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2015.10.04 (Sun)
【2015リーグ1部】10/4レポート(第10戦)
筑波大はホーム2戦目で見事勝利を収める
下位は白鴎大が2勝目を上げ、争いがし烈に
1部リーグは2巡目に入った。大きな変動はない第10戦だったが上位チームでもまったくブレのないチームはなく、全勝も全敗も消えた今年の1部は、まだ先の見えない道を進んでいるような状態が続いている。逆に言えばこの2巡目こそが本番と言えなくもない。ちょっとした差が勝負を分けている現在、それが最後に大きな差になるかもしれない危機感からどこがぬけ出すか。ますます目が離せなくなってきた。
第3試合、法政大と専修大は法政大が前日の試合から立て直して専修大とつかず離れずの試合となるが、専修大が積極的に攻めてシュートを決め、リードを保って69-78で勝利。法政大は#16沼田(4年・C)、#14植村(2年・PG)、#7藤井(3年・SG)が2桁得点で奮闘するが、専修大は#11秋山(2年・PG)を中心にシュートが決まり、リバウンドでも法政大を圧倒した。
第4試合で東海大に挑んだ慶應大は、激しいプレーで最後まで食い下がった。前日の試合で足を痛めた#5大元(4年・G)が大事をとって欠場。しかしその大元を欠いても粘りを見せ、果敢に攻める。簡単には打たせてもらえない状況の中で1Qは慶應大が2点差で追う形とするが、2Qは慶應大のターンオーバーから東海大が余裕を持って次々得点。45-31と差を開いた。しかし一時は大きく点差が離れたものの後半も慶應大が粘りを見せ、#4福元(4年・PG)が3Pを次々沈めると盛り返して点差を一桁にする時間帯も。しかし追いつくまでには至らず88-76で軍配は東海に上がった。
最終の第5戦は、昨日同様筑波大のホームゲーム。この日は国士舘大との対戦になった。筑波大は1Qから23-9と国士舘大に一気に水をあけたが、2Qになると国士舘大も持ち直して点数はここから互角に。1Qのリードが効いた筑波大が終始優位に試合を進めていくが、国士舘大も後半はシュートタッチが良くなり次第に勢いを増していく。追い上げる国士舘大に対して筑波大は10点差前後でリードを保って攻防が続くが、終盤アウトサイドを高確率で#17杉浦(2年・F)次々に沈め、筑波大が国士舘大の息の根を断ち、80-66。ホームで勝利する姿を観客に披露し、ベンチメンバーのほとんどをコートに送り出して、声援に応える形となった。
写真上:司令塔でありながら攻撃も積極的な専修大・秋山。田代がいない分、得点源としても活躍が必要だ。
写真下:福元は3P4本を含む24点6アシスト9リバウンドと奮闘。東海大に一歩も引かないプレーを見せた。
※筑波大・木林選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【GAME REPORT1】
終盤まで粘る青山学院大
しかし拓殖大は#23バンバが42得点の活躍で白星
1巡目を勝ち越して終え、調子を上げてきた青山学院大は、首位・拓殖大と対戦。4Qまで勝負のわからない展開となった。
1Qは互角の展開となり、19-15で拓殖大が4点リード。試合が動いたのは2Qになってからだった。残り7:45で#24安藤(3年・SF)のアシストから#11田中(4年・PF)のシュートが決まった青山学院大だったが、ここから約3分無得点となってしまう。その間、拓殖大は#23バンバ(3年・C)の得点で29-19と10点を開く。中盤は両チーム3Pの応酬となるが、先行したのは拓殖大。青山学院大は前半終了間際に#24安藤が連続得点するが41-30で拓殖大にリードを許し、後半へ。
3Q、先制点は拓殖大#39成田(3年・SG)の3Pだったが、リズムを掴んだのは青山学院大の方だった。#11田中の3Pを皮切りに、#18笠井(4年・PG・主将)のジャンプシュートを含めた5連続得点で11点を奪取。そして残り6:36に#18笠井の3Pで44-44とし、拓殖大を捕える。一方の拓殖大は青山学院大の猛追を前に浮足立ってしまい、思うような試合運びができない。それでも中盤になると#99赤石(4年・PF)と#23バンバが要所で得点を重ね、再びリードを奪う。一方の青山学院大はディフェンスで粘りを見せて食らいついていく。すると残り0.6秒、#8時田(2年・PF)のアシストを受けた#6木田(2年・SF)のシュートがバスケットカウントになる。木田はボーナススローをきっちり沈め、56-57で青山学院大が1点のリードを奪った。
