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2012.10.06 (Sat)

【2012リーグ1部】10/6レポート

日本体育大と大東文化大は逆転勝利
東海大が3敗目、筑波大もホームを勝利で飾れず


 つくばカピオが会場となる今節。筑波大のホームゲームとして会場装飾やハーフタイムショーなどが用意され、華やかな雰囲気の中で開催された。この日の試合で大きなポイントとなったのは3ポイント。連敗が続き苦しい日本体育大は#14中野(3年・SF)が5本、#22水沼(4年・SG)が4本を稼ぎチーム合計で11本、大東文化大は#14岸本(4年・G)がひとりで9本と圧巻の数字でチームに流れを導き、それぞれ逆転勝利を収めた。

 拓殖大日本大は拓殖大が安定して得点を稼ぎ5勝目。勝率5割まであと白星1と戻してきた。日本大は#15栗原(1年・G・前橋育英)が20得点と奮闘。怪我人が多く苦しい状況でできる限りの頑張りは見える。少しでも光明を見出したい。

 青山学院大明治大の試合は序盤こそ競り合いになるものの、2Qに入り青学大が好ディフェンスを起点に得点を重ねると点差が離れた。青学大は最終的にベンチメンバー全員が出場を果たし、リーグ開幕からの連勝を11に伸ばした。

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【館山の3Pで抜け出した専修大が快勝】
121006HIGUCHI.jpg 専修大早稲田大の試合は、前半は接戦となった。専修大が#11宇都(3年・G)や#22樋口(4年・F)のペイントエリアでの得点で先行すれば、早稲田大もスタートに名を連ねた#27平野(2年・F)が速攻に走り、#21河上(3年・F)もバスケットカウントを獲得し、少ない点差をついていく展開に。すると2Q開始早々に早稲田大が専修大をとらえる。#27平野が合わせのプレーを見せて得点し、#6大塚(4年・PG)のレイアップ、#8玉井(3年・G)のミドルシュートで逆転。だが専修大も#3廣島(4年・G)の得点で再度リード。早稲田大は得意の速攻が出ず、オフェンスが珍しく単発となる。この間に専修大は#22樋口がインサイドで得点を重ね、再度点差を開く。早稲田大は#21河上の得点で追いすがるが、36−32と専修大が僅かなリードを得て前半終了となった。

 勝負のポイントは3Qに訪れた。互いに得点を決め合う展開から、#33館山(4年・G)の連続3Pをきっかけに専修大が抜け出す。#11宇都も攻め気を見せて#21河上からファウルを誘い、ここで得たフリースローを落とさない。早稲田大はタイムアウトを使って修正を試みるものの、再び#33館山に連続3Pを決められ、このQだけで19点差をつけられてしまった。専修大はその後もオフェンスの手を緩めずにゴールを陥れていった。結局81−56でタイムアップとなり、専修大が7勝目を挙げた。

写真:専修大・樋口はこの日12得点・11リバウンドを記録。インサイドで存在感を見せている。

専修大:7勝4敗
早稲田大:4勝7敗


【リバウンドで勝り、3Pで乗った日体大の逆転勝利】
121006wan.jpg 2位の東海大と2勝で9位と低迷中の日本体育大の試合は、自らの長所を生かし切った日体大が延長戦の末、東海大を下して金星をあげた。

 1Qは東海大が先行。#24田中(3年・SF)を筆頭に#33狩野(4年・SG)、#7晴山(2年・PF)、#10バランスキー(2年・PF)が順調に加点。日体大は#12周(2年・C)で返していくがターンオーバーも多く苦しい展開。しかしディフェンスではゾーンで東海大のリズムを重くし、#22水沼(4年・SG)が終盤に2本の3Pを決め、なんとか持ち直して1Qは27-17とすると、流れを維持して2Qは#19中野(3年・SF)の3Pで点差を一桁に戻す。東海大はベンチメンバーにした時間帯で得点が伸びず、インサイドでは2mオーバーの#88万(1年・C・中部第一)にゴール下で得点され、追い上げられてしまう。終盤にスタメンに戻して得点するものの、日体大は#88万のゴール下、#21熊谷(4年・F)のシュートで41-36と追撃可能な範囲の得点差で終え、後半へ。

 3Qの出足は東海大が狩野、田中、晴山と得点源で畳み掛けた。序盤で一時は1点差に迫った日体大だが、東海大のアウトサイドが立て続けに決まってあっという間に10点開かれてしまう。だが、日体大はここからこの日のハイライトのひとつとなる3Pによる追撃開始。#22水沼が口火を着る1本を決めると#16横山(4年・SF)、#21熊谷と続いてさらに#19中野が2本のドライブ(そのうち1本はバスケットカウント)、2本の3Pで一気に10点ビハインドから10点のリードへと大きく逆転。東海大は#24田中が返すのが精一杯。59-69で3Qは日体大リードで終えた。

 4Q、必死に追い上げる東海大に対し、日体大は最大14点のリードを得る。ゴール下で高さが足らずリバウンドを取れない時間帯が続いた。日体大は#19中野が内外から決めていくが、終盤になり得点が停滞。東海大は#24田中の猛攻に加え、#10バランスキー、#33狩野の連続3Pで残り1分16秒で同点に戻すことに成功。だが両者そこから決定打が出ず90-90で延長戦に突入した。

 延長戦で最初に苦しくなったのは東海大。開始早々#10バランスキーが4ファウル。とはいえ日体大はゴール下で何度も#88万がフリースローを得るが、この確率が悪い。それでもこのリバウンドを#21熊谷が連続で確保し、日体大ボールの時間帯が長くなる。東海大は#10バランスキーが3Pを決めるも直後にファウルアウト。日体大は1点のリードを保つが#88万のフリースローが入らないためにギリギリリードでなんとか保っていく。東海大は残り6.8秒、#24田中がフリースローを得るが1本しか決められず96-97。残り6秒で#7晴山もファウルアウト。日体大はこれで得たフリースローを#19中野がきっちり2本決め、96-99。東海大は残り時間で最後のシュートまで持ち込めず、タイムアップ。日体大が大きな1勝をあげた。

 3Pによる追い上げが目を引いたが、その裏で勝負を大きく左右したのはリバウンドだった。190ちょっとしかない東海大インサイドに比べて日体大は周、万とも2m越え。熊谷も抜群の跳躍力でボールをもぎ取っていき、東海大27本に対し日体大は39本。「ここまでサイズの差があってもこんなにリバウンドで差をつけられた試合はない」陸川監督も空中支配ができなかったことに嘆息した。一方の日体大にしてみれば内外が噛み合った試合だった。「シュートは水物」と中野は言ったが、この高さを生かし切れない試合が続いて良さが出ていなかっただけに、思い切りの良い外と強いリバウンドが噛みあっての勝利は大きい。ここを弾みにして下位脱出を狙えるか、リーグ後半に向け注目が高まる。

日本体育大:3勝8敗
東海大:8勝3敗

写真:ゴール下での強さが光った日体大・万。フリースローは元々得手ではなく、3/12だったが、それを補って余りある働きをした。

※ 日本体育大・中野選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【エース岸本が圧巻の活躍でチームを勝利に導く】
121006sunagawa.jpg 筑波大のホームゲームとして最終試合に設定された筑波大対大東文化大の試合は、3Qで逆転した大東大が勝利しした。

 筑波大は#21笹山(2年・PG)が欠場。#6西村(3年・PG)がスタメン出場した。立ち上がり、大東大は#14岸本(4年・PG)が3Pを沈めるが、インサイドで#43鎌田(4年・C)が開始3分で2ファウルとなり、ベンチへ。大東大は岸本以外の外のシュートがなかなか決まらず、オフェンスは重い。筑波大は#47砂川(4年・PF)が伸びやかにコートを駆けまわり、3P、ドライブなどで加点。1Qは両者ロースコアな立ち上がりとなるが2Qになると筑波大が抜けだした。大東大の得点がほぼ#14岸本ひとりに限られたのとは逆に、筑波大は#47砂川を中心にバランス良く加点。大東大は#43鎌田がベンチ温存でリバウンドが取れない状況から何度も筑波大に速攻を出されるが、#14岸本の3Pが何度もチームを救い、35-40。筑波大が5点をリードするものの大きく離されず前半終了。「前半鎌田が2ファウルになったので自分が牽引していくつもりで」と言った岸本は前半7本の3Pを沈めた。

 3Qも追いつけそうで追いつけないという展開で進む中、中盤で大東大は#0有村(4年・PG)を投入。その有村がドライブを決めると#14岸本も連続得点で残り3分に大東大が遂に逆転した。ここから大東大は#0有村の3P、#41小山(4年・G)のシュート、#88平得(2年・F)が岸本からのアシストで決め、一気に点差を開く。筑波大はタイムアウトで修正をはかるがその後更に#14岸本に2連続の3Pを沈められてしまう。64-54で大東大がリードして3Qを終えると、4Qも筑波大は逆転のきっかけを作ることはできず82-70で試合終了。大東大が逆転勝利で6勝目をあげた。

 大東大はエースの活躍がチームを大きく鼓舞した。ウイングの選手たちになかなか当たりが来ない中、岸本が率先して得点。岸本の前半の得点はすべてが3Pであり、このプラス1点ずつが大きく物を言った。後半は周囲も持ち直して得点に絡み、勝利を得た。

 筑波大はやはり笹山の欠場が痛かった。ボールがあまり回らず、坂東も思ったほど3Pは決められず大東大12本に対し半分の6本だった。3位につける筑波大は後方からの追い上げもあり、油断できない状況が続いている。

大東文化大:6勝5敗
筑波大:7勝4敗

写真:筑波大は砂川の個人技が光った。17得点12リバウンドのダブル・ダブル。

※ 大東文化大・岸本選手のインタビューは「続きを読む」へ。

テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

EDIT  |  23:50  |  2012リーグ戦1部  |  Top↑

2012.10.04 (Thu)

【2012リーグ1部】9/30レポート

上位校が苦しめられた2巡目初日
東海大対明治大の激闘はドラマの連続!


120930mizunuma.jpg この日からリーグ戦は2巡目に入った。一度戦って相手の出方もある程度分かり、1巡目で負けたチームは挑戦者として全力でぶつかってくる。迎え撃つ側となった上位校がその勢いに呑まれるシーンもあり、勝ち続けることの難しさが見えた一日となった。それでも東海大は#24田中がブザービーターで勝負を決定づけ、青学大も本調子とまではいかないものの#56比江島が要所でリングにねじ込み勝利を引き寄せた。残り半分のリーグ戦もチームを勝利へ導き続けられるか、エースの真価はここから問われるだろう。

 第一試合は、81-53筑波大日本大を下した。日本大は高さを活かしてリバウンドに粘りを見せたものの、それがうまく得点に結びつかず苦しい展開に。筑波大は点差を離し終盤はベンチメンバーを出場させての快勝となった。2連勝で今週を終え、次週のホームゲームに向け良い弾みとなったことだろう。

 青学大日本体育大の対戦は、終盤まで日体大が食らい付き奮闘が光った。日体大は開始すぐさま2本の3Pで勢いを掴むと、そのまましぶとく追走。オフェンスでは#22水沼(4年・SG)、#19中野(3年・SF)らが強気で挑み、ディフェンスもゾーンを固めて簡単には得点を許さなかった。だが青学大も要所で#32畠山(3年・PG)や#3小林(3年・PG)がスティールから得点につなげ、#56比江島(4年・SF)も険しい表情ながらディフェンスを掻い潜って21得点。終盤にはゾーンの穴をつく形で#25永吉(3年・C)らが着々と加点していき、リードを保ち続けて逆転を許さなかった。日体大も終盤に連続で#21熊谷(4年・F)が3Pを決めるも、78-68でタイムアップ。青学大が日体大の挑戦を跳ね除け全勝を守った。

写真:日体大#22水沼は4年目の今年、チームを引っ張る存在へと成長を遂げている。

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【流れの奪い合いになるも大東大が早稲田大を下す】
120930koyama.jpg 大東文化大早稲田大の試合は、4勝5敗と勝ち星が並ぶだけに負けられない一戦。大東大がリードしそれを早稲田大が追いかける展開が続いた。両者試合の中で波はあったが、大東大がこの日38得点と絶好調だった#19藤井(4年・SG)の活躍もあって一歩抜け出し76-59で逃げ切り勝利。5勝5敗と勝率を五分に引き上げた。

 早稲田大は絶対的司令塔の#6大塚(4年・G)がベンチスタートになるが、立ち上がりは#15木村(2年・F)の3Pなどで0-7とし好調だった。しかし大東大も慌てず、#14岸本(4年・PG)や#19藤井がアウトサイドを決めてリズムを掴むと、速攻や#43鎌田(4年・C)のインサイドプレーなど多彩なオフェンスで優位に立つ。逆に早稲田大は得点が9得点でぴたりと止まり、7分間に渡って無得点。1Qで26-9と大きな差がつくと、2Qに入っても2本の3Pを決めた大東大が20点以上ものリードを奪った。

