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2016.11.22 (Tue)

【2016インカレ】11/22レポート(1回戦)

明治大は天理大をワンゴール差で下し2回戦へ
地方校同士の対戦は新潟経営大、関西学院大が勝利


161122kagawa.jpg インカレ2日目、1回戦6試合は初のインカレに挑む江戸川大、関西リーグ1位の関西学院大などが登場した。関東勢はわずか2点差だった明治大のように追い込まれた試合もあったが、全チームが勝利。また、地方同士の対戦は2回戦への望みも大きいため、互いに熾烈な勝負となり、会場も大きな盛り上がりとなった。新潟経営大は広島大と激しい接戦を繰り広げた上に勝利、関西学院大も関西1位の貫禄を見せて香川大を下した。

写真:終始追う形だったが、ベンチも応援席も一生懸命だった香川大。


161122isikawa.jpg 2部2位、12位でインカレに初出場の江戸川大は、2年ぶりにインカレ出場を決めた愛知学泉大と対戦。1Qから徐々に江戸川大の高さ、オフェンス力が愛知学院大を凌駕したが、愛知学泉大も持ち味であるディフェンス力を発揮して2Qにじりじりと追い上げ、前半は33-28の5点差。後半も愛知学泉大のディフェンスは激しく当たり、シュートでは3Pの確率も上がると、3Qは53-47で食い下がった。しかし、4Qの頭に10点差にされると江戸川大のペースに。ただ、愛知学泉大は最後まであきらめずに執拗なディフェンスを敢行。一桁差で粘りに粘って、最後は退場者も出したが76-67。信条であるディフェンスで、ひたむきに戦い抜いた。一方の江戸川大はインカレ初勝利。2回戦に挑む。

161122tei.jpg 九州3位の日本経済大と関東5位の早稲田大は昨年の1回戦と同じカード。1Q、2Qとも互いに得点が伸びず、早稲田大は残り3分からプレスを開始。ターンオーバーを奪って日本経済大のオフェンスを止めに行く。しかし、自分たちも加点できずに両者20点台で前半を終えるが、後半も得点面では同様の展開。ただ、3Qに10点ほどの差をつけた早稲田大がそれを維持し、日本経済大は4Qも8点から先が縮まらない。終盤はリバウンド争いでファウルが続いてしまってリズムを掴むことは叶わず38-50で試合終了。3P王のガードを欠いてロースコアは計算のうちだったという日本経済大は、早稲田大の得点も止めはしたが、自身も相手の得点を越えることは叶わず幕となった。

 九州2位の鹿屋体育大も、第4シードの専修大に相手に外角が当たった。前半は良い時間帯もあったものの、専修大の高さにやられた。しかし3Qに#17土器手(4年・PF)の3Pの当たりが来て、一気に差を一桁に。専修大もそこから持ち直して再び20点の差をつけると、一気に専修大が駆け抜けた。

161122kimura.jpg また、この日は地方校同士の対戦が2カードあった。北信越1位の新潟経営大と中国1位の広島大は、立ち上がりから点差のつかない激しい接戦。前半を終えて20-21となり、3Qに入っても互いに点を取り合い譲らない。ここまでは広島大の方がやや勢いに勝り、残り4分半に6点のリードに成功。しかし新潟経営大はそこから#13木村(3年・SG)の3Pが連続で沈み、逆転。ここから広島大はオフェンスがうまく展開できず、41-32と新潟経営大リードで3Q終了すると、4Qは勢いのついた新潟経営大が快調に得点して1回戦を突破した。

 もう一つの地方同士のカード、関西1位の関西学院大vs四国1位の香川大は、終始関西学院大がリードして97-66で2回戦に進んだ。

写真上:愛知学泉大は石井の3Pが続けて決まり、後半も踏ん張れた。
写真中:シュートを放つ日本経済大・鄭。若いチームだけに来年に期待。
写真下:新潟経営大はシーソーゲームの中、#13木村の3Pで一気に抜け出し、1回戦突破。

※愛知学泉大・中堀選手、日本経済大・大城選手、鹿屋体育大・野村HCのインタビューは「続きを読む」へ。


◆PICK UP
最後まで激しいデッドヒートはわずかワンゴール差
明治大が天理大の追撃を振り切る


161122saito.jpg 関西2位の天理大は入りがよく、関東9位の明治大に1Qから22-10と差をつけた。明治大は2Qにゾーンを敷き、#2齋藤(3年・PG)の3Pなどもあって追い上げ。天理大は得点がストップして31-29と明治大が一気に差を詰めて前半終了。