4Qの立ち上がり、青山学院大は#24安藤が連続得点で幸先のいいスタートを切る。しかし、拓殖大は#23バンバが内外角で存在感を発揮。徐々に点差を離していく。なんとか追いすがりたい青山学院大だが、ここまで拓殖大#23バンバに対して好ディフェンスを仕掛けていた#11田中がファウルアウト。更にミスが続いて流れを手放してしまう。そんな青山学院大を尻目に拓殖大は#23バンバが高確率でシュートを沈めていき、完全に主導権を握る。青山学院大は最後まで3Pを狙うも4Q中盤で開いた点差が大きく、81-74で試合終了。再度逆転するまでには至らなかった。
写真上:豪快なダンクを見せた拓殖大・バンバ。勝利にはやはりこの選手の活躍が欠かせない。
写真下:要所でシュートを決めた青山学院大・笠井。田中らとともにアウトサイドの確率も上昇してきている。
※拓殖大・赤石選手のインタビューは「続きを読む」へ。
【GAME REPORT2】
最後まで粘り強く戦った白鴎大が
延長戦の末に明治大を下し2勝目
1勝して調子も上向き傾向の白鴎大と、4勝で中盤を維持する明治大の対戦は、延長戦にもつれ込む戦いになった。
立ち上がりはスローペース。明治大は得点源の#50伊澤(4年・PF)や#32吉川(2年・SG)といった選手が抑えこまれ、白鴎大もシュートが決まらず1Qは14-12の明治大2点リード。2Qになると白鴎大は#13野崎(2年・SG)、#6神里(2年・PG)といったガードの得点が出始めて逆転に成功する。明治大はオフェンスの調子がつかめないままに24-29と白鴎大の5点リードで前半を終えた。
3Qの立ち上がり、明治大は#50伊澤が連続ファウルを取られ3つになってしまい、ベンチへ。白鴎大はこれらで得たフリースローを決めていき、#13野崎や#17小倉(2年・PF)の3Pなども決まって10点以上のリードに成功する。明治大は#2斎藤(2年・PG)の速攻や#28今川(1年・SF・大阪桐蔭)の3Pで持ち直し、終盤得点が停滞した白鴎大から速攻を出すことに成功してなんとか点差を41-46と5点差にして3Qを終了。
4Q、立ち上がりの白鴎大は3P攻勢でこれを沈めていくが、明治大もようやく本領発揮の#50伊澤のシュートに#2斎藤も足を生かした速攻で続き、残り5分で遂に同点に持ち込むと、ここからは互いに取っては取り返す展開に。終盤は互いにミスが続いて勝機を見出すことができず、勝負がつかないまま試合は延長戦へとなだれ込んだ。
延長戦、白鴎大は#18城間(2年・PF)がゴール下で奮起。明治大のディフェンスをかいくぐって得点し、アシスト、フリースローも獲得する活躍。一方の明治大は延長戦開始2分でようやく#50伊澤が初得点。#55吉本(4年・SF)の3Pも決まって反撃に転じたいところだったが、それ以上のオフェンスがうまく続かず白鴎大が逃げ切って72-79で2勝目をあげた。
写真:試合終盤に白鴎大は城間が活躍。
※白鴎大・神里選手のインタビューは「続きを読む」へ。
「自分たちのバスケをすれば勝てる」
首位で折り返し、感じた手ごたえ
◆#99赤石遼介(拓殖大・4年・PF)
苦しい時間帯になると赤石の安定したプレーが光る。高確率で決まるミドルシュート、体を張ったリバウンド。自分の役割をしっかりと心得て、勝負所をきっちりと抑える活躍でチームを支えている。
チームは、1部復帰以来で初めて1位でリーグ戦を折り返す。「良い流れでできている」と語りつつ、追いかけられる難しさを感じている様子。だが、今はチームとして自信を持ってやれているという。この首位の座を守り続けられるのか、ここからさらにプレッシャーのかかる戦いをどう乗り越えるかが見ものだ。
―試合を振り返って。
「我慢しなければいけない時間帯が多くて…。でも、そこをしっかりと耐えて自分たちのバスケットができたのが良かったかなと思います」
―前半はリードを奪って、後半は追いつかれる形になりましたね。どういう差がありましたか?
「後半は自分たちのミスから失点されてしまいました。自分も後半の立ち上がりにミスをしてしまったし…。そういうところで点差がつまったのかなと。あとは、ディフェンスも緩くなっていたのかなと思います」
―そこは気持ちの問題になりますか?