 だが、このまま一方的な展開になるかと思えば、今度は早稲田大が流れを掴んで猛攻を見せた。ディフェンスを引き締め直すことでようやく#8玉井(3年・G)らが得意の素早いトランジションを出しはじめ、みるみるうちに点差を縮めていく。ダブルチームでボールを奪い、オフェンスリバウンドにも飛び込んでセカンドチャンスも得るなど試合は完全に早稲田大ペース。前半終了時点でその差を7点に縮め、3Q序盤には#21河上(3年・F)の3Pも効果的に決まって遂に同点にした。しかしここで大東大を救ったのは、好調の#19藤井。ドライブやスティールで早稲田大に逆転を許さず、再び点差を引き離しにかかった。20点以上あった点差を同点にまでした早稲田大も、連続でターンオーバーを犯すなど息切れが見え、大東大#41小山(4年・G)のドライブや#19藤井のシュートを止めることができない。そのまま再び大東大が2桁リードを奪い、早稲田大を振り切って勝利した。

 目まぐるしく試合の主導権が動いた試合だったが、大東大が逆転させずに我慢の時間帯を耐えきった。西尾HCも「チームとして粘り強さは身についてきている」と手応えを感じている様子。「(メンバーを)固定してない分、選手も自分の役割を見つけるのが大変かも知れないが、試合経験が少ない選手も学年関係なく強い気持ちでプレーしてくれている」と選手たちの奮闘を評価した。リーグ後半戦も上位進出を虎視眈々と狙う。

 早稲田大は#6大塚の出場が終盤の約5分間に限られ、支柱を一つ失っている状況。ビッグマン#4二宮(3年・C)もベンチに下がる時間帯が長い中で機動力で勝負したが、1Qで負ったビハインドを返していく事が精一杯だった。スターターに抜擢された#34池田(1年・G・京北)もディフェンスでは大東大のエース#14岸本にマッチアップし、オフェンスではPGとして起点になるなど1年生ながら負担は大きい。まわりの選手がいかにカバーし、引っ張っていくかが今後の鍵となるだろう。

大東文化大:5勝5敗
早稲田大:4勝6敗 

写真:#41小山も良いところで決めて突き放しに一役買った。


【序盤からリードを得た拓殖大が逃げ切り連敗脱出】
120930HASEGAWATOMONOBU.jpg 5連勝と好調で3位につける専修大は、この日は拓殖大との対戦となった。下位でもがく拓殖大を叩きさらに連勝を伸ばしたいところだったが、序盤で躓いた。#40藤井(3年・SG)にジャンパーやレイアップで得点され、#1鈴木(4年・PG)にも3Pを許してしまう。#33館山(4年・G)のアウトサイドや#11宇都(3年・G)のドライブは出るものの、その都度#40藤井に得点を許して1Qで12点ビハインドを背負う展開に。2Qに入るとリズムを掴み、交代出場の#14藤岡(3年・F)のレイアップや#3廣島(4年・G)のスクープショットで追い上げを図る。だが、3連敗中の拓殖大は切れずに#11佐々木(4年・C)と#14大垣(2年・SF)の3Pで応戦。専修大はファウルがかさみ、トラベリングのミスも出て点差を縮められない。拓殖大は#1鈴木が3Pを沈めると#40藤井もフリースローを2本揃え、46−35と2桁点差を維持したまま前半を終えた。

 しかし3Qに入ると拓殖大のオフェンスが単発となってしまう。この間に専修大は#9長谷川 凌(4年・F)や#22樋口(4年・F)がペイント内で得点を決めていき、#11宇都が速攻を決めて3分半で4点差にまで迫る。だが、拓殖大はタイムアウトで修正。#40藤井の3P、#94長谷川智伸(4年・SF)のゴール下で再び離す。専修大は#11宇都が攻め気を見せてオフェンスを引っ張るが、拓殖大も#94長谷川智伸のアウトサイドに加え、#11佐々木も3Pを沈めて、点差は依然2桁のまま最後の10分間を迎える展開になった。追いつきたい専修大はこの局面で#3廣島のレイアップに#11宇都も続いて流れを掴んだかに見えた。だが、ルーズボール争いで#3廣島が4ファウルとなって再び苦しい状況に。拓殖大も得点が伸びずに苦しい状況だったが、#1鈴木がフェイドアウェイを決めると再度スコアが伸び始める。専修大も#11宇都と#22樋口の得点で追いかけるが、#3廣島にテクニカルファウルが出で退場となってしまった。専修大はファウルゲーム気味に当たりにいくものの、拓殖大がフリースローを決めて加点していくのに対して、最後はシュートを決め切れなかった。最終的に91−80で逃げ切りに成功した拓殖大が、連敗を3でストップさせた。

 星が伸びなかった拓殖大は上位争いをうかがう専修大から大きな勝利を手にした。外にこだわり過ぎずにインサイドとも合わせてバランス良くスコアを伸ばしたことが大きかった。好調だった専修大はよもやの敗戦で4敗目。2位の東海大を星の差1つで追いかけていただけに、痛い黒星となった。

拓殖大:4勝6敗
専修大:6勝4敗

写真:レイアップを決める長谷川智伸。拓殖大は「飛び道具」であるアウトサイドに固執せず、内外でバランス良く得点を決めた。

※拓殖大・藤井選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【明治大の奮闘光るも#24田中のブザービーターで決着】
120930tanaka.jpg 東海大明治大の対戦は、これまでいくつもの熱戦を繰り広げてきた因縁のカード。この日も会場が歓声とどよめきに包まれる白熱した試合になった。

 明治大は立ち上がりが硬かった。東海大の守りにオフェンスの足が止まって得点が伸びず、一方の東海大は#33狩野(4年・SG)や#10バランスキー(2年・PF)がミドルシュートを射抜いて1Qで10点のリードを奪うことに成功。2Qは互いに守り合って12-13とほぼ互角のスコアとなり、1Qでついた点差を残して東海大の11点リードで試合を折り返した。

 3Qに入り、ここから明治大が粘りを見せる。「(皆川)徹の3Qは褒めてやりたい」塚本HCに言わしめるほど、#51皆川(2年・C)が攻守共に奮起。オフェンスリバウンドに粘ってゴール下で得点を伸ばし、ディフェンスでは高さを武器に東海大にイージーショットを許さない。じわじわ追い上げ、3Q終盤には#16安藤(2年・G)が2連続で3Pを決めて東海大を遂に捕えた。東海大は、このQたったの7得点。しかもそのうち3得点はフリースローでの得点、残りの4得点は全て#24田中大貴(3年・SF)の得点と、気持ちよく点が取れない苦しい10分間となった。40-40と、同点で最終Qに入る。

 4Qも拮抗した展開が続いた。東海大は#8藤永(2年・PG)が#16安藤からオフェンスファウルを奪うなど闘志のこもったディフェンスを見せるが、流れを引き渡しかけたところで明治大は#50伊澤(1年・PF・愛産大工)が覚醒。東海大#10バランスキーや#7晴山(2年・PF)が決めても、その都度1年生らしからぬ強気で攻め得点し返していく。シーソーゲームの中での連続8得点を全てこの#50伊澤が稼ぎ、明治大の1点リードで残り時間は1分半を切った。

 東海大は#10バランスキーがフリースロー、続いて大事なシュートを決めて残り26.3秒にその差を3点に広げた。明治大は#16安藤が3Pを打つも決まらず、窮地に陥りファウルゲームに突入する。すると残り12.2秒、東海大は#8藤永がフリースローを得るも2投ともに落としてしまう。これで3点差のまま首の皮一枚つながった明治大。すると先ほどは3Pが弾かれた#16安藤も、今度は仲間の期待に応えきれいに決めてみせた。時計は残り時間2.0秒を指し、スコアは56-56の同点。このまま延長戦へもつれるかという空気が会場に立ち込める。だがこの土壇場で、東海大はエース#24田中大貴が圧巻の勝負強さを見せた。タイムアウト明け、迷いなく放ったボールは試合終了のブザーと共にきれいにリングを通過。最後の最後で、東海大が明治大の猛追を跳ねのけた。

 「あれは仕方ない。大貴が素晴らしかったまで」と明治大・塚本HCは言い、「敗因は自分のベンチワークミス。選手たちはよく頑張ったと思う。特にマンツーマンディフェンスには自信を持っていい」と選手の健闘を称えた。1年生の頃から出番を得てきた2年生を中心に、上級生も含めて目に見えて成長が見える。「もうちょっと待ってくれればもっと面白いチームになるから」と塚本HCが言うよう、若いチームが今後どう化けるか楽しみだ。

 対する東海大は明治大の勢いに後手に回る部分もあったが、それでも意地とプライドを賭けて競り勝ち8勝2敗で2位をキープした。こちらも下級生主体のチームではあるが、ここぞという場面でやはりエース#24田中が勝負を決めた。リーグ戦もようやく折り返し地点を過ぎたが、優勝に望みをつなぐためにはこの先一つの星をこぼすことも許されない。今後も油断のならない試合が続く。

東海大:8勝2敗
明治大:4勝8敗

写真:ブザービーターを決め、普段はリアクションが控えめな#24田中も大きくガッツポーズ。

※明治大・伊澤選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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EDIT  |  01:30  |  2012リーグ戦1部  |  Top↑

2012.09.29 (Sat)

【2012リーグ1部】9/29レポート

青山学院大が東海大を下し全勝を守る
大東文化大は2戦続けての大接戦を勝利


 1巡目の最終日となったこの日、1位の青山学院大と2位の東海大による注目の対決に多くの観客が集まった。お互いエースが日本代表の活動で長くチームを離れていたが、怪我人を別にして本来のスタメンで出場。ようやく駒が揃った。しかしチームに完全にフィットするにはまだ時間は要る。首位争いとは言いつつ、まだ互いに未完成な部分も見えた試合となった。大東文化大明治大は勝利して一つ浮上。拓殖大が8位に沈んだが、中盤から下位はここからが正念場。後半の戦いこそ熾烈になるだろう。

 5勝の筑波大と4勝の早稲田大の戦いは、1Qに早稲田大#8玉井(3年・G)のアウトサイドがよく決まりリードしたが、筑波大も前の週の悪い試合がなかったことのようにこの日は好調。スティールや速攻も良く出て前半10点リードを得ると、そのまま早稲田大を突き放した。早稲田大は#6大塚(4年・G)のプレータイムが短く、攻撃も単発に終始してしまった。専修大日本大に快勝し、3位を守った。

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【勝負どころで逆転に成功した明治大が日体大を破る】
120929KUMAGAE2.jpg 前節、不戦勝で2勝目を得た日本体育大は、この日は明治大に対し序盤からリードを奪う。#21熊谷(4年・F)が多彩なオフェンスで得点していき、1Qの19点中17点を自らのシュートで決める。後手に回った明治大は#16安藤(2年・PG)の得点でついていき、2Q以降は熊谷に簡単に得点を許さないが、出遅れが響いた。日体大は#22水沼(4年・SG)や#19中野(3年・SF)の3Pも飛び出し堅い明治大ディフェンスの穴を突いていく。前半は38−31と日体大リードとなった。

 3Qも立ち上がりに日体大#19中野3Pが飛び出して、点差がいきなり10点に広がる。しかし、明治大は#12中東(2年・SG)が速攻からダンクを決めると徐々にリズムが生まれる。#2目(3年・SG)が3Pやドライブなどアグレッシブなオフェンスを披露し、2点差にまで追い上げる。日体大は#19中野の3Pや#22水沼が得点するものの、交代出場の#24田中に2本の3Pを許し、なかなかダメ押しが出来ない。明治大は4Q開始すぐに#16安藤がレイアップを決めてこの試合初めてリードを得る展開に。日体大は最終盤のこの局面に来てオフェンスが単発となり、リバウンドやルーズボールで良い働きを見せていた#16横山(4年・SF)がテクニカルファウルで5つ目となり退場。追いかける状況でキーマンの一人を失ってしまった。明治大は引き離しかけた点差を3点にまで戻されるが、#24田中がルーズボールに飛び込んでマイボールにする気迫のこもったプレーを見せてチームを盛り上げ、止まりかけた流れを再度良化させた。70−67で明治大が逃げ切り、4勝目を挙げた。

明治大:4勝5敗
日本体育大:2勝7敗

写真:ダンクに行く日体大・熊谷。自身の調子は決して悪くないだけに、白星が伸ばせない現状がもどかしい。

※明治大・田中選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【序盤に主導権を握った大東大が辛くも勝利】
120929KISHIMOTO.jpg 今季スタートで躓く傾向の多い拓殖大は、この日も立ち上がりから大東文化大に先行される。#19藤井佑亮(4年・SG)に3Pやレイアップを許し、オフェンスも滞ってしまう。1Qに10点リードを得た大東大も、#75和田(4年・G)が前半で3ファウルになってしまうなど、決して良い時間帯を持続させられないが、序盤で得たリードを保って試合も終盤となる。
 
