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2012.10.18 (Thu)

【2012リーグ2部】10/14レポート

国士舘大が単独首位の中央大に土をつける
見逃せない順位争いも佳境へ


 この日国士舘大中央大から金星を挙げた。これで中央大は2位の白鴎大と星の差が一つになり、首位争いもまだまだ分からない状況に。次週の直接対決は見逃せない勝負となる。中位も互いに星を奪い合い拮抗している。駒澤大が今週2勝し単独3位に浮上したものの、まだ白鴎大や中央大といった強豪校との対戦を残し、僅か1勝差で法政大国士舘大も追走。3位の枠もまだ予断を許さない状況が続く。

 法政大順天堂大の対戦は開始から拮抗した展開が続いたが、2Qから主導権を握った法政大が先行。順天堂大は得点源の#23泉(3年・F)がファウルトラブルに陥り、前半好調だった#96佐藤(2年・F)が怪我でベンチに下がったこともあって3Q残り3分には大きく20点差をつけられた。しかし3Q終盤に怒涛の4連続得点で点差を縮めると、4Qも勢いそのままに#99小川(3年・F)の3Pで5点差に詰め寄る。だがその後も相手を捕らえるあと1本が出ず、5点前後から点差を縮められない。法政大は我慢の時間帯を乗り切り、終盤#27岩崎(4年・SG)のダメ押しの連続シュートで再度突き放すことに成功。そのまま法政大が盛り返して85-68で勝利した。順天堂大は勢いのある時間帯も長かったが、3勝目とはならなかった。

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【駒澤大が終盤抜け出し3位をキープ】
121014itohiromasa.jpg ここまで7勝6敗の関東学院大は8勝5敗の駒澤大と対戦。勝てば勝敗で並び同率3位に浮上できる大事な一戦だったが、競り合いを3Q終盤で抜け出した駒澤大がそれを退けた。

 関東学院大は前日の怪我で#30村田(3年・F)が戦線離脱し、主力のひとりを欠いた状態。しかし代わってスタメンに抜擢された#38蜂谷(1年・GF・聖和学園)が奮起し、ダブルクラッチでのバスケットカウント獲得など躍動感あるプレーでチームを引っ張る。対する駒澤大はシュートが単発に終わり出だしは後手に回った。しかし#8鈴木(4年・G)の3P、#7馬場(4年・SF)のハイローなど要所でシュートを決め、#7馬場のブザービーターで締めて1Qは19-19の同点。2Qに入り、関東学院大はリバウンドからセカンドチャンスで得点するも、駒澤大の好守に次第に得点が伸び悩む。ただ駒澤大も決定打に欠け、33-30と3点差で後半へ。

 3Q、開始から#10エリマン(2年・C)がインサイドで連続得点し関東学院大が逆転。駒澤大も#55近藤 大(4年・PG)が強気なプレー引っ張りリードし返すものの、#10エリマンが#5槇坂から3つ目のファウルを奪ってベンチに追いやると、マッチアップの代わった#38蜂谷がすかさずスティールやバスケットカウントで活躍し関東学院大が1点差に迫る。だがこの悪い流れを駒澤大は#55近藤 大、#8鈴木の連続得点で打開。ディフェンスでもコートに戻った#5槇坂が#38蜂谷をよく抑え、堅守から速攻に走った。得点ラッシュで駒澤大が一気に11点差をつけて3Qを終えると、4Qでも優位に立つ状況は変わらず。そのまま3Q終盤につけた点差を保ち、70-58で大事な一戦を制した。

 駒澤大はこれで5連勝を飾り単独3位をキープ。ここまで毎試合ほぼ40分近く出続けている主力の4年生たちも、リーグ終盤と言えど疲れを感じさせないランプレーを見せている。関東学院大は勝率を5割に下げて一歩後退。#30村田の怪我が残念だが、選手たちに奮闘は見られる。上位進出への望みを繋ぎたいところだ。

