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2012.06.16 (Sat)

【2012新人戦】6/16レポート

筑波大が準決勝の壁を破り決勝進出
注目のライバル対決は東海大が青学大を圧倒


 新人戦も残す所あと2日。この日から場所を日本体育大世田谷キャンパスに場所を移しての開催となった。順位決定戦2試合はそれぞれチームの層が上回った明治大、国士舘大が勝利した。準決勝2試合もやはりサイズ、層で上回った東海大、筑波大が勝利。通常チームの半分しかいない戦力で戦う新人戦はやはり有用な選手がどれだけいるかが勝敗を大きく左右する。いずれもそれがよく見えた試合だった。


【国士舘大の攻撃力が東洋大のディフェンスを翻弄】
120616hara.jpg 第一試合、順位決定戦の国士館大東洋大の対戦は、序盤から好調だった国士舘大が試合をリードし、逆転を許さず83-64で快勝した。

 国士舘大もサイズが大きくはないチームだが、それ以上に小さい東洋大相手に序盤から#12新田(2年・C)がインサイドで奮闘。幸先の良い立ち上がりを見せると、国士舘大は各々積極的にドライブを仕掛けて次々得点を奪っていった。東洋大もリバウンドに粘るが、肝心のシュートが決まらず決定力に欠く。2Qは両者ミスもあって我慢の時間帯にはなるが、国士館大が1Qでつけた点差を守って40-31で前半を終えた。

 今大会、ほとんどの試合で後半盛り返してきた東洋大。その流れがこの試合でも生まれ、3Qはゾーンディフェンスが奏功して点差を縮める。攻撃ではこの日は#6村上(2年・G)が積極的に点を取りに行き、バスケットカウントや速攻に走って連続得点。国士館大のアウトサイドが鳴りを潜める間に、3点差まで詰め寄った。

 だがここで流れを変えたのが、#21大河原(2年・F)のバスケットカウント。このプレーに#23中島(2年・G)が3Pで続くと、再び国士舘大が主導権を握った。自慢のアウトサイドも確率良く決まりだし、的を絞らせない攻撃で東洋大のディフェンスを翻弄。東洋大は「ディフェンスが崩壊してしまった」#6村上が振り返るよう守りが機能せず、再び反撃を図ることはできなかった。国士舘大が20点前後の点差を守り切って試合終了。国士舘大は5位決定戦へ、東洋大は7位決定戦へ進むこととなった。

 東洋大は3Qで3点差まで詰め寄る粘りを見せたが、あと一歩及ばず。組織的なディフェンスで流れを掴む爆発力はあるが、試合の中で波もある。修正し、最終日を良い形で締めくくりたい。対する国士舘大は6人が2桁得点と、万遍なく得点を分散。どこからでも点の取れる持ち前の攻撃力を発揮した。5位決定戦は高さのある明治大との対戦。小さい布陣でどのような戦い方を見せるか注目したい。

写真:国士館大・原はシュートが好調でチームハイの16得点。

※東洋大・村上選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【地力の差を見せた明治大が日本体育大に快勝】
120616minagawa.jpg 順位決定戦の2試合目、明治大日本体育大の試合は、地力に勝る明治大が貫禄を見せ、5位決定戦への切符を掴んだ。序盤はじりじりしたロースコアの展開で得点が推移した。順位決定戦のモチベーションの難しさも相まってか、なかなかシュートが決まらずに1Qは14―14の同点。しかし、2Qに入ると全体チームでもプレー機会の多い選手が活躍を見せ始める。#16安藤(2年・PG)がミドルシュートを決めると、速攻から#51皆川(2年・PF)や#12中東(2年・PG)が確実に決めていき、一挙に2桁の点差に。ただ、日体大は#88万(1年・C・中部第一)が得点を重ねて前半は35―25と、10点ビハインドで抑えた。

 後半も、開始直後は我慢比べとなるが、#55吉本(1年・SG・藤枝明誠)がファウルトラブルに陥りながらも連続得点を重ねていった明治大が、主導権を握った。日体大はオフェンスが単発となり、相手ファウルで得たフリースローの確率が上がらなかった。結局ベンチメンバー全員がプレータイムを得た明治大が、76―51で勝利した。