 しかし4Q、逃げ切りたい大東大を拓殖大が捉える。ゾーンディフェンスで大東大に得点を決めさせず、#94長谷川(4年・SF)の3Pなどで追い上げる。そして残り3分を切って#40藤井祐眞(3年・SG)のレイアップで逆転。さらに速攻で#94長谷川が加点する。だが、大東大も引き下がらず#30鈴木友貴(3年・SG)のミドルシュートが決まり、残り30秒で#0有村(4年・PG)が値千金のスティールからレイアップを沈めて同点に追いついた。この状況下で勝利の女神を呼び込んだのは大東大。延長突入寸前の残り0.5秒で#14岸本がフリースローを獲得。1投目は落としてしまうが、この状況は前節の最後局面と同じ。2投目は決まり、続くディフェンスで凌ぎ切って65−64。2試合連続で1点差の勝利となった。

 大東大は苦しい連敗を続けたが、東海大、拓殖大と続けて撃破。選手たちが各々の仕事を果たして波に乗り始めてきた。一方の拓殖大は勝ち星が増えずこれで8位転落。良い時間帯を持続させられず苦しい1巡目となった。

大東文化大:4勝5敗
拓殖大:3勝6敗

写真:負担が軽くなってきているとはいえ、大東大はやはりエース・岸本の要所での活躍が大きい。

※大東文化大・藤井佑亮選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【固い守りと3Pで流れを引き寄せた青学大が全勝を守る】
120929nagayoshi.jpg 注目の1位2位対決。第4節の試合で1敗してしまった東海大にとっては首位との直接対決による勝利こそ、自身の地位を回復する術だ。青山学院大は長らく欠いていた#56比江島(4年・SF)、#25永吉(3年・C)が戻り、ここにきてようやく本来のスタメンで勝負する場面となった。一方の東海大は#24田中(3年・SF)が戻ってきたが、#18和田(3年・PG)は怪我で欠場した。

 互いに固いディフェンスで試合はロースコアとなった。開始早々、東海大は代表活動から復帰した#24田中(3年・SF)にファウルコール。田中はすぐさまシュートを決めて良いリズムにしようとするものの、次の動きで再びファウルを吹かれ、8分39秒でベンチへ下がることになってしまう。「自分が2ファウルになってしまったため、ゾーンディフェンスを早めに出さざるをえない状況になってしまった」(#24田中)と、東海大はこの時点で早々にゾーンを繰り出すことに。だがアウトサイドシュートに課題がある青学大への効果はやはり大きく、外からの攻撃を食い止め、ペイント内へ入られても固い守りで簡単には得点させない。一方オフェンスでは東海大も外が入らず、1Qは12-10。

 2Qも点差が離れずシーソーゲームが続いたが、ここで青学大は#15山崎(4年・SG)が試合の流れを変えた。#8張本(3年・SF)が足を痛めてベンチへ下がり嫌なムードになるが、開始1分半で#15山崎を投入、その山崎が3Pを決めるとチームにリズムが生まれた。#56比江島、#15山崎が東海大のシュートを続けてブロック、山崎は#7野本(4年・CF)へのアシストを決めるとさらに3Pを2連続で沈める。東海大はゾーンとマンツーマンを織り交ぜながらコートに戻した#24田中、#51須田(3年・SG)、#10バランスキー(2年・PF)らが得点。田中のアシストも出て東海大は1点を争う状態から一時5点を離されたものの、前半は27-24。3点青学リードで前半を折り返した。

 3Q、青学大の#8張本はそのままベンチ。東海大の固いディフェンスに苦しみながらも#25永吉のオフェンスリバウンド、#32畠山の3Pなど、確実に得点を刻んでじわじわと東海大を引き離す。東海大は#24田中「外を打ちすぎた。もっと中へ攻め込んで勝負すべきだった」と、上がらないシュート確率に苦しむ。それでも#10バランスキーのバスケットカウントや#24田中のスティールもあって42-37で4Qへ。青学大はインサイド陣が踏ん張りを見せて#7野本、#25永吉で得点。前半はボール回しに重点を置いていた#56比江島もシュート、ブロックで見せる。東海大は青学大のディフェンスを破れず、残り3分で2度続けて24秒オーバー。青学大は#56比江島から#7野本へのパスで得点し、残り1分19秒で54-47。東海大はそのまま追いつく決定打が出ず54-49で試合終了。青山学院大が勝利した。

 青山学院大はブロック8、リバウンドも東海大を5本上回り、ディフェンス面の強さが目立った。3Pは4本のうち3本が山崎であり、競り合いの中で流れを呼び込む役目を果たした。一方の東海大は3Pが0。シュートを打った数では青学大より本数が多いが、思うようには決まらなかった。

120929ht.jpg 代表から戻った比江島、田中の両エースはまだ学生のバスケットの世界へは完全に戻りきれていない。「スクリーンやインサイドのバンプで、軽く当たったつもりで笛が鳴ってしまった。代表とは強さなどの感覚が違う部分があり、最初の2ファウルは自分の判断ミス」と言う田中。しかしその後はファウルも抑え、シュートも打てていた。伸びやかなドライブ、スティールも田中らしいプレーだった。ここから調子を上げていくだけだ。比江島「点を取れる選手は他にもいるので、代表でやっていたガードの動きをしてしまった。最後はオフェンスを要求されたので攻めていったが、ブレイクが出ていないのは自分が走れていないせい。次の試合からは走っていきたい」と、こちらもチームの求めるプレーをここからしていく必要があるようだ。両チームともまだ役者がようやく揃ったばかり。2巡目に向けて代表クラスのプレーをより多く披露して欲しい。

青山学院大:9勝0敗
東海大:7勝2敗

写真上:急遽代表に参加した青学大・永吉も復帰。リバウンドの強さはやはりさすがだった。
写真下:青学大・比江島と東海大・田中のマッチアップ。両者のリーグはこの日が初日。ここからさらなる活躍を見せて欲しい。

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2012.09.23 (Sun)

【2012リーグ1部】9/23レポート

大東文化大が東海大に大きな1勝
筑波大は専修大に負け、3位争いが混沌と


 秦野総合体育館で行われた2日目、ハイライトは東海大大東文化大の一戦となった。前半で7点差をつけられた大東文化大が最後まであきらめず全員バスケで金星を上げ、東海大に初の敗北を突きつけた。筑波大早稲田大などこの日は青山学院大以外の上位が崩れ、リーグ半ばにして順位争いも混沌としてきた。日本大はユニホームの色を間違えたために没収試合となった。

 青山学院大拓殖大は、拓殖大が出足こそシュートの好調さを見せたが、#94長谷川(4年・SF)が1Qで2ファウルとなり、ベンチへ。その後得点で大きく離されることはないが青学大を上回れず、4Qで一気に引き離され85-66で試合終了。青山学院大は#8張本(3年・SF)が30得点を稼いだ。

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【耐えた明治大が残り3秒で早稲田大に逆転】
120923sakka.jpg 明治大早稲田大の対戦は、我慢した明治大が逆転劇を起こして嬉しい3勝目を挙げた。前半終わってスコアは31-29とほぼ互角。両者ファウルが混むが、#6大塚(4年・G)を起点にエース#21河上(3年・F)が得点を引っ張った早稲田大に対し、明治大も堅い守りから#12中東(2年・SG)がドライブやダンクで魅せ#16安藤(2年・G)や#2目(3年・F)も大事な3Pを決めた。接戦のまま試合は後半へ。

 3Q開始早々、早稲田大は#4二宮(3年・C)がゴール下で粘り#15木村(2年・F)のジャンプシュートも決まって流れを掴む。明治大もタイムアウトを挟んでディフェンスを引き締め直すと#16安藤の3Pを皮切りに3連続得点で逆転するが、#51皆川が4ファウルでベンチに下がるなど勢いが続かない。そのまま早稲田大の4点リードで最終Qに入った。

 4Qに入り、畳み掛けるようにシュートを決めた早稲田大が依然として主導権を握り、明治大#12中東が決めても#21河上が決め返して譲らない。だが#4二宮が4つ目のファウルを吹かれてその間に追い上げを許し、試合は終盤まで拮抗した展開が続いた。すると残り2分半を残して、明治大は大黒柱#51皆川が5ファウルで退場。これに続くように#21河上の好守から#15木村が速攻に走り、なんとアンスポーツマンライクファウルを受けてのバスケットカウント獲得。このビッグプレーに早稲田大が勢いに乗った。1スローは落とすが、その後#6大塚が強気でファウルをもらい残り1分35秒で5点リード。試合はこのまま早稲田大が押し切るかに思われた。

 しかし勝負はまだ終わっていなかった。明治大は#16安藤のドライブで3点差に。すぐさま早稲田大もフリースローで4点差に戻すが、明治大の守りに2回トラベリングが続き、残り15.2秒で#2目に3Pを決められ1点差に迫られる。明治大の仕掛けたファウルゲームにもフリースローを1本しか決められない。すると残り8.8秒、まだチームファウルの溜まっていない早稲田大はファウルを使って明治大の攻撃を止めようとするが、スローインに対する守りで痛恨のアンスポーツマンライクファウルの判定に。明治大は#50伊澤(1年・PF・愛産大工)がフリースローを1本落とすも、1点ビハインドで明治大ボールとなり、最後のオフェンスに賭けることとなった。すると残り3.3秒、この大一番で#16安藤がジャンプシュートを決めて劇的な逆転。最後の早稲田大のオフェンスは#6大塚がディフェンスに囲まれターンオーバーとなり、明治大が嬉しい3勝目を挙げた。

 苦しい展開でも気持ちを切らさず勝利を掴んだことに「ちょっとは成長してきた証拠」#12中東。堅い守りでロースコアに持ち込み競り合いに耐えて勝利をさらう、明治大の真髄を見せた試合となった。逆に早稲田大は掴みかけた勝利をもったいないミスで落とし、4勝4敗で5位に後退。試合後の選手たちには悔しさが滲んだ。

明治大:3勝5敗
早稲田大:4勝4敗

写真:#2目の大事なシュートも逆転劇になくてはならなかった。

※明治大・中東選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【専修大が1Qからリードを奪い大差で勝利】
120923tateyama.jpg じわじわと勝利を伸ばしてきている専修大。3位の筑波大との対戦は驚くほどの大差がついた。

 試合開始序盤、筑波大は#76星野(4年・SF)の3Pが2連続で決まり、好調な立ち上がりを見せたがその後は得点が伸びない。専修大はトランジションの早いバスケットを展開し、#4高橋(4年・G)の3Pや#33館山(4年・G)のスティールもあってチームが乗った。筑波大は2Qもファウルや24秒オーバーが続き、点数が取れず状況が打開できない。専修大は#0大澤(3年・G)の3Pや#69湊(3年・F)の好ディフェンスもあって前半で20点のリード。後半に立て直したい筑波大だが、焦りもあってかシュートは決まらず、30点以上もの差をつけられてしまった。専修大は控えに交代しても勢いを切らさず、全Qで20点越え。58-94で勝利して筑波大と勝ち星で並び、同率で3位に浮上した。

 対照的なチームの様子が出た試合となった。筑波大は普段の良いところが全く出せず、専修大は主力はもちろん、ベンチメンバーも活躍。長いリーグの中では常に最高のパフォーマンスをするのは難しいがその明暗がくっきり見えた試合だった。

専修大:5勝3敗
筑波大:5勝3敗

写真:33得点の館山。3Pも気持ちよく決まり、勝利に一役買った。


【全勝中の東海大相手に、大東大が価値ある白星!】
120923daitobunka.jpg ここまで7戦全勝中、来週は同じく全勝の青学大との対戦を控える東海大だったが、その前に立ちはだかったのはここ数試合調子を上げてきていた大東文化大だった。

 立ち上がりが硬い東海大は、1Qは#14岸本(4年・PG)の3Pや#19藤井(4年・SG)の速攻で先行する大東大を追いかける形になった。だが#18和田直樹(3年・PG)の2本のジャンプシュートもあって21-18とそこまで差を引き離されずに2Qに入ると、#51須田(3年・SG)や#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)などベンチメンバーの活躍もあってすぐさま逆転。ディフェンスも良くなり相手のターンオーバーから速攻に走って残り4分で最大12点リードを奪った。しかし大東大もこの苦しい状況を#0有村(4年・PG)が3Pやフリースローで打開。東海大#33狩野(4年・SG)がシュートを決めていくが、2Q終えて35-42と点差は7点差に縮まった。

 3Qに入ってもじわじわと大東大が追い上げを図った。東海大はこれまでの試合よく取れていたオフェンスリバウンドが大東大の#43鎌田(4年・C)相手に簡単には奪えず、アウトサイドが外れる時間帯で攻撃が単発に終わってしまう。ディフェンスでは#0ベンドラメが抜群のスピードで次々スティールを奪うも、同時に攻撃的な守りが仇となってファウルがかさみ、大東大がフリースローで確実に差を縮めた。結局55-55と同点で3Qを終え、勝負は4Qに持ち越される。