駒澤大:9勝5敗
関東学院大:7勝7敗

写真:駒澤大は先週日曜から#6伊藤(4年・CF)が復帰。リバウンドに奮闘した。

 
【東洋大の怒涛の追い上げを白鴎大が逃げ切る】
121014toyo.jpg 2勝11敗となかなか勝ち星が伸ばせない東洋大は、2位の白鴎大に挑んだ。先行したのは東洋大。ディフェンスを引き締め、#41前田(4年・F)や#7筑波(2年・F)の思い切りの良いシュートで勢いに乗った。「出だしが重要なチームなのに今日は良い入りができなかった」#3横塚)という白鴎大は後追いの形になり、#5柳川(3年・F)のシュートで僅差を保つもののあまり流れが良くない。2Qに入り徹底的に#30アビブにボールを集めてインサイドを狙うも、東洋大#34尾崎(3年・C)がそれをよく抑えてなお東洋大がリードを保った。

 だが東洋大がトラベリングなど自分たちのミスで勢いを途切れさせ、#34尾崎が3つめのファウルを吹かれると、白鴎大が息を吹き返す。ゾーンに対し次々3Pを決めて一気にリード。3Qに入り堅い守備で東洋大を5分間無得点に抑えると、その間#3横塚や#15白濱(3年・F)が鋭いドライブを仕掛け、好調の#5柳川が3本の3Pを決めて大きく20点以上の差をつけた。東洋大は連続のファウルで#34尾崎がファウルアウト。#4筑波も4ファウルで、このまま試合は白鴎大ペースで進むかと思われた。

 しかし東洋大もここから粘った。4Q、出だしから#41前田の連続得点で点差を縮める。主力を下げていた白鴎大は#30アビブ、#15白濱、#3横塚を相次いでコートに戻し立て直しを図るも、東洋大は連続3Pで勢いを切らさず、最大27点あった点差を残り3分には#6村上の3Pで9点差に。しかし白鴎大もタイムアウトを挟んで落ち着きを取り戻すと、それ以上の追撃を許さなかった。再び突き放して91-74で勝利。11勝目を挙げ、2位の座を守った。

 東洋大は連敗にはなったが、前週より良さも見えた週だった。毎試合のファウルトラブルは気になるが、激しいディフェンスや持ち前の機動力を活かした思い切りの良いシュートで噛み合った時は爆発力を発揮している。残り4試合、少しでも多く勝ち星を得たい。

 白鴎大は試合の中で波もあった。「もっと勝ちに貪欲にならないと」#3横塚。今年にかける想いから相当の練習量を積み重ねてきたと言うだけに、あとは強い気持ちでそれをコートで表現していくだけだろう。来週の対戦も気を引き締めたい。

白鴎大:11勝3敗
東洋大:2勝12敗

写真:東洋大は頻繁に集まりコミュニケーションを取っている。

※白鴎大・横塚選手のインタビューは続きを読むへ。

 
【激しい守りで国士舘大が中央大相手に大きな1勝】
121014onodaiki.jpg この日のハイライトゲームになったのが中央大国士舘大の一戦。国士舘大が中央大の追撃に耐え、大きな1勝を挙げた。

 試合によって波があり出だしが重要な意味を持つ国士舘大は、この日最高のスタートを切った。オフェンスリバウンドに絡んで中央大を簡単には走らせず、守りでは中を固めて相手の攻撃をシャットアウト。開始6分間で中央大はわずか2得点しか奪えず、2-12と大きく水を開けられる展開に。その上中央大は精神的支柱でもある#16佐藤(4年・PG)が足を痛めて交代を余儀なくされ、先行きに暗雲が立ち込めた。しかし国士舘大が3連続でファウルを犯した隙にフリースローで追い上げ14-16と差を縮めて2Qに入ると、#21大野(3年・F)や#5谷口(2年・F)の活躍で逆転に成功。国士舘大も#22原(1年・F・習志野)の活躍で再びリードし返すが、その原が直後に3つ目のファウルを吹かれるなどうまく突き放せず、試合は拮抗した。しかし国士舘大は終盤#9新田(2年・C)が#20小野(4年・F)をブロックして速攻を決め、#14高橋(3年・G)の3Pで締めて37-30とその差を7点に広げて試合を折り返す。