写真:チームハイ19得点の明治大・皆川。ミドルレンジからのシュートも目立ち、成長を感じさせた。


【拓殖大の勢いを筑波大が何とか凌ぎ、決勝へ】
120616FUNABASHI.jpg 準決勝の拓殖大筑波大の対戦は、筑波大に拓殖大が終始ついていく形になったが、そのまま筑波大が逃げ切り久しぶりの決勝進出となった。

 筑波大は立ち上がり好調。#10山田(2年・PF)の連続得点に加え、#21笹山(2年・PG)がオフェンスリバウンドを拾って得点をつなげた。対する拓殖大も#14大垣(2年・F)の一対一で対抗するが、アウトサイドに当たりが来ず、逆に筑波大#14坂東(2年・SG)に3Pをお見舞いされてしまう。22-16と筑波大リードで2Qへ。
 
 2Q、筑波大がターンオーバーから試合に入ると、拓殖大が怒涛の反撃。#14大垣が3Pに速攻にと連続で11得点稼ぐ大車輪の活躍を見せ、22-27と開始4分経たずに一気に逆転に成功した。後手に回る恰好となった筑波大。だがここでシックスマンの#58船橋(1年・SF・千種)がオフェンスリバウンドに粘ってバスケットカウントを獲得と、覇気あるプレーで流れを呼び込む。拓殖大も負けじとプレッシャーを仕掛け、#14大垣がベンチに下がった時間帯を#29岩田(1年・F・延岡学園)が得点で引っ張ると、両者流れの奪い合いとなった。だが2Q終盤、#16小松(1年・SG・福岡第一)が速攻と3Pで仕事を果たし、再度筑波大が逆転して39-41で試合を折り返す。

120616STUKUBA.jpg 3Qに入り、#16小松の2本の3Pで点差を引き離しにかかる筑波大。だが拓殖大もやはり#14大垣が得点を引っ張り、前からプレッシャーをかけて#21笹山のオフェンスファウルを誘うなど、流れを切らさなかった。しかしなかなかあと1本が出ず、追う展開を覆せない。4Qに入っても拓殖大は#0岡本(1年・PG・延岡学園)らが執拗なディフェンスを仕掛けて筑波大の運びのミスを誘うが、それが得点に結びつかず、反対に筑波大は大事な場面で#16小松・#10山田がシュートを沈め、決定力の差を見せつけた。結局筑波大が74-63で逃切り、準決勝の壁を破って嬉しい決勝進出を決めた。

 拓殖大は激しいディフェンスで猛追を見せたが、決定打の部分で#14大垣、#29岩田に頼りがちになる部分が苦しかった。しかし小さい布陣ながら足を動かし続けた平面バスケットを徹底し、気持ちやチーム力では決して劣らない戦いぶりを見せた。明日の3位決定戦は青学大との対戦。こちらもライバル対決だけに、見逃せない一戦となるだろう。筑波大は相手のプレッシャーにひるみターンオーバーがかさんだが、大事なところで決めきる勝負強さはさすが。この日はルーキー3人が二桁得点と成長も見られた。決勝の舞台を「チャレンジャーとして、全員で気持ちでまとまって戦いたい」#21笹山。悲願の優勝を狙い、全力で立ち向かうだけだろう。

写真上:積極性が光った筑波大・船橋。
写真下:決勝進出に笑顔の筑波大。

※筑波大・笹山選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【東海大が2007年以来の決勝進出】
120616HASHIMOTO.jpg 2006年以来、新人戦のタイトルを独占してきた青山学院大東海大。この両者が今年は準決勝でぶつかることになった。今年の青学大はもともと人数が少ない上に怪我人もおり、使える人材はせいぜい6人程度。その反対に東海大は全体チームでも主力として出場するメンバーが多数おり、有力視されていた。