 3Q、明治大が逆転に成功するが、今度は天理大がゾーンで明治大を封じにかかり、残り3分にはシーソーゲームに突入。天理大は#56川田(4年・C)がこの時点で4つ、明治大も残り2分に#28今川(2年・SF)が4つのファウルで互いにインサイドの重要選手がコートに不在。3Qは44-47と明治大3点リードとなった。

 4Q、明治大が5点前後のリードを保って試合は進む。譲らない状態が長く続いたが、残り3分、明治大は天理からルーズボールを奪い、リバウンド争いも1本獲得して得点につなげ、8点にまでリードを広げた。しかし天理大もディフェンスで粘って明治大からターンオーバー奪い、#15イーヴィ(4年・C)のインサイドプレーで残り1分を切ってから2点差に迫った。しかし天理大はファウルゲームには出ず、時間を止められたのは残り1.4秒になってから。ここから自分たちのシュートにはつなげられず、明治大が57-59と2点差の辛勝で逃げ切り。天理大は惜しいゲームを落とした。

写真:明治大は2Q、齋藤の3Pも追い上げに一役かった。


「コミュニケーションが何よりも大切」
日本の文化に触れ、天理大を支えたセンター

◆#15イーヴィ ニヨキゼラ(天理大・4年・C)
161122ibis_20161122230240638.jpg

ケニアからの留学生として、日本にやってきたのは4年前。そこから天理大ではなくてはならないインサイド選手として存在してきた。この試合でも終盤の追い上げは、彼の高さと力強さあってこそだ。
日本に来た当初は言葉も分からず、コミュニケーションがうまくいかずに、バスケットもうまくいかなかったことが多かったと言う。しかし、最終学年となるにつれて語学力も上がり、コミュニケーションも改善。自身でも良いと思える状態にまで高めることができた。


―すごく惜しかったですね。
「はい、残念ながら負けました」

―明治大の22番(宮本)などのディフェンスはどうでしたか?
「うちのチームも、明治大学もディフェンスを頑張ったと思います。22番もいいプレーをして、いい勝負でした」

―1Q、チームで22点取りました。
「そうですね。気合が入っていました。緊張もぜんぜんなかったし、この試合は最後まで勝てる試合だと思っていました。僕は関西から来て優勝するつもりでした。でももう関西に帰るしかありません(笑)。残っているチームは頑張って欲しいです」

―相手のゾーンはどうでしたか?
「そんなに難しくはなかったんですけど、ルーズボールやオフェンスリバウンドを、明治大の方が取ったと思うんですけど(ORは天理大4、明治大5)、そういうものに影響されました」

―今年は4回生で最後の年でしたが、どんな1年でしたか?
「今年は1、2、3年のときに比べたら、プレー的に日本人と私のプレーがうまく合ったと思います」

―インカレを見る限り、イーヴィ選手も年々良くなってきた印象です。
「それはやっぱりコミュニケーションのおかげです。うちのチームはそれを大事にしているんですけど、私は1年、2年のときは日本語もあまりできずに、日本人とうまくコミュニケーションを取れなかったんです。でも今年はトークコミュニケーションが取れるようになりました。だからここまで来られました」

161122ibis.jpg―大学から日本に来た訳ですが、慣れないことも多かったのでは。大変だったことは?
「ありましたね。バスケットは国際的なスポーツで、私もケニアでバスケをやっていましたが、日本でも同じようなバスケをしていると思っていました。でも日本に来て環境が変わって、言葉もわからない、日本の文化もわからない状態で、バスケも急に難しくなりました。スポーツと文化って一体とならないといけないけれど、最初は日本人と日本の文化を学ばなければなりませんでした」

―新しい文化に馴染むまでに苦労したんですね。日本に来て良かったことはどんなことですか?
「たくさんあります。18歳で日本に来たので、23歳の今までいろいろな経験をしました。良かったことは自分の人生と自分の生き方に影響があったこと。人生は良くなったと思います。母国にいても同じようにいい経験ができたかもしれないけど、日本が育ててくれてそれはありがたいと思っています」

―後輩にはどういうことを期待しますか?
「天理大学のバスケットのやり方を守ること、それを続けてもっともっとコミュニケーションを徹底することです。それを一番覚えないといけないと思うので、やり続けて欲しいと思います」


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【INTERVIEW】

「基礎の基礎から自分たちのプレーを見つめ直してきた」
2年ぶりの全国の舞台で、持ち味のディフェンスを披露

◆#10中堀純希(愛知学泉大・4年・主将・PG)
161122nakahori.jpg緊張してしまったか、立ち上がりはやや動きも鈍かった。2Q以降は激しいディフェンスを展開して、江戸川大から何度もターンオーバーを奪った。その中で、大きな声で常にチームを鼓舞し続けていたのが中堀だ。アグレッシブに行った分、最後はファウルアウトとなったが、それも覚悟の上のプレー。最後まで食らいつき、粘る愛知学泉大らしいバスケットを全身で体現してくれた。