「そうですね。点差離れている、というのがどこかであるのかもしれません。でも、それについては池内さん(監督)から、『最近は3Qの入りが悪いからしっかりやれ』と言われていたのにああいう形になってしまって…。来週までに修正したいと思います」
―この試合に限らずですが、拓殖大の力なら圧倒的に勝てると思える試合でも競ることがありますね。
「1週目あたりは2Qまでトントンで、3Qでバーンと離して、その後またトントンでいくというパターンでした。それは池内さんがグラフで経過を見せてくれて。『我慢するところは我慢をして、あるところで点差を離せば良い』と言われていました。でも、今はそんなに点差が離れない時間帯が多くて…。気持ちの問題なんですかね。流れを掴めていないということもあると思います。ミスが出たり、疲れが出たり…」
―ただ、そういう苦しい場面で仕事をしっかりとしているのが赤石選手だなと感じます。ご自身の調子はいかがですか?
「外のシュートが結構好調で、オフェンスの部分で池内さんにも『いいね』と言われています。それもあって、今は自信を持って打てています。リバウンドも、チームで2番目に背が大きいので、なるべくオフェンスリバウンド絡んで、ディフェンスリバウンドもしっかりとボックスアウトして抑えようと意識しています。バンバ(#23)だけに負担をかけさせてしまうとあんまりよくないので。インサイドを意識して、そこから外をやることを心がけています」
―外のプレーが好調ということで、もっとシュートを打っていきたいなという気持ちも少なからずあるかと思いますが、そうならずにインサイドを頑張るということは、赤石選手自身納得してプレーできている感じなのでしょうか?
「そうですね。自分が中で頑張らないといけない時間帯もあるので。バンバが外を頑張っている時間帯にインサイドを頑張らないといけないのは、自分とか岩田(#29)だと思っています。こういうところが大事だということをわかっているし、今までそれでやってきたので。納得してプレーしています」
―前週の専修大戦は逆転負けとなってしましました。
「あの試合はちょっと慢心というか…油断していた部分があってこぼしてしまいました。専修は勢いもあって、『今年の専修は強くて能力がある良いチームだから』と池内さんも言っていたのに、自分たちのバスケができないまま負けた感じがあります。自分も試合に出ながら『なんか違うな…』と思っていて。気持ちに締まりが無くて。それを最後まで修正できなくて勢いにやられてしまった感じでした。単独首位というのが今までないので慣れていないというのがあるし、そこの気持ちの持ち方をもう少し修正していかないとダメだと思いました」
―前半戦を振り返っていかがですか?
「良い流れできていると思います。『今年は上を狙える』と池内さんも言ってくれてるし、チームも飛竜(#0岡本)を中心に良い感じにまとまっていて。リーグは長い戦いですが、自分たちのバスケをすれば、また2周目だって東海に勝てるチャンスもあると思ってます。そっちの方が面白いですし、みんな自信持ってやっている感じで、雰囲気も今までにないくらい良いです。良い感じでやれていますね」
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「強気でやることが大事」
チームに必要な積極性を発揮して上向きに
◆#6神里 和(白鴎大・2年・PG)
慶應大戦では5本、この試合でも4本の3Pを決めてチームに勢いをもたらした。野崎とともに、司令塔としてて働きつつ、得点を取っていくことが大事な仕事だ。
まず1勝したことでチームにあったどこか萎縮した空気は減り、自信を持ったプレーも増えてきている。ここからが真の勝負であり、下位から抜けだしていけるか、注目したい。
−2勝目となりました。3日前に慶應大から初勝利をあげましたが、チームの雰囲気的に変わったところはありますか?
「みんなが思い切りよくやるようにやるようになって、外のシュートも入りだして、気持ち的に上向きになってきています」
−昨日、第9戦の拓殖大でもそういういい部分も出ていましたが負けてしまいました。今日の明治大戦に対しては。
「とにかくみんな強気でやることを意識していました。慶應大戦で流れをつかんで、拓殖大戦でもいい流れが出てきていたので、次も強気で行こうとがんばれました」
−出足の悪さがあると野崎(#13)選手が言っていましたが、今日はロースコアではありましたが悪くはなかったのでは。
「そうですね。リードできる流れになったのも最初のスタートが頑張ってくれたおかげです。自分たち後から出る選手もそこで気持ちよくできます」
−神里選手は慶應大戦から3Pもかなり入り出しましたね。
「そうなんです。そこまであまり良くなくて、自分でも打っていいのかなと悩んだりしていて入らなかったんです。でも慶應大戦は全部自分で点を取りにいこうと思ってやったことで入って、今もその気持ちを継続してやっていけています」
−今日は明治大の斎藤選手(#2)など、相手ガード陣も上手い選手でしたが、いかがでしたか?