 3Q、中央大は果敢に#24塩谷(3年・PF)らがドライブを仕掛けるも、ファウルがもらえずタフショットが続いて得点が伸びない。しかし国士舘大もシュートが落ちてこのQは12-11と両者ロースコア。前半の点差をほぼそのまま残し、8点差で勝負の4Qに入った。

 迎えた最終Q、国士舘大は中央大のゾーンに点が伸び悩み、中央大が#20小野の速攻で開始早々2点差に詰め寄る。するとここから白熱した点取り合戦に。国士舘大#22原がジャンプシュートを決めればすかさず中央大#5谷口が3Pを決め返すという展開が続き、両者一歩も譲らない。しかし原に加えて#14高橋がジャンプシュート、#11平田(4年・G)が3Pで援護した国士舘大が一歩抜け出し、#9新田がリバウンドを拾って残り2分半で9点リード。苦しくなった中央大は反撃の3Pを打っていくも、ボールがリングに嫌われ流れは変わらず、そのまま国士舘大がリードを保って61-76で逃げ切った。 

 「チームで団結して勝てた」と国士舘大#9新田。オフェンス力の高い中央大を61点に抑えたアグレッシブなディフェンスは、練習の甲斐あって今やチームカラーのひとつになっている。選手一人ひとりが集中を切らさず、Bチームの応援も中央大の声をかき消すほどの大歓声でそれを後押しした。だが試合によって激しく波があることも自分たちで自覚しており、いかに実力をコンスタントに出せるかは課題だ。この1勝で上昇気流に乗れるか。

 前半で躓いた中央大は何度も追い上げたものの、国士舘大の勢いがそれを凌駕し、そのまま試合を覆すことはできなかった。互いに明るく声を掛けあい何度も立て直そうとする姿が見られたが、執拗なディフェンスに苦しいシュートが増えて自分たちのリズムを掴めず。手痛い黒星を喫し、次週以降の対戦がますます負けられない戦いとなった。

国士舘大:8勝6敗
中央大:12勝2敗

写真:中央大の得点源#20小野は#9新田の高さに苦戦した。

※国士舘大・新田選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【拮抗した展開を慶應義塾大が一歩抜け出す】
121014itoryota.jpg 8位の慶應義塾大と7位の神奈川大の対戦は、下位脱出を図るためにも両者気合いの入った相譲らない展開が続いたが、3Qで勢いを掴んだ慶應大が76-69で逃げ切った。

 開始から流れの奪い合いとなり1Qは16-14とほぼ互角。続く2Qで慶應大は激しい守りから序盤に6点のリードを奪うが、神奈川大も#21増子(4年・SF)がスピードあるプレーで対抗し、そこからは点差のつかない展開が続いた。両者ともに好プレーもあればミスもあって流れを掴みきれず、34-31と慶應大がわずかに3点リードして試合を折り返す。

 勝負のポイントとなったのは3Q。序盤はシーソーゲームが続いたが、#7本橋(3年・CF)の連続得点に#8蛯名(3年・G)の3Pが続いて慶應大が先行した。神奈川大も#98大石(2年・PG)らが速攻に走り点差を縮めるが、この勝負所で慶應大は#16伊藤(2年・G)が奮起。3Pを決め、すぐさま2連続で運びからそのままドライブに持ち込む強気なプレーでチームを引っ張る。神奈川大は#7古橋(3年・SF)のシュートに当たりが来ず、59-48と二桁ビハインドを負って4Qへ。

