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2016.10.30 (Sun)

【2016リーグ2部】10/30 国士館大VS駒澤大(第18戦)

ともにシーズン最終戦となった国士舘大vs駒澤大
最後の瞬間は両チームともにあふれた“笑顔”


161030abe.jpg リーグ最終試合を迎えて、2部中位につける国士舘大駒澤大。両チームとも入替え戦圏外のため、シーズン最終戦であり、4年生にとっては引退試合となった。その戦いは、前半ほぼ互角の戦いを繰り広げた。

 1Q開始早々に#37阿部(2年・SG)、#86下(2年・PG)の連続3Pが飛び出すなど国士舘大が先制。駒澤大もすぐさま#18前田(3年・PG)、#24石井(3年・F)の連続3Pで反撃。その後、#66馬(4年・C)や#12臼井(3年・PF)らインサイド陣へ思うようにパスが出せずにいる国士舘大に対し、#18前田、#17中津(2年・PG)の得点で駒澤大がわずかながらリード。残り1分から#86藤井(4年・PG)の3Pなどで国士舘大が食らい付くと、19-19の同点で2Qへ。

 2Qは果敢にシュートを狙い、オフェンスバウンドでチャンスをつなげるもシュートが決まらない国士舘大。しかし、#88板垣(4年・PF)がフリースローで得点をあげると、#86下、#68藤井も続く。さらに、#88板垣が攻守ともにリバウンドで奮闘。セカンドショットから得たフリースローを決めると、#37阿部がドライブで続き、28-23とすると駒澤大がタイムアウト。駒澤大も#18前田からのアシストを#33髙橋(2年・PF)が決め、3点差にまで詰め寄るが、24秒直前で#37阿部がジャンプシュートをねじ込み、国士舘大が逆転を阻止する。しかし、駒澤大の勢いを止めることはできず、好守を見せて国士舘大の攻撃を防ぐ間に、#18前田のジャンプシュートや#65針生(2年・PF)と#17中津の連携プレーからバスケットカウントを決めるなど、駒澤大が逆転。タイムアウトを請求した国士舘大は、#86下の3Pや#33岡野(2年・F)のテイクチャージなどで残り1分半から立て直し、36-34と国士舘大が2点リードで前半を終えた。

161030maeda.jpg 後半立ち上がり、ミスが続く国士舘大に対し、#65針生のジャンプシュートで36-36と早々に同点に追いついた駒澤大が流れを掴むかと思われた。しかし、駒澤大がその後6分間ノーゴール。その間に、インサイド陣を起点に攻撃を展開する国士舘大。#12臼井と#66馬の合わせなどから、42-36とリードを広げる。駒澤大はタイムアウトを請求し、立て直しを図るも、国士舘大インサイド陣に追加点を許してしまい、50-40と2桁差に。さらに2部リバウンド王に輝いた#66馬がオフェンスリバウンドでチャンスを繋ぐ活躍で、54-42と国士舘大が差を広げて、最後の10分間へ。

 このままでは終わらない駒澤大。開始1分半で#65針生のドライブ、#18前田の3Pが決まり、54-47で国士舘大がタイムアウト。今度は国士舘大が反撃し、#37阿部、#86下らアウトサイド陣の得点で再び引き離す。駒澤大も差を縮めるべく奮闘するが、#66馬や#88板垣ら4年生インサイド陣が気迫あふれるプレーで得点を重ねると、ほぼ勝利は国士舘大が手にする展開に。すると、両チームともに4年生をコートへ。シュートを打つたびに歓声があがるなど、最後は終始笑顔が溢れる空気に包まれ、78-58で国士舘大が勝利を手にした。

161030kokushikan.jpg 国士舘大は、後半に高さとパワーで勝るインサイド陣のプレーが勝機を掴む要因となった。これで、11勝7敗の4位でシーズンを終えたが、2位・江戸川大とは再延長の激戦を展開し、3位・中央大から2勝をあげていることを踏まえれば、1巡目の5敗(2巡目は2敗)がなければ、と思わずにいられない。#66馬、#88板垣らインサイド陣が抜けてしまうことの影響は大きいが、「2部を知っているのは(1年生の時に経験している)4年生だけでした。1年生から3年生までシーズン通して(2部を)経験できたと思うので、来年それを糧にして1部に復帰してくれればいい」(#88板垣)と1部復帰への想いは後輩たちへ託されることに。

