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2019.05.05 (Sun)

【2019トーナメント】5/5 5位決定戦 日本体育大VS東海大

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日本体育大が終盤に勢いを切らさず逆転勝利で5位
東海大は内外のディフェンスで止めきれず6位


 4位以下の最高位を目指す5位決定戦。短い時間でオフェンスを完結する日本体育大と、昨年の覇者として注目が集まった東海大の戦いは、両チーム合わせて24本の3Pが乱舞するハイスコアリングゲームとなった。

190505tuya.jpg 立ち上がりから東海大は#28津屋(3年・SF)が連続3Pを沈めると、日体大も応酬。#3大浦(4年・PG)、#28井手(2年・PG)の3Pが続く。しかしなおも東海大は#22笹倉(4年・G)、#28津屋のスリーにゴール下へ#86八村(2年・C)へのパスが連続で通り続けて#22笹倉、#11大倉颯太(2年・G)の3Pも決まると10点以上のリードに。これで差がつくかと思いきや、日体大は#50バム(2年・C)、#24土居(3年・SG)の3Pが決まり、互いに譲らないまま27-32。1Qだけで合計10本の3Pが決まる、ハイスコアな立ち上がりとなった。2Q、開始2分で#28井手2本目の3Pが決まると日体大が同点に追いつく。このQはセンターを#21クリスティン(1年・C・東山)にするが、そこで速攻、バスケットカウントを獲得し、さらに#24土居の3Pが決まると一気に日体大がリード。しかし東海大も慌てず#86八村で得点すると終盤には#28津屋の3Pがまたも連続して炸裂し、#0寺嶋(4年・PG)のシュートで45-52と東海大リードで前半終了。

190505ooura.jpg 3Qになっても両者の3P確率は下がらない。インサイドでも決め合い譲らないまま、65-71と点差が縮まらないで4Qへ入り、ここでゲームが動く。日体大は#21クリスティンのオフェンスリバウンド、バスケットカウントなどで追い上げ、#3大浦のシュートで同点に。すかさず東海大も#86八村の3Pが決まって再逆転するが#3大浦が3Pで返すと再び同点にし、譲らないままゲームは終盤へと入っていく。そして、終盤に流れを掴んだのは日体大。残り2分、#3大浦がバスケットカウントを奪い1点のリード。ここから東海大はややオフェンスに焦りが見えてくる。日体大は足を止めず東海大のターンオーバーから速い展開で畳み掛け、さらにはリバウンドも#21クリスティンが支配して3点のリード。1分を切って東海大は残り2度のタイムアウトを使ってオフェンスを組み立てようとするも、形にならない。89-86と日体大が逆転で6位の座を獲得した。

 シュートが決まったことでハイスコア展開となったが、これは日体大のペースにほかならず、陸川監督もそれを認めた。日体大は「前の試合で調子が良かった」(藤田監督)というクリスティンを多めに起用したが、これが当たった。走り続け、攻め続けた大浦を起点に持ち味を存分に出しての見事な勝利となった。

 東海大は今大会直前に怪我人が続き、大会中に西田も負傷してしまった。ただ、代わってスタメンに入った津屋が最終日は3P6本、20点の活躍を見せたのは一つの収穫でもある。春は代表合宿や特別指定選手の不在、怪我があってチーム固めに使えた時間は短い。次は秋シーズンとなるが、ここで王者らしい力を見せてもらいたい。

写真上:最終戦では高確率の3Pを次々に沈めた東海大・津屋。
写真下:今季は司令塔の役割も兼任してプレーする大浦。最後まで運動量が落ちず、攻め続ける姿勢で相手の勢いをそいでいく。

※日本体育大・井手選手、東海大・寺嶋選手、平岩選手、大倉颯太選手のインタビューは「続きを読む」へ。



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【INTERVIEW】

「頑張ってきたことが出てきている」
オフの間に積み重ねた努力の成果を実感

◆#28井手拓実(日本体育大・2年・PG)
190505ide2.jpg昨年卒業した兄、井手優希に代わり今季から1番ポジションを務める。オフの間にトレーニングを積んだという体は筋肉が付き、1部のフィジカルでも当たり負けしないプレーができるようになってきた。最終戦ではスリーポイントもよく入り、手応えを得られたようだ。次は新人戦が控えるが、昨年は準優勝。アシスト王こそ受賞したが、やはり悔しい表情の方が勝っていた。今年はトーナメントで得た自信を手に、頂点を取りに行く。