 「4Qまでついていけばなんとかなるからと話していた」#0有村)と3Qまで食らい付いた大東大は、4Qからラストスパートをかけた。#43鎌田のインサイド、#0有村の3P、#14岸本のドライブと、内外バランスよく3連続得点。開始3分で5点リードし、その後も中を固めた守りで大東大が3点前後のリードを守り続ける展開が続く。残り1分30秒には#14岸本が大事なスクープショットを決めて5点差に。しかし東海大もこのままでは終わらない。残り49.5秒#0ベンドラメが貴重な3Pを決めて2点差とすると、続く大東大のオフェンスを守りきり、なんと残り15.5秒に#10バランスキー(2年・PF)がバスケットカウントを獲得。だがこの1スローを決められず、同点のままボールは大東大へ渡った。すると大東大は、頼れるエース#14岸本が1on1を仕掛け、残り4.7秒で#0ベンドラメのファウルを誘いフリースローを獲得。1投目を落としてひやりとさせたものの、2投目を落ち着いて決め1点リード。東海大の最後の攻撃を守り切り、しびれるような接戦を大東大が制した。

 前日の青学大戦も善戦して調子を上げてきていた大東大が、アップセットを果たした。マークしても止められないエース#14岸本の勝負強さは圧巻だが、加えて#43鎌田の14リバウンドや岸本と共に2ガードを担う#0有村の活躍でチームに安定感が増した印象を受ける。この勝利で得た自信を今後につなげて欲しい。

 対する東海大も、やれることはやった上での敗戦だっただけに、陸川監督も試合後は前向きな姿勢を示した。主将の#33狩野「全勝優勝が目標だったが、負けは負けで切り替える」と先を見据えている。敗戦を糧に、次週の青学大戦も見逃せない。

大東文化大:3勝5敗
東海大:7勝1敗

写真:試合終了のブザーと共に、大東大はベンチメンバーもコートになだれこんで喜びを爆発させた。

※大東文化大・有村選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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2012.09.22 (Sat)

【2012リーグ1部】9/22レポート

落ち着いて白星を重ねた上位校
専修大は接戦で明治大を下す


 今週は秦野市総合体育館で開かれている1部リーグ。下位校の奮闘も見られたが、勝負所を制して勝利を手にしたのは専修大、早稲田大、筑波大、東海大、青山学院大と上位チームが名を連ねた。

 早稲田大日本大の対戦は、1Qこそ14-14の同点となったが、2Q以降早稲田大が引き離し90-61で勝利した。この日は#4二宮(3年・C)もペイントエリアで仕事を果たし勝利に一役買った。日本大は#1坂田(3年・F)が22得点10リバウンドと奮闘したが、なかなか中に攻め込めずアウトサイドも落ちた。未だ勝ち星がない苦しい戦いが続いている。

 筑波大日本体育大の対戦は、#50梅津(4年・C)らが好調にシュートを決めた筑波大を日体大が追いかける展開に。日体大は高さを活かしてリバウンドを奪うが、堅い守りを見せた筑波大が前半で14点差をつけると、3Qは#14坂東(2年・SG)、#76星野(4年・SF)の3Pで追い打ちをかけ、98-79で快勝した。

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【勝負所を制した専修大が明治大を下す】
120922nakahigashi.jpg 2勝4敗の明治大と3勝3敗の専修大の対戦はロースコアながら終始接戦となり、最後まで分からない白熱したゲームになった。

 立ち上がりで先行したのは専修大。激しい守りで失点を抑え、その間#22樋口(4年・)らが積極的に攻めた。しかし#明治大も16安藤(2年・G)、#7森山(3年・G)の3Pが連続で決まって動きが良くなると、早い展開から思い切りの良いシュートを決めて逆転から6点リード。しかし苦しい時間帯で#11宇都(3年・)がバスケットカウントと速攻を決め、16-14と点差の無いまま1Qを終える。

 続く2Q、3Qも拮抗した展開が続いた。専修大は連続のファウルで勢いを削がれ、その間明治大が#12中東(2年・SG)の活躍もあってリード。3Q序盤には#16安藤のミドルシュートや#51皆川(2年・PF)のゴール下などで内外バランスよくリングに向かい、専修大のディフェンスを翻弄した。しかしここで専修大の悪状況を打開したのはまたしても#11宇都。明治大のゴール下に割って入り、高い打点で放たれるレイアップで次々リングネットを揺らした。56-54と点差の変わらないまま3Qを終える。

 #22樋口が#51皆川をブロックするなど迫力満点の展開から始まった4Q。明治大は「リバウンドは本当に強かった」と専修大#11宇都が舌を巻くほど次々オフェンスリバウンドに飛び込むが、なかなか決めきれずに4分間無得点となってその間逆転を許した。だが#12中東のバスケットカウント獲得を皮切りに#2目(3年・F)の3P、#16安藤のドライブと明治大も奮起し、点差が一向に離れない。専修大の1点リードで、試合時間は残り1分を切った。

 残り50秒、明治大は堅い守りから#50伊澤(1年・PF・愛産大工)が速攻に走るが、これをゴール下付近で#4高橋(4年・G)がボールを弾く好守でカバー。続けて専修大は#22樋口が#12中東にブロックされるも、残り15.2秒、再び#4高橋が#16安藤からチャージングを奪う最高のディフェンスで1点リードを死守し、チームを救った。ファウルゲームで#11宇都もフリースローを珍しく2本落とすが、リバウンドが専修大ボールになり明治大は苦しい状況に。次に得たフリースローは#11宇都も確実に決め、64-67で接戦を制した。

 どちらに勝負が転んでもおかしくない状況だった。専修大は、ファウルトラブルで苦しんだ専修大#4高橋も最後にしっかりと仕事を果たし、得点源の#11宇都も素早いトランジションで40得点を決めチームを牽引。明治大は専修大より10本多くリバウンドを奪い制空権は握ったものの、大事なところで得点が止まる時間帯もあって惜しくも3勝目とはならなかった。

専修大:4勝3敗
明治大:2勝5敗

写真:23得点と気を吐いた#12中東だが勝利には1歩及ばず。

※専修大・宇都選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【オフェンスも噛み合った東海大が拓殖大を圧倒】
120922fujii.jpg 全勝中の東海大と、爆発力を誇る拓殖大の注目の対決は、東海大が100点ゲームで快勝する形となった。

 東海大は#10バランスキー(2年・PF)が好調にシュートを決めてオフェンスを引っ張り、持ち味のディフェンスも生きて拓殖大の攻撃をシャットアウト。拓殖大は打たされる形が続いて1Q序盤は得点が伸び悩んだ。しかし#11佐々木(4年・C)がパスアウトされたボールを確実に決め、#40藤井(3年・SG)も圧倒的なオフェンス能力で次々得点をさらい、結局23-22とほぼ同点で1Qを終える。
 
 2Q、層の厚い東海大は#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)、#51須田(3年・SG)#14山田(4年・C)とメンバーを変え、機動力のある展開を作り出してディフェンスから速攻に走った。拓殖大は不運なファウルも続いてこのQで10点差をつけられる。3Qに入って激しいディフェンスに切り替えるが、#7晴山(2年・PF)と#10バランスキーのコンビプレーがその穴をついて拓殖大を勢いに乗らせなかった。東海大はその後も手を緩めることなく、4Qには20点以上差を開く。そのまま108-85と会心の試合運びで東海大が拓殖大を下した。

 拓殖大は持ち前のアウトサイドも簡単には打てず、一矢報いることはできなかった。5人が2桁得点を挙げているが、それを上回るほどの東海大のオフェンス力が物を言った。東海大は持ち前の堅い守りに加えて、#32バランスキーが32得点、#7晴山が19得点とオフェンスでも勝利に大きく貢献する活躍。これで開幕から無傷の7連勝となった。今週を無敗で終え、来週の青山学院大との首位対決に備えたいところだろう。

東海大:7勝0敗
拓殖大:3勝4敗

写真:拓殖大・藤井は積極的にリングに向かいチームを引っ張った。


【大東大も善戦するが青学大の牙城は崩れず】
120922daito.jpg 全勝中の青山学院大と、2勝4敗で苦戦が続く大東文化大が対戦。大東大も流れを奪う時間帯は長かったが、3Qで突き放した青学大が無敗を守った。

 序盤は互角、むしろ優位に立ったのは大東大だった。大東大は#8戸ヶ崎(3年・F)が合わせに上手く飛び込んで青学大のディフェンスの穴を突き、#43鎌田(4年・C)もインサイドで果敢に勝負を仕掛けた。青学大は#8張本(3年・SF)にディフェンスが集中して攻めれず、トラベリングやフリースローを落とすなどミスが続く。それでも#32畠山(3年・PG)が攻撃的な守りでスティールから速攻につなげるなど奮起し、何とか同点前後でついていった。

 2Q、得点掲示板の不具合で途中試合が中断するトラブルもあったが、しっかりと中を固めて守り、合わせのプレーで丁寧に攻める大東大ペースは変わらない。動きの堅い青学大は連携が上手くいかず、アウトサイドシュートもことごとくリングに弾かれた。だが#7野本(2年・CF)のパスカットから#32畠山が速攻に走って流れを掴むと、ディフェンスの足も徐々に動き始める。大東大は上手く攻め込めずに仕方なく#43鎌田がアウトサイドを打つ苦しい展開が続き、その間畳み掛けるようにトランジションゲームを展開した青学大が逆転からリードを奪った。大東大は速攻を止められずにファウルがかさみ、オフェンスも3Qに入って無得点が続く。ゾーンディフェンスが効いて抑えている部分もあったが、青学大は#0船生(1年・F・前橋育英)がリバウンドに飛び込み、#7野本や#8張本が強みの高さを活かしてじわじわ2桁差をつけた。大東大は#14岸本(4年・PG)が大事な3Pを決めていくものの、点差を一桁にするあと一歩が出ない。46-59と青学大13点リードで4Qへ。

 4Qに入っても、青学大がリバウンドを掌握して主導権を渡さなかった。大東大は残り5分で#43鎌田が痛恨のファウルアウト。この日は#24張(4年・C)の欠場も響いてますます小さい布陣となり、#88平得(2年・F)や#14岸本が連続でバスケットカウントを得るも青学大を苦しめるには至らず。最後は66-76と10点差でタイムアップとなった。

 青学大はどこか重いゲームだった。高さとトランジションで勝ちきったものの、相手のリズムになる時間帯も多く、課題も見えた試合と言えるだろう。大東大は地力の差こそあったが悪い展開ではなかった。まだ勝ち星はなかなか伸ばせていないが、明日の東海大戦でも奮闘を期待したい。

青山学院大:7勝0敗
大東文化大:2勝5敗

写真:大東文化大は奮闘するも後半引き離された。

※大東文化大・戸ヶ崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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2012.09.16 (Sun)

【2012リーグ1部】9/16レポート

上位校が順当に勝利し番狂わせは起こらず
主力の欠ける東海・青学も全勝を守りきる


 第3週2日目は、上位校が安定感ある強さを発揮した一日だった。青学大東海大はアジアカップの代表招集でチームのエースが抜けているものの、青学大は筑波大に、東海大は早稲田大に2桁差をつけての快勝。また拓殖大・大東大・専修大も要所で主導権を握り白星を掴んだ。
 
120917uto.jpg 専修大日本体育大の対戦は、相手のターンオーバーから#11宇都(3年・G)らが易々速攻につなげた専修大が1Qから25-7と大量リード。日体大も専修大がスタメンを下げた2Qに#22水沼(4年・SG)や#21熊谷(4年・F)が確率良くシュートを決めて前半終了時点で3点差に詰め寄るが、後半に入って専修大は#33館山(4年・G)が次々と3Pを沈め日体大の勢いを削いだ。再び点差を引き離して90-65で快勝し、3勝3敗と勝率をタイに戻した。

 前日東海大相手に接戦を演じた筑波大は、この日青山学院大と対戦。序盤から青学大は#7野本(2年・CF)が速攻に走り、#8張本(3年・SF)も力強いドライブやミドルシュートで魅せた。守っては#32畠山(3年・PG)が筑波大の起点#21笹山(2年・PG)をぴったりとマークし仕事をさせず、2Q序盤で最大16点差をつける。だが後手に回った筑波大も、徐々にディフェンスを修正。小さく固めた守りでアウトサイドを打たせ、作戦通り青学大がシュートを外す隙に#21笹山らのシュートで追い上げた。しかし一桁差には追い上げても、追いつくまでのあと一歩が出ない。焦れる筑波大は大味なプレーが続き、オフェンスが単発に終わって4Qはわずか8得点。再度青学大が突き放して76-55で勝利した。

写真:30得点の専修大・宇都。得点力は今年も健在。
 
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【日本大を突き離し大東大が初戦ぶりの白星】
120917fujii.jpg 大東文化大日本大も連敗が続き、何としてもここで白星を得たいところ。負けられない一戦は前半まで競った展開となるが、軍配は大東大に上がった。
 
