいと言っていますが、うちは1、2、3、4年が試合に出る全員のチーム。みんなでやれました。1年も活躍するし、2年もそう。本当に全員でやってこられたなと思います」

ー準決勝の最後は4年生のミスがあって追いつくことが叶いませんでした。
「あれがこのチームの良くない部分で、それが最後に出てしまいました。パスミスをした阿部(#13)も反省していると思いますし、最後にシュートを打った僕も反省しました。印象に残るものです、最後のミスは。試合を通して見れば試合の中にいろんなミスがあって、最後の3点差をひっくり返すことができませんでした。でもその最後のミスが1年や2年だったら来年にも響くと思いますし、僕らで良かったとも思います。2年前も筑波に負けていて、あのときは僕はベンチにいて負けて悔しかったし、3位になってすごく嬉しかった。でもそれは2年生だから簡単に感じたものでもあります。4年生になってみないとわからない部分はすごくあるなと思った出来事でした」

171126iida_i1.jpgー今日の3位決定戦は切り替えて、最初から拓殖大らしいゲームができたのでは。
「そうですね。今年はオールジャパンもないし、これで本当に最後です。池内さんが阿部と僕と4年にやりやすい環境を作ってくれました。今年は僕たちがやりたいようにやらせてくれて、タイムアウトのときにもまず僕らがしゃべらせてくれました。これは去年まではあまりなかった形です。僕ら自身でなんとかする力を身につけて欲しくて、タイムアウトもなかなか取らなかったりします。そうやって任せてもらえた部分は池内さんの期待に応えられたかなと。結局プレーするのは選手なので。練習も僕と阿部諒、山﨑(#11)、村上(#28)でやりましたし、やりたいようにやらせてくれたからこその結果です」

ー確かにタイムアウトのときは池内監督は最初輪の外にいて、みんなに話させてから指示に入りますね。昨年はインカレの初戦負けとなってしまいました。そこから新しくチームを作るときに何が大事だと思っていたのでしょう?
「岡田とドゥドゥが入ってくる前ですが、エース級の選手がいないというのが一番大きと考えていました。だから新チームになったらひたすらやるしかないなと。でもバスケットはチームでやるものだと思ってやっていたし、目立つ選手がいても、チームであることの大切さについてはリーグに入って意識がより強くなったと思います。今年は見ていてわかるかどうかですが、よくしゃべっています。それは目指してきた一つの形です。結果的に日本一にはなれませんでしたが、ああいう新しい面が拓大に残ってくれればやってきて良かったと思います。来年にそれがつながれば意味があります」

ー岡本選手(現Bリーグ島根)が主将の2015年もリーグ準優勝で強いチームでした。彼はリーダーシップがありましたが、飯田選手は主将としてどのようなことを心がけていましたか?
「試合に出る出ないは関係なく、僕が自分でキャプテンをやりたいと言ったので、言う部分はちゃんと言いました。努力することは誰でもできるので誰よりもやりました。難しい部分はいろいろありましたが、それはコミュニケーションを取れば良くなる部分があります。それは自分がしゃべらないとダメだなと思い始めてわかったことでもありますが」

ー自分でキャプテンになりたいと言ったんですか?
「そうです。最初は阿部の予定でしたが、山﨑も自分の方がいいと言ってくれました。阿部はゲームキャプテンとしてプレーで引っ張れるので、チームのことは自分がやろうと思って、それがうまくいったんじゃないかなと思います。阿部も厳しいことはしっかり言いますし」

171126iida_i2.jpgー拓殖大はシュートが上手い選手がいて飯田選手も下級生の頃はなかなか出番がありませんでした。その間というのはどう考えていたのでしょうか?
「どのチームもそうだと思いますが、輝ける選手というのはいて、それはすごく一握り。うちなら岡田(#2)とドゥドゥ(#23)です。他のチームでも筑波なら増田(#11)や杉浦(#17)だと思います。でも自分が試合に出るにはそういう部分じゃないなと思いました。影になれないとダメというか、自分を殺してでもそのチームに何が必要かと考えてやっていて、それが4年目に機会が巡って、池内さんも出してくれました。声を出すとかそういうことも自分や阿部がやらなければ今年はゼロだったと思います。点を取れる選手はほかにいくらでもいるけれど、そういうすごい選手というのはほんの一部。そこは目指すところじゃないし、そうじゃないことで支えることを考えていました」