―東海に勝って大会を終えました。どんな気持ちですか?
「素直に嬉しいです。5位決定戦ではありましたが、優勝候補の一つで力はとてもあるチームです。だからこれからに向けていい収穫になったと思います」

―立ち上がりからシュートの入れ合いになりましたが、しっかりついていきましたね。
「前の試合の筑波大戦ではそうなったときに離されてしまいました。チームでここで離されずに頑張ってついていけば自分たちの時間が来るとずっと言い続けていたんですが、それがきっちりできたと思います」

―マッチアップが大倉颯太選手(#11)で、少し大きな相手になりますが。
「自分がディフェンスになるとミスマッチでそこをつかれると思いました。どうなるかなと思いましたが、監督には前に入れと言われてそういうディフェンスをして、周りもカバーしてくれていたので、チームで守れたかなと思います。チェックもしっかり行きました」

―途中、少し離された時間帯もありましたが、粘り強く戦って追い上げました。日本体育大はここまでの試合で負けた試合でも追い上げて追いつくという、粘り強さが見えた大会でした。
「それは課題だったので、そういう面は良かったです。チームの力です。ただ、筑波大の試合は追いついたんですけど離されてしまったので、そこをここから修正していく必要があります」

―チームは昨年から継続したスタイルではありますが、とにかく前に走るという姿勢を最後まで貫いていますね。
「自分と大浦さん(#3)でどんどんボールプッシュしていって、フォワードの磯野さん(#5)や土居さん(#24)はパワーがとてもあるので、走って出せば決めてくれます。とにかくそれを心がけてやっています」

190505ide1.jpg―今日の試合中はクリスティン選手(#21)とよく話す場面が見られました。
「ディフェンスの面でクリスとかぶってしまう面が多く、そこでコミュニケーションをしっかり取りつつやっていきました。彼は1年生なのでここから合わせていく感じです。バム(#50)ととても仲がいいので、もっと伸びていってくれると思います」

―今大会、秋を1部リーグで戦うにあたっては良い経験になったのでは。
「負けたのは筑波だけで、大会も勝ち越して終われました。それは良かったことです。次は新人戦もありますが、それは自分が引っ張ってチームとしても自信にしたいし、頑張ります」

―井手選手はお兄さん(昨年度主将・井手優希)のポジションを今年から本格的に努めますね。アドバイスなどは?
「普段からよく話すので特別何か言ってもらったということはないのですが、最初は兄と比べられるかなという不安もありました。でももう今日勝ったので大丈夫です(笑)」

―身体も一回り大きくなりましたね。土居選手が一緒にトレーニングしてきたと言っていました。
「2人で一緒に頑張ってその結果も出たと思います。昨年はインカレでフィジカルが足りなくて、ボールさえもらえませんでした。それがとても悔しくて一から頑張って8キロほどつけました。その成果が出てきて、結構プレーの幅も広がってきています。もっとつけないといけませんが、まずはやってきた甲斐がありました」

―次は新人戦ですね。
「昨年は準優勝だったので、今年は優勝したいです」

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「みんなは自分の背中を見ている」
主将としてチームの士気を高めるプレーを

◆#0寺嶋 良(東海大・4年・主将・PG)
190505terashima1.jpgセカンドユニットを引っ張るのは、今季主将の寺嶋だ。スタメンこそ昨年とは変わりないが、このセカンドメンバーは内田、秋山、鶴田といった選手が抜け、大きく変化している。昨年はこのセカンドが大きな影響力をもたらす試合も少なくなかっただけに、今年も同様の働きでチームを盛り上げられるかは見どころの一つ。さらに主将としては寺嶋がチームをどう牽引するのかが問われる。彼が入るとディフェンスも締まる。チームとして役割の確度をどう上げていくか、秋の成果を楽しみにしたい。


―あまりチーム練習ができていない状態で入った大会だと伺っています。主将としてチーム状況をどう感じていますか?
「昨年とあまりメンバーも変わらず昨年通りという状況ですが、勝てていないということはどこかに甘い部分があったんだと思います。練習も準備もやってきた自覚はありますが、結果になっていないので、これではダメだということです。新人戦はありますが、自分たち上級生は関係がないので、リーグ戦に向けてまた何かを変えていかなければならないと思っています」

―昨年の4年生は試合で長時間プレーはしませんでしたが、チームのことを考えて動いてくれている様子が伺えました。今年はそういう部分はどうなのでしょうか。
「昨年のこの時期は4年生もまだ自分のことに精一杯だったように思います。それをインカレに向かっていく中でチームのことを第一に考えて行動するように変化し、インカレで結実しました。今の4年生もまだ昨年同様、今は自分のことに必死になっているという部分があると思います。ここからもっと4年生としてチームに対して何をすべきか考え、出していかなければいけないと思います」