「彼は非常に点を取るのがうまくて、内外あるのでそこはファウルしないようにスカウティングで言われた通り守りました」
−ディフェンスでは失点が少なく、しっかりしているのは特徴ですね。
「そこはコーチ陣がずっと研究して、守り方を考えてくれています。ここをこうすれば大丈夫、とか教えてくれて、それをチームでしっかり守ってやっているので、うまくいっていると思います。ディフェンスには手応えがあります」
−今日は明治大に追いつかれましたが焦りは?
「自分たちは夏の合宿がかなりきつくて、相当走ってきました。だからここは合宿を思い出して走り勝とうと思えたし、そこはチーム一丸でやれたと思います」
−神里選手は昨年から試合に出ていて、昨年は入れ替え戦に行く大変なシーズンでした。2年目の今はどうですか?
「監督からも言われていますが、自分が下級生であってもチームの中心なので、しっかり責任を持ってプレーしようと思っています」
−神里選手は得点も取れるガードですが、どのようなことを普段求められていますか?
「積極的にシュートを打つことですね。シュートを狙いつつ、自分が攻めることで周りのディフェンスも寄ってくるので、そこで周囲を生かしていくことを心がけています。今日は途中でゲームが崩れそうになったときにコントロールしろと言われたんですが、そこはまだまだなのでこれから学んでいきたいです」
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「アグレッシブに行くことを心がけている」
上級生としてチームに足りないものを補う意識で
◆#8木林 毅(筑波大・3年・PF)
スタートにすっかり定着したが、高さと幅を生かしたプレーで筑波大を支える不動の大黒柱に成長しつつある。どうしても馬場や杉浦といった選手に目が行きがちだが、チームを支えているのは4年生たちとこの木林や生原、満田といった試合で貢献する3年生たちだ。不安定なチーム状況の原因は何か、改善すべき点はどこか、しっかりと把握はしている。それを3年生としてリーダーシップを取りどう修正していくか。強いチームを作り上げるための働きぶりにも注目したい。
−2日間のホームゲームを終えた訳ですが、今日の国士舘大戦の自分の出来は。
「昨日は東海大相手に自分が得点を取れなくて、ターンオーバーも多くてぜんぜんダメでした。今日はインサイドにアドバンテージがあったので自分で行ってやろうとしてガツガツやっていけました。途中からゾーンになったときに相手のゾーンが外に出てくる感じだったので、スペースを潰さないようにハーフタイムで修正しようと。後半はそこを意識してスペースを潰さず、ショートコーナーでボールをもらったら、しっかり周りを見てアシストしようと思ってやっていました。後半は控え組が出たときは結構止められた時間帯もあったんですけど、ベンチで生原(#46)とこうしようと話し合って、そこからまた出たときに崩せたのでよかったと思います」
−木林選手は今年になって昨年よりも安定感が増してきましたね。
「今シーズン、春のトーナメントで僕を含めてインサイド陣の得点力がなくて、アウトサイドにすごく負担をかけていました。去年はやはり笹山さん(昨年度主将・現NBL三菱)が作ってくれて、最後は自分が決めるだけにしてくれていたから点を取れていたと実感したんです。トーナメントが終わったあとに他の人とかも喋って、夏に台湾遠征に行った時も自分としてインサイドの得点力を上げよう、上げようとリーグを迎えました。リーグでは止められることもありますが、アグレッシブに自分から行こうと心がけています」
−積極的に見えるのはそこが原因なんですね。
「去年はなんだかんだスタートとして試合に出始めたのも途中からだったし、上級生に任せているというか、どこか一歩引いている部分があったんです。今年は上級生になって4年生にあまりプレータイムがないなかで、3年生の自分たちが引っ張ろうと3年生の中でも話しあったりしています。そこで自分がもっと得点を取らないといけないし、得点もリバウンドもディフェンスも全部やらないといけないという自覚でやっています」
−そういう自覚は頼もしいですが、リーグ戦ではチームとしてまだ波がありますね。どの辺に原因があると思いますか?
「前半が終わって上位3チームに負けてしまったんですが、やはり強い相手にはターンオーバーが増えてしまったり、ブレイクを出されたり。やられているのはわかっているのに修正できなくて、というのが前半通してありました。個人個人の力はあるのだから、後半はもっとコミュニケーションやコンビネーションの部分をもっと磨いて、まずはターンオーバーを減らすのを第一の目標にしてやっていきたいです」
−気持ちの波があるように感じます。いい日と悪い日がある。
「そこが若いチームと言うと言い訳になりますが、2年生のエースたちの波に周りも流されてしまうというか。4年生もいろいろ言ってくれますが、試合に出ているのは3年生が多いので、僕らが言わなければと生原とも言っています。そこができていないんだと思うので、頑張らなければと思います」
−話は変わって、ホームゲームはいかがでしたか?
