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2018.05.03 (Thu)

【2018全関】5/3 レポート(準々決勝)

僅差の攻防が続いた準々決勝
大阪学院大が敗れ3連覇ならず


180503TAIDAI.jpg

 ベスト8決定から早3日。全関は場所を東淀川に移し、この日から準々決勝以降の戦いが始まった。今年の関西は有力チームの代替わりが多く、現段階で各校の間の力関係が測りづらい。準々決勝は、大差がついた試合もあれば、ラストまで分からない試合も出た。最終2日間の着地点も、まだまだ読めない状況だ。


 流通科学大大阪体育大のゲームは、開始から互いにハイペースの決め合いとなった。その中から前半終了間際に#18池田(2年・PF)の得点などで大阪体育大が抜け出しに成功。リードを12点としてハーフタイムに入ると、3Qもその勢いは止まらず面白いように加点を続けた。流通科学大も得点が伸び、この試合最終スコアはなんと136−104。大味な感は拭えなかったが、大阪体育大が3年連続準決勝進出となった。

写真:今年も大阪体育大名物の応援団が、試合会場を盛り上げる。

※大阪体育大・伴選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【支柱の活躍で関西大がベスト4に】

 昨年、2部優勝で1部に再昇格した関西大と、長く保ってきた1部からの降格を余儀なくされた天理大。今季立場の対照的な両者の対戦は、終盤まで先の読めない展開が続いた。

180503AKIOKA.jpg 序盤こそ#24佐々木(3年・PG)が得点を重ねて天理大が先行するも、関西大も徐々に立て直す。相手に簡単にはゴールを割らせず、#11森田(4年・PG)の3P、#7河野(3年・C)のドライブなどで1Q終了時にはほぼイーブンに戻した。なおも天理大は#24佐々木が果敢に得点すれば、関西大もベンチからコートに入った#6秋岡(2年・PG)の活躍が光り、お互いに一歩も引かない。互角の展開に終始した前半は、関西大1点リードで終了した。

 迎えた3Q、ここからペースはじわりと関西大に。#11森田、#31梶原(4年・C)の得点が相次ぐ。天理大は単発なオフェンスが目立ち、追いかける状態に。4Qに入り、#0足立(3年・PG)に3Pが飛び出すと、天理大はタイムアウトを請求。ここから攻め気を発揮したのが#3藤澤(2年・PG)。難しいシュートを続け、この時間帯逆にオフェンスの停滞した関西大に迫る。この状況を打破したのは#31梶原。天理大のディフェンスをかいくぐってペイント内での得点を続ける。すると天理大は24秒オーバーが続き、流れを逸してしまった。結局は関西大が62−49として、押し切った格好となった。

写真:交代出場ながら関西大・秋岡は10得点で貢献。

※関西大・梶原選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【近畿大が土壇場で再逆転に成功】

 今季、関西で最注目ルーキーというべき#0パトリック(1年・C・東山)が加わった近畿大。王座奪還が期待される中、この試合では関西学院大がそれを終始苦しめた。

180503MATSUMOTOPATRICK.jpg 関西学院大でパトリックに相対したのは#6松本(2年・PF)。『東山対決』はいきなり松本がドライブで得た2スローを揃えたことでチームに活力を注いだこととなった。近畿大は#0パトリックになかなか良い形でボールが渡らず、#36榎田(2年・PF)、#24今村(3年・PF)のシュートでそれを補完。関西学院大は#74中野(4年・SG)が2本の3Pを決めるなど、立ち上がりは外寄りの攻防が目立った。2Q開始早々には#0パトリックが2つ目を吹かれてベンチに下げざるを得ない。関西学院大は#6松本のみならず#11小西聖也(1年・PG・洛南)も得点し、若いメンバーが近畿大に引かず、リードを保つ。近畿大も戻った#0パトリックのダンクなどでついていき、4点差で前半をまとめた。

 だが後半、この流れを続けたい関西学院大にアクシデント。#6松本が短い間にファウルを重ね、4ファウル目となってしまった。代わって入った#24小西恭平(3年・C)がつなぐ形となり、一旦は#74中野の3Pで一息ついたのもつかの間、#24今村、#36榎田の得点が続く。近畿大もなかなか追い越すまでには至らずも、最後は#30坂口(2年・SG)のレイアップが決まって1点差で残り10分の戦いとなった。ここからしばらくは互いに得点を決め合う。#0パトリックのリバウンドシュートに対し、#6松本もゴール下や#74中野の3ショットで応戦するなど、双方譲らずの状況が続いた。残り約2分で、関西学院大は#6松本の得点が続き大きな4点のリード。勝利を意識する段階に入ったが、その直後に無情にも#6松本に5つ目が宣告されてしまう。チャンスとなった近畿大は、#0パトリックの連続得点で再逆転に成功。関西学院大は僅かな時間帯に、あと一本を決められなかった。最後の最後で糸口をつかんだ近畿大が、72−69で接戦を制した。