 試合は互いのチーム状況を表すように東海大優位で進んだ。1Q、#21橋本(1年・C・宇都宮工)、#10バランスキー(2年・PF)、#7晴山(2年・PF)と立て続けに得点した東海大。青山学院大は外が入らず、ターンオーバーを食らう形となった。オフェンスで互角に戦えるのはインサイドの#7野本(2年・CF)のみ。この日スタメンに入った#11田中(2年・SG)、#18笠井(1年・PG・尽誠学園)のシュートも出てスタートで0-6と離されたところをじわじわと追い上げ、#5高橋(2年・PG)のドライブで逆転。しかしその後が続かず東海大が#10バランスキー、#0ベンドラメ(1年・SG・延岡学園)のシュートで16-21とリードして1Qを終えた。

 2Qも青学大の苦戦は続く。アウトサイドの当たりが来ない分、どうしても得点が偏ってしまう。東海大も外の確率はさほど良くないQだったが、#7晴山のダンク、#0ベンドラメのドライブやスティールなど、見せ場をつくり、リードを広げる。青学大はこのQ7点に終わり、そのうちの6点を#7野本が得点するという苦しい状況だった。

120616TANAKA.jpg 12点を追う形で3Qに入った青学大。東海大はファウルがかさむがそこは交代がいる分問題は小さい。#7野本意外にも#5高橋や#18笠井が積極性を見せるが東海大も余裕を見せて内外から決めていき、点差は10程度で推移した。結局このQも12点差で終えた青学大。4Qになるとファウルも増え、次第に差を広げられてしまう。東海大は全員がまんべんなく得点に絡み、10点近いリードを得る余裕を見せる。青学大はようやく終盤に2本の3Pが出て点差を縮めるが、追いつくには至らず58-74で試合終了。東海大が充実した戦力を存分に発揮し、決勝進出を決めた。

 青山学院大は野本が27点だが全体の得点力では東海大の方が上だった。また、チームのリバウンドで東海大に10本の差をつけられた。ファウルをできない状況で積極的にリバウンドに絡めなかったのは痛い。#17満山が0点だったのも惜しまれる。東海大のプレッシャーの前では打つのはそう簡単ではないが、やはり外の援護射撃がもう少し必要だろう。

 東海大は余裕の勝利となった。晴山が30点と得点面で牽引した。しかし3Pは1本とやや物足りない部分もある。決勝の相手筑波大はサイズ、層の厚さでやはり東海大の方が優位だが、アウトサイドは強いだけに注目のポイントとなりそうだ。

写真上:青学大・野本とのインサイド勝負が見どころだった東海大・橋本。
写真下:青学大・田中はリバウンドで貢献。

※東海大・晴山選手、バランスキー選手のインタビューは「続きを読む」へ。


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【INTERVIEW】

「自分がゲームの流れを読んでいかなきゃいけない」
冷静なゲームメイクを果たすクールな司令塔

◆#6村上健太(東洋大・2年・G)
120616murakami.jpg新人戦チームの主将。1年時から全体チームの正ポイントガードを担い、堂々としたゲームメイクでチームを牽引する頼れる司令塔だ。「あいつが落ち着いてコントロールしてくれるからこそ、まわりが好きにやれている」(#7筑波)と仲間からも絶大な信頼を誇る。ポーカーフェイスだが、この日は積極的にリングに向かう熱い闘志も見せ、得点面でもチームをリードしていた。
今大会嬉しいベスト8入りを果たした東洋大だが、エイトを越えてからの壁は高く、この試合で2連敗。追い上げる時間帯は見せているだけに、あともう一歩を埋める何かを得たいところだ。ラスト1試合、勝ち星を得ることができるか。


―準々決勝で敗れて今日は順位決定戦となりましたが、試合前の意気込みはどうでしたか?
「いや、そういうのは関係なく絶対勝つ、という感じで臨みました。でもみんな前半からあまりディフェンスの足が動かなくて、オフェンスもまったりしちゃって…。なかなか自分たちの流れがこなかったことが敗因だと思います」