 4Q、これまでの試合は終盤に失速し逆転を許すことも多かった慶應大も、この日は上級生らの活躍で勢いを切らさない。#8蛯名、#7本橋がミドルシュートを次々沈め、残り6分半には16点リードにまで点差を広げた。神奈川大はここから#21増子のバスケットカウントや#7古橋の3Pを含む怒涛の連続得点で9点差に詰め寄ったが、慶應大も#16伊藤が3Pを決めて点差を2桁に押し戻す。その後も神奈川大が追い上げては慶應大がそれを退ける展開が続き、点差を保った慶應大が逃げ切って勝利を手にした。

 慶應大はリーグ戦初の連勝で今週を終え、長く続いた暗闇からやや明るい光明を見出した。チーム上昇の鍵は上級生がいかに仕事を果たすかだった。下級生の奮闘に要所での上級生の活躍が融合できれば、自ずと結果もついてくるだろう。神奈川大は先週から白鴎大戦・東洋大戦と接戦を勝ち抜いてきたものの、3連勝とはならずに7位を抜け出すことはできなかった。しかし#29田村(3年・PF)が復帰するなど明るい兆しはある。次週の中央大戦で一矢報いることができるか。

慶應義塾大:5勝9敗
神奈川大:6勝8敗

写真:奮闘が見られる慶應大#16伊藤は1プレー1プレーに気迫がこもっていた。

※慶應義塾大・本橋選手のインタビューは「続きを読む」へ。

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【INTERVIEW】

「うちらしいディフェンスが出せて良かった」
堅守で掴んだ大きな勝ち星

◆#9新田華武伊(国士舘大・2年・C)
121014nitta.jpgディフェンスが冴え、高さを活かしてファウルをせずに相手の得点源をよく抑えた。リバウンド数も12本はチームハイ。ディフェンスやリバウンドといった、泥臭い地味な部分でチームの勝利を土台から支えていた。国士舘大は大黒柱の#13曹や能力の高い華やかなガード陣たちに注目が集まるが、今やチームに欠かせない存在となっているこの新田も忘れてはならない。献身的なプレーは、チームの勢いを安定させるためにも今後さらに必要となってくるだろう。新田自身まだ試合によって波もある。残り4試合も、ますますの奮闘を期待したい。


―大きな一勝ですね。今の心境は?
「嬉しいです。昨日は負けたんですけど、切り替えてチームで団結して勝てたので本当に良かったです」

―相手が現在首位の中央大ということは、試合前どう感じていましたか?
「1位ということはそんなに気にせずに、自分たちのプレーをすればどこにでも勝てると感じていました。試合が始まる前に応援の人たちと集まって頑張ろうと気持ちを高めて、そこでチームが一つになれたのかなと思います。それで自分たちのプレーができたから勝てたのかなと」

―『自分たちのプレー』という点では、国士舘らしい激しいディフェンスを仕掛けられましたね。
「そうですね。ディフェンスの練習は夏が始まる前からずっとやってきたので、そういううちらしいディフェンスが出せて良かったです」

―新田選手も相手の得点源の#20小野選手をよく抑えていたと思います。
「1周目で戦った時に小野選手には結構やられてしまって、チームのみんなからも『そこもっと守った方がいいんじゃない?』と指摘されて(苦笑)、自分でも色々考えたんです。それで今日はやられないようにと思いながらディフェンスについていました」

―具体的にどんなところを意識してディフェンスしていたんですか?
「小野選手はジャンプシュートも外さないしスピードも自分は全然敵いませんが、自分の方が背は高いです。だからジャンプシュートの時にギリギリチェックが届くくらいの距離に立ってちょっとだけスペースを空けて守れば、最後にボールを叩けるかなと思って。スピードでは負けちゃうので、とにかく高さのところで勝負しようと意識していました」

―狙い通りになったんですね。中央大に追い上げられるシーンも何度もありましたが、持ちこたえましたね。
「いつもは前半で離されてそのままズルズルと行ってしまいますが、今日は勝っていたので、競り合いに頑張ってついて行けば絶対に勝てると思っていました。それでみんな集中してやっていたと思います」