ーでも春シーズンにはワンポイント起用でシュートを決めるシーンが目立ちましたし、リーグ戦では勝負を決めたり流れを持ってくるシュートをいくつも決められたのは、確実に飯田選手個人としてもがついたんだなという気もしました。
「そこは池内さんが信頼して出してくれたからこそですね。リーグ第1週の東海大戦の2本の3P、あれは2本目のときに池内さんに『ブロックされてもいいからお前が打て』と言われたんですが、それが本当に嬉しくて、それぐらい信頼度をくれているんだなと。だから決められて良かったです。シュートは水物なので入る入らないがあってインカレはぜんぜん入りませんでしたが、コツコツ努力してきて良かったなと。僕は最初はBチームのスタートですが、ここまで来られました」

ー最初は試合に出られると思っていましたか?
「思ってないですね。高校時代に教わった養田先生(2010年度東海大卒・佐久長聖高コーチ)からも『最初から出られる訳がないから体作りなど、地道に努力を』と言われていましたし。拓殖大に入ってくるメンバーを見て自分がエースになれるとは思いませんでしたが、飛竜さん(岡本)が努力しているのを見て学びましたし、飛竜さんが4年になって活躍したことで、努力の大切さを実感できました。いろんな面で入ってみていい大学だったなと思います」

ー来年はまだまだ若いチームですね。
「そこは3年の歩(#14山梨)が頑張ると思います。1年間あれば誰でも何でもできます」

ー岡田選手とドゥドゥ選手には何を期待しますか?
「彼らもいろいろ思うことはあると思います。でもバスケットに対しては本当に真剣なので、あのまま頑張ってくれればと思います。ただ、自分だけのチームではないということは理解していて欲しいですね。よくコミュニケーションを取ることを意識して欲しいです。でもまだ1年目、これからです。次第に理解できればいいと思います」

ー自分たちの姿勢は見せられたと思いますか?
「そこはもちろん。結果には結びつかなかったかもしれないですが、今年やってきたことはわかっていると思うので」

ー飯田選手にとっては今年はどんな1年だったでしょう。
「本当に楽しかったです。苦しかったけれど本当に仲間に助けられました。チームスポーツだから仲間がいるということを大事にしたいし、それを後輩たちも考えながら来年もやっていって欲しいですね」

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2017.12.03 (Sun)

【2017インカレ】11/26 決勝 筑波大VS大東文化大

ディフェンスが機能した大東文化大が初優勝
筑波大は大記録となる4連覇の実現は叶わず


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 第69回目のインカレ決勝は4連覇に挑む筑波大と、2003年以来にこの舞台へと進んだ大東文化大が激突。大東文化大が優勝すれば初優勝、筑波大が勝利すれば1996年から1999年まで史上初の4連覇を達成した日本体育大に次ぐ偉業となる。インカレ1週間前に「決勝でなければ当たらないから」と練習試合を敢行し、互いの戦法もわかった同士での戦いは、知られているはずの手の内が機能したところが勝負の分かれ目になった。


互いにベンチメンバーも活躍
一時筑波大がリードするが前半は互角


171126masuda1.jpg 1Qから大東大のディフェンスが抜け目なく筑波大のボールを狙い、#23奥住(3年・SG)のスティール、3Pのほか、#15モッチ(2年・C)がゴール下でも得点。筑波大は出遅れるが#88牧(2年・SG)の3P、#11増田(2年・PF)のバスケットカウント、#65玉木(3年・C)へのゴール下へのパスも通る。大東大はファウルが続き、#91ビリシベ(3年・PF)、#0葛原(4年・SG)が2ファウルでベンチに追いやられるが、筑波大もゴール下の要である#65玉木が2ファウルでベンチへ。1Qは19-20と大東大が1点リードで終了。

 2Q、大東大は#0葛原、#91ビリシベをベンチに置くが、ベンチメンバーの働きが目立った。#81後藤(2年・SG)、#56山岸(4年・PF)らのオフェンスリバウンドが続き、ディフェンスはゾーンプレスに切り替える。筑波大は#27山口(1年・SF・正智深谷)がタップを押し込み、#8菅原(1年・PG・土浦日大)の3Pと、こちらもベンチから出場したルーキーが貢献し、逆転。大東大は#15モッチをコートに戻して対応し、ルーズボール争いで粘って#34中村(2年・PG)のシュートにつなげ、#12熊谷(3年・PG)のジャンパーが沈むと5点のビハインドも帳消しの同点に。終盤、#15モッチのアシストから#56山岸へのゴール下、#15モッチの連続シュートが決まる。残り13.4秒でタイムアウトを取った大東大は、ここでコートに送り込んだ#90小川(3年・SG)のジャンパーが決まり、前半は38-42とリードして終了。