―今大会を通して東洋大はスロースタートな展開が多いですよね。
「そうですね。いつも前半負けてて、後半盛り返すパターンが多くて。でもそれじゃやっぱり後半苦しくなるので、前半から互角かリードできるくらい動きを良くしないと厳しいと思います」

―3Qにはディフェンスを色々変えて追い上げを見せましたが。
「その時間帯はディフェンスも上手く機能していたし、ディフェンスリバウンドもしっかり抑えてそこからアーリーな展開に持ち込めました。でもそこで点差が5点とか6点差まで縮まった時に、もう一回踏ん張る力が出せませんでしたね」

―追い上げてあと一歩、というところで相手にオフェンスリバウンドに飛び込まれてしまったのが少しもったいなかったように思いますが。
「そうですね。あとは自分たちのターンオーバーで相手にボールを渡してしまったことも、もうひと踏ん張りできなかった一つの要因だと思います。多分“どうせ追いつけるだろう”じゃないですけど、そういう気の緩みがあったのかなと。それで途中からディフェンスが崩壊してしまって…。うちはディフェンスから頑張らないと波に乗れないチームなので、今日みたいにディフェンスが崩壊してしまうとバンバン点差を離されてしまうんですよね。波に乗れば良いんですけど、波に乗れない時にどんどん落ちていってしまうので、そこは気をつけたいです」

―他に課題はありますか?
「あとはフリーのシュートが、まだまだ確率悪くて。そこで今日も国士館と差が出てしまいました。それと今は1年生が2人出ていて、やっぱり1年生って前半は試合に慣れてないのでシュートも動きも硬いと思うんです。だがら前半は、2年生3人がもっと頑張って引っ張らなくちゃいけないなと思います」

―東洋大はやはり変化のあるディフェンスが特徴的ですよね。仕掛ける方も監督の指示にすぐ対応するのは大変だと思いますが。
「そうですね。コロコロ変えるので頭を使います。早くポジションにつかないと逆に速攻で攻められたりするので、そこは考えてやらなきゃいけないところですね」

―やはり普段の練習からディフェンス重視なんですか?
「はい。最近はディフェンスのフットワークとかをひたすらやって、めっちゃ走る練習が多かったですね。そういうのが後半の粘りとか、動けてる要因なのかなと思います」

―オフェンスでは、村上選手の冷静なゲームメイクが光りますね。白鴎戦のあとも、目監督が「村上が良いところで良いフォーメーションを使った」と評価していました。
「いや、もう必死ですよ(苦笑)。ベンチから言われなくても自分がコールとかしなきゃいけないし、自分がゲームの流れを読んでやっていかなきゃいけないので、そこはまだまだ勉強しなきゃいけないですね」

―村上選手は試合中本当にポーカーフェイスですね。
「よく言われます(笑)。でも自分ではこれが普通になっちゃってるので…」

―新人戦チームではキャプテンを務めますが、何か意識していることはありますか?
「自分たちは、コミュニケーションが足りないとか全く喋れないとかずっと言われていて…。練習中もそうですけど、特に自分は試合中出てる5人にはせめて声を掛けられるように、と心掛けていたんです。でもやっぱりまだまだですね」

―今の2年生は村上選手、筑波選手、遠山選手と能力の高い選手が揃っていますよね。下級生の頃から出番を得ていますし、この代が4年生になった時には強さを発揮するのかなと思いますが。
「いや、このままいったらマズイなと自分は思ってるんです。自分たちはまだまだ今は3・4年生に頼りっぱなしなので…。もっとみんなでしっかりまとまって、声も出せるようにならないといけないし、みんなを引っ張るリーダーシップとか統率力も身につけなきゃいけない。本当にまだまだですね」

―今年のリーグ戦は2部でのプレーとなりますね。
「3部よりは2部の方が当たりも強いしシュート力もあるし、楽な試合は一つもないと思います。毎試合毎試合、必死に精一杯戦っていきたいですね」

―では新人戦も残すところあと1試合ですが、意気込みを。
「どちらが来ても相手に合わせないで、みんなで声掛けして前半から自分たちのバスケットをしたいです。絶対勝ちに行きたいと思います」