―新田選手を含め、下級生の活躍が顕著でした。1年生の原選手(#22)も終盤連続でシュートを決めて大活躍でしたし。
「新人戦の時から、あいつには『自分がリバウンド取るからどんどん打ってけ』とは言っています。いつも助けられていますね」

―2年生になって後輩が入ってきたことも大きいと思いますが、自分自身2年生になって何か変化はありましたか?。
「去年はリーグ戦も初めてだったので、とりあえずがむしゃらにやろうと思ってプレーしていたんですけど、今年は去年から結構試合に出させてもらった分試合にも慣れてきたし、ある程度は落ち着いて色々考えながらプレーできるようになったかなと思います。でも課題も色々あって、攻めるべきところで攻められなかったり、大事なフリースローをいっぱい落としたりしているので、そういうところは今後しっかり決めていきたいです」

―ここまでのリーグ戦を振り返ると、白鴎大や中央大に勝つ試合もあれば、取りこぼす試合もありますね。
「やっぱり自分たちは波があるので…(苦笑)。流れが良い時と悪い時の波が激しいので、あと4試合はその波を小さくして勝てるように頑張っていきたいです」

―悪い流れを無くすためには何が必要だと思いますか?
「負け試合はだいたい自分たちのミスからどんどん離されてしまっているので、そういうミスを無くしていければ大丈夫かなと思います。いつも出だしで悪いとそのままいってしまうので、しっかりスタートの5人が集中して頑張っていかないといけないと思います」

―ではリーグ戦もあと2週ですが。
「自分たちはまだ全然入替戦も諦めてないですし、しっかりチーム一丸となって入替戦に出られるように頑張りたいです」

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「勝利というのはもらえるものではなくて、
自分たちの力で勝ち取るもの」

◆#3横塚 蛍(白鴎大・4年・G)
121014yokotsuka.jpg言葉の一言一言から、強い気持ちが伝わってくる選手だ。メンタル面を最も重要視する姿勢は下級生の頃から変わらず、攻守共にアグレッシブなプレーを見せている。出場機会を得始めたばかりの昨年は、がむしゃらなプレーでチームの起爆剤の役割を果たす一方でミスも目立ったが、今年はより“行くときは行く、まわりを活かすときは活かす”というメリハリが見え、ゲームコントロールにも磨きがかかっている。これまでの試合苦しい時間帯で横塚の活躍がチームを救った場面も多々あった。残り2週も、誰にも負けない強い気持ちでチームを引っ張っていって欲しい。


―試合の立ち上がりは相手のペースでしたね。
「去年もそうでしたがやっぱりうちは出だしが重要なチームで、いつも入り入りと言われているんですが今日は良い入りができなくて前半はあんな展開になってしまいました。多分相手もスカウティングしてきているだろうし、自分たちの思うようにいかないことも多いですね。でもそこは乗り越えていかないといけないし、そういう力が無いと入替戦に行ってもあたふたしてしまうと思います。そういうのを乗り越えるための練習もしてきていて、アビブが止められた時とかの自分たちのオフェンス、点数の取りどころみたいなのは意識して練習しています」

―そういう場面で横塚選手が点数に絡むことも多いですよね。去年までよりも、今年は大事な要所要所で得点を取っている印象を受けます。
「常に点数を取ろうという気持ちではいるんですが、試合中に今点を取れる人に取らせることも意識してやっています。僕自身も含めて、行ける時は行ける選手が行けばいいかなと思うので。だから自分はみんなが良くない時とか、ゲームが速い展開になって点数が欲しい時とかに、点を取れればいいなと思っています」

―得点面では柳川選手(#5)の奮闘も光りますね。頼もしい選手に成長してきたというか。
「そうですね。相当努力しているんだと思います。自分なりに点数を取るプレーヤーであるということを自覚して、練習中もそうですけど練習が終わった後も練習が始まる前も、個を磨くということを頑張っています。3年生はみんなそういうところがあって、チームに必要な存在なんだというのを3年生になってすごく自覚しているんだと思うし、おそらく来年のことも視野に入れながらやっているんだと思いますね。それは良いことだと思うし、そういう後輩たちの力は大きいですね」