―最後まであきらめない、愛知学泉大らしい姿勢の見える試合でした。振り返ってみて。
「やはり入りの部分でみんな固くなってしまって、自分たちのリズムに持ってこられませんでした。中盤から終盤にかけては自分たちのやりたいバスケットはできました。外が来なかったというのは大きな敗因ですが、ディフェンスに関しては、来年のチームにつながっていくようなバスケットができたと思います」

―初戦は難しいものですが、入りが悪かったのは緊張などからでしょうか?
「今年のチーム自体、東海のリーグから自分も含めて緊張しいばかりなんです。逆にそれでピリピリした練習もできるんですけど」

―江戸川大の方がサイズはありますが、対戦にあたってはどういう対策や方針でしたか?
「自分たちのサイズがないのはわかっているので、敢えてインサイドを外してフォワードを入れて、スモールラインナップにして、あっちの12番(オウマ)のところを展開展開で1on1で、キックアウトで行けたらいく、と。スモールラインナップで敢えてそこを突いていくことを目指しました。ディフェンスでは厳しくなりますが、フロントに入って全員でリバウンドを取りに行こうと」

―ディフェンスを際どくいく分、ある程度のファウルも覚悟だったんですね。今年は3位で2年ぶりの出場ですが、東海地方も勢力図がだんだん変わっていますね。
「留学生が多くて、その質も上がっているし、その部分でやられてしまうことは多いです。トップの2チームはセネガル人同士でマッチアップして、自分たちは留学生対策に必死で、そこも押さえて周りも抑える我慢のバスケットをしていますね」

―ディフェンスチームとして相当練習していると思いますが、練習はディフェンスメインですか?
「最近はリバウンドから走り込みの練習を増やしていました。昨年インカレ出場が途絶えてからはもう一回自分たちのプレーを見つめ直そうと、本当に基礎の基礎から固めてきました。シューティングの打ち込みもしましたね」

―速攻の場面が多かったのはそういう走る練習の成果でもあるんでしょうか。
「そうでですね」

―これで引退ということになると、どんな4年間でしたか?
「一言で言うとしんどい、ですね。何度も壁にぶち当たりましたけど、そのおかげで、そういうものをどう乗り越えていくのかということを、具体的に学びました。これから先、どんな壁が来ても簡単にはめげないです」

―しんどいのはバスケットの練習が、ということですか?
「練習の質、強度もあるし、朝練のあるときは夜練習して、寝てすぐ起きてまた練習、みたいなことでも鍛えられましたね」

―大学の経験で得られたものもあるのでしょうね。
「自分は、気持ちだけでは絶対に負けないというプライドを持って、高校からやってきました。それを貫けました」

161122nakahori2.jpg―声も最後までよく聞こえました。
「それが持ち味というか、そこで一番貢献できる部分だと思っています」

―後輩たちはこの愛知学泉のスタイルを受け継いでいくことになると思いますが、それ以外にどういうことを頑張って欲しいですか?
「来年のチームもサイズがないので、今日得られたことを来年も生かして、インサイド対策やルーズボール、球際をもっとやりきること、外打ちに頼るんじゃなく、もっと攻めのパターンを増やすことも必要です。でも、来年もいいチームなのであまり心配はしていません。頑張ってくれると思います」

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「1年を通して成長して、後輩もついてきてくれた」
伸び盛りのチームを導き、未来へつなげた最終学年

◆#4大城宏太(日本経済大・4年・主将・PG)
161122oosiro.jpg成長してこられた1年、と振り返った。昨年の1回戦も早稲田大と対戦し、87-38と完敗した。さらに、自身も含め今回試合に出場した半分ほどの選手は出場機会がなかった。それだけに、今年は成長した姿を披露したかったはずだ。
リベンジをかけた一戦、九州3P王の山崎が途中で下がり、得点面の伸びはそこまで期待できないと、ロースコアへ持ち込む展開を選択。自チームは昨年と同じ38点だったが、昨年とほぼメンバーの変わらない早稲田大は50点。昨年から37点もの差を詰めてみせた。心身ともに未熟な下級生の多い若いチームが成長したという1年。今年を土台に来年さらなる成長を遂げてくれると信じ、学生バスケを締めくくった。