「毎年そうなんですが、Bチームがすごく頑張って準備してくれて僕たちとしてはすごくやりやすい環境を作ってくれているので、楽しくできました」
下位は白鴎大が2勝目を上げ、争いがし烈に
1部リーグは2巡目に入った。大きな変動はない第10戦だったが上位チームでもまったくブレのないチームはなく、全勝も全敗も消えた今年の1部は、まだ先の見えない道を進んでいるような状態が続いている。逆に言えばこの2巡目こそが本番と言えなくもない。ちょっとした差が勝負を分けている現在、それが最後に大きな差になるかもしれない危機感からどこがぬけ出すか。ますます目が離せなくなってきた。
第3試合、法政大と専修大は法政大が前日の試合から立て直して専修大とつかず離れずの試合となるが、専修大が積極的に攻めてシュートを決め、リードを保って69-78で勝利。法政大は#16沼田(4年・C)、#14植村(2年・PG)、#7藤井(3年・SG)が2桁得点で奮闘するが、専修大は#11秋山(2年・PG)を中心にシュートが決まり、リバウンドでも法政大を圧倒した。
第4試合で東海大に挑んだ慶應大は、激しいプレーで最後まで食い下がった。前日の試合で足を痛めた#5大元(4年・G)が大事をとって欠場。しかしその大元を欠いても粘りを見せ、果敢に攻める。簡単には打たせてもらえない状況の中で1Qは慶應大が2点差で追う形とするが、2Qは慶應大のターンオーバーから東海大が余裕を持って次々得点。45-31と差を開いた。しかし一時は大きく点差が離れたものの後半も慶應大が粘りを見せ、#4福元(4年・PG)が3Pを次々沈めると盛り返して点差を一桁にする時間帯も。しかし追いつくまでには至らず88-76で軍配は東海に上がった。
最終の第5戦は、昨日同様筑波大のホームゲーム。この日は国士舘大との対戦になった。筑波大は1Qから23-9と国士舘大に一気に水をあけたが、2Qになると国士舘大も持ち直して点数はここから互角に。1Qのリードが効いた筑波大が終始優位に試合を進めていくが、国士舘大も後半はシュートタッチが良くなり次第に勢いを増していく。追い上げる国士舘大に対して筑波大は10点差前後でリードを保って攻防が続くが、終盤アウトサイドを高確率で#17杉浦(2年・F)次々に沈め、筑波大が国士舘大の息の根を断ち、80-66。ホームで勝利する姿を観客に披露し、ベンチメンバーのほとんどをコートに送り出して、声援に応える形となった。
写真上:司令塔でありながら攻撃も積極的な専修大・秋山。田代がいない分、得点源としても活躍が必要だ。
写真下:福元は3P4本を含む24点6アシスト9リバウンドと奮闘。東海大に一歩も引かないプレーを見せた。
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【GAME REPORT1】
終盤まで粘る青山学院大
しかし拓殖大は#23バンバが42得点の活躍で白星
1巡目を勝ち越して終え、調子を上げてきた青山学院大は、首位・拓殖大と対戦。4Qまで勝負のわからない展開となった。
1Qは互角の展開となり、19-15で拓殖大が4点リード。試合が動いたのは2Qになってからだった。残り7:45で#24安藤(3年・SF)のアシストから#11田中(4年・PF)のシュートが決まった青山学院大だったが、ここから約3分無得点となってしまう。その間、拓殖大は#23バンバ(3年・C)の得点で29-19と10点を開く。中盤は両チーム3Pの応酬となるが、先行したのは拓殖大。青山学院大は前半終了間際に#24安藤が連続得点するが41-30で拓殖大にリードを許し、後半へ。
3Q、先制点は拓殖大#39成田(3年・SG)の3Pだったが、リズムを掴んだのは青山学院大の方だった。#11田中の3Pを皮切りに、#18笠井(4年・PG・主将)のジャンプシュートを含めた5連続得点で11点を奪取。そして残り6:36に#18笠井の3Pで44-44とし、拓殖大を捕える。一方の拓殖大は青山学院大の猛追を前に浮足立ってしまい、思うような試合運びができない。それでも中盤になると#99赤石(4年・PF)と#23バンバが要所で得点を重ね、再びリードを奪う。一方の青山学院大はディフェンスで粘りを見せて食らいついていく。すると残り0.6秒、#8時田(2年・PF)のアシストを受けた#6木田(2年・SF)のシュートがバスケットカウントになる。木田はボーナススローをきっちり沈め、56-57で青山学院大が1点のリードを奪った。