「今年は自分たちがしっかり土台とならなきゃいけない」
自覚を持ちチームを決勝の舞台へ導いた立役者

◆#21笹山貴哉(筑波大学・2年・PG)
120616SASAYAMA.jpgトーナメントは怪我明けとあって本調子とは言えなかったが、ここ数試合は活躍を見せている。今大会現在トップを走るアシスト数もさることながら、リバウンドやスティールなど目立たない部分でもチームを支えており、2年目になって頼もしさが増した。昨年のチームから司令塔・田渡(11年度卒・現JBL栃木ブレックス)が卒業したことで責任感が増したのか、試合中険しい表情も見せてチームを鼓舞する。決勝の舞台でも、笹山の活躍は鍵となるだろう。チームを勝利に導き、悲願の優勝を果たすことができるか。


―今まで準決勝で涙を飲むことも多かった筑波大ですが、ようやく決勝進出となりましたね。
「今日、本当にそこは一つの壁だと思っていました。そこを破れたのは本当に大きいですね」

―内容としてはやや苦しい試合でしたが、振り返ってみていかがですか?
「拓大は身長が低くて、うちと同じようなバスケットをしてくると分かっていたんですけど、前からプレスに来たのに対して自分たちの対応の意識が低かったかなと思います。そこでのミスから相手に結構流れを持っていかれてしまって。明日は自分たちよりも強い相手なので、そこはしっかり対応していきたいと思います」

―プレッシャーをかけられたときのターンオーバーが目立ちましたね。
「そうですね。自分も焦った部分もあるし、味方との意思疎通ができていなかったのが課題かなと思います」

―もう少しインサイドで攻められれば良かったように感じますが。
「それは前々から言っているんですけど、その辺の攻め方を村越(#92)とか船橋(#58)、山田(#10)はまだ経験不足で…。でも『攻めて』という一言でまとめちゃうと、みんな頭を混乱させて慌ててパスとかしちゃうので、当たりとかステップとか、どうやればいいのかというところから教えていかないといけないと思います。でもそこはまだしょうがない部分もあるし、明日は自分たちがチャレンジャーなので、最後はみんなで思いっきり戦いたいです」

―今日は船橋選手が良かったですし、試合を重ねるごとに小松選手も良くなっている印象があります。1年生も成長が見られますね。
「そうですね。慣れてきたというのもあると思うし、最近はこっちが何も言わなくても(求めるプレーを)してくれるようになって、最初よりはすごく進歩しているなと感じます。あとは細かいところを詰めていくだけだなと思いますね」

―今日の勝因はどこにあると思いますか?
「出だしは良くて、一回相手に流れを持っていかれて、最後は自分たちの流れで終わるという展開だったんですけど、相手よりこっちの方が良い流れの時間帯が多かったかなと。ミスが続いたときに一回で悪い流れを切れなかったのがダメなところでしたが、良い流れを持続させられたことが今日は良かったかなと思います」

―笹山選手自身も、オフェンスリバウンドへの絡みも多く、スティールも狙っているように感じました。
「センター陣が取れない分自分たちが取らないと相手に全部取られて流れを持っていかれるので、そこは意識して試合に入ろうかなと思っていました。良いところに落ちてきたというのもあるし、良いところにいたというのもあるので、そこは明日もやることができればと思います」

―春先は不調でしたが、今大会は調子を上げている印象です。
「春はケガがあって思うように動けなかったというのもあるんですけど、今は体も良い状態で試合に入れているかな、と。あとは一試合だけなので、気持ち次第かなと思います」

―新人戦チームではキャプテンですが、意識していることはありますか?
「40分間通して声は出し続けようと思っていて、そこは結構できているかなと思います。苦しくても自分は下を向かないで上を向いてしっかりみんなに声かけようとは、キャプテンになってから考えていることですね」