 これまで日本大は#1坂田(3年・F)と#19浜田(4年・F)以外のスタメンを毎試合変えてきていたが、この日は前日足を痛めた#19浜田がベンチスタートとなり、#4小川(3年・G)、#15栗原(1年・G・前橋育英)、#20舘(1年・C・三本木農)、#37安田(3年・G)とあまり試合経験の無い選手たちを抜擢してさらにメンバーを変えてきた。すると#37安田らの思い切りの良さが光り、開始3分で12-7と日本大が幸先の良いスタートを切る。しかし大東大もタイムアウトで修正を図り、#43鎌田(4年・C)がディフェンスを物ともせずバスケットカウントを獲得して1Q終盤に逆転。そこからは2Qに入っても拮抗した展開が続いた。ディフェンスを強めた大東大がややリードを奪うものの、激しい守りがファウルにつながり、アウトサイドも決まらず決定打が出ない。日本大が#1坂田らのオフェンスリバウンドでの奮闘もあって5点前後で食らい付く形となった。だが前半終了間際に大東大が2連続得点に成功し、31-39と8点差にして後半へ。

 勝負どころは3Qだった。大東大は#43鎌田がリバウンドを掌握し、#14岸本(4年・PG)の3Pもあって点差を二桁に乗せる。すぐさま速攻で日本大#29上原(1年・G・興南)が返すも大東大は勢いを切らさず、#19藤井(4年・PG)が速攻に走り、#88平得(2年・F)もこぼれ球を上手く得点につなげた。5分間で怒涛の17得点を挙げ、36-56と一気に20点差に。その後、日本大も#15栗原、#29上原といったルーキーの活躍で4Qに一時8点差まで詰め寄ったが、大東大もそれ以上は追撃を許さず。そのままリードを守り切り、80-66で久しぶりの勝利を飾った。

 大東大は持ち前の爆発力を勝負どころで上手く発揮。この日はエース#14岸本だけに偏らず、#19藤井や#43鎌田の活躍も光った。まわりの選手の奮闘で岸本の負担が軽くなれば、今後も勝ち星をのばしていけるだろう。昨年同様、リーグ後半の巻き返しに期待したい。日本大は、メンバーを固定させず様々な布陣を試している状況。未だ勝ち星を挙げられない苦しい戦いが続くが、フレッシュな思い切りの良さは光る。残りのリーグ戦も全力で戦いたい。

大東文化大:2勝4敗
日本大:0勝6敗

写真:大東文化大・藤井は果敢にリングにアタックした。

※大東文化大・鎌田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【拓殖大が明治大との接戦を制す】
120916MEIJI.jpg 前日連敗を3で止めた拓殖大と、2連勝中の明治大はともに2勝3敗。互いに星を五分としたい両者の対戦は、逃げる拓殖大を明治大が終始追いかける試合となった。

 序盤ペースを掴んだのは拓殖大。#40藤井(3年・SG)の3P、#11佐々木(4年・C)のタップシュートなどでスタートダッシュを図る。守っては足を使ったアグレッシブなディフェンスを披露。明治大はなかなかシュートを打てない展開が続き、開始4分で0-13と苦しい展開に。#12中東(2年・SG)の3Pでようやく状況を打開し、次第にシュート率を高めていく。出だしで躓いたディフェンスはタイムアウトを使うなどして修正を図り、サイズで勝る相手に簡単なシュートは許さなかった。だが、序盤の出遅れが響いて前半は37-27と拓殖大10点リードで終了した。

 後半も追いつ追われつのじりじりしたロースコアの展開が続く。明治大はシュートまで持ち込んでも、ゴールにほぼ入りかけたボールがこぼれるなど、不運も重なり思うように得点を伸ばせない。一方の拓殖大もサイズのある明治大ディフェンスを前に持ち前の爆発力を発揮しきれず、もどかしさが募る。その中でも#14大垣(2年・SF)の3Pが決まると、#94長谷川(4年・SF)も続いて拓殖大が引き離しに成功。試合時間残り3分でリードを16点に拡大し、勝負あったかに見えた。

 だが、明治大は引き下がらなかった。#2目(3年・F)が3ショットのフリースローを揃えると、#7森山(3年・G)らが3本の3Pを決めて僅か1分間で12点を荒稼ぎ。しかし拓殖大は下げていた主力メンバーをコートに戻してこれに冷静に対処した。最終的には73—62となり、拓殖大がもつれた試合にけりを付けた。

 拓殖大は勝率5割に復帰。ただしこの日は先行には成功したものの試合の終わらせ方に課題を残した。次週は首位を走る東海大、青学大との対戦を控える。40分間集中力を持続させなければ勝利の難しい相手である。爆発力をいかに発揮し、そして持続させるかだろう。

 明治大は敗戦こそしたものの、好ディフェンスで拓殖大を苦しめ続けた。オフェンスには課題もあるが、試合終盤には隙を付いて猛ラッシュを見せてあわやという展開に持ち込むなど、収穫の多い試合だった。チームの成熟度も徐々に高まってきており、今後が楽しみである。

拓殖大:3勝3敗
明治大:2勝4敗

写真:明治大は堅固なディフェンスで拓殖大を苦しめ続けた。

※拓殖大・佐々木選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【後半一歩抜け出した東海大が早稲田大を下す】
120916zack.jpg 全勝中の東海大に、早稲田大が挑んだ。昨年のリーグ戦でも東海大に最初に黒星をつけたのが早稲田大。しかし今年はあの時の再現とはならず、東海大が無敗を守った。

 序盤、早稲田大はトラベリングやパスミスなど自分たちのミスから流れを崩し、その間#7晴山(2年・PF)らがパスアウトからジャンプシュートを確実に決めた東海大がリードを奪った。東海大の好守に阻まれ早稲田大は速攻やペイントエリアでの得点が伸びず、アウトサイドもこぼれてオフェンスが停滞。1Qで23-13と10点のビハインドを負う。

 2Q、早稲田大#6大塚(4年・G)が#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)のスティールをかわして切れ込みバスケットカウントを獲得。これに#8玉井(3年・G)の速攻や3Pが続き、勢いに乗った。東海大もインサイドを固めて#4二宮(3年・C)のミスを誘い、オフェンスではファウルを得てフリースローでコツコツと加点していくものの、#33狩野(4年・SG)のシュートがこぼれて引き離す決定打がでない。早稲田大は終盤#21河上(3年・F)がバスケットカウント獲得を含む連続得点で魅せ、32-32と試合を振りだしに戻して2Qを終えた。

 3Qに入っても、点の取り合いが続き点差は一向に離れない。だが東海大が#31高山(4年・PF)の価値あるミドルシュートで勢いに乗ると、中、外、中と良いリズムでボールが回りディフェンスを翻弄した。早稲田大はオフェンスリバウンドに飛び込むものの、リバウンドシュートがリングに嫌われチャンスを生かすことができない。その間に東海大がじわりとリードを奪い、3Qを終えて6点リード。追いかける早稲田大は4Qの序盤も2連続でシュートがこぼれ、追撃のきっかけをつかめない歯がゆい展開に。それとは対照的に#10バランスキー(2年・PF)、#7晴山が高確率で得点を伸ばした東海大が点差を2桁に乗せ、71-58で勝利した。 

 早稲田大は3Qまで接戦に持ち込んだものの、東海大の牙城は崩れず。今週は青学大・東海大と強豪相手に2連敗に終わった。対する東海大は堅い守りを崩さず、失点を58得点に留めての快勝。来週は爆発力が厄介な拓殖大学・大東文化大との対戦を控える。堅い守りを貫けるか注目だ。

東海大:6勝0敗
早稲田大:3勝3敗

写真:#10バランスキーは22得点16リバウンドの頼もしい活躍。

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2012.09.15 (Sat)

【2012リーグ1部】9/15レポート

東海大VS筑波大の全勝対決が白熱!
譲らない試合を制し無敗は東海大と青山学院大の2校に


120915HASEGAWATOMONOBU.jpg 代表活動でエースが抜けた青山学院大東海大が今リーグでは好調の筑波大と対戦する今週。1部は最初の山場ともいえる注目の試合を迎え、東海大対筑波大の試合はその期待を裏切らない好勝負となり、最後の最後まで分からない試合となった。リーグ戦ではここ数年うまく力を出せなかった筑波大がリードを得る展開であったこと。そして2名の主力を欠いた東海大がベンチメンバーを含めたチーム一丸でそこから逆転勝利を収めたこと、この2点は大きなポイントと言える。両者それぞれの良さが会場を熱気に包んだ。

 日本大明治大の試合は、明治大のディフェンスの前に日本大は得点ができず、苦しんだ。#19浜田(4年・F)が足を痛めてベンチへ下がると、さらに苦しくなった日本大。明治大はベンチメンバー全員出場で2勝目をあげた。

 拓殖大はようやく本来のチームカラーである攻撃的な試合を見せ、日本体育大に勝利。序盤に#94長谷川(4年・SG)の3Pが連続し、#1鈴木(4年・G)、もボールによく反応し、相手のターンオーバーを誘った。途中手詰まりになる場面もあったが、途中出場の#15大垣(2年・SF)が機動力あるプレーで流れを変えた。日本体育大は優位であった高さを活かしたプレーができず、苦しい連敗となった。

写真:拓殖大・長谷川智伸は5本の3Pで勝利の流れを作った。

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【大東大のラッシュを振り切り専修大が2勝目】
120915SUZUKIYUKI.jpg ここまで1勝止まりの大東文化大専修大の対戦は、終盤にかけてリードを奪い合うシーソーゲームとなった。まずペースに乗ったのは専修大。#9長谷川(4年・F)のインサイドでの得点や、#11宇都(3年・G)の果敢なドライブで早々に2桁得点差を開く。大東大は#14岸本(4年・PG)がタフなディフェンスに苦しみなかなかシュートを打てないものの、#8戸ヶ崎(3年・F)らの得点でどうにかついていく展開に。前半は32−26と、専修大リードで折り返した。

 しかし3Qに入ると、大東大はコート上のメンバーがバランス良く得点していく。専修大は笛にフラストレーションを溜める様子を見せ、集中力が途切れがちに。#30鈴木(3年・SG)の3Pが決まると、大東大は逆転に成功。その後も順調に加点し、7点のリードを得てこのQを終えた。

 だが、4Q開始早々に専修大も立て直して反撃を図る。#22樋口(4年・F)がオフェンスリバウンドを制してシュートを決め、#33館山(4年・G)が得意の3Pを沈めるなどして僅か1分半で同点に追いつく。大東大は#24張(4年・C)の奮闘もあって逃げ切りを図るが、専修大に速攻を許して突き放せない。専修大は#33館山が3ショットのフリースローを全て揃えると再び同点とし、#11宇都の3点プレイで逆転。相手のファウルで得たフリースローを決めてリードを広げ、最終盤のこの局面で得意のディフェンスを固めて大東大にシュートを決めさせず、68−65でもつれた試合を制した。

 専修大は連敗を3で止めた。粘りながらも敗れるパターンが続いていただけに、この日の勝利が浮上へのきっかけになるかもしれない。一方、大東大は4連敗。スコアラーである岸本はマークが厳しく、自由にプレーはできない。しかし鈴木、戸ケ崎らも良い部分が見え始めている。今以上の周囲のメンバーの奮起を待ちたい。

専修大:2勝3敗
大東文化大:1勝4敗

写真:敗れはしたものの、大東大は#30鈴木は積極的に攻め、シュートが好調だった。

※専修大・長谷川選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【注目の全勝対決は逆転で東海大に軍配】
120915TOKAI.jpg この日注目を集めたのが、4連勝同士の東海大筑波大の対戦だった。#24田中(3年・SF)が代表チーム招集でチームを離れ、#21橋本(1年・C・宇都宮工)は故障により欠場となった東海大に対し、筑波大はベストの布陣。試合は終了のブザーが鳴るまで勝負の行方の分からない白熱した展開となった。

 序盤はほぼイーブンの展開となった。東海大はコートに立つ5人がバランス良く得点していくのに対し、筑波大は#21笹山(2年・PG)や#32武藤(3年・C)のアウトサイドが好調で、1Qは19—16で筑波大が僅かにリードを得た形となった。すると2Qに東海大が入ってギアを入れ替える。#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)の3Pを皮切りに、#23佐藤(3年・PF)、#14山田(4年・C)といったベンチメンバーの活躍で筑波大を引き離す。これに対し、筑波大もすかさず対応を見せる。#6西村(3年・PG)、#34池田(3年・SG)のアウトサイドで追い上げ、#21笹山の3Pで逆転に成功。結局筑波大が2点のリードを得て前半を終えた。

 3Qに入っても互いにシュートを決め合う展開が続くが、段々とペースを掴んでいったのは筑波大。#21笹山のアウトサイドが相変わらず好調で、インサイドで#32武藤が得点してリードを広げる。東海大はタイムアウトを使って修正を図るものの、絶対的な高さの無いインサイドで#47砂川(4年・PF)に得点を許し、流れを掴めない。#10バランスキー(2年・PF)が獲得したフリースローを沈めてついていくが、点差を埋められず59−51と筑波大8点リードで4Qを迎える展開となった。