写真:互いにファウルが込んだが、松本もパトリックも両者持ち味を発揮。

※近畿大・今村選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【終盤に抜け出し成功の京産大が準決勝進出】

 昨年リーグ優勝の京都産業大と、今大会に3連覇をかける大阪学院大。今季関西で上位争いを演じると目される両者の対戦が、準々決勝で実現した。

180503YOSHII.jpg この試合も前半は互角の内容で推移した。大阪学院大はエース#30木下(4年・PG)が多彩なプレーで次々シュートを決めれば、京産大も#24大庭(3年・SF)、#38リンダー(3年・PF)を中心に食らいつく。2Q序盤に#23サンブ(1年・C・沼津中央)がダンクを沈めて京産大ペースになりかけたが、大阪学院大はゾーンを敷いて対抗。#30木下の連続得点ですぐに盛り返す。大阪学院大#8吉井(2年・SF)、京産大#23サンブが続けざまにダンクを決めるなど、前半から白熱した勝負はハーフタイム時点で38−38と全くの五分となった。

 迎えた3Q、京産大は#24大庭がレイアップ、3Pで多彩なスコアリングセンスを見せれば、大阪学院大は#20橋口(3年・PG)がランニングショットやアウトサイドを決めてゲームの均衡は崩れない。#23サンブの得点で京産大がややリードとなるが、この試合好調の#20橋口が再び決めて手に汗握る攻防は相変わらず続く。勝負のポイントになったのは4Q3分過ぎだった。#24大庭、#3高田(4年・PG)の3Pが決まり、更に#23サンブの得点も出て京産大がぐっと差を開く。ディフェンスでも締め付けを図り、大阪学院大はここに来て伸び悩む。この間に#24大庭が4ファウル目となるなど京産大も最後まで突き放せないが、最終的にはこのラッシュが効いた。最終スコアは74−67。勝負どころで得たリードを死守した形の京産大が、3連覇を目指した大阪学院大を退けた。

写真:豪快なダンクを沈める大阪学院大・吉井。この直後、触発されたように京産大・サンブもダンクを決め、会場を沸かせた。

※京都産業大・高田選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】

「自分の仕事をやっていけば勝てない相手ではない」
芽生えつつある自覚、プレーと声で見せる気持ち

◆#13伴 駿毅(大阪体育大・4年・C)
180503BAN.jpg 年を追うごとにコート上での存在感を増している。昨年はチャレンジマッチでも印象的な活躍を見せ、全国の舞台でも貴重な経験を積んだ。4番ポジションまでのサイズが恵まれているとは言えないチームにあって、なくてはならない存在である。ベスト4進出チームの中では最も無難というべき勝ち上がりの大阪体育大だが、伴もさすがにこの日のディフェンスには納得していない様子。準決勝では、近畿大パトリックにいかに仕事をさせないかがポイントになる。ゴール下からチームを引き締め直す覚悟だ。


—ここまで危なげない勝ち上がりだと感じますが。
「いや、全然ダメですね。チームとしてやろうとしていることがディフェンスからのファーストブレイクですけれど、特に今日は100失点以上で、そんなに取られたことは自分も4年間で経験がないことです。自分たちの形ではないですね。明日は近畿大相手で外国人もいますし、今日のようなゲームをしていては負けてしまうと思っています。全然完成できていません」

—先輩が卒業した穴は感じますか。
「得点面では特にそうですね。今日は山田が稼いでくれましたけれど、自分も取っていかないといけないので。今までは先輩に頼ってきていた部分ですけど、今年はもっと自分が一対一もしないといけないと思っていますし、チームを引っ張っていかないといけないと思っていますけれど、なかなかまだできていないかなと。4回生も多くないので、その中でも4回生の自覚を持ってやっていきたいと思います。高校まではレベルの高い環境にいなかったのでまだまだですけど、声だけは意識しようとしています」

