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2012.11.07 (Wed)

【2012リーグ】11/6入替戦 日本体育大vs中央大 第2戦

【4年間の集大成を見せた中央大が1部昇格!】

121106yamada.jpg 第1戦を接戦の末勝利し、勝てば1部昇格が決まる中央大。過去2年ともに、入れ替え戦は初戦を勝ちながらも2連敗で涙を飲んでいる。#16佐藤(4年・PG)の足も万全ではなく、是が非でも3戦にもつれ込ませたくない気持ちは強かっただろう。その気迫が、開始4分の9-0というスタートダッシュにつながった。対して負ければ終わりの日本体育大は中央大の激しい守りにボールが上手く回らず、24秒オーバータイムになるなど攻め込めない。だがこの日スタメン起用となった#11北川(3年・G)が強気な姿勢で速攻からフリースローを得ると、そこから#21熊谷(4年・F)や#12周(2年・C)が高さを活かしリバウンドシュートなどで加点していく。中央大は#20小野が不調でなかなか決めきれず、18-16と日体大が点差を縮めて1Qを終えた。

 2Q、アウトサイドの落ちる中央大に対し、日体大は#21熊谷の3Pなどで追撃。ディフェンスの一瞬の緩みをついて#12周が速攻を決めて逆転すると、その後も#11北川を起点に中央大のゾーンを崩す。だが中央大も6点を追う中でようやく#20小野のミドルシュートが決まり、#11入戸野の気迫あふれるオフェンスリバウンドで差を縮めた。前半終わって33-33の同点。どちらも一歩も引かない互角の展開となった。

 勝負の分かれ目は、3Qに訪れた。開始早々、#11入戸野、#16佐藤がアグレッシブな守りからボールを奪って2連続でワンマン速攻を決めると、#20小野の2連続のドライブが続いて一気に突き放す。日体大のタイムアウト明けにも中央大の鮮やかな速攻が決まり、#20小野の3Pが追い打ちをかけるように決まった。開始3分半で怒涛の連続13得点と畳み掛けた中央大が主導権を握る。後手に回った日体大は、せっかくの速攻もチャージングになるなど完全に勢いを切らし、開始から6分近く得点を奪えないまま。だが#16横山(4年・SF)がオフェンスリバウンドに奮闘し、終盤には横山の3Pがリングの上をゆっくり転がってネットを通過。10点差にする大きな1本に日体大応援団も大きく沸き、42-52で最後の10分間に入る。

121106niitai.jpg 互いに全てを懸ける10分間、序盤は一進一退となるも、ここまで当たりのこなかった#22水沼(4年・SG)がようやく3Pを決め、#11北川のジャンプシュートもあって日体大が残り6分6点差に。だが中央大はここで#11入戸野が速攻に走り、後ろを走っていた#20小野にドンピシャなタイミングでアシストする鮮やかなトランジションを披露。交代で入った#21大野(3年・F)も大事な場面でオフェンスリバウンドをもぎ取って仕事を果たす。すると残り3分9点差の場面で、#16佐藤のスティールからこれまた素晴らしいパス回しで速攻を決め、点差を二桁に。これが勝利を大きく引き寄せ、その後も#16佐藤らがシュートを決めた中央大がリードを保ち続けた。日体大も#22水沼が2本の3Pを決める意地を見せるが、追いつくまでには時間が足りない。勝利を確信した中央大はラストに#6古河(4年・PG)、#25森渕(4年・F)をコートへ。試合終了前から抑え切れずに流れる涙を拭いながら、68-59でタイムアップの瞬間をむかえた。喜びを爆発させるというよりも、静かに、力が抜けるように悲願の1部昇格を噛みしめた中央大の選手たち。これまで背負ってきたプレッシャーの大きさや、4年間の想いが伝わってくる光景だった。入れ替え戦は上級生が力を発揮しなければならない場所。チームをずっと背負ってきた4年生たちが最後の集大成を見せた圧巻のラストゲームだった。