4Qの立ち上がり、青山学院大は#24安藤が連続得点で幸先のいいスタートを切る。しかし、拓殖大は#23バンバが内外角で存在感を発揮。徐々に点差を離していく。なんとか追いすがりたい青山学院大だが、ここまで拓殖大#23バンバに対して好ディフェンスを仕掛けていた#11田中がファウルアウト。更にミスが続いて流れを手放してしまう。そんな青山学院大を尻目に拓殖大は#23バンバが高確率でシュートを沈めていき、完全に主導権を握る。青山学院大は最後まで3Pを狙うも4Q中盤で開いた点差が大きく、81-74で試合終了。再度逆転するまでには至らなかった。
写真上:豪快なダンクを見せた拓殖大・バンバ。勝利にはやはりこの選手の活躍が欠かせない。
写真下:要所でシュートを決めた青山学院大・笠井。田中らとともにアウトサイドの確率も上昇してきている。
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【GAME REPORT2】
最後まで粘り強く戦った白鴎大が
延長戦の末に明治大を下し2勝目
1勝して調子も上向き傾向の白鴎大と、4勝で中盤を維持する明治大の対戦は、延長戦にもつれ込む戦いになった。
立ち上がりはスローペース。明治大は得点源の#50伊澤(4年・PF)や#32吉川(2年・SG)といった選手が抑えこまれ、白鴎大もシュートが決まらず1Qは14-12の明治大2点リード。2Qになると白鴎大は#13野崎(2年・SG)、#6神里(2年・PG)といったガードの得点が出始めて逆転に成功する。明治大はオフェンスの調子がつかめないままに24-29と白鴎大の5点リードで前半を終えた。
3Qの立ち上がり、明治大は#50伊澤が連続ファウルを取られ3つになってしまい、ベンチへ。白鴎大はこれらで得たフリースローを決めていき、#13野崎や#17小倉(2年・PF)の3Pなども決まって10点以上のリードに成功する。明治大は#2斎藤(2年・PG)の速攻や#28今川(1年・SF・大阪桐蔭)の3Pで持ち直し、終盤得点が停滞した白鴎大から速攻を出すことに成功してなんとか点差を41-46と5点差にして3Qを終了。
4Q、立ち上がりの白鴎大は3P攻勢でこれを沈めていくが、明治大もようやく本領発揮の#50伊澤のシュートに#2斎藤も足を生かした速攻で続き、残り5分で遂に同点に持ち込むと、ここからは互いに取っては取り返す展開に。終盤は互いにミスが続いて勝機を見出すことができず、勝負がつかないまま試合は延長戦へとなだれ込んだ。
延長戦、白鴎大は#18城間(2年・PF)がゴール下で奮起。明治大のディフェンスをかいくぐって得点し、アシスト、フリースローも獲得する活躍。一方の明治大は延長戦開始2分でようやく#50伊澤が初得点。#55吉本(4年・SF)の3Pも決まって反撃に転じたいところだったが、それ以上のオフェンスがうまく続かず白鴎大が逃げ切って72-79で2勝目をあげた。
写真:試合終盤に白鴎大は城間が活躍。
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【INTERVIEW】「自分たちのバスケをすれば勝てる」
首位で折り返し、感じた手ごたえ
◆#99赤石遼介(拓殖大・4年・PF)
苦しい時間帯になると赤石の安定したプレーが光る。高確率で決まるミドルシュート、体を張ったリバウンド。自分の役割をしっかりと心得て、勝負所をきっちりと抑える活躍でチームを支えている。
チームは、1部復帰以来で初めて1位でリーグ戦を折り返す。「良い流れでできている」と語りつつ、追いかけられる難しさを感じている様子。だが、今はチームとして自信を持ってやれているという。この首位の座を守り続けられるのか、ここからさらにプレッシャーのかかる戦いをどう乗り越えるかが見ものだ。
―試合を振り返って。
「我慢しなければいけない時間帯が多くて…。でも、そこをしっかりと耐えて自分たちのバスケットができたのが良かったかなと思います」
―前半はリードを奪って、後半は追いつかれる形になりましたね。どういう差がありましたか?
「後半は自分たちのミスから失点されてしまいました。自分も後半の立ち上がりにミスをしてしまったし…。そういうところで点差がつまったのかなと。あとは、ディフェンスも緩くなっていたのかなと思います」
―そこは気持ちの問題になりますか?