—できていない、とは言っても、以前より頼もしい存在になったと感じますよ。
「自分は先輩や比嘉さんに言われたことはしっかりやろうとしているだけで、自分の力でレベルアップしたわけではないです。ただ今年は自分でもっと考えながらやっていかないと絶対ダメだと思っています。他の人に相談しながらも、自分で考えながらやっていかないといけないと思います」

—明日は近畿大相手です。伴選手の役割が大きいですね。
「そうですね(笑)。2mあってフィジカルもしっかりした相手なので、いかにボールを入れさせないかも大事ですし、とにかくリバウンドをやられないように。失点は仕方ないにしてもリバウンドをやられてファウルトラブルになるのは避けないといけないです。実際にマークするのか分からないですけど、リバウンドやチームの士気を上げる声だったり、自分の仕事をやっていけば勝てない相手ではないと思っています」

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「僕がリバウンドを取らないと周りもやらなくなってしまう」
自分の仕事に徹し勝利を引き寄せる

◆#31梶原聖大(関西大・4年・C)
180503KAJIWARA.jpg ややイージーなミスも散見されたこの日の関西大。梶原自身もリバウンド面に反省をのぞかせるが、最終盤は何度もシュートを押し込み、天理大に引導を渡した。最上級生として迎える今年は、まさしく勝負の年だ。目の前に転がってきたタイトルのチャンスは是が非でも勝ち取りにいく。


—試合を終えて一番に思うことは。
「前半は自分たちのプレーができなかったのは問題でした。それと勝ちを意識するあまりボールに近づき過ぎるプレーをしてしまったなと思います。(気負い過ぎた?)そうですね」

—前半は何が良くなかったと感じていますか。
「ディフェンスリバウンドです。相手がオフェンスリバウンドに飛び込んできているのに、自分たちはポジション負けして相手に取られてしまっているシーンが多かったです。自分たちのオフェンスでは速攻を出さないといけないのに、リバウンドが取れないために速攻を出せない状態になってしまった。そこが前半悪い内容になってしまった原因だと思います」

—前の試合から2日間ありましたが、その中で確認していたことはありますか。
「ディフェンスで、声を出してコミュニケーションを取って守らないと、相手をノーマークにしてしまうので、まず声を出して守るということと、みんなでボールを回していくこと、という感じです。攻め手がなくて森田(#11)の一対一に頼ることではなく、オフェンスの合わせの中で一対一をするように心がけていました」

—そういうことを踏まえて考えると、決して良い内容ではなかった?
「そうですね(苦笑)。勝てましたけれど、ナイスゲームとは言いづらいです」

—それでも最終盤は梶原選手がこぼれ球を押し込む場面が目を引きました。
「ありがとうございます(笑)。そういう気持ちもありますけれど、僕の一番の仕事はリバウンドを取ることで、それを僕がやらないと周りもやらなくなってしまうと思っています。そういう自分がやるべきことを徹底してやりました」

—窪田選手(#21)が万全ではないようですね。
「練習で少し足を痛めてしまって。その分周りがカバーしないといけないです」

—優勝まであと2勝という段階です。
「もちろん優勝が目標ですけれど、まずは一つ一つ勝っていくことが重要です。まだ今は分からないですけど、明日は大阪学院か京産なので、決勝を考えずにその相手にしっかり戦って勝ち切っていきたいと思います」

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「リバウンドを取ってしっかり走るバスケができれば」
メンバーが変わっても、やるべき仕事はこれまでどおりに

◆#24今村拓夢(近畿大・3年・PF)
180503IMAMURA.jpg 登録身長は184センチながら、昨年までは5番ポジションでの起用が基本であった。待ち望んだビッグマンが入学したが、それでも変わらずリバウンドは自分の仕事だという。それだけに、この日相手に何度もオフェンスリバウンドを拾われたのは反省点だと認める。同じ内容を繰り返すようでは、頂点は厳しいだろう。慢心をすることなく、自らの仕事を貫き通したい。


—ほぼ相手がリードしている試合でしたが、反省点はありますか。
「パトリックが入ったことによって、リバウンドは大丈夫だろうという安心感がどこかにあります。周りが取らないことで、相手に外から取られてしまっていた感じです。1、2番はセーフティか、フリースローラインに落ちてきたら取る形で、基本的に3、4、5番が取ることにしているんですけど」