4Q、大東文化大のゾーンディフェンスが機能
筑波大はターンオーバー、ファウルが続く


 3Q、互いにメンバーをスタメンに戻し、互いにゾーンディフェンスを使いながらの対応に。ここを筑波大は#4青木(4年・PG)のスティールからの速攻などで隙を突くが、大東大はオフェンスリバウンド、#23奥住の2本目の3P、2つ目のスティールが出て10点のリードに成功。筑波大はゴール下に攻め込めず#65玉木のファウルが3つ目、#11増田もオフェンスファウルを取られてしまい、我慢の時間帯に。しかし残り2分から、#17杉浦(4年・PF)の3P、#11増田のシュート、#27山口の3Pと、最大12点あった差をみるみる縮め、最後は#17杉浦の3Pがブザーとともに沈み、57-60と3点差に追い上げて終了。

171126MOCHI.jpg 4Q、大東大が#15モッチが声を出し、チームメイトを鼓舞。立ち上がりは#12熊谷のドライブからバスケットカウントが決まるが、筑波大も#88牧がオフェンスリバウンドからのバスケットカウントで返し、#15モッチを3ファウルでベンチへ追いやる。しかし、ここで大東大は#20毕(4年・PF)を真ん中に据える3-2ゾーンを展開。筑波大はこれを攻略できず、ターンオーバーを連発。大東大はこれを機に#0葛原の持ち味である速攻を出すことに成功するなど、流れを握る。残り4分、ゾーンで十分に役目を果たした#20毕は#15モッチに交代。ここからは2-3ゾーンとなるが、こうなるとインサイドが強くなりやはり筑波大が対応できず、その上#11増田が5つ目を吹かれて痛いファウルアウト。大東大は#12熊谷の3Pで10点差にすると点差を維持。筑波大はファウルゲームを仕掛けるが外が決まらない。大東大は終盤には#56山岸、#30島元(4年・PF)、#20毕、そして#0葛原というメンバー入りしている4人の4年生をコートに立たせ、終演を迎える。タイムアップとともに金のテープが舞い上がり、68-87で大東文化大が初となるインカレの栄冠を掴み取った。


夏以降は大東文化大が対戦成績では圧倒
筑波大はコンディショニングに苦心した1年


171126kuzuhara.jpg 数字で見れば大東大がリバウンドは合計14本、オフェンスリバウンドでは8本の差をつけ、スティールも4つ差と圧倒的。インサイドの強みを発揮できたのは言うまでもないが、大きいのはベンチメンバーが出番でその都度役割を果たしたことだ。山岸のオフェンスリバウンド4、中村のスティール2は見逃せず、前半終了間際に14秒の出場時間で1本のシュートを決めた小川も見事だった。

 また、直前の練習試合でも使ったゾーンを「出すかどうか迷った」という西尾HC。だが、それを使う決断が流れを引き寄せた。4Qは3-2は機動力の高い毕を真ん中に据え、モッチは2-3で稼働。ここで筑波大を停滞させることに成功。このゾーン、練習試合では「控えメンバーもいろいろ使いながら」(西尾HC)の試用であり、このインカレでこそ真価を発揮したといえる。大東大は今年は春こそ筑波大に敗れた。しかし筑波大のメンバーが完全に揃っていなかったとはいえ、夏の「埼玉BBドリームカップ」のエキシビションマッチ、秋のリーグ戦、そして最後のインカレにも筑波大に勝利してこの1年を締めくくった。1部リーグでは序盤こそ不安定だったが、西尾HC「選手たちは自信を持っているんですよ」と、根拠を提示する以前に前向きな選手たちの個性を買っていた。決勝のプレッシャー以前に、賑やかでノリのいい、大東文化大らしいカラーこそが大きな勝因になったであろうことが感じられる。