「そうですね。点差離れている、というのがどこかであるのかもしれません。でも、それについては池内さん(監督)から、『最近は3Qの入りが悪いからしっかりやれ』と言われていたのにああいう形になってしまって…。来週までに修正したいと思います」
―この試合に限らずですが、拓殖大の力なら圧倒的に勝てると思える試合でも競ることがありますね。
「1週目あたりは2Qまでトントンで、3Qでバーンと離して、その後またトントンでいくというパターンでした。それは池内さんがグラフで経過を見せてくれて。『我慢するところは我慢をして、あるところで点差を離せば良い』と言われていました。でも、今はそんなに点差が離れない時間帯が多くて…。気持ちの問題なんですかね。流れを掴めていないということもあると思います。ミスが出たり、疲れが出たり…」
―ただ、そういう苦しい場面で仕事をしっかりとしているのが赤石選手だなと感じます。ご自身の調子はいかがですか?
「外のシュートが結構好調で、オフェンスの部分で池内さんにも『いいね』と言われています。それもあって、今は自信を持って打てています。リバウンドも、チームで2番目に背が大きいので、なるべくオフェンスリバウンド絡んで、ディフェンスリバウンドもしっかりとボックスアウトして抑えようと意識しています。バンバ(#23)だけに負担をかけさせてしまうとあんまりよくないので。インサイドを意識して、そこから外をやることを心がけています」
―外のプレーが好調ということで、もっとシュートを打っていきたいなという気持ちも少なからずあるかと思いますが、そうならずにインサイドを頑張るということは、赤石選手自身納得してプレーできている感じなのでしょうか?
「そうですね。自分が中で頑張らないといけない時間帯もあるので。バンバが外を頑張っている時間帯にインサイドを頑張らないといけないのは、自分とか岩田(#29)だと思っています。こういうところが大事だということをわかっているし、今までそれでやってきたので。納得してプレーしています」
―前週の専修大戦は逆転負けとなってしましました。
「あの試合はちょっと慢心というか…油断していた部分があってこぼしてしまいました。専修は勢いもあって、『今年の専修は強くて能力がある良いチームだから』と池内さんも言っていたのに、自分たちのバスケができないまま負けた感じがあります。自分も試合に出ながら『なんか違うな…』と思っていて。気持ちに締まりが無くて。それを最後まで修正できなくて勢いにやられてしまった感じでした。単独首位というのが今までないので慣れていないというのがあるし、そこの気持ちの持ち方をもう少し修正していかないとダメだと思いました」
―前半戦を振り返っていかがですか?
「良い流れできていると思います。『今年は上を狙える』と池内さんも言ってくれてるし、チームも飛竜(#0岡本)を中心に良い感じにまとまっていて。リーグは長い戦いですが、自分たちのバスケをすれば、また2周目だって東海に勝てるチャンスもあると思ってます。そっちの方が面白いですし、みんな自信持ってやっている感じで、雰囲気も今までにないくらい良いです。良い感じでやれていますね」
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「強気でやることが大事」
チームに必要な積極性を発揮して上向きに
◆#6神里 和(白鴎大・2年・PG)
慶應大戦では5本、この試合でも4本の3Pを決めてチームに勢いをもたらした。野崎とともに、司令塔としてて働きつつ、得点を取っていくことが大事な仕事だ。
まず1勝したことでチームにあったどこか萎縮した空気は減り、自信を持ったプレーも増えてきている。ここからが真の勝負であり、下位から抜けだしていけるか、注目したい。
−2勝目となりました。3日前に慶應大から初勝利をあげましたが、チームの雰囲気的に変わったところはありますか?
「みんなが思い切りよくやるようにやるようになって、外のシュートも入りだして、気持ち的に上向きになってきています」
−昨日、第9戦の拓殖大でもそういういい部分も出ていましたが負けてしまいました。今日の明治大戦に対しては。
「とにかくみんな強気でやることを意識していました。慶應大戦で流れをつかんで、拓殖大戦でもいい流れが出てきていたので、次も強気で行こうとがんばれました」
−出足の悪さがあると野崎(#13)選手が言っていましたが、今日はロースコアではありましたが悪くはなかったのでは。
「そうですね。リードできる流れになったのも最初のスタートが頑張ってくれたおかげです。自分たち後から出る選手もそこで気持ちよくできます」
−神里選手は慶應大戦から3Pもかなり入り出しましたね。
「そうなんです。そこまであまり良くなくて、自分でも打っていいのかなと悩んだりしていて入らなかったんです。でも慶應大戦は全部自分で点を取りにいこうと思ってやったことで入って、今もその気持ちを継続してやっていけています」
−今日は明治大の斎藤選手(#2)など、相手ガード陣も上手い選手でしたが、いかがでしたか?
「彼は非常に点を取るのがうまくて、内外あるのでそこはファウルしないようにスカウティングで言われた通り守りました」
−ディフェンスでは失点が少なく、しっかりしているのは特徴ですね。
「そこはコーチ陣がずっと研究して、守り方を考えてくれています。ここをこうすれば大丈夫、とか教えてくれて、それをチームでしっかり守ってやっているので、うまくいっていると思います。ディフェンスには手応えがあります」
−今日は明治大に追いつかれましたが焦りは?