121106chuo_20121107120539.jpg インカレ出場枠が縮小した今年、これで中央大のシーズンは終了し、4年生は引退となった。良いことよりも苦しいことの方が多かったかもしれない4年間。それでも限られた4年という枠の中で彼らのもがいた姿は、最後にひとつの形となった。次世代の後輩も育ちつつある。先輩の残したものを引き継いでいってくれることを期待したい。

 一方の日本体育大は1年で2部へ戻る悔しい敗戦。主将の熊谷、横山といった4年生たちが大きく泣き崩れた。リーグ戦は序盤の北川の怪我も影響し、苦しい連敗が続いた。しかし東海大に勝利するなど、高さや攻撃力など1部上位に通用する力も十分あった。藤田HCはリーグ戦で「今はまだいろいろなことを学んでいる最中なんだ」と語っており、選手たちも同じように言っていたことが印象的だ。2部降格以降、すべての面から立て直すことを決意した日体大の取り組みは、まだ道半ば。そして彼らにはまだインカレという最後の舞台が残されている。そこで最大限の努力をし、今後もそれを続けていくこと。どのような環境でも前に進み続けることが求められている。

写真上:インサイドでは中央大・山田と日体大・周がやりあった。
写真中:ハドルを組む日体大。最後まで声を掛けあっていた。
写真下:昇格の瞬間、笑顔を見せる中央大。手前には渡邉、そして日体大の横山がそれぞれ全く異なる感情を抱いてコートにしゃがみこんだ。

※中央大・佐藤選手、入戸野選手、渡邉選手、小野選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「気持ちの面で絶対に負けない」
チームを引っ張ったあふれる闘志

◆#11入戸野 良(中央大・4年・PG)
121106NIITONO.jpg最終戦、素晴らしいパフォーマンスを見せた入戸野。常に強い気持ちを持ち続けている選手だが、「入れ替え戦に懸ける想いは全然違った」という大事な一戦は、特にプレーに気迫がこもっていた。負けん気の強さや、果敢に飛び込むリバウンドやルーズボール。そうした姿勢から、後輩たちが感じ取ったものも多いだろう。闘志むき出しの全力なプレーは、多くの観客の心を動かしたに違いない。


―1部昇格おめでとうございます。今のお気持ちは?
「最初の2連戦で決めようとみんなで話していたので、本当に上がれて良かったなって、ほっとしてますね。4年間お世話になった先輩たち、OBの方たちへの恩返しのためでもあったし、後輩たちにも上のリーグを経験させてあげたいという気持ちがあって。どうしても勝ちたかったので、本当に嬉しいです」

―去年の入替戦とは、心境も違ったと思いますが。
「去年は向こう(明治大)の4年生にやられた形になって。でも今年は、4年生4人もずっと1年生の頃から試合に出てきたし、経験値では絶対に負けないと思っていました。あとは気持ちの面で絶対に負けないぞと。負けることは全く考えてなかったですね。勝つことだけ。それが結果に表れたと思います」

―入戸野選手もすごく集中して気持ちがこもっていましたね。リバウンドもいいところで飛び込んで、ドライブの決定率も高かったですし。
「もう最後だったので、集大成でしたね。自分は今まで4年間でチームに迷惑をかけた部分も多かったので、それを取り返すとしたらもうプレーでしかできないと思って。だからこの入れ替え戦に懸ける想いは全然違いました。それに4年生4人は期待されて入学したのに今まで何も結果を残せていなかったので、応援してくれる方々のためにも最後くらい結果を出さなきゃと。1部復帰は使命だと思ってやるしかないと思っていました」

―#16佐藤選手が復帰したことも大きかったですね。
「もう、それはめちゃくちゃ大きかったですね。前日までスタメンで使う話はなかったんですよ。だから当日になっていきなり、『お!?』ってなって(笑)。将斗がいると安心できるし、2ガードの方が走れます。初戦の緊張もあったんですけど、そのおかげで落ち着いてできましたね」