161030komazawa.jpg 最後引き離されはしたが、国士舘大にディフェンスから食らいつき、一度は逆転する力も見せた駒澤大。「正直、リーグの中盤で勝てるような試合で負けて入替え戦圏内になった時は本当に苦しかった」(#14川嵜)と国士舘大とは反対に2巡目で1勝しかできず。それでも、最後まで戦い抜いての2部残留は来年につながる。両チームともに、1部との入替戦やインカレの切符を手にすることはできなかったが、主力の多くが3年生以下であるだけに、今季の経験を来年以降の成績につなげていきたい。

写真上:20得点を記録した阿部。下とともに1年生時からプレータイムを獲得。その経験をもって、来季は上級生となって初のシーズンに挑む。
写真上中:開始早々に国士舘大の連続得点で流れた嫌な流れを払拭し、接戦へ持ち込む3Pを決めた前田。チームトップの24得点、5アシストを記録した。
写真下中:4Q終盤、味方のシュートをベンチメンバー全員が立ち上がって見守る国士舘大。
写真下:駒澤大もシュートが決まると、ベンチ総立ちで喜びの表情を見せ、コートは笑顔に包まれた。

※国士舘大・板垣選手、馬選手、駒澤大・川嵜選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

主将として駆け抜けた最終学年を終えた今
「国士舘大に入れたことを誇りに思う」

◆#88板垣翔太(国士舘大・4年・主将・PF)
161030itagaki.jpgプレーのみならず、ベンチからの声援でも幾度となくチームを盛り上げ、貢献してきた板垣。賑やかな国士舘大らしいカラーを体現している選手だが、大学生最後の試合となった最終戦では、4年生として、主将として体を張ったプレーでチームを支える姿を見せてくれた。試合後のミーティングでは、4年生や後輩たちの前で語る際に、思わず涙がこぼれると、その姿にチームが一斉に笑顔。最後の最後までチームを盛り上げ続けた板垣の4年間が幕を閉じた。


―学生最後となる4年目のシーズンはどうでしたか?
「そうですね…やっと終わりました(笑)。全てに関して先輩たちに頼ってきた分、自分たちの代になった時にやらなきゃ、という自覚が一気に出てきて、最後の1年間は責任感が強くなりました。それでも、4年生の人数が少なかったので悩みもありました。試合に出ているのは下級生が多いじゃないですか。そこをどう巻き込んでやっていけるかが、課題でした。それでずっとやってきて、最後はいい形で終われたかなと個人的には思います」

―いい形というのをもう少し具体的にいうと?
「自分はスタートメンバーとしては試合に出ませんが、自分の言ったことに対して、みんなが付いてきてくれる、同じ方向を向いてくれる、そういう時の国士舘はすごく強いと思うんです。自分自身はまだまだだと思っていましたが、僕のリーダーシップに対してみんなが協力してくれたことは感謝しています」

―板垣選手自身にとっては、どんな4年間でしたか?
「試合に出始めたのが最後の1年間でした。後はずっと応援席や傍から見ていることの方が多くて。何とか最後出られてよかった、ベンチに入れて試合に絡めてよかったな、と個人的には思います」

―昨年も苦しいシーズンの中で、途中出場でコートに出てチームを鼓舞する姿を見かけました。
「去年は“チームを盛り上げる”という役に徹していました。ただ楽しくやる、みたいな。それが今年との違いで、試合には出るのは同じですが、責任感が増した1年間でした」

―国士舘大のメンバーを見ると、もっと2部の上位に食い込める結果を残せたのではないかと。だからこそ、おそらく本人たち自身がもっとやれたのに、という想いがあったのではないですか?
「そうですね…正直言うと、3年生以下は2部を経験していませんでした。自分たちが入った年は2部からスタートして1部に昇格したので、2部を知っているのは自分たちの学年だけでした。だから、1部と2部の気持ちの違い、バスケットの違い、そういうのを後輩たちに教える、というのが結構重要でした。1年から3年までシーズン通して(2部を)経験できたと思うので、来年それを糧にして1部に復帰してくれればいいし、実力は全然あると思うし、やっている自分たちもそう感じているし、現に中央大にも2勝できているので。もう技術うんぬんよりも、あとは気持ちの問題だと思います」

―1部と2部での違いを教えないといけないという危機感みたいなものを感じていたのですね。
「そうですね、危機感はありました。経験したと言っても今の4年生で1年生の時に試合に出ていたのは馬(#66)だけで、僕たちは全然出ていなかったので。その中で、4年生の力だったり、勢いだったり、そういうのは2部の方が勝ちに貪欲というのがありますよね。1勝に対するものが。そこらへんが後輩たちに伝えられるかどうか、という不安は最初すごくありました。リーグを戦う前から思っていましたし、むしろシーズン入る前からは今年は戦い方を変えないといけないと意識してやってきました」