171126sugiura1.jpg 4連覇が絶たれた筑波大だが、今シーズンは大きな変化に直面した。馬場が春シーズンで部を離脱してBリーグという先のステージに進み、増田や杉浦、玉木たち代表選手はチームとあまり一緒に練習しないままの春・夏を過ごし、秋は怪我人が相次いだ。それでも決勝までこぎつけたのはやはりそれだけ力のある選手を揃えていてこそ。リーダーシップを取った主将の青木、インカレでようやく本来の得点力を見せた杉浦の4年生がよくチームを牽引した。難しいチャレンジの中で決勝まで来たことは大きい。また、控えがどこまで伸びるかは重要だったが、インカレでは山口、菅原といったルーキーが将来を期待させる働きを見せた。有力選手が安定して入ってくるようになっただけに、この後も筑波大は強豪校として続いていくはずだ。同時に、代表として選ばれる選手たちは今後も常にチームにいる存在ではない状態が続くだろう。そういう環境でどうやってチームとしての力を高めていくか、さまざまな意味で今後もチャレンジが続く。

写真上:ユーティリティプレイヤーである増田はファウルをもらうのが上手く、バスケットカウントでチームを乗せた。
写真中上:モッチは30点16リバウンド。フックシュートの精度もこの2年で向上している。
写真中下:HCによれば「彼は走らせた方がいい」という評価だったが、後半の葛原の速攻はチームにとっても胸のすくような瞬間だと言えるだろう。
写真下:15得点の筑波大のエース杉浦。チームの誰よりも練習しているというその努力こそが、クラッチシュートを次々に沈める高いシュート力を支えている。

※決勝の記者会見は「続きを読む」へ。インタビューは別途掲載します。


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2017.12.01 (Fri)

【2017インカレ】11/26 3位決定戦 拓殖大VS白鴎大

白鴎大がハイペースで得点を伸ばすが
前半で追いついた拓殖大の追い込みが決まり3位に


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 前日は、ともに最終盤まで希望を繋ぎながらも敗れた拓殖大白鴎大。悔しさが心のどこかで揺れ動きながらの対戦は、まるで互いにそれを払拭するかのように、序盤からハイペースで推移していった。

171126nosaki1.jpg 立ち上がりから、白鴎大がいきなり#75シェッハ(2年・C)、#0野﨑(4年・SG)の3Pで先行。拓殖大も#ドゥドゥ(1年・C・八王子)の3Pが決まって離されず、双方オフェンスの確率の良さが際立った。前日大量ビハインドから驚異的な確率でアウトサイドを沈めていった#0野﨑はこの日も好調で、1Qだけでなんと6本もの3Pで会場をどよめかせる。しかし拓殖大はこちらも#23ドゥドゥのアウトサイドシュートが高確率で決まって離されず、1Qで白鴎大リードの29−24というスコアに。2Qに入ると、拓殖大は#33富山(4年・G)の連続得点などが出て逆転。白鴎大はさすがに#0野﨑が簡単に狙える場面が封じられ、得点がストップ。失速の予感もよぎったが、交代でコートに立った#21神里(4年・PG)はこちらもリーグ戦で何度も披露したように、3連続3Pでチームを沸かせた。その後はややファウルがかさみながら推移した前半は、拓殖大が47-43と4点のリードで終了した。

171126ABE.jpg 勝って大会を終えたい両者の決め合いは、後半も続いた。#2岡田(1年・G・東山)が攻め気を見せて引き離しにかかる拓殖大に対し、白鴎大は豊富な運動量を誇る#58前田(2年・SF)が積極的にアタックし追撃する。しばらくは付かず離れずの拮抗した状態が続くが、3Q終盤にこの様相が崩れる。拓殖大が、#2岡田のゴール下に続いて#23ドゥドゥのドライブ、#24荒川(2年・G)のバスケットカウントが続く反面、白鴎大はこの局面で得点が停滞。#58前田がバスケットカウントで応戦してつなぐものの、#13阿部(4年・SG)のリバウンドシュートで3Qを締めた拓殖大が、リードを二桁に乗せた。4Q開始すぐ、更に#23ドゥドゥの3Pで追い打ちをかけ、余裕ある状態を掴んだ。ここから白鴎大も息を吹き返し、#0野﨑の速攻や#18奥野(4年・PG)のフローターなどで追いかける。残り5分を切り、#18奧野、#58前田、#0野﨑の得点が続いた場面では応援席も一気に盛り上がった。しかし、これで拓殖大は慌てず。#24荒川の得点に、#18多田(2年・SG)が3Pで続いてセーフティーリードを堅持。クライマックスは、一気に4年生をコートに送り込んでこちらも大きく湧いた瞬間となった。最終的には98−81。40分間ペースの崩れなかった拓殖大が、3位決定戦を制した。