―佐藤選手がつなぎ役になると、速攻もより鮮やかに決まりますよね。
「あれは、4年間ずっと一緒にやってきたからできるものかなと思いますね。練習では3メンとか5メンをやるくらいで、ああいう形をやって来たわけではないんです。でも4年間ずっと一緒にやってきているし、すごくやりやすいですね」

―試合の最後、コートに4年生が揃ったときには、涙も見られましたね。
「いやもう…、もう嬉しくて。4年間、一般生を含めて全員で頑張ってきましたから。試合中だったんですけど、どうしても涙が出ちゃいましたね。今まで同じコートに立てないことも多かったので、最後の舞台でこういう風に立てたというのは本当に嬉しかったです」

―同じ代の4年生はどんな存在でしたか?
「ほんとそれぞれ個性が強くて我が強いので、時にはぶつかって嫌なムードになることもありました。ただ、やる時はやる。それに4年目になって、本当にチームワークがさらに増したというか。4年生で飲みに行く機会も増えたし、話し合いの場も増えました。これがチームだなって、リーグ戦の時にすごく実感しましたね」

―4年間はどうでしたか?
「1年生の時は龍猛さん(小野龍猛・09年度卒・現JBLトヨタ)という大先輩がいて、ついていくだけでそのまま1年が過ぎました。それで2年から主力になって、試合に出られるとか色々嬉しかったこともあったんですけど、2部降格になって、天国と地獄を味わったシーズンだったかなと思います。それで3年生は、2部を1年間経験して、最後の年は絶対1部でやろうという気持ちだったんですが、入れ替え戦であの2点がどうしても届かなかった。それで2部残留になって、新シーズンが始まってから本当にインカレと1部復帰を目標にずっとやってきました。悔しい思いが一番強かったので、どうしても勝ちたくて。ここで引退にはなってしまいますけど、本当に色んな経験をしてきて最後こうして1部に上がれたので、これも僕ららしい終わり方かなと思います」

―自分はチームに何を残せたと思いますか?
「やっぱり、頑張れば結果はついてくるということ。努力は裏切らないんだってことは、たぶん後輩たちにも伝えられたかなと思います。後輩たちもこういう入れ替え戦を見て、何か感じ取ってくれていると思うし、来年に向けて頑張ってくれると思うので心配はしてないですね。今の3年生は僕らがびっくりするくらい努力していますし。今度はその3年生が一番上に立つので、下もそれについていけると思います。良いチームになると思いますね」

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「最後だったのでやるしかないと思った」
怪我を感じさせないパフォーマンスで見事チームを牽引

◆#16佐藤将斗(中央大・4年・主将・G)
121106SATO.jpg重い捻挫で万全の状態ではない中、「あと1試合だから」と自分を奮い立たせ、大事な場面でシュートを決めていった姿には感服せざるを得ない。まわりの選手からの信頼も絶大で、その期待に見事に応えてみせた立派なリーダーだった。多くを語るタイプではないが4年間で頼もしい司令塔となるまで成長を遂げ、精神的支柱としてチームの1部昇格の立役者となり、佐藤は4年間を締めくくった。


―1部昇格おめでとうございます。今の心境はいかがですか?
「とりあえず、ひと安心という感じですね。嬉しいというより、ほっとしました」

―佐藤選手自身、勝利を引き寄せる素晴らしい活躍だったと思います。怪我明けでよくここまで、と思いました。
「やっぱり大事なところで怪我して、僕が怪我してなければインカレも行けたかもしれないし本当にチームに迷惑をかけたので、入替戦で絶対取り返そうと思っていました。足も万全の状態とはほど遠かったですけど、つなぎでも何でもなんとかチームに貢献できたかなと思うので、それは良かったです」