—チームとしてパトリック選手(#0)に対しての約束事もありますよね。
「一応中に張ってリバウンドに、と決めているんですけれど、まだ入ったばかりで、自由にやりたがる部分もあるので(苦笑)。オフェンスは自由にやらせて、ディフェンスはスクリーンに対してのピックに対して、出ていくのか、ダブルチームにいくのかについては言っていますけど、なかなかまだできていないですね。ただ今日のように大事なところで決めてくれるので、少しですけど安心感にもなっています」

—今年やろうとしているバスケットは。
「自分たちの持ち味は走ることで、パトリックのリバウンドからの速攻を出そうとやっています」

—その中で現在の今村選手自身の役割は何でしょうか。
「自分が求められていることはリバウンドと点を取ることなので、そこだけを考えて。ボールをもらったら、一対一やシュートを狙っていこうとしています。もらっていない時はリバウンドに入るように、ですね」

—今日の反省点も踏まえて、残り2日間の意気込みをお願います。
「まずディフェンスをしっかりやること。今日についてはリバウンドが全然だったので、それを取ってしっかり走るバスケができればと思います」

—関西学院大がアグレッシブにリバウンドに絡んでいて、松本選手もパトリック選手にガツガツやっていましたが、コートでも意識されていましたか。
「いきなりドライブしてきて、『きてるなあ』とは思いました(笑)。(松本も)東山の先輩ですしね。そういう意識は持って見ていました」

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「内容も大事だが、勝ちにもこだわっていく」
手探りでも目指すのは頂点

◆#3高田颯斗(京都産業大・4年・主将・PG)
180503TAKADA.jpg 怪我による欠場期間はあったが、1年生の頃からガードのポジションを託されてきた。主将として迎えた今年、ようやく全関での一つの壁を突破。だが、まだまだチーム力は完成状態には遠いようだ。それでも優勝した昨年のリーグ戦から、ほとんど同じメンバーが残っている。対戦相手はどこも打倒・京産を掲げてぶつかってくることになろう。試行錯誤を続けながらも、学生最後の年は関西トップを走り続けられるか。


—試合を振り返って。
「木下(大阪学院大#30)にやられ過ぎたというのもありますけれど、それでも点差は離れていなかったので、粘れた試合はできたかなとは思います。相手に流れを渡さずに、京産のバスケを続けられたことは良かったかなと。最後は大庭(#24)やライアン(#38)だけじゃなく、他の選手でも点が取れていたので、バランス良く点が取れたのが大きかったと思います」

—サンブ選手(#23)や上田選手(#10)が早速試合に絡んでいますが、彼らがもたらしてくれていることは何でしょうか。
「サンブはリバウンドやブロックで貢献してくれていて、上田もディフェンスをしっかりやってくれていて、そういうアブレッシブさがチームに良い影響を与えているかなと思います」

—反省点はありますか。
「シュート力の部分ですね。去年は外のシュートのチームでしたけど、サンブが来て外が入らない形になってしまって。今日はそれが乗れなかった要因ですね。川口は打っても良いところで打たなくなってしまっていて、中に入れれば取ってくれると思っている部分もあるのかもしれません。まだまだチームも出来上がっていなくて、どうしていくのかと考えているような段階です」

—雰囲気はいかがでしょうか。
「正直は良くはないです。例えばサンブが、僕たちの知っているような日本人とは違うこともあるせいか集中が切れてしまうようなことがあって、そういう時に雰囲気も落ちてしまうようなことになってしまいがちです。留学生が入るのが初めてで、みんなどうして良いのか分からず、それでストレスが溜まってしまって」

—今年はキャプテンとしての1年になります。
「ミニと中学でキャプテン経験がありますけれど、全然違います(苦笑)。昔はキャプテンを背負っているという感じではなかったので。3回生もフォローしてくれますけれど、1回生も出ているので、試合中でもみんなを集めてできるだけ話し合うようにしています」

—現状では、結果も大事ながら内容も求めているという感じなのでしょうか。
「いや、内容もそうですけど、勝ちにはこだわっています。インカレもトーナメント制ですし、こういう公式戦でないと分からないこともあるので、そういうことを知って1点でも勝ちきれるように、という考えです。ただ、チーム力がまだないので、それを作り上げようとしていることも確かです」

—今季はここまで戸惑いながらやっている面はないですか。
「それはだいぶありますね(苦笑)。留学生が来て、新しいトレーナーが入って、今年初めてのことが多いんですよ。自分もそれをどうまとめたらいいのかな、と思ってしまっている部分はあります。そういうところが難しいです」

—明日は関西大が相手になります。
「関大は外が強いので、それをまずどう止めるか。それとサンブをどう生かせるかが重要です」
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