―試合の話に戻りますが、3Qには自分たちのバスケットに持ち込めましたね。ハーフタイム中にはどんなところを修正しようという指示があったんですか?
「この試合をやる前に、齋藤さん(監督)から『今日はディフェンスだぞ』と言われていたんです。ディフェンスをしっかりやって走って速い展開に持ち込めば、トントンと点数も離れるからと。それをみんなで再確認して、意思の疎通みたいなのが取れたのかなと思います。1Qの出だしは相手に何点も取られてしまいましたが、3Qの出だしはしっかり守って走って点数をとって、自分たちのバスケットに持ち込めたので良かったかなと。でも点数が離れた時に緩みというか隙みたいなものが生まれてしまって、相手の勝ちたいという気持ちに押されて最終的に点差を縮められてしまったのは良くなかったですね。内容にもこだわって戦っていくためには、一人ひとりがそういう勝ちたいという気持ちを常に出して行かないといけないなと感じた試合でした」

―そういうメンタル面の部分はこれまでも課題になってきましたよね。一回崩れて立て直せずにそのまま負けてしまう試合もありましたが。
「やっぱり前回勝った相手だからとかちょっと点差が離れたとか、そういう油断みたいなところが誰かしらにあったのかなと思います。今振り返ると、メンタル面での自分たちの上げ方みたいなのがベンチも含めてちょっと甘くて、それが3敗につながってしまったのかなと。“勝利”というのは『お願いします』と言ってもらえるものではなくて、自分たちの力で勝ち取るものだと思うんです。そういう気持ちを出せない時に黒星がついてしまったと思うので、もっと勝ちに貪欲になっていかないといけないですね」

―横塚選手はこれまでの年もすごく強い気持ちで戦っていたように思いますが、4年目になって心境はどうですか?
「1・2年の時はあまり試合に絡むことができなくて、3年目でやっと試合みたいなのを味わえて。それで4年の今年は、やっぱりもう後が無いし、いつも崖っぷちに立たされているような感じです。そういう切羽詰った緊張感というか、ちょっと押されたら落ちてしまうような感覚は、僕だけじゃなくキャプテン(#2石川)やアビ(#30アビブ)や他の4年生も感じていると思いますし、スタッフの4年生2人(布施・佐藤)も感じていることだと思います。だから勝ちにこだわるという意味では、4年生はそういう気持ちがチームの誰よりも強いかなと。…そう考えると、あぁもう4年生なんだなって思いますね」

―昨年は入替戦まで進んで悔しい思いをしていますし、今年こそという思いも強いと思います。
「そうですね。僕らももちろん悔しかったですけど、監督・コーチも相当悔しかったんじゃないかなと思うんです。泣いてなかったけど、僕らより悔しい思いをしたかも知れない。それは今年、練習の熱のこもり様から感じましたね。先頭を走る監督やコーチに負けないように僕らもついて行っている感じです」

―目標は1位通過だと思いますが。
「そうですね。今は2位でもまだ何があるかは分からないので、一つ一つあと4戦全力で戦って、必ず1位で1部に上がりたいですね。頑張りたいです」

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「上級生がチームを作っていくことが重要」
慶應大としての伝統をどう受け継ぎ、体現するか

◆#7本橋祐典(慶應義塾大・3年・CF)
121013MOTOHASHI.jpg出場時間こそ多くなかったが、試合終盤でのリバウンドやミドルシュートといったプレーでチームを鼓舞。ここまで数多くの試合で敗戦のポイントとなってきた“勝負どころ”で見せたプレーはチームを勇気づけた。それには上級生こそチームの要という思いを新たにしていたからでもある。
元々4年生が少ない今期のチームは本来の主力である3年生も相次いで離脱し、チームは敗戦を重ねた。数少ない上級生として勝てないリーグで溜めたフラストレーションは決して少なくなかったはずだ。この勝利でようやく得た浮上へのきっかけで残り4試合を勝利できるか、本当の勝負はここからだ。