 ドゥドゥの3Pがゲームの流れを最初に作った。7/17、4割を越える確率は立派な数字だ。池内監督はドゥドゥの3Pからオフェンスが始まることを必ずしも推奨はしていないが、これだけ当たれば拓殖大のペースと言える。今季31年ぶりにリーグ戦優勝の栄冠を勝ち取った、彼ららしいハイスコアリングな勝ちパターンのゲームだった。これだけ外から決められれば、白鴎大のインサイドにそびえるシェッハも対応に限りがある。岡田が内外で攻め、阿部も準決勝に比すればよく動いて22得点。飯田、多田というシューターたちも与えられた場面で3Pをきちんと沈め、荒川も足を使った展開で持ち味を発揮した。

171126dd.jpg 個人ランキングでは得点王、リバウンド王、3P王の3タイトルを獲得したドゥドゥの活躍なくして、今年の拓殖大は語れない。得点ランキングは最終日を待たず圧倒的な首位だったが、準決勝の時点で3Pはドゥドゥと野﨑が14本で同率、リバウンドはドゥドゥと追撃するシェッハが2本差という状況だった。だが、この試合でドゥドゥが3Pで野﨑を1本上回り、リバウンドでは6本の差をシェッハにつけた。また、アシスト王は筑波大の牧が受賞したが、これもドゥドゥとは3本差。1年目にして圧巻の活躍を見せた。毎試合ほぼ40分と出場時間が長いのは受賞要因の一つで、池内監督も長くプレーさせて育てる意向のようだ。体力的には削られるはずだが文句を言わず、黙々と取組むひたむきさがこの選手の長所だ。ファウルコールにも熱くなりすぎず、自分をすぐに沈められる冷静さがある。また、アシストにも秀でているのは見どころで、今後周囲をもっと生かせるようになればさらに飛躍しそうだ。「岡田と二人、楽しんでやっていますよ」(池内監督)と言うが、今年は飯田、阿部という4年生がコミュニケーションを取り、見えない部分でよく支えた。来年からはこの2人がチームをどう形作っていくのかが問われる。

171126NOZAKITOMIYAMA.jpg 昨年の3位には届かず大会を終了した白鴎大だが、拓殖大のハイペースなゲームによく食らいつき、野﨑、神里、奥野ら4年生たちは持てるものを発揮した。チームとしてはここ数年の躍進は目覚ましいものがある。落合HCが就任してからチームはかなり変わった。ワンエースに頼るのではなく、選手を幅広く使う総合力を備えたチームとなり、昨年はリーグ、インカレ3位。今年は春トーナメントでも準優勝を遂げ、1部強豪校として認識されるに十分な結果を出している。優勝した大東文化大と同じく、エリートと言われるような選手がそう在籍する訳ではないが、大学での研鑽に大きな意味があると教えてくれるチームだ。今回最大の激戦ブロックを勝ち上がったことはもちろん、高校時代はインサイドの選手ながら、大学では3Pシュートで認知された野﨑のような存在が、それを証明している。また、今季より元日本代表でもある網野部長(兼監督)がスタッフとして加わり、より高度なバスケット知識を選手たちに与えていることも、今後生きてくるだろう。昨年から主力のシェッハのほか、今季より多くの出番を得た前田、星野、三浦ら2年生たちは十分経験を積んだ。また、3年目にしてようやくその能力を披露した長島など、伸び幅のある選手たちがチームを受け継ぎ、さらに飛躍させてくれることを期待したい。

写真上:連続の3Pで1Qに度肝を抜いた白鴎大・野﨑。決まる度に会場からはどよめきが上がった。
写真中上:拓殖大・阿部はアグレッシブな動きで彼らしいプレーを次々に見せた。
写真中下:ルーキーながら素晴らしい活躍だったドゥドゥ。岡田と2人で攻撃を牽引した今季、1年生が見せたパフォーマンスは見事だった。
写真下:佐賀東高時代はエースとして活躍した富山と野﨑。最後に叶った対戦では笑顔も見えた。

※3位決定戦の記者会見は「続きを読む」へ。
※インタビューは別途掲載します。



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