―つなぎ役どころか、いきなりスターターで出ることになりましたね。
「木曜日に全体練習に復帰してそれまで全然走れてなかったんですけど、でも途中から出るより最初から出た方が、こっちのリズムになるだろうし相手にとっても良いだろうと監督が仰って下さったので。自分も気持ちの部分ではいつでもスタメンで出られる準備は整えていたので、大丈夫でした」

―不安もあったのでは?
「めちゃくちゃありましたね。僕、自分に自信がないので、いつも練習しないと気が済まなくて。例えばシューティングを打ち込んだりして自信をつけて、それを試合のパフォーマンスにつなげるタイプなんです。だから練習できなかったというのはすごく不安でしたね。正直、昨日も今日もちょっとびびってたんです(苦笑)。けど、最後だったのでもう気持ちでやるしかないと思って…結果勝てて良かったです」

―大事な場面でシュートを決めましたね。
「まぐれですね(笑)。もう足つってたので。でも去年の入れ替え戦で、明治の4年生は大事なところで決めたけど、僕ら3年生は決められなかったじゃないですか。なんなんですかね? 4年生の気持ちというか、不思議な力が働きました」

―それに中央大の走るバスケットには、佐藤選手の中継役が不可欠だったと思います。
「入戸野(#11)にしても後輩たちにしてもチームのために走ってくれるので、僕としてはパスを出しやすかったですね。僕がいなくて入戸野がパスを出す側になると、あまり走る選手がいなくなって速攻が出せない時がありました。そこは流田(#31)とかにも走るように言っていて。とにかく自分の役割だったり入戸野の役割だったりを、しっかり明確にできたのは良かったと思います。ほんと、ここのコースを走れとか、一回も練習したこと無いんですよ。でも入戸野がどう走るかとかどこでパスが欲しいかとか、小野くん(#20)がどこ走るかとかは分かります。まぁそれは4年も一緒にやっていたら分かりますよね」

―昨年の悔しい入替戦から、この1年間はどうでしたか?
「去年の反省を活かして、困った時のフォーメーションだったりディフェンスのシステムだったりを、本当に一から見直しました。大きかったのは、元東芝の小野元さんが8月くらいから色々教えて下さったことですね。僕らが知らなかったことを色々教えて下さってそれはチームにすごくプラスになりました。1年から3年までの3年間以上に、今年1年間は密度の濃い練習ができたと思います。それに最上級生もみんな団結力があって引っ張れるやつらだったので、本当にいい1年が送れましたね」

―バスケットの質も上がりましたし、佐藤選手もガードとしてすごく頼もしくなりましたね。
「うーん…自分自身では頼もしい感じはないですけど(苦笑)。でも1年生から4年間も出させてもらってたらそりゃ成長しないといけないですよね。それにリーグ戦の時は試合に出てる時より見てる時の方がハラハラして緊張しました(笑)」

―佐藤選手が怪我している間は特に、#24塩谷選手ら3年生もよく頑張っていたと思います。
「そうですね。あいつ、あまり多くは語らない男なんですけど、実はすごく熱くて、土曜日もよく試合終わってシューティングに行っていましたし、毎日練習のあとにも4年生のやつと組んでシューティングしてて。そういう努力を間近で見ているので、信頼してパスも出せましたし。よく頑張ってくれたと思います」

―同じ代の4年生はどんな存在ですか?
「僕ってどうしても頑固というか、練習を本当にきちっとやらないと気が済まないタイプなんですけど、きつい練習でも他の4年生がみんなを笑わせたり盛り上げながらやってくれたので、すごく助けてもらいましたね。僕が結構後輩に怒ったとしても、他の4年生が陰でフォローしてくれたりしてたので。特に、試合に出てない二人がお調子者というかチームのムードメーカーで、いつもチームを盛り上げてくれました。その二人に助けられた部分も大きいですね」

―後輩たちは来年から1部でプレーできます。
「やっぱり1部はすごく強いので、苦しい戦いが続くと思うんですけど、でも1部でやれるって幸せなことだと思うので、長丁場でしんどい時期があってもやっぱり楽しんでやってもらいたいですね」