 4Qも5分間は筑波大のペースでゲームが続く。これまで無得点の#50梅津(4年・C)もシュートを決めるなどして、4分過ぎには12点のリードを得て流れを渡さない。しかし、ここから東海大が真骨頂を発揮する。残り5分38秒で請求したタイムアウト明けから、#33狩野(4年・SG)の2本の3P、#7晴山(2年・PF)のペイントエリアの得点で点差を詰める。筑波大は、4分間で僅か2得点とブレーキ。対照的に完全に流れを呼び込んだ東海大は、#51須田(3年・SG)が残り3分を切って値千金の2連続3Pを決めて逆転に成功。筑波大も#32武藤が3Pを決め返すが、#10バランスキーの3点プレーが飛び出し、9.3秒を残して東海大が2点リード。筑波大は残り僅かな時間に賭けるが、スローインでボールを受けた#76星野(4年・SF)が僅かにサイドラインを踏み越すミスが出てしまう。相手のスローインとなったボールをカットするのに成功するが、星野の3Pは外れて万事休す。このまま試合が終了し、東海大が78—76逆転勝利を収めた。

 東海大はこれで無傷の5連勝となった。下級生が多く、試合運びに拙さを感じさせる部分もあるが、この日は勝負どころで#33狩野、#51須田といった上級生が大事な3Pを沈めていった。スタメンには#31高山(4年・PF)を起用し、#14山田(4年・C)、#23佐藤(3年・PF)、#12梅林(3年・C)らも仕事を果たした。まさに全員で勝ち取った試合と言える。田中と橋本の不在は大きいが、現行のメンバーでどこまでチーム力を高められるか。

 リーグ戦初黒星となった筑波大は#14坂東(2年・SG)が武器の3Pをなかなか打つことが出来なかったが、#21笹山のシュートが好調で、7本の3Pを入れ、流れを掴んでいた時間帯は東海大よりも長かった。この日得た収穫と課題をいかに有意に消化し、次の青学大戦に臨むのかに注目したい。

東海大:5勝0敗
筑波大:4勝1敗

写真:東海大は、ベンチメンバーも一体になって筑波大を撃破した。

※東海大・バランスキー選手、須田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【強みを活かした青学大が早稲田大を圧倒】
120915KOBAYASHI.jpg 全勝の青山学院大は3勝で後を追う早稲田大と対戦。東海大の橋本の怪我により、急遽#25永吉(3年・C)が代表に招集されるという状況での試合になったが、それでも代表候補3名がいないのは夏から経験済み。#8張本(3年・SF)を中心に足を使ったゲームで点を稼いだ。

 1Q、早稲田大は立ち上がりでミスもあり9点差と出遅れるが2Qになり#8玉井(3年・G)の速攻などで3点差にまで詰めた。しかし青学大は#8張本がゴール下の豪快なプレーでバスケットカウントを連発。再び得点差を開く。3Qに入ると夏は意識して取り組んできたトランジションから速攻を連発。高さでも優位に立ってリバウンドを支配し、ゾーンで早稲田大の勢いを止めると一時は30点差近く差をつけた。早稲田大は4Qで#6大塚(4年・G)や#21河上(3年・F)の働きで点差を詰めるが、88-67で試合終了となった。

 青学大は代表活動でビッグマンたちがいない間、サイズ面の小ささ、2ガードの強みを生かすためのフルコートの練習を積んできている。この日は高さもさることながら青学大の代名詞のひとつでもあるトランジションで次々と早稲田大ネットを揺らした。大塚−玉井の高速ホットラインなど、トランジションという意味では負けていない早稲田大だが、リバウンド、ゾーンを効果的に破れず、大きく水を開けられる展開となった。青学大の日曜の相手は筑波大。長谷川監督も警戒している相手だ。「熱い試合をしないと勝てない」という思いに選手たちは応えられるか。

青山学院大:5勝0敗
早稲田大:3勝2敗

写真:早稲田大・池田をブロックにいく青学大・小林。

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2012.09.09 (Sun)

【2012リーグ1部】9/9レポート

明治大がうれしい1勝目
5〜9位が1勝で横一列に


 1部リーグは序盤戦ながら明暗がくっきりしてきた。全勝は青山学院大東海大、そして筑波大の3校。2戦目から立てなおした早稲田大が1敗で後を追う。しかし5位以下は1勝ないしは0勝と、ほぼ横並びの状態だ。しかし序盤は上位と下位からの対戦になっており、勝敗はさらにここから特徴が出てくるだろう。

 開幕戦黒星から一転して連勝中の早稲田大は、日本体育大との対戦となった。序盤こそ#19中野(3年・SF)に内外からシュートを射抜かれ出遅れるものの、持ち味のチームリバウンドからの速攻が出始めるとすぐにリードを奪った。日体大は早稲田大インサイド陣をファウルトラブルで苦しめ僅差で食い下がったが追いつくまでには至らず、89—80で早稲田大が連勝を3に伸ばした。青山学院大日本大と対戦。1Qから日本大を引き離して91-65の勝利。日本大だけが唯一勝ち星がないまま留まった。

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【明治大が4Qに大東大を引き離して初勝利】
120909MORIYAMA.jpg 1勝の大東文化大と0勝の明治大の対戦は、ロースコアのまま進んだが、4Qでオフェンスが爆発した明治大がリーグ戦1勝目をあげた。

 インサイドには大東大が#43鎌田(4年・C)、明治大が#51皆川(2年・C)とビッグマンの見応えあるマッチアップが見られた。立ち上がりはともにゆるやか。お互いの手の内をはかるようなロースコアな出だしとなった。2Qに入ると#14岸本(4年・PG)の3Pや#43鎌田のバスケットカウントがあってやや大東大がリード。明治大は#16安藤(2年・G)の外の当たりが来ないが、終盤に#22西川(3年・PF)の3Pが入って27-25と大きく離されずに前半を終えた。

 3Qの立ち上がり、#43鎌田がファウルトラブルになり、ベンチへ下がると大東大は苦しくなる。明治大が引き離しにかかるが、大東大はここで#14岸本の3P、バスケットカウントで得点し、逆転。残り4分にはベンチから戻った鎌田もゴール下で奮闘を見せる。しかし明治大も#16安藤の3Pで大東大を逃げさせない。だが残り2分で大東大は#41小山(4年・G)のシュートを始め、岸本、鎌田の得点が続き49-40と10点近いリードを得ることに成功した。

 4Q、明治大はここで#16安藤が覚醒。#12中東(2年・SG)の連続シュートで反撃の口火を切ると、安藤がオフェンスリバウンドからのシュート、スクープショット、ドライブ、3Pと多彩な攻撃で大東大ディフェンスを翻弄。一気に逆転に成功する。残り2分、1点を追う大東大だったが、#16安藤の3Pがこれを4点差に開くと、苦しくなった。#14岸本のオフェンスに期待がかかるが、3Pが入らず逆に最後は#22西川の力強いドライブを決められ、56-64。明治大が試合をひっくり返し、うれしい1勝目を手にした。

 明治大は4Qの安藤の集中力が素晴らしかった。大東大は岸本だけに頼ってはいられない。インサイドで消し合いとなった分、それ以外のところでもう少し得点したい試合だった。

明治大:1勝0敗
大東文化大:1勝0敗

写真:ダンクを決めた明治大・森山。

※ 明治大・安藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【リーグ戦の出足好調の筑波大が4勝目】
120909bando.jpg 3戦無敗と好調の筑波大は、この日も拓殖大を相手に好ゲームを演じた。筑波大は序盤から#21笹山(2年・PG)や#47砂川(4年・PF)の得点で先行。拓殖大は今季の課題である立ち上がりでまたも躓き、追いかける展開を強いられた。筑波大は#14坂東(2年・SG)の連続3Pも飛び出し、49—29と前半は一方的な展開となった。

 しかし、後半になると拓殖大も持ち味の猛ラッシュを見せ始める。プレッシャーをかけてボールを奪い次々とシュートを決めていくと、筑波大はたまらずタイムアウトを請求。だが拓殖大は#1鈴木(4年・PG)が30秒弱の間に7得点を決めるなど、オフェンスの手を緩めない。ところが、要所で良い仕事をしてきた#11佐々木(4年・C)がファウルトラブルに陥ると、勢いが止まってしまった。筑波大は#14坂東を中心に拓殖大のお株を奪うように小気味よくアウトサイドを決めていき、91—71で逃げ切った。

 筑波大はこれで無傷の4連勝。春から好成績を残してきたが、リーグ戦も2009年に1部復帰となってから最高の滑り出しとなった。次週には同じく無敗の東海大、青山学院大との楽しみな対戦が控える。真価が問われるのはここからだ。

 拓殖大は全ての試合で立ち上がりが悪く、ここまで1勝止まりと苦しんでいる。持ち前の爆発力は見せるものの、逆点までには至らずここ2戦はその勢いを相手にかわされてしまっている点が気がかりだ。

筑波大:4勝0敗
拓殖大:1勝3敗

写真:30得点の筑波大#14坂東。拓殖大のお株を奪うシュート力を見せた。


【専修大が食い下がるが東海大が無敗を守る】
120909HIGUTI.jpg #4高橋(4年・G)、#33館山(4年・G)の主力が欠場となった専修大が、東海大に追いすがる展開を見せた。1Qは#11宇都(3年・G)、#3廣島(4年・G)の得点でつなぐ専修大。東海大は#33狩野(4年・SG)が1Qから好調にアウトサイドを決める。専修大は終盤に投入した#77松井(4年・G)の3Pも決まり、17-17で1Qを終えた。2Qもシーソーゲームで推移する。専修大は#22樋口(4年・F)が東海大のディフェンスをかいくぐり、ポストアップ、ドライブ、スローインからのバスケットカウントを奪うなど、得点を牽引。東海大はファウルが続くが、ベンチスタートの#23佐藤(3年・PF)のバスケットカウントなど、チームを乗せるプレーが出てリード。専修大は終盤に得点が止まり39-29の東海大リードで前半を終えた。

 3Q、専修大は出足で#24田代(1年・F・東海大浦安)が爆発。3P2本を含む3連続得点で一気に差を詰めた。しかし再度東海大に離され3Qは59-50と9点差。4Qも専修大が追い上げようとするものの、オフェンス面で決定打を欠いて75-65で東海大が逃げ切った。

 専修大は良いリズムの時間帯もあり、再三東海大に迫ったが、ここぞという時にスコアラーが機能せず得点が止まってしまった。東海大は専修大にディフェンスを破られる場面が目立ったが、リバウンドでは専修大に大きく差をつけ、全員がまんべんなく得点できた試合となった。

東海大:4勝0敗
専修大:1勝3敗

写真:シュートにいく樋口。2m相手のディフェンスをかいくぐる。

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2012.09.08 (Sat)

【2012リーグ1部】9/8レポート

第2週に突入し中位は乱戦
日本体育大は1部リーグ初勝利


 1部リーグは第2週に突入した。無傷の3連勝は青学大・東海大・筑波大の3チーム。また初週で2連敗した3チームの中では日本体育大が初勝利を上げて1歩抜け出し、明治大・日本大は未だ白星を挙げられないままとなった。
 また1Qから好調だった早稲田大は拓殖大に100点ゲームの快勝。1勝2敗で4チームが並び、中位はまだまだ予想のできない状況となっている。上位も下位も、激しい争いはまだ始まったばかりだ。

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【接戦を一歩抜け出したのは筑波大】
120908nishimura.jpg 開始から#51皆川(2年・PF)が攻め気を見せて積極的にインサイドを攻める明治大に対し、筑波大は立ち上がりで躓くものの#47砂川(4年・PF)、#14坂東(2年・SG)が立て続けに3Pを決めて差を縮め、そこからは一進一退の展開が続いた。1Qは12-13とロースコア。続く2Qは、筑波大が攻撃的なディフェンスを仕掛けて相手のミスを誘うが、明治大も要所で#2目(3年・F)が外角のシュートを沈めていき点差が動かない。
 
 30-32で入った後半、筑波大は3Qで#47砂川や#32武藤(3年・C)がファウルトラブルに見舞われ、明治大にとっては大きなチャンスが訪れたが、思うように得点が伸びない。オフェンスリバウンドに絡んで何とか7点のリードを奪うが、この大事な場面で#6西村(3年・PG)に大事な3Pを決められ、再度筑波大が盛り返して42-44で最終Qに入る。

 勝負の分かれ目となったのは、53-50で迎えた4Qラスト約2分間の攻防だった。筑波大は#32武藤のアシストで#21笹山(2年・PG)が得たバスケットカウントで流れを掴み、その後#21笹山が値千金のミドルシュートを決めて残り1分切って7点リード。明治大も#12中東(2年・SG)が3Pで返し、ここからかと思われたが、#21笹山・#32武藤のコンビプレーを止められず、最後は62-56で力尽きた。