―板垣選手自身はどんな主将になろうと思っていましたか?
「今までの上の先輩たちを見てきて、絶対的なリーダーシップがある時は強かったです。だから、まずはそれに自分がなろうと思いました。あとは、チームの心の支えじゃないですけど、なんかあった時に芯が通すところに自分がいたりとか。やはりどうしても2、3年生主体で試合に出ている時はどうしても気持ちにムラが出てしまうことがありますが、そういった時に自分が冷静に落ち着かせたり、逆にモチベーションを上げて行かせるところを行かせたり。自由にやらせるのが“国士舘らしさ”が出るというか、勢いに乗った時は強いので。主将を任された時に、そこを意識しようとやってきました。練習もまずは自分が率先してやって、そうじゃないと人に言えないと思うので、その辺は筋を通してやってきました」

―国士舘大はどんなチームでしたか?
「僕は、国士舘大に入れて本当に誇りに思います。1部とかいろんな大学もありますけど、僕にとっては国士舘大に入れたことが、バスケットにおいても、人間性にしても、いい成長につながったと思うし、逆にあの無法地帯みたいなチームメイトがいたことが、僕自身の性分に合っていたのかなと思います(笑)。すごくいいチームだと思います」

―最後に後輩に向けて一言お願いします。
「誰がキャプテンをやるかはわかりませんが、いい意味で今年通してやってきた良い部分は継続して、あとはその代の色があるし、そいつらのやり方でやれば国士舘は色んな成長の仕方があると思います。今年はたまたま自分中心でやっていただけで、来年は来年でまた違った形になると思うので。来年、臼井くん(#32)がなんとかしれくれますよ(笑)。やる時はやるので。他には、阿部(#37)、下(#86)、岡野(#33)、亮多(#51田中)、あのあたりが中心となって。そこに最終目標として1部にもう1回昇格してほしいです、応援しています」

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国士舘大のインサイドを務め続けた4年間
「あとは後輩たちに任せて応援していきたい」

◆#66馬 浩然(国士舘大・4年・C)
161030ma.jpg入学当初から国士舘大のインサイドを支えた馬。1年生で1部昇格を経験し、3年生ではチームが嚙み合わず、2部降格という浮き沈みのある大学バスケ生活を過ごしてきた。特に3年目は、インカレベスト8に食い込んだことで最後一矢報いるも、チーム全体では苦しむ姿が見られた。迎えた最終学年。その悔しい経験を自身の力に変え、3年生以下が中心のチームをゴール下から支え、さらに1部の選手相手に磨いたプレーやフィジカルで今季は2部リバウンド王を獲得するなど、個人成績でも結果を残した。常に懸命にプレーする姿がもう見られないのは少し寂しいが、最後は涙を見せつつも笑顔で大学バスケを終えた。


―どんな4年間でしたか?
「僕は1年生の時から試合に出ていて、1部-2部入替戦も2回(2013年、2015年)経験しました。正直言うと僕は非常にメンタルが弱くて、それで今までみんなに助けてもらって、1年生の時はタケさん(松島良豪・2013年度卒・現Bリーグレバンガ北海道)がすごくサポートしてくれていて、今でもたまに電話してくれます。昨シーズンは2部降格もありましたが、1年間ずっと雰囲気が暗くて、国士舘らしくプレーもできていなかった。その悪いままで入替え戦に行ってしまい、日大に2敗しました。今年は、僕たち4年生は4人しかいない。その中でどういう風にチームを引っ張っていくのか、みんなで話し合いました。4年生みんなしっかりやったと思うので、後輩たちに後は任せて、OBとして応援していきたいです」

―試合終盤は馬選手や板垣選手(#88)、范選手(#35)といった4年生のインサイド陣にみんながボールを集めていました。身体を張ったポストプレーで何度もゴールを狙う場面が見られましたね。
「普段の練習からもお互いバンバンやっています。僕も1年生の時は体重が79キロしかなくて、それだと(1年生の頃は)2部のインサイドとしては何もできなかった。それが4年生になって、(2部の)リバウンド王(237本)も手に入れたし、4年間頑張ってきました」

―国士舘大はどんなチームでしたか?
「ノリが激しく、粘りが強く、いつもみんな国士舘らしくと言っていますが、やはりそこは自分たちの強みだと思っていて、強い相手に気持ち強くプレーするチームだと思います」