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「人生で初めて嬉し涙を流した」
悲願達成で最上級の感動を得た幕引き

◆#14渡邉良健(中央大・4年・F)
121106watanabe.jpg渡邉の柔らかな3Pシュートには、いつも一際大きな歓声が上がった。ピュアシューターとしてまわりからの期待も大きく、相手チームからマークも厳しくされる中で、リーグ戦では結果を出せずにプレータイムを減らした時期もあった。しかし終盤巡ってきたチャンスで見事仕事を果たし、この入替戦でも第1戦で6本の3Pを決めて大きく勝利に貢献。2戦目はなかなか当たりがこなかったものの、ディフェンスなど目立たない部分でしっかりと仕事を果たした。4年生としての意地を見せてくれた選手だった。


―1部昇格のお気持ちは?
「いやー嬉しいです!期待された代なのに結果が残せてなかったので、最後にこうして上がれてホッとしています」

―4年生が本当に気持ちのこもった良いプレーをしましたね。
「去年も入れ替え戦は明治の4年生にやられたので、やっぱり入れ替え戦は4年生だということをみんな分かっていました。4年がしっかり頑張ろうと。後輩たちに1部でやらせてあげようと思って頑張りました」

―渡邉選手は初戦の1Qから3Pを次々決めてチームを沸かせましたよね。入れ替え戦の空気に呑まれることはなかったんでしょうか?
「いや、呑まれてましたね(笑)。でも、呑まれたからあれは決められたんです。すごく緊張していたので自分でも最初はどうせ動き堅いだろうと思って、入らなくてもどんどん積極的に打って行こうと思っていたら、ああなりました。逆に良かったです」

―日本体育大も奮闘して、第1戦も接戦になりましたし、第2戦も白熱しました。
「日体は中も大きいしガードも速くて、簡単には勝てないだろうなと思っていました。1部の意地もあるだろうし。でも最後は、そこに気持ちで負けないように意識しました」

―スタメンが4年生4人と3年生の山田選手で、チームプレーの安定感では中央大の方が一歩うわ手だったと思います。
「そうですね。今年はセットプレーを多く練習に取り入れてきたんです。一人で30点取るんじゃなく、チームプレーでみんなが点を取ることを意識しました」

―佐藤選手が戻ってきて、中央大のやってきたバスケットが十分に出せましたね。
「そうですね。佐藤と入戸野がいたら速い展開を出せるし、戻ってきてくれて本当に良かったです。あいつはすごかったですね。佐藤がいるとディフェンスとか速攻とか全然違うし、精神面でも一番強いやつなので。頼りになりますね。最後まで頼り切っちゃったんですけど(苦笑)」

―渡邉選手は第2戦そこまでスリーに当たりが来ませんでしたが、ディフェンスなどその他の面で貢献はしっかり果たしていたと思います。
「やっぱりディフェンスは崩しちゃいけないので、最低限のことは頑張ろうと。それに自分がシュートを打たないとまわりから怒られるくらいなので、積極的に狙おうと思っていました。あまり入らなかったですけど…勝てたから良かったです」

―渡邉選手が決めると、大歓声が巻き起こってチームも波に乗れますよね。
「先輩たちも応援に来てくれたし、友達もたくさん来てくれました。そういうのも背負って頑張らなきゃいけないと思っていました」

―渡邉選手はシュートに関していつも無心で打っているという話でしたね。
「無心の方がいいですね。シュートに関しては、あまり考えたことないです(笑)」

―最後は4年生6人試合に出られましたね。
「すごく感動しましたね。泣いちゃいました。交代の時はやばかったです。恥ずかしいですね(笑)。でもベンチのメンバーもみんな頑張ってきたので、最後ああやってコートに立った時は感動しましたし、一緒にやってきて良かったなと思いました」