 ロースコアな展開となりどちらに勝負が傾くか分からない展開ではあったが、勝負所を筑波大が制した。筑波大は出場した10人が全員得点を挙げ、活躍の場をみんなで分け合った印象。何とか取りこぼしなく3連勝となった。明治大は#12中東・#51皆川が積極的に攻め#2目のアウトサイドも好調だったが、ここぞという場面でのターンオーバーが痛かった。初勝利とはならず、苦しい戦いが続く。

筑波大:3勝0敗
明治大:0勝3敗

写真:筑波大・#6西村も大事なところで仕事を果たした。


【2Q以降盛り返した日体大が大東大を下す】
120908shimizu.jpg 日本体育大は第2戦の怪我でスタメンガードの#11北川(3年・SG)が戦線離脱。控えPGの#1本間(2年・PG)も前日の練習の怪我でこの日は欠場したため、代わりに#16横山(4年・SF)をスターターに据えて本来2番ポジションの#22水沼(4年・SG)が1番ポジションを務める布陣となった。

 立ち上がり、大東文化大が速い展開から易々シュートにつなげていくのに対し、ことごとくシュートがリムに弾かれた日本体育大。開始5分で10-2と先行されたところでたまらずタイムアウトを請求した。徐々に日体大も調子を上げると、最後に#88万(1年・C・中部第一)のダンクで締めて22-15で2Qに入る。

 すると2Q、大東大はオフェンスリバウンドを掌握するもそのチャンスを活かしきれず5分間以上無得点。その間に日体大が追い上げる形となった。特に途中出場の#13清水(3年・PG)がディフェンスやルーズボールで奮闘し、アンライクスポーツファウルを得るなどチームに勢いをもたらす。大東大も#14岸本(4年・PG)が何とかブザーギリギリに決めて2点ビハインドに留めるが、完全に相手に流れを奪われたQとなった。

 続く後半、日体大は#21熊谷(4年・F)、#22水沼の3Pが決まり、守っても相手の24秒オーバータイムを誘うなど好調。対する大東大も#41小山(4年・G)が得点を引っ張って速攻から#14岸本がバスケットカウントを得るなど見せ場を作るが、なかなか点差が縮まらない。3Q終盤に連続してオフェンスリバウンドを奪う場面も、日体大の高さを前に決めきることができなかった。日体大はリバウンドの部分も4Qには修正し、変則的なディフェンスを仕掛けて大東大のリズムを崩した。大東大は頼みの#14岸本の3Pがリングに嫌われ、追い上げの糸口を掴めず。62-73でタイムアップとなり、日体大が嬉しい1勝目を挙げた。

 大東大は19本ものオフェンスリバウンドを奪ったが、日体大の高さを相手になかなか中で仕事ができず、加えて3Pも31本打って決まったのは3本と、確率が落ちた。白星を献上し、1勝2敗で並んだ。

 日体大は#11北川、#1本間が欠場してPGが不安要素だったが、「チーム一丸となって勝てた」#22水沼。エース#21熊谷も30得点で納得のいく活躍だった。嬉しい1勝目、ここから勢いに乗れるか。

日本体育大:1勝2敗
大東文化大:1勝2敗

写真:ハッスルプレーでチームを盛り上げた日体大・#13清水。

※日本体育大・水沼選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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120908ninomiya.jpg 拓殖大早稲田大の対戦は、序盤から早稲田大がリードを保った。好ディフェンスからの速い展開で1Qから二桁のリードを得る。拓殖大は#11佐々木(4年・C)のシュートで食い下がり、#94長谷川(4年・SF)はこの試合3Pのバスケットカウントを二本奪い会場を盛り上げるが、早稲田大のシュート率がそれを凌駕し続けた。結局拓殖大の爆発力を封じ込めた早稲田大が終始リードを保ち、103-86で勝利。白星を先行させた。

 苦しみながらも2勝して第1週を乗り切った東海大は、この日も日本大相手に前半は競り合う展開を強いられる。だが、後半からは完全にペースを掌握。#10バランスキー(2年・PF)の得点で差を広げると、#33狩野(4年・SG)の2連続3Pで日本大を完全に突き放した。95-56で勝利し、これで無傷の3連勝。これとは対照的に、日本大は3連敗となってしまった。

 専修大との対戦となった青山学院大は、この試合から#8張本(3年・SF)と#25永吉(3年・C)が先発メンバーに名を連ねた。連携面の甘さは見受けられるものの、存在の大きさを感じさせるプレイでチームを牽引し、81-60での勝利に貢献した。

写真:早稲田大は#4二宮が復帰。
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2012.09.02 (Sun)

【2012リーグ1部】9/2レポート

拓殖大を始め逆転勝利が相次いだ2日目
青学・東海・筑波は我慢の戦いなるも2連勝

 
 1部リーグ2日目が終わり、2連勝でトップを走るのは青山学院大、東海大、筑波大の3チームのみとなった。一方日本大、明治大、日本体育大の3チームは、良さを見せながらも2連敗となる苦しい初週に。
 リーグ序盤とあって、立ち上がりの堅さや突き放すべきところで突き放せないなど、どのチームにも反省点が見えた。チームを完成形に近づけるために、2ヶ月間でどう課題を克服していくか。短期間で劇的に変わっていくチームや選手たち個々の成長も、大学バスケットボールリーグの醍醐味の一つだ。

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【終始リードを保った早稲田大が初勝利】
120902kawakami.jpg 第1戦は良さを出せずに黒星発進となった早稲田大だったが、この日は#4高橋(4年・G)が欠場の専修大を相手に終始リードを保った。#6大塚(4年・G)がタクトを揮うオフェンスがリズミカルに機能し、開始5分で14—4と10点のリードを得る。専修大はタイムアウトを挟んで#33館山(4年・G)のペネトレイトで打開を図るが、ファウルで与えたフリースローを次々と決められてしまい、追い上げのきっかけを掴めない。苦しい状況で得点源の#11宇都(3年・G)も積極的に攻めていくが、サイズに劣る早稲田大はチームで掴んだリバウンドからの速攻などで流れを渡さない。前半は42—34の早稲田大リードで終了した。

 後半も早稲田大の優位は変わらない。インサイドでのファウルがかさむ状況になるものの、#8玉井(3年・G)が速攻で先頭を走る活躍を見せて10点程度だった点差を徐々に離していく。だが、連勝でリーグ戦をスタートさせたい専修大も意地を出す。4Qに入り、相手のファウルに乗じて点差を詰めると、#33館山(4年・G)の連続3Pで一時は3点差に迫った。しかし、#21河上(3年・F)や#6大塚といった上級生がこの危ない状況で大事なシュートを決めていった早稲田大の気持ちが上回った。最終的には93—86となり、早稲田大が2戦目でリーグ戦初勝利をモノにした。

 前日はファウルトラブルにも苦しんで完敗だった早稲田大は、この日は好ディフェンスからの速攻という一つの形を見せて勝利を収めた。本来のインサイドの要である#90二宮(3年・C)が欠場中のために、リバウンドで劣る局面は多いが、逆にそこで感じた危機感がプラスの方向に転じるか。

 専修大は、苦しい場面で#11宇都や#33館山頼みになる傾向が見られた。この日は失点も多く、長所であるはずのディフェンスが機能しなかった。昨年は中盤で負けが込み8位。今年は経験の豊富な4年生が多いだけに、そうした不安定さは出したくないところだろう。

早稲田大:1勝1敗
専修大:1勝1敗

写真:早稲田大は#8玉井(写真左)や#21河上(写真右)が得点源として期待される。

※早稲田大・大塚選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【徐々に調子を上げた筑波大が手堅い2勝目】
120902tsukubadai.jpg #14岸本(4年・PG)の3本の3Pもあり、好調なオフェンスを見せた大東文化大は1Q終わって18-10とリード。筑波大は初戦と同様、立ち上がりに足が止まってしまった。だが続く2Q、「セットオフェンスではなく、ディフェンスから速攻というチームスタイルに持ち込もうと意識した」(#21笹山)ことでオフェンスに思い切りの良さが出る。#14坂東(2年・SG)らが次々3Pを沈め、あっという間に逆転。活躍を見せた#47砂川(4年・PF)が3ファウルとなるピンチも、積極的なディフェンスで流れを相手に渡さない。一方の大東大は得意のアウトサイドが決まらず、このQはわずか9得点に終わった。27-35と、筑波大が逆転からリードを広げて後半へ。
 
 3Qも前半でついた差を筑波大が守るが、終盤に大東大は#0有村(4年・PG)が気を吐き連続得点でチームを鼓舞。5点差にとどめて望みを4Qにつなぐと、開始早々#75和田(4年・G)のドライブで3点差。しかしこの苦しい場面で、筑波大は#50梅津(4年・C)が奮闘。幅のある#43鎌田(4年・C)を巧さでかわし、再び点差を押し戻した。勝負強い#21笹山(2年・PG)もトリッキーな1on1でネットを揺らし、最後まで早い展開を出し続けて52-69で逃げ切った。

 筑波大の#21笹山「1本の3Pで流れに乗る怖いチーム」と大東大の爆発力を警戒。集中を切らさず、4Qで再度流れを呼び戻した事は大きい。取りこぼしなく2勝でリーグ戦をスタートさせた。大東大は2Q、4Qと相手に流れを奪われた時間帯で得点がぴたりと止まってしまった。爆発力はあるだけに、悪い時間帯をどう断ち切るかが今後の鍵となりそうだ。

筑波大:2勝0敗
大東文化大:1勝1敗

写真:前半、ブザー後に得た#6西村のフリースローを見守る筑波大。「団結」をスローガンに戦う今年のチームは特に雰囲気が良い。

※筑波大・笹山選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【エースの活躍が光った拓殖大が日本大から逆転勝利】
120902sasaki.jpg 第1戦、わずかな差で逆転負けした拓殖大。立ち上がりの悪さが出た試合だったが、2戦目も序盤から相手を追いかける展開を強いられた。1Qこそ同点となったが、対戦相手の日本大は、前日の試合ではシュートを打つ回数の少なかったガード陣が積極的に攻める。#72佐野(1年・G・東山)がルーキーらしからぬ高確率のシュートを沈めていくと、不在の#3石川(4年・G)に代わってチームを鼓舞する役回りの#19浜田(4年・F)が連続3Pを沈めて競り合いから一歩リード。拓殖大は要所で#11佐々木(4年・C)のシュートが決まるものの、#94長谷川(4年・SF)の外の確率が上がらず、3Qを終えて53—67と、ここまでは前日とほぼ同じ展開となった。

 すると、やはり前日同様ここから拓殖大のオフェンスが爆発する。#11佐々木の安定感のあるシュートで差を詰めると、激しいプレスからスティールを量産。#40藤井(3年・SG)や#1鈴木(4年・PG)のレイアップで4点差まで追い上げると、4Q3分に#94長谷川が3Pをバスケットカウントで決め、拓殖大の盛り上がりは最高潮に達す。長谷川はワンスローも決めて、ゲームは振り出しに戻るが、この時点で流れは完全に拓殖大が掌握していた。再びスティールからの速攻を連発して一気に日本大からリードを奪う。日本大は#19浜田の3Pは決まるものの、オフェンスに連動性が無くなり手詰まりに。拓殖大は#94長谷川が3Pを決め続け、結局最後の10分間で35点を荒稼ぎした。スコアは88—81となり、前日とほぼ同じ展開ながら拓殖大は嬉しい初勝利をあげた。

 拓殖大の爆発力が遺憾なく発揮された試合だった。最後は長谷川のアウトサイドで突き放したが、苦しい局面でもシュートを決めていた佐々木らの活躍も大きい。しかし、長谷川自身が語るように、立ち上がりの悪さは大きな課題。この点を修正しなければ、今後も容易く白星を積み重ねていくことは出来ないだろう。

 日本大は、前半はリードするものの、後半に相手に押し切られて敗れるという展開が前日から続いてしまった。ただこの試合では、前日自ら仕掛ける場面の少なかった#72佐野が果敢に攻めて17得点をあげるなど、オフェンスの負担が分散化されてきている。まず一つ勝つことで、浮上の大きなきっかけとなるはず。次週は強豪との対戦が控えるが、果敢に挑んで欲しい。

拓殖大:1勝1敗
日本大:0勝2敗

写真:佐々木が要所でシュートを決めていなければ、拓殖大の逆転勝利は無かっただろう。

※拓殖大・長谷川智伸選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【我慢の展開で東海大が日体大を4Qで逆転】
120902mizunuma.jpg 上位チームからの対戦となる日本体育大は、2戦目は昨年準優勝の東海大に挑んだ。今季から本格的に3番ポジションにコンバートされた#21熊谷(4年・F)が1Q前半に3本の3Pを決めたことが大きく、日体大が序盤から主導権を握る。アウトサイドの落ちない日体大に対し、東海大が5点前後の差を追いかける展開が続いた。#10バランスキー(2年・PF)や#7晴山(2年・PF)の柔らかなシュートで引き離されずに食らい付くと、38-31で入った3Q、我慢し好機を窺っていた東海大が開始から猛チャージ。#10バランスキーがオフェンスリバウンドに何度も飛び込みチームにリズムを生み出すと、#21橋本(1年・CF・宇都宮工)のバスケットカウント獲得もチームを後押しして同点い追いついた。しかしここで日体大は#22水沼(4年・SG)が2本の3Pを決めて逆転はさせない。再度日体大が3点リードして4Qに入る。