「自分たちは夏の合宿がかなりきつくて、相当走ってきました。だからここは合宿を思い出して走り勝とうと思えたし、そこはチーム一丸でやれたと思います」
−神里選手は昨年から試合に出ていて、昨年は入れ替え戦に行く大変なシーズンでした。2年目の今はどうですか?
「監督からも言われていますが、自分が下級生であってもチームの中心なので、しっかり責任を持ってプレーしようと思っています」
−神里選手は得点も取れるガードですが、どのようなことを普段求められていますか?
「積極的にシュートを打つことですね。シュートを狙いつつ、自分が攻めることで周りのディフェンスも寄ってくるので、そこで周囲を生かしていくことを心がけています。今日は途中でゲームが崩れそうになったときにコントロールしろと言われたんですが、そこはまだまだなのでこれから学んでいきたいです」
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「アグレッシブに行くことを心がけている」
上級生としてチームに足りないものを補う意識で
◆#8木林 毅(筑波大・3年・PF)
スタートにすっかり定着したが、高さと幅を生かしたプレーで筑波大を支える不動の大黒柱に成長しつつある。どうしても馬場や杉浦といった選手に目が行きがちだが、チームを支えているのは4年生たちとこの木林や生原、満田といった試合で貢献する3年生たちだ。不安定なチーム状況の原因は何か、改善すべき点はどこか、しっかりと把握はしている。それを3年生としてリーダーシップを取りどう修正していくか。強いチームを作り上げるための働きぶりにも注目したい。
−2日間のホームゲームを終えた訳ですが、今日の国士舘大戦の自分の出来は。
「昨日は東海大相手に自分が得点を取れなくて、ターンオーバーも多くてぜんぜんダメでした。今日はインサイドにアドバンテージがあったので自分で行ってやろうとしてガツガツやっていけました。途中からゾーンになったときに相手のゾーンが外に出てくる感じだったので、スペースを潰さないようにハーフタイムで修正しようと。後半はそこを意識してスペースを潰さず、ショートコーナーでボールをもらったら、しっかり周りを見てアシストしようと思ってやっていました。後半は控え組が出たときは結構止められた時間帯もあったんですけど、ベンチで生原(#46)とこうしようと話し合って、そこからまた出たときに崩せたのでよかったと思います」
−木林選手は今年になって昨年よりも安定感が増してきましたね。
「今シーズン、春のトーナメントで僕を含めてインサイド陣の得点力がなくて、アウトサイドにすごく負担をかけていました。去年はやはり笹山さん(昨年度主将・現NBL三菱)が作ってくれて、最後は自分が決めるだけにしてくれていたから点を取れていたと実感したんです。トーナメントが終わったあとに他の人とかも喋って、夏に台湾遠征に行った時も自分としてインサイドの得点力を上げよう、上げようとリーグを迎えました。リーグでは止められることもありますが、アグレッシブに自分から行こうと心がけています」
−積極的に見えるのはそこが原因なんですね。
「去年はなんだかんだスタートとして試合に出始めたのも途中からだったし、上級生に任せているというか、どこか一歩引いている部分があったんです。今年は上級生になって4年生にあまりプレータイムがないなかで、3年生の自分たちが引っ張ろうと3年生の中でも話しあったりしています。そこで自分がもっと得点を取らないといけないし、得点もリバウンドもディフェンスも全部やらないといけないという自覚でやっています」
−そういう自覚は頼もしいですが、リーグ戦ではチームとしてまだ波がありますね。どの辺に原因があると思いますか?
「前半が終わって上位3チームに負けてしまったんですが、やはり強い相手にはターンオーバーが増えてしまったり、ブレイクを出されたり。やられているのはわかっているのに修正できなくて、というのが前半通してありました。個人個人の力はあるのだから、後半はもっとコミュニケーションやコンビネーションの部分をもっと磨いて、まずはターンオーバーを減らすのを第一の目標にしてやっていきたいです」
−気持ちの波があるように感じます。いい日と悪い日がある。
「そこが若いチームと言うと言い訳になりますが、2年生のエースたちの波に周りも流されてしまうというか。4年生もいろいろ言ってくれますが、試合に出ているのは3年生が多いので、僕らが言わなければと生原とも言っています。そこができていないんだと思うので、頑張らなければと思います」
−話は変わって、ホームゲームはいかがでしたか?
「毎年そうなんですが、Bチームがすごく頑張って準備してくれて僕たちとしてはすごくやりやすい環境を作ってくれているので、楽しくできました」
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