―去年は新人戦3位でしたが、当時の2年生がしっかりしていて、笹山選手自身はのびのびプレーしている感じでしたね。
「去年は2年生の3人に任せっきりで、自分と坂東と山田は好きなようにやってきていたんですけど、今年は自分たちがしっかり土台となって、1年生を活かせるようなプレーをしなきゃいけないと思います。大黒柱というのはいないんですけど、ガードの自分がそういう役割を担って、周りを活かしていきたいです」

―明日に向けて意気込みを。
「今までずっとチャレンジャーの気持ちでやってきて、明日もその気持ちでやらなきゃダメだと思います。相手がどっちでも自分たちよりも遥かにレベルは上だし、『どう戦えばいいかな』というのが正直なところなんですけど、そこはみんなを信じて、今までやってきたことをやっていきたいです。優勝は狙っているので、本当に死ぬ気でやるしかないかなと思います」

―ここ最近の新人戦は青学大と東海大がタイトルを独占しているだけに、今回のタイトルを取りたいという気持ちは強いと思いますが。
「そうですね。筑波はここまで10年くらい優勝がないので。ただ今日も終わってから、吉田先生からは厳しいことも言われたんです。今日は拓大の方がチーム力も気持ちも上だったし、最後は自分たちの能力で勝っただけだって。明日は本当にこっちがその気持ちを出さないと敵わない相手だと思うので、最後に全員で気持ちでまとまって戦いたいです」


「大貴さんの代わりが穴だと言われたくなかった」
チームを牽引する役目を見事果たし決勝進出

◆#7晴山ケビン(東海大・2年・PF)
120616HAREYAMA.jpgこの試合30点。高い弧を描くミドルシュートが何本もリングに吸い込まれ、ダンクやインサイドのプレーでも魅せた。
この春から全体チームでもスタメン出場、伸びざかりである東海大の中でも成長著しい選手だ。明るいキャラクターはチームの雰囲気を盛り上げる好材料にもなっている。決勝でもどのような活躍を見せてくれるか楽しみにしたい。


ー決勝進出となりましたが、今の気持ちは?
「とにかくうれしいです」

ー青学との対戦ですが、あちらはメンバーも少なく、東海大の方が有利ではという見方もありました。チーム内ではどうでしたか?
「ミーティングの時も1回戦や2回戦の時と同じで、青学だからといって特別なことをしようというのはなく、青学だからこそ自分たちのやってきたことをやれば勝てるという話をしていたので、それを有言実行できたのかなというところです」

ー今日は出足は良かったんですが、1Qでちょっと追いつかれたところだけが少し危ないと感じた場面でしたね。
「トーナメントも前半リードしていて逆転されたのがありました。だから今日は前半リードしていても安心できず、3Qリードでも安心できずいました。4Q残り40何秒くらいに時計を見て“あ、勝てる”とようやく思えました。そこまでは無心でバスケをしていましたね」

ーそこまで思うとは、青学はやはり大きい存在ですか?
「自分の中では本当に大きいですね。ライバル意識もすごくあります。一番チーム同士でも仲はいいんですが、そのぶん負けたくないというのも大きいですね」

ー晴山選手はトーナメントでも試合経験も詰みましたが、少しポジションが違いますね。
「新人戦チームだと自分が大貴さん(#24田中)さんのポジションに入っているんですが、そこが穴だ穴だとみんなに言われて、何もできないと言われてきて悔しかったんです。だからどの試合でもいいからどこかで活躍してやろうと思っていたし、まさかこの試合でという感じで当たったので自分でも驚いています」

ー1回戦からミドルシュートの確率も良くて調子が良さそうでした。
「本当に多分調子がいいだけだと思います(笑)。そんなにミドルシュートも自信がないんですけど、みんながノーマークになった時にパスをしてくれているので、それは決めなければという気持ちで打っています」

ーでもインサイドだけではなく、ミドルシュートを打つ場面も春から目立っているように思います。
「自分はまだパワーもそんなにないので、全部ゴール下で勝負はまだできてないです。インサイドの仕事も指示されていますが、新人戦は外もしっかり決めようと練習はしていました」