―1回戦の相手が昨年と同じ早稲田大でした。それなりの思いがあって挑んだとは思いますが。
「去年以上に戦うことはできたのかなと思います。アクシデントがあって九州の3P王だった選手がいなかったので、それをカバーしきるチーム力がなかったなと思います。得点源を失っていました」

―早稲田大の印象は昨年と違いましたか?
「それは同じでした。関東のリーグでも前からプレッシャーをかけて、サイズがない分、足を使うプレーだったので、イメージは変わりません。去年の、言い方は悪いですが、ボロボロにやられたことも受け止めて、対策、例えばボール運びだとかプレスダウンの動きも練習してきました。それでも最後は捕まっちゃったりしましたが」

―スタメンがニャン選手(#0)ではなく鄭選手(#7)だったのは?
「ニャンが九州リーグ途中に怪我から復帰したんです。そこでつなぎの部分をやっていた鄭と4番のジェイク(#31)のバランスが良くて、そこが外れはないだろうと。後からニャンが来た方が相手も対応しづらいだろうというのがありましたし」

―こちらは得点源を失ってしまいましたが、早稲田大にも点を取らせませんでしたね。
「早稲田大もサイズがないので、リバウンドでシュート本数を増やすというよりターンオーバーでシュート本数を増やすチームでした。そこ(プレス)に引っかからないように丁寧にボール運びをした上で、自分たちはリバウンドが九州では強かったので、リバウンドからシュート本数を増やすことができれば勝ちにつながると思いました。そこを丁寧にする分、ロースコアにはなるだろうなというのはありました」

―自分たちも、そして早稲田大もロースコアに持ち込ませたと。
「ロースコアのゲームの中でどうするか、でしたね」

―でも途中までなんとかついていって、最後まで一桁の点数で粘りました。負けたポイントはどこだと思いますか?
「何個かあります。一番は4Qの残り4分ぐらいに自分がフリースローを2本落としてしまいました。あれが入っていれば6点差だったんですよね。気持ち的にもだいぶ変わっていたのかなと思います。早稲田大にもプレッシャーを与えることができたと思うし」

―4Qは8点差からなかなか詰まりませんでしたからね…。今年は3年生以下の多い若いチームで、4年生もそこまで多くコートに立たないチームですよね。この1年はどうでしたか?
「1年間、去年インカレで負けてからの期間は本当に“若い”という感じだったんです。審判にも文句を言うし、自分たちのプレーが悪くなったらコートの中でもしゃべれないし、自分たちも一番上の学年だけど、試合に絡む選手は少ないのであまり言えない状態でした。 “何もない”チームです。負けても何も残らないんです。それをこの1年間通して、自分たち4年は試合に出ているときも出てないときも、プレー以外でも、最後だし本当に試合に勝ちたいという姿勢を見せ続けました。それで次第に後輩たちについてきてもらえるようになりました。今日の試合なんかは、自分たちが声を出す前に後輩たちが声を出してくれて、本当についてきてくれるようになりました。1年間を通して、すごく心の部分で成長したチームだったと思います」

―これを土台に、きっと来年もっと成長しますね。
「そうですね。来年は本当に強いと思います」

―日本経済大は近年インカレに出場し始めたチームですが、全国大会で戦うんだぞ、というプライドを常に持ちながらやれているのでしょうか。
「去年大会が終わったあとも、“九州でファウルを吹かれても、全国ではこれはファウルじゃないよ”、みたいなことを自分たちでイメージしながらプレーはもちろん、手の使い方、ハードにやること、なんかは追求していました。練習試合をするよりも、チーム内でゲームをした方がハードになるようなイメージですね」

―地方にいても、なるべく意識しながらやっているんですね。なかなか個性豊かなメンバーが揃いますが、普段はどういう雰囲気なんでしょうか?
「楽しいですよ。仲はいいです。4年生と1年生もある程度の節度や尊敬はありながら、ふざけ合ったりするので。自分たちは人数が多いチームなので、それができるだろうなと思ったし、そういうチームにしたいなと思っていました」

161122oosiro2.jpg―九州リーグは3位でしたが、その反省と来年に向けての後輩への思いを。
「今年もリーグ戦中にどんどん成長していけたチームなんですよ。リーグの最終戦で東海大九州の全勝を止めたのもうちなので。この、成長していったイメージをずっと持っていて欲しいですね。例えば、一旦大会なんかが終わって、次の壁が来てから頑張り始めるんじゃなくて、常に上を見て取り組むことですね。今日のような試合を踏まえて、自分たちは“ああいうゲームをした、自分たちはできるんだ”と思った上で、“まだ足りない部分がある”、ともっと貪欲になっていってくれれば、もっといいチームになるはずです。素質は負けていないと思うので」