―セカンドユニットは特に地道な貢献が必要な、大きな役割がある存在ですね。寺嶋選手もここに属します。
「昨日の拓殖大戦は良かったかと思いますが、最終戦の日体大戦は流れが難しかったです。流れが相手にあるとこっちはむしろ勢いを出してやりやすいんですが、今日はチームファウルも溜まっていてギリギリのディフェンスに行きにくく、流れを持ってくるというよりはその流れのままで引き継いで戦ってしまって、持ち味が出ませんでした。そこで変に流れを考えてしまったのはよくなかったです。いつも通りにやるべきでした」

―寺嶋選手、春日選手(#38)は昨年も出ていますし、主将・副将としてチームを引っ張っていかなければなりませんね。
「それは本当に感じています。ここまでの経験もありますから。自分たちが下がると周りも下がってしまう。みんな自分の背中を見ていると思うので、今日みたいな試合をしないよう引っ張らないといけないです」

―今回はどの選手からもチームとして練習をもっとしたいという声が聞かれました。
「それはあります。セカンドメンバーもまだ固定されているとは言えないし、まだみんなその都度変わる役割に対して対応しようと必死です。だからやろうとしていることがしっかり固まっていくのはここからです。新入生は新人戦を経験して底上げとなって欲しいし、自分たちはその力をうまく活かしつつ、インカレに向かっていきたい。昨年もこの大会は6位でした。ここから常に勝つという文化を作り上げて、インカレで勝ちます」

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「練習を積みきれていない悔しさはある」
ここからチームとして目標に向かっていく

◆#25平岩 玄(東海大・4年・C)
190505hiraiwa1.jpg大会前の怪我で初戦の慶應義塾大戦をスキップ。それ以降は出場したが、平岩のみならずスタメンにも怪我が相次いで、最後は6位に終わった。見ていてスムーズにいかない場面が多かったが、それは選手たち自身も感じていたようだ。いつもなら通るパス、しっかり押さえられるディフェンスが、平岩曰く「小さなズレ」で崩れている場面が目立った。個人としての強化、代表としての活動はもちろん重要だが、バスケットはチームスポーツであり、東海大のようにルールが細かく決まっているチームには練習不足が響き、少し苦い春となった。コンディションを整え、ここからの巻き返しに期待だ。


―大会を振り返っていかがですか。
「ディフェンスもオフェンスもうまくいっていないところはあります。監督から求められたことができていない訳ではないんですが、勝ちきるための戦術の遂行という部分で自分でもハイローのミスのような、小さなズレがありました。個人的なところでは頑張っているし、バスケットのベースはありますが、それをチームとしてやりきらなければいけないところができていません。ディフェンスもちゃんと準備はしているし、守り方も決まっていますが、何か少し違うことが起きるとうまくいかなかったです」

―特別指定選手としての活動、代表合宿など春は忙しい中でのチーム作りになりますね。
「昨年よりも特別指定選手としての活動が長く、チームにいない時期が長かったですね。インカレが終わってすぐにアルバルクに行かせてもらって、そこからU22のスプリングキャンプが始まり、戻ってきたところで怪我がありました。だから練習をしっかりやれば大丈夫だという感覚はあるんですが、大会前にチームとして練習を積みきれていないなというのは今大会では感じているところです」

―今大会は東海大の試合はいずれも観客席がいっぱいになりました。期待の大きさが伺えました。
「昨年度のチャンピオンとして注目され、期待されていることはもちろん自覚しています。去年のレベルでちゃんとバスケットをやることが必要だし、それをどうやるかは先輩たちがしっかり教えてくれたと思っています。春はうまくいきませんでしたが、ここから自分たちのレベルを高めて、もがいて試行錯誤して強くなっていきたいと思っています。他のチームだって努力しているし、簡単に考えてはいません」

190505hiraiwa2.jpg―まずは練習をしっかりするということが大事でしょうか。
「まずスタメン5人での練習が必要です。ここが足りていないのでお互いが心地良くないところでやっていました。うちはディフェンスも細かなところまでこだわっているので、ズレがあるとうまくいかない。それを修正したいです。さらにいろんな人を混ぜて、誰が入ってもレベルを保つ練習も必要です。リーグ戦なら毎週試合があるからずっとやり続けていくことで克服できるんですが、短期決戦にも対応できるようにならないといけません。でも自分たちのバスケットをきちんと遂行すれば絶対に勝てるという自信もあります。トーナメントが終わればようやく少し時間ができるので、今の課題をチームで克服していきたいと思います」