 そこからは一進一退の展開に。しかし#51須田(3年・SG)の積極性や#33狩野(4年・SG)の価値ある3Pで勢いづく東海大に対し、日体大はターンオーバーが増え、アウトサイドにもことごとく当たりが来ない。#11北川(3年・SG)が負傷退場となるなど悪い流れが漂い、得点が伸び悩んだ。結局大事な4Qのスコアは10-22。我慢し勝負所で勢いに乗った東海大が、64-73で2勝目を挙げた。
 
 日体大はリードを奪い続ける善戦を見せたが、最後に力尽き初勝利とはならなかった。アウトサイドは要所で決まったものの、東海大の堅い守りを前に#12周(2年・C)が4得点、#88万(1年・C・中部第一)が5得点とインサイド陣が仕事を果たせなかったことが苦しかった。また今季はポイントガードとして活躍が期待された#11北川の怪我の具合も、今後のチーム状況に影響しそうだ。

 東海大は2連勝で初週を終えた。しかし得点が止まって相手に主導権を握られる時間帯も長く、危ない勝利だったとも言える。課題が浮き彫りになった試合展開に、試合後#18和田「まだみんな遠慮してしまう部分がある」と反省。今後試合を重ねていく中で修正し、完成度を高めたい。

東海大学:2勝0敗
日本体育大学:0勝2敗

写真:日体大は今年スターターを勝ち取った#22水沼のシュートにも期待。

※東海大・和田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【粘る明治大を青学大が振り切る】
120902hatakeyama.jpg 主力を温存して初戦を勝利した青学大の2戦目は、明治大の挑戦を受けた。序盤は#32畠山(3年・PG)、#3小林(3年・PG)の両ガードが果敢に攻め、イーブンの展開に持ち込むが、徐々に手詰まりに陥る。明治大#16安藤(2年・PG)のスピーディーなオフェンスを前に、徐々に点差を離されていった。

 青学大は状況打開のため、代表活動のためチームを離れ、初戦は欠場していた#25永吉(3年・C)、#8張本(3年・SF)を途中からコートに送り出す。連携面での不安はあったが、#8張本のバスケットカウントで流れを呼び込んだ。青学大は#8張本、#25永吉に続き、後半からは#56比江島(4年・SF)も投入し、リードを開く。

 明治大は4Qに#2目(3年・F)や#50伊澤(1年・PF・愛産大工)がシュートを決めていき、ディフェンスでも相手のオフェンスファウルや24秒オーバータイムを誘って残り3分半には5点差を縮めて食らいつく。しかし青学大は落ち着いて要所で得たフリースローを確実に沈めていった。結局66—58で、内容はいまいちながら青学大が明治大を振り切りタイムアップ。明治大は苦しい戦いが続くが、若いチームだけに伸び代は大きいはずだ。塚本監督「今年は覚醒の年にしたい」と選手たちの開花を待つ。

青山学院大:2勝0敗
明治大:0勝2敗

写真:青学大はリーグ戦から#32畠山が復帰。ハッスルプレーでチームを引っ張る。

テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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2012.09.01 (Sat)

【2012リーグ1部】9/1レポート

リーグ戦が開幕!
頂点を狙い各部で熱い戦いがスタート


 丸々2ヶ月にわたる長いリーグ戦が開幕した。一発必勝のトーナメント戦と異なり、18試合で勝敗を決めるこの戦いは、夏の間の研鑽が問われる。今年は8月のジョーンズカップに学生からA代表が5名選出されたこともあり、こうした選手を抱える優勝候補の青山学院大、東海大はほぼ温存という形を取った。だが影響はそこまで大きくなく、両チームとも勝利を収め、まずまずのスタートを切った。

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【後半に猛攻の筑波大が逆転で開幕戦勝利】
120901SANO.jpg 一部リーグ初日のオープニングゲームは、筑波大日本大による対戦となった。春シーズンは充実を見せベストメンバーを揃えた筑波大に対し、春に思うような結果を残せなかった日本大は、リーグ開幕を前にチームの中心である#3石川(4年・G)が負傷で戦列から離脱。実戦経験の乏しい#72佐野(1年・G・東山)をスタメンガードに据えた。

 それでも前半、先行したのは3Pラッシュを見せた日本大だった。#19浜田(4年・F)が3連続で決めて抜け出すと、#11飛田(3年・SG)も2本沈めて1Qだけで9点のリードを得る。筑波大は#47砂川(4年・PF)が気を吐き得点を重ねるが、#19浜田のシュートが好調だった日本大が34—27とリードをキープしたまま前半を終える。

 しかし、後半に入ると様相が一変。#50梅津(4年・C)や#32武藤(3年・C)もインサイドで得点。主将の#76星野(4年・SF)は得意のアウトサイドシュートを沈めていき、筑波大は一気に逆転に成功。最後はベンチの下級生も使う余裕も見せて79—63で勝利し、初日を飾った。

 筑波大は出だしで躓いたものの、相手の得点源である浜田や飛田をタイトなディフェンスで抑えると、オフェンスのリズムも活性化。順調に加点していき、終わってみれば無難な白星発進となった。

 一方日本大は石川の不在が響き、前半はリードしたものの最後は二桁点差で敗れた。コート上では浜田が積極的に声を出しイニシアティブを取っているが、飛田とともにこの二人が抑えられるとオフェンスが停滞してしまった。

筑波大:1勝0敗
日本大:0勝1敗

写真:石川に代わってスタメンとなったルーキー佐野。主将の穴をどれだけ埋められるか。

※筑波大・星野選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【好調なオフェンスで大東大が1勝目】
120901suzuki.jpg 昨年、1部復帰して期待されたリーグ戦では序盤に敗戦が続き、結果的には4位となったものの苦しさを味わった大東文化大。そして春は劣勢の中、切羽詰まってからの怒涛のオフェンスで盛り返すというあまり良いとはいえない展開の試合が続いた。リーグ初戦ではこの両方を克服する形の試合を見せた。

 対戦相手の早稲田大は1Qで好調なスタートを切った。#8玉井(3年・G)のスティールから速攻が決まると#15木村(2年・F)の3P、#21河上(3年・F)の2連続シュートもあって快調なオフェンスを重ねる。大東大も#41小山(4年・G)の3Pやスタメンとなった#24張(4年・C)のシュートなどもあって悪くはないが、1Qは早稲田大が20-26とリードした。

 2Qになり、勢いを増したのは大東大。1Qは周囲に回すことに専念していた#14岸本(4年・PG)が自ら仕掛け始め、それに呼応するように#19藤井(4年・SG)や#30鈴木(3年・SG)も良いタッチでシュートを沈めていく。早稲田大はファウルが続きこのQで失速、前半で43-36と差がついた。

 後半も快調に得点する大東大に対し、早稲田大はファウルトラブルに悩まされ、#15木村が退場するなど状況が好転せず94-75で試合終了。大東大が初戦に勝利した。

 夏に意識してきたことのひとつは「オフェンス」だという大東大。昨年のような初戦負けをしないこと、春のように岸本だけに頼り切らないオフェンスを全員が心がけること、という2点をしっかり表現。出場した選手全員が得点する理想的な試合でリーグ初戦を制した。これに気をよくして「油断しないこと」が大事だろう。

 早稲田大はサイズ的にインサイドで苦労したが、ファウルトラブルも響いた。#90二宮が早慶戦以降欠場しており、ゴール下の厚みには欠ける状態にある。今いるメンバーでどう戦っていくか、問われる2ヶ月になる。

大東文化大:1勝0敗
早稲田大:0勝1敗

写真:ベンチスタートで小気味よくシュートを決めた鈴木。#0有村らBチームからの昇格選手も活躍。

※大東文化大・岸本選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【専修大が拓殖大の猛ラッシュを振り切る】
120901tateyama.jpg 拓殖大専修大の試合は、ほとんどの時間で専修大ペースとなった。#11宇都(3年・G)の連続得点で早々に抜け出すと、磨きをかけているタイトなディフェンスで拓殖大に得意の3Pを打たせない。宇都は得点だけでなく周囲を活かすプレーも存分に発揮し、専修大は3Qを終わって54—35とリード。勝負はほぼ決したかに見えた。

 しかし、ここから拓殖大が持ち前の爆発力を発揮する。一時は負傷でベンチへ下がった#94長谷川智伸(4年・SF)が3Pの確率を上げていくと、#11佐々木(4年・C)も内外で得点を重ねていき一気に点差を縮めていく。残り3分で#94長谷川智伸の3Pが決まると、拓殖大のビハインドは僅か2点となった。専修大はタイムアウトで修正を図るが、#40藤井(3年・SG)にレイアップを許して遂に同点に。専修大は、周囲を活かすプレーを見せていた#11宇都がこの場面は自ら得点していくが、その都度#94長谷川智伸に3Pを決め返されてしまう。だが拓殖大は最後に2点リードの状況となって得たフリースローを#1鈴木(4年・PG)が2本とも落してしまう。専修大は急いでボールを回してフロントに控えていた#33館山(4年・G)にこれを預ける。館山は迷い無く3Pを打つと見事にこれを沈めタイムアップ。70—69で逆転し、専修大が辛くも勝利を収めた。

 昨年は入れ替え戦も経験した専修大だが、近年力点を置いているディフェンスは向上し、この試合ではオフェンスのバリエーションも見せた。最後の10分間で冷や汗をかいたが、逆転での勝利。

 拓殖大は自慢の爆発力は発揮したものの、結局勝利に結びつけることは出来ず、手痛いスタートとなった。それでも、こちらも得たものは小さくないはずである。しっかりリセットし、次戦に備えたいところだ。

専修大:1勝0敗
拓殖大:0勝1敗

写真:最後の3Pを決めた館山。さすがの1本だった。

※専修大・高橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【ロースコアな展開を我慢の展開で東海大が制す】
120901saaka.jpg #24田中(3年・SF)、#21橋本(1年・C・宇都宮工)の両名が代表活動で8月は不在だった東海大。14日から始まるアジア杯に選出された田中は登録を外れ、それ以外のメンバーでリーグ戦をスタートさせた。対するは明治大。東海大はここ数年苦戦を強いられている相手でもある。

 試合は非常にロースコアな展開になった。互いに激しいディフェンスで、簡単にオフェンスができず、タフショットが続く。2Qになってもエンジンがかからず、東海大は#33狩野(4年・SG)の当たりが来ない。明治大は1Q終盤に#7森山(3年・G)の2連続でリードすると、2Qは#2目(3年・F)のミドルや#12 中東(2年・SG)の3Pでリードを保ち20-25で前半はリードした。

 我慢を重ねて勝機を見出すのが東海大の展開。2Q後半に#33狩野の3Pで流れが出始め、ディフェンスではゾーンを繰り出し、効果的に明治大のオフェンスを止め始める。3Q残り4分でようやく逆転に成功すると、じわじわと明治大を引き離した。明治大は3Qこそ2点差で終えたが、4Qでは得点ができず50-42で試合終了、東海大が勝利した。

東海大:1勝0敗
明治大:0勝1敗

写真:明治大は目が良い形で3Pを決めた。今年は存在感ある選手として魅せたいところ。

※東海大・狩野選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【青山学院大、3連覇へ向けまず1勝目】
120901KITAGAWA.jpg この夏、3選手(比江島、張本、永吉)がA代表候補となり代表活動に招集されていた青山学院大。夏の間この3名を除く状態で練習を重ね、リーグ初戦は温存する状態で臨んだ。

 青学大はサイズダウンが懸念事項だったが、スタートに名を連ねた主将の#15山崎(4年・SG)がチームの共通課題だった3Pを序盤に一本決めると、終始リードを保った。前半は接戦となるが、日本体育大は高さでは#12周(2年・C)、#88万(1年・C・中部第一)といった2m越えセンターで上回る部分も見せるが、#22水沼(4年・SG)のアウトサイドが来ず、なかなか波に乗れない状態が続いた。僅差で負う展開となるが、青学大が要所で得点。逆転するまでには至らず青山学院大が78—63で勝利。本来のスタメンを3名欠く状態ながら、3連覇に向けてまずまずのスタートを切った。日本体育大は1部復帰の初戦をいい形で飾れず黒星スタート。ここから巻き返したい。

青山学院大:1勝0敗
日本体育大:0勝1敗

写真:日体大で気を吐いたのは北川。彼の活躍も勝敗を左右する。

※青山学院大・山崎選手のインタビューは「続きを読む」へ。

テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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