―今まででこんなに感動したことはありました?
「ないですね。人生で初めて嬉し涙を流しました。一生の思い出ですね」

―今までは悔し涙が多かったですね。
「そうですね…。入替戦でも2回悔し涙は流しているので。もう3回目の入替戦なので、楽しもうと思って戦いました。そうそう経験している人はいないと思うし、良い経験になったかなと思います」

―同じ代の4年生はどういう存在でしたか?
「みんな個性的で、変わってるんですよ。楽しいし、みんな一生懸命やるし。本当に良い仲間を持ったなと思います」

―4年間を振り返っていかがですか?
「入学当初から『カルテット』とか言われてしまって、自分ではそんな実力も全然違うのにそう言われて、頑張らなきゃいけないなと思っていました。2年で入れ替え戦で落ちたり、3年でも辛い思いをしたり、色々なことを経験してきました。でも自分たちが入学したころより絶対に良い雰囲気になっていると思います。今年は最上級生として何をすべきか考えて練習に取り組みましたし、最後の年なので後悔しないように頑張ろうとやってきました。口で引っ張れないので、どう影響力を与えようかというのは考えて。それができたかは分からないですけど…4年で一緒にまとめていって、最後良い形で後輩に引き継げたかなと思います」

―特にどういうところが成長したと思いますか?
「主体的に考えるようになったところですかね。人に頼らないで、何をすべきかというのを自分で考えられるようになりました。色々あまり経験できないことをたくさん経験させてもらったなと思います」

―後輩たちは来年1部でプレーしますね。
「頑張って欲しいですね。自分たちも最低限の仕事は果たせたと思うので、あとは応援します。やってくれると思うので、期待してます」

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「自分を支えてくれた4年生の仲間に感謝」
自分を高め、仲間と頑張る楽しさに気づいた4年間

◆#20小野大貴(中央大・4年・F)
121106ono.jpgエース格として4年間中央大の攻撃を引っ張り続けてきた小野。内外こなせるオールラウンドな能力と、人懐っこい性格も魅力だった。しかし、明るい笑顔の裏にはもちろん苦悩もあった。結果が出ない時期は自分の取り組みに疑問を投げかけ、主将の佐藤が怪我で抜けた時には代わりを果たせなかった自分を恥じた。
しかしバスケットは一人ではできない。今、小野がこうした4年間を終えられたのは同じ気持ちを共有できた仲間がいてこそだ。助けあい、高め合う。仲間とともに歩む大切さ、バスケットを好きな気持ちを心底感じられたことに感謝できたこと、そして最後にひとつの結果を残したことに賛辞を送りたい。


ーおめでとうございます。1年ごしの昇格、どんな気持ちですか?
「うれしい半分、インカレに行けない、引退なんだなという寂しさで正直よく分からない気持ちです」

ーインカレに行けないということで気持ちの面でも難しいこともあっただろうし、佐藤選手(#16)の怪我でリーグ終盤から大変だったのではないかと思いますが。
「4年生4人が中心だったと言われてきたけど、結局は将斗(佐藤)のチームだったので、柱がいなくなった時は正直自分がなんとかしなければいけないと思いながら、結局自分の力では何もできなくて。国士舘と白鴎に負けてしまって、本当に将斗には申し訳ない気持ちでいっぱいです」

ー入れ替え戦にはどういう思いがありましたか?
「自分たちが2年生の時に2部に落ちて、その時も自分たちがスタメンで自分たちの責任でした。だから最後は自分たちの力で取り返そうという気持ちで臨んできました」

ー去年入れ替え戦に負けた後、「今まで自分がやってきたことで良かったのかな」といったような発言も聞こえましたが、迷いがあったんですか?
「ずっと迷いはありました。今年もずっとそうでした。今のままでいいのかな、いいのかなと思いながら練習していて、でもそこで今年は小野元さんが加入して質の高い練習も何回かできました。将斗がキャプテンになってあいつが中心になって練習もできたし、まとめてくれました。だからそこに関しては去年よりぜんぜんいい練習ができたのは良かったですね」