―後輩たちに向けて一言お願いします。
「今、自分たち以外で試合に出ているのは1、2年生がメインです。それで来年、再来年はすごく楽しみにしていて、必ずいい結果が出てくると信じています。練習も頑張ってもらいたいし、それで1部にあがってもらって誇れるチームになっていってほしいです」


161030kokushikan2.jpg
国士舘大集合写真

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後輩たちに何かを残したいという想いで駆け抜けた最終学年
「“楽しかった”その一言につきます」

◆#14川嵜幸祐(駒澤大・4年・主将・F)
161030kawasaki.jpg引退試合となる最終戦は、前日(大東大戦)の負傷により、途中出場。プレータイムも9分26秒にとどまったが、コートに立てば持ち味である美しい3Pを放つ姿が見られた。1年生から駒澤大の中心選手として活躍し、今季は主将も務めてチームを牽引する立場としても駆け抜けた一年だった。春のトーナメントでは自分の活躍よりも“3年生以下に何かを残していきたい”という強い想いを口にしていたが、その言葉通りに来季の2部の舞台を後輩たちに残した。試合を終えた後、「楽しい4年間だった」と笑顔でコートを後にした。


―大学生活最後のリーグ戦はどうでしたか?
「自分は山あり谷ありで…一言でいってしまえば“楽しかった”の一言につきます。去年からのメンバーを見てもらえればわかると思いますが、下級生主体でやっていたので、自分たちが引退しても安心して出て行けると思っています。ただ、4年目は色々自分がやらないといけない、という気持ちが強かったです。今年から2部に上がって、3部に落としちゃいけないというプレッシャーもありますし、いい後輩に恵まれているだけに、意地でも後輩たちを来年も2部でやらせてあげなきゃ、というプレッシャーをずっと感じていて。それを他の同級生と共有できればよかったですが、よく試合に絡んでいるのは自分1人だったので。正直、リーグの中盤で勝てるような試合で負けて入替え戦圏内になった時は本当に苦しかったです。でも、自分たちの手ではないですが、同じ3部からあがってきた順天堂が東洋に勝ってくれたことで(2部残留を)決めることができたから…もう本当に今いろんなプレッシャーから解放されて、安心して出て行けるな、というのが今の一番の感想です」

―駒澤大として今季2部リーグの戦いはどうでしたか?
「もったいない負けが結構ありました。なかには30点差開いて勝った試合もあって、一概には全部が惜しいとは言えないですが、最後自分たちの甘さが出てしまいました。そこは、出ている4年生は自分だけだったので、引っ張り切れなかった負けなのかなと思っています。後輩たちは頑張っていて、できるかぎりのことをしてくれたと思っているので、あと何か1歩足りないというのは自分のところかなと。1年間やってみて、そう思います。スイッチが入るのが遅くて、やばいと思わないとシュートに行かないし、だから全然ダメダメでした。ただ結果的には…2部残留という形を残せたので、よかったです」

―駒澤大はどんなチームでしたか?
「自分が(駒澤大に)入ると決めたきっかけは、先輩たちの練習の雰囲気や関わり合いがすごく楽しかったんです。言いたいことを言えて、フレンドリーで、こういうチームでやれたら4年間退屈しないだろうなと思いました。なので、入部してからはそういうチームカラーを崩さないでやってこられました。今日の試合の最後も、うちらしく、4年生が決めたら盛り上がったりもしたので、駒澤らしく終われました」

―最後に、後輩たちに一言お願いします。
「名ばかりのキャプテンで申し訳なかったです(笑)。勝ちに貢献したのなんて、自分は全然少ないと思っています。結果的には4年生が2部に残留させてあげた、という感じになっていますが、3年生以下も一緒になって残留を決めた経験は絶対来年に活きてくるはずです。練習一つとっても、今年の4年生みたいに何か一つ残せるよう頑張っていってほしいです。とにかく悔いのない4年間でした。本当に楽しかったです。1年目が一番きつくて2部で1勝17敗。2年目は監督が代わったりして、3部じゃ負けたらいけないという状況で(2部昇格をかけた)入替え戦で負けてしまって。最後の方は上り調子でしたが、やっぱり2部は楽しいです。3部は3部で楽しさがありますが、やはり2部は負けるが勝つかが紙一重なので、そういう駆け引きとかも含めて、本当に楽しめた4年間でした!後悔がないと言ったら嘘になりますが、これが自分のできる精一杯です」


161030komazawa2.jpg
駒澤大集合写真


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