ー外のシュートも得意なのかと思いました。
「ぜんぜん得意じゃないんですよ(笑)。むしろフリースローの方がまだ得意です」

ー新人戦の決勝は久しぶりですが、トーナメントでも決勝に出ていますし、もう緊張はないですか?
「緊張はないですね。ようやくここまで来てリラックスできてきたと思います。春の一回戦のガチガチの状態はもう出ないと思うので、明日はのびのびやりたいと思います」


「目標は優勝で、まだここは通過点」
嬉しい勝利にも気を緩めず、さらなる高みへ

◆#10バランスキー・ザック(東海大・2年・PF)
120616ZAK.jpg16得点11リバウンドの活躍を見せた。これまでは大舞台で普段通りのプレーが出せないこともあったが、この日は周りがよく見えており、アシストも上手く供給していた。経験を積んできて、2年生としての自覚も出てきた表れだろう。決勝でのプレーにも注目したい。
宿敵の相手、青学大に快勝し、盤石の構えで決勝進出となった東海大。ここ数年逃し続けているタイトル奪還に向け、抜かりはない。


―決勝進出おめでとうございます。今の心境はいかがですか?
「とりあえず一つの壁を越えたことは嬉しいです。でも自分たちの目標は優勝で、まだここは通過点なので、切り替えて明日も頑張りたいと思います」

―ライバルチームとも言える青学大との対戦でしたが、特別な想いはありましたか?
「そうですね。青学とは最近決勝で戦うことも多いし、リーグ戦で当たっても接戦になるので、結構意識はしていました」

―そういう面で緊張はありませんでしたか?
「いや、緊張はしてないですね。このチームってみんな盛り上がりが良いので、楽しく試合にも臨めました」

―最初の方でやや相手に追いつかれた時間帯もありましたが。
「あの時は自分たちのファウルが混んで交代になった時にちょっと流れが悪くなってしまいました。でもそこでしっかりハドルを組んで、自分たちで立ち直れたのは良かったと思います」

―強みのインサイドを上手く攻められましたね。
「そうですね。相手のインサイドは建吾(#7野本)しかいないので、自分だったりケビン(#7晴山)だったりがミスマッチを突いてインサイドを攻めようという指示でした。そこはよくできたと思います」

―リバウンドでも主導権を握ったと思いますが。
「いや、でも1ピリは自分がボックスアウトしていないせいで田中光(青学大#11)に何本か取られてしまって…。もうちょい出だしからボックスアウトは徹底しないといけないなと思いました」

―ザック選手は今日はアシストも上手く供給していましたね。連係がよく取れていましたが。
「たまたま自分がボールをもらった時にケビンや礼生(#0ベンドラメ)が空いていたので。自分が点を取るのも役割なんですけど、仲間が空いていたら思い切りよく打たせたいですね」

―2年生になって、何か心境は変わりましたか?
「去年は先輩に頼りがちというか、自分は少し遠慮する部分もあったんですけど、今年はそういう気持ちもなくなりました。それに今年の1年生は思いきりが良くて遠慮もないので、それがチームに良い影響を与えているのかなと思います」

―東海大は全体チームも下級生主体で、トーナメント決勝など春から経験を積んできたことも大きいと思います。
「そうですね。やっぱり上級生が自分たちにその経験のチャンスを作ってくれたことには、すごく感謝しています。その経験を生かして明日の決勝も戦いたいです」

―トーナメントの決勝では、ザック選手はかなり緊張している様子でしたね。
「そうですね…(苦笑)。それにトーナメント前に熱を出してしまったこともあって。なので今回はもう少しあの時より成長できたんじゃないかなと思います。明日は楽しくやっていきたいです」

―決勝の相手は筑波大になりますが。
「去年の新人戦も準々決勝で筑波に負けてるので、陸さんがよく言っているように“リベンジ”ではなく“リリーム”をしたいと思います」

―自分自身、特にどういう部分を頑張りたいですか?
「新人戦チームの中で自分の役割は、リバウンドと点を取ることと、あとは2年生として声を出してチームを引っ張ることだと思っています。ディフェンスはもちろん、その3つも徹底的に頑張りたいです」

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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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