ー小野さんが来てくれてどうでしたか?
「元さんが来れるのも月に何回かという状況だったので、その時に本当に集中して吸収しようという感じで取り組みました。あとは将斗が中心になってくれましたね。でも本当に負んぶに抱っこだったので、抜けた時に自分の実力不足を感じました」

ー試合におけるプレー面では引っ張れていたのでは、と思いましたが。
「引っ張ろうとはしていたんですが、個性派軍団なので難しかったですね(苦笑)。負けた時にあいつの凄さを実感しました」

ー見ていて佐藤選手がいない時はプレーの幅が狭くなってしまって苦しかったですね。
「オフェンスもそうですし、精神的支柱なので『あいつがいないから』というだけで不安になっている自分がいましたね」

ーそれでも佐藤選手がいなくなって自分で変わろうと思った部分もあったのでは?
「それはあったんですが、自分は背負ってダメになってしまうタイプなんです。やろうと思っていてもうまくいかなかったし、本当に感謝してます。周りには。本当に小心者なので(苦笑)。でもそんな小心者の自分を支えてくれた4年生の仲間たちには感謝してます」

ーこの入れ替え戦、初戦はやや固かったですね。
「入れ替え戦に慣れているといえば慣れているんですが、逆に3回目なのにこれで上がれなかったらまずいだろうというのがあって、自分は本当にダメで。やる気がありすぎて空回りするというか。でも将斗とかがいてくれて、ベンチの仲間も戻った時に大丈夫、と声をかけてくれて。そのおかげで2Q以降は立ち直りました」

ー日体大も頑張りましたが、やはり4年生の気持ち面が中央大が上回ったように見えました。
「去年はやはり明治の4年生の人たちに4年生の力を見せつけられて、今年は何が何でも4年生で勝ちにいこうとしゃべっていました。最後は4年生が中心になって活躍できたし、4年生でコートに立てて本当にうれしかったです。サプライズ起用に感謝です(笑)」

ーこれで4年間が終了になりますが、中央でバスケットをしてみてどうでしたか?いいことも悪いこともあったと思いますが。
「だいたいが良くないこと、つらいことでした。でも、つらいこともあったんですけど、でも本当にこの13年間バスケットをやってきた中で、バスケットが好きになれました。本当にうちのチームは自主性のチームなので、練習もぜんぶ自分たちでやって、手を抜こうと思えば抜ける。だけどそこをみんなで言い合って4年間やってきたので、自分自身の考えでバスケットに取り組んだ4年間だったし、好きになれました」

ー小野龍猛選手(2009年度主将・現JBLトヨタ)が卒業して、下級生が残されて、リーダーがいないそういう環境で高め合うのは難しかったのではないかと思うのですが、どういう状況からそうなったんでしょうか。
「龍猛さんがいる時は龍猛さんがいるから大丈夫、という安心感があったんです。いなくなってから自分たちで危機感を持ってこれじゃダメだと思って練習に取り組みました。その中で練習に身が入らなかったり腐りそうな時もあったんです。そういう時に試合に出ていない、ユニホームをもらっていない奴が必死で練習していて。それを見たら出ている自分たちがだらしない練習や試合をできないなという意識を持ち始めました」

ー高校までとは違う環境ですね。
「高校時代は佐藤久夫先生(明成)がいて、めちゃくちゃ練習して、それが自信だったんです。でも大学は練習時間も短いし、ぜんぜん日数もやっていない。高校の時は厳しい環境の中で実際しんどいので、いかに手を抜くか、と考えることもあったんです。でも大学って自分で手を抜こうと思えばいくらでもサボれるんです。そこでいかに自分を追い込めるかが大事だし、仲間と一緒になって追い込んで、チームの能力を高められるかが大事。そういうことに気づけたし、楽しかったんです。本当に自分自身を追い込めた4年間でした。本当に楽しかったです」

ーでは、後輩に一言お願いします。
「まとまれと(笑)。まとまったら絶対に強くなると言いたいです」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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