ー立ち上がりは互角の勝負になりましたが。
「立ち上がりは少しでも気を抜くと持っていかれる展開だったし、僕自身はオフェンスリバウンドで叶わなくてベンチに下げられてしまいました。そこに絡まなければいけないなと思ったし、その後出た時に立て直せたのは良かったと思います」

ー一番意識していたのはそこですか?
「今週でいえば今まで僕等が一番足りていなかった部分です。上級生が試合を引っ張る姿勢や結果的に引っ張っていっている、という部分が一番足りませんでした。今週2試合それを体現できたので初めて2連勝できたと思うし、これを一過性のものにしないで欲しいと佐々木先生からも言われました。これを続けていきたいです」

ー試合に出ている下級生が多くて、上級生同士で話しあうことは?
「上級生全体の存在感がないことは前からそうでしたが、僕自身がミーティングではチームメイトから上級生としてやれていないと言われていたし、個人として指摘を受けていました。そこで蛯名(#8)とかが戻ってきた時の中央大戦とかは一気にチームとして良くなったし、蛯名はリーダーシップがあって引っ張れる。僕がそれまで試合に出ていてチームが引き締まったかと言われたらそういうことはなく、それをどうすべきか考え続けていました。自分が一番貢献できることは何かと、一昨年のビデオなんかも見返して酒井さん(10年卒・酒井祐典・現九州電力)のプレーを見て、一番泥臭い部分、見えない部分で頑張ってくださっている姿勢がチームを引っ張っているのかなと解釈しました。そこでチームで一番頑張れるようにしたいと思って今週練習も頑張ってきて、形になってくれたかなと思います」

ー後半は特にそういう部分を出せたのでは?
「そうですね。今まで流れがいい時でも自分が流れを切ってしまうということがあって、今週2試合で自分と蛯名、桂さん(#4)とか上級生で流れを作るということができたのが本当に収穫だったと思います」

ー頑張ってない訳ではなかったと思うんですが、ここまでそういう力が出せなかったのは個人としてチームとして何が大きかったですか?
「チームとしてうまくいかなかったのは上級生がだらしないというか、引っ張っていけていなかった部分です。僕個人としてはメンタリティというか、周りから指摘してもらうことも多くて、自分の中でどう解釈するかももやもやしてしまっていたと思います。でもそういうことを考えても始まらないし僕自身がプレーで一番しっかりしないといけない。上級生がチームを作っていくことが重要だと先生もおっしゃっていますし、それが大学バスケの伝統というか基礎だと思います。やはりチームの中で一番プレーで体現したいと意識しています」

ー一昨年まで在籍していた二ノ宮選手(10年度主将・現JBLトヨタ)や酒井選手、岩下選手らの時代を知るのももう本橋選手より上の世代だけですよね。OBが残してくれたものを理解して伝える必要もあると思います。
「一昨年すごく強かったのは誰もが思うことだと思いますが、なぜ強かったのかと考えた時に3人すごい人がいて、そのせいだと言ったらそれは当たり前だし、青学や東海といったところもいい選手はたくさんいます。でもあの時はそういうところじゃない部分でチームがひとつだったと思うんです。それが今年はチームに足りなかった部分です。見えないところでの上級生の頑張りがあってチームがひとつになっていた感じが大きかったと思います」

ーそういう部分を残りの4試合で表現できるといいと思うのですが。
「今週は自分としてはつかめたものも大きいので、これを一過性のものにしないで継続していくことがこれから重要です。一過性のものにしてしまうとチームがバラバラになってしまうと思うし、やっとここにきてチームがひとつになれたかなと僕も中の思いもあるので、それを継続していくことです。上級生という自覚を持ってみんなと一緒にチームを引っ張ることをしっかりやっていきたいと思います」

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