―個人的なプレーで言うと、白鴎大戦に負けはしましたが、サイズ差が大きいシェッハ選手(#75)相手にもしっかりアタックしているプレーが印象的でした。
「白鴎大戦は彼としっかりやり会えたのは自分の中ではちょっとだけ嬉しいというか、良かったことかな。今までは留学生のところで顕著にやられた試合も多く、そうなるともう自分のせいですよね。でもアルバルクではアレックス・カーク選手(アルバルク東京#53/213cm)と練習できたし、とてもいい勉強になりました。次に留学生と対峙したときはミスなくアタックして、もっと得点を取れるような、自分のところで勝てるプレーを目指します。課題の多い春でしたが、ここからチームメンバーが揃ってやれるのはとても楽しみです。リーグ戦に向けて頑張ります」
(2019/5/4インタビュー)

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「どんな状況でも勝ちきらないといけない」
強いプライドを持って高みを目指す

◆#11大倉颯太(東海大・2年・G)
190505ookura2.jpg膝に巻かれたテーピングを見れば、本来のようにコートを動き回るのに制約があることは一目瞭然だった。得点面ではチームハイを記録し続け、要所をピシャリと締めるのさすがだったが、無理のない範囲のプレーにとどめている様子が見えた。シーズンインすればバスケットに全霊を傾けるタイプであるだけに、今回は怪我でうまく理想のバスケットを展開できなかったことにもどかしさはあるだろう。次は身体を万全にした上でその成果を披露してもらいたい。


―大会を振り返って、チームと自分の出来についてどのように感じていますか?
「言い訳にはなりますが、僕の状態は80%出せたらいい方でした。それもあって、メンタルの部分がコントロールできていませんでした。いろんな面でセーブしていましたし、流れのままプレーしていたのはあります。自分だけではなく、マインドの部分に関しても身体の部分に関しても、みんながどこかでセーブしてしまっていて、チームとしても準備不足でした。代表メンバーがいない時間があって練習が足りない部分や、怪我が続いてそこを恐れて自分らしさが出せていない部分があったなと個人的には感じます。振り返ってみると他のチームのエナジーに比べてそこが足りなかったのは大きいです」

―コンディションについては他の選手も怪我その他で調整に苦労したようですが、やはりいろんな面で大きく影響を受けてしまったのですね。
「みんながみんな冷静になっていたかというと、そうではなかったですね。チームとしてみんなが同じ方向に向いていなかったことがゲームにも表れていました。それに、相手もうちに対して強いエナジーを持ってやってきているな、というのをスタッツを見ても感じました。それはわかっていることですが、それでも勝ちきらないと東海とは言えません。まだまだです。昨年はリーグ戦の途中にあった天皇杯の一次で黒田電気と戦って負けたときに、今回と似たようなことに気付かされたんです。だから今、春の段階でそれを味わえたことはこの後は上に向かっていけるだけだし、チームとしても意味がある負けだと思います」

―どこか大人しいというか、負けた試合は相手の方がやはり勢いもエナジーもありましたね。
「誰かがやってくれる、という感覚は少しあったと思います。プレシーズンでも日体大とは戦って控えの選手たち主体で勝てていたので。でもそれで危機感が少し足りなかったのかもしれません」

―そういう意味では反省の多い大会でしょうか。
「今回は白鴎大にも日体大にも負けましたが、負けた感覚を味わっているというよりは、自分たちの自滅だという気持ちの方が強いです。だから早く次の練習をしたい、試合をしたいという気持ちでいっぱいです」

―怪我は思った以上に重かったのですか?
「トーナメントは出るか出ないかというぎりぎりのところでしたが、出られました。このあとは日韓の李相佰盃もありますし、なかなか難しかったです」

―その後は新人戦、リーグ戦と続きます。
「チームとしてもBリーグのチームに勝ちたいという目標のためにやっているので、眼の前のことだけではなく、大きく先を見据えてバスケットに取り組んでいかなければなりません。こういう大会で負けているようではぜんぜんダメなので、ここから再び準備して、いつどんなときでも勝てる文化を作っていく必要があります」

―まずはコンディションを整えることが先決だとは思いますが、続く大会でもその意欲をプレーで発揮して欲しいと思います。
「日頃の準備を考えても、これで負けてはいけないと思います。今日も最後は自分のミスで負けてしまったので情けないし、それはもうしないようにという強い気持ちでやっていきます」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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