―そういう意味では先が楽しみです。これでご自身は引退となりますね。大学の4年間で得られたものは何ですか?
「寂しいですけど…僕のバスケット人生はこれで終わりですね。得られたものは多すぎて一番ってなんだろうと思うんですけど。でもベタだけど、今の仲間に会えたことが一番じゃないですかね。監督、スタッフ、後輩、先輩たちも含めて。出会った人のおかげで自分もすごく成長できたと思います。大学に入ってきた当初は茶髪でピアスだったんですけど(笑)。でも今は学校でも成績優秀者になるぐらい真面目になりました。多くを得られた4年間でした」

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学生ながらヘッドコーチを務めた1年目は
「4年生が意地を出してやってくれた」と同世代に感謝

◆野村慧介ヘッドコーチ(鹿屋体育大・4年)
161122nomura.jpg学生主体の鹿屋体育大は、学生コーチがヘッドコーチを務める。野村HCも今年からチームを指揮してきた。同世代だから言えること、同世代だから反感を持たれることは往々にある。その状態をうまくコントロールするのに努めた様子が伺えるが、4年生がそれに応えるように頑張ってくれたことも、インカレ出場を手にできた理由だ。
あと1年、ヘッドコーチを務める。経験を積んだ2年目にどのようなチームを作り上げるのか楽しみであり、また代々木のコートで会えることを祈る。


―インカレは久しぶりでしたね。
「僕たちが1年の時以来になります。次の代で2部に落ちて、去年は1点差でインカレを逃して、今年ようやく来られました」

―ヘッドコーチとしてはどういうチーム作りをしてきましたか?
「体が小さいので、ディフェンスからのブレイクにこだわってやってきました。それに加えて、やはり選手の実践を一番大事にしています。学生主体でやっているので、何かをしろと上から指示してもそこは難しい部分があります。だから選手自ら動くことによって、チームとして良くなるのかなと。そうさせるように意識しています」

―それはうまくそういう風に持っていけるのでしょうか?
「同じ学年の選手を教えているので、まずキツく言わないことですね。キツく言うときもありますが、選手自身が気付いて、選手自身が言い合える関係を築けるのが一番強い集団だと思います。僕は言うとことは言う、言わないところは一歩退くという形をとっています」

―今年は2位でリーグ通過でしたが、何が良かったですか?
「やっぱり4年生の力だなと。特に九州リーグは4チームが2、3位争いをするという状況でした。そういう競った場面で意地を出してやってくれたのが4年生でした。僕は同じ学年ですけど、感謝しています」

―今日は専修大相手で大きかったですが、シュートがよく決まって追い上げた時間帯もあり、見せられた部分もあったのでは?
「そうですね。専修大が大きくてリバウンド対策はしてきたんですけど、それを上回る強さでした。自分たちのスタイルとしては1対1をして、寄ったら外に出して外を決めていく形です。それをできたのは、小さいチームでもやれると少し見せられたと思います」

―1年間のヘッドコーチだと時間的には足りない部分もありませんか?
「目先のこともわからず、毎日毎日乗り越えていくというのが今年の僕の取り組みでした。でも来年も大学院に行って、コーチとして鹿屋体育大に残ります。今年の経験を生かして、次はプランを立てながら1年間やっていきたいと思います。そして再来年は次の学生コーチに引き継ぎたいです」

―将来はコーチ業を目指しているんですか?
「そうですね。続けていきたいなと。僕は小さいチームで勝つということをモットーにしていて、そういうチームを作ってみたいなと」

―鹿屋体育大は過去にインカレベスト8に導いた福田コーチ(現・Bリーグ仙台アソシエイトヘッドコーチ)が院生で指導されていたほか、指導者を目指す学生が代々コーチを務められていますが、今もつながりがあったりするんでしょうか?
「ああ、この前福田さんに分析の記録はこういうことをしているよ、という見本を送っていただきました。直接は会ってはいないんですが。ほかにもレバンガ北海道にいる上野さん(上野経雄スカウティングコーチ)であったり、今、洛南高校のアシスタントコーチをしているナガイさんだったりとつながっていて、今日もその人と電話をしたんですが、『頑張ってください』と言葉をいただきました」

―鹿屋体育大出身の方がいろんなところで活躍しているんですね。来年はどういうチームにしたいなと思っていますか。
「ディフェンスからブレイクというスタイルは変わりませんが、その手法というのはまた変わってくると思うので、そこを見て欲しいですね。今年は4年生が頑張ってくれましたが、ごっそり抜けるので、次はまた違った鹿屋体育大を見せられると思います」

―楽しみにしています。ありがとうございました。



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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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