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2010.10.30 (Sat)

【2010リーグ1部】10/30レポート

順位争いは最後まで分からず
最終日に向けてあと2戦


 優勝と2位~8位までの順位がまだ混沌としている1部リーグ最終週。9週間に及ぶ長い戦いはこの週末をもって終わることになるが、最後のポジション争いに注目が集まった。入れ替え戦を回避する争いは、まず筑波大が勝利して背水の陣を踏みとどまった。2位をかけた日本大と慶應義塾大の戦いも先行リードする慶應大を日本大が追い上げる善戦で、最後まで目が離せない勝負だった。心身ともに疲れきってはいるだろうが、選手たちは今やれることをやって、最後のプライドを見せている。
「悔いを残したくない」「長いと思わず、1週ずつ目の前の戦いを」と言ってきた選手たち。例年以上に疲弊し、ケガに悩まされ、それでも戦い抜いてきた9週間の終わりがまもなくやってくる。


【入れ替えのかかる直接対決はまず筑波大が先勝!】
101029motoi.jpg 1勝すれば回避できる明治大と、2連勝が必要な筑波大。入れ替え戦の回避をかけた試合は62-46という大差で筑波大がまず制した。

 筑波大は#15山口(3年・G)の不調が戻らず、アウトサイドでは苦しんだ。一方の明治大も#14金丸(4年・SG)以外の得点力不足は否めない。そんな両者だが、差はディフェンスに出た。明治大は1Qから筑波大のディフェンスを割ることができない。インサイドに#36本井(4年・C)、#99加納(3年・C)のツインタワーがいる筑波大に対し、中で勝負できない明治大。アウトサイドも#14金丸はきれいにはシュートを打てない場面が目立つ。ルーズボールで#31駒水(4年・C)が粘る明治大だが、得点には結びつかずロースコアながら筑波大が14-8と1Qを制した。2Qも同様に明治大は得点が取れない。前半は17得点に終わり、苦しさが増す。3Qでようやく#11佐藤(3年・G)が積極的に得点に絡み、追い上げる形を見せた。筑波大は4Q序盤に6点差にまでされるが、終盤にインサイドで明治大のファウルトラブルに乗じて得点を重ね、再び差を広げて62-46で勝利した。

 筑波大も決して良いと言える場面ばかりではなかったが、明治大はさらに得点が入らなかった。もう一つの攻撃軸である#19田村(3年・F)が攻めあぐむ場面が多く見られ、流れを止めてしまった。入れ替え戦のかかった大事な最終戦はプレッシャーもかかり、本来の力を出せるかどうか難しいところではある。しかしそれを乗り越えていかなければ回避はない。最終戦も注目だ。

写真:15得点15リバウンドの本井。インサイドでこれだけ数字を示せれば筑波大は強い。

※筑波大・加藤選手のインタビューは「続きを読む」へ。


【中央大が4Qで追いつくが、逆転は叶わず東海大が勝利】
101029tokai.jpg 東海大中央大は一時接戦となるが、東海大が69-61で逃げ切りを決めた。

 中央大はこの日ケガをおして出場し続けてきた#20小野(2年・F)が欠場。無理はせず、入れ替え戦までに体調を整える形だ。しかし得点源を一人欠く状態だが、1Qは互角か、中央大がそれ以上の勢いを見せて20-24と点の取り合いを制した。しかし2Qで東海大が#34三浦(3年・SG)や#4森田(3年・PG)の得点で盛り返すと逆転されてしまう。3Qもそのままの勢いで東海大がリード。中央大は2Q、3Qで一桁の点数しか取れず、苦しくなった。4Q、10点近いビハインドを追う中央大は、#14渡邊(2年・F)の3Pや#16佐藤(2年・G)の速攻で追い上げ、#5竹原(4年・SF)を始め3連続の3Pで残り5分、56-56の同点に追いつく。しかしここから東海大は#0満原(3年・C)がインサイドでファウルをもらい、#34三浦の3Pを速攻で中央大にとどめを刺す。中央大は残り数分の攻防で連続のターンオーバー、勝負ありとなった。

 東海大はどこか精細を欠いた内容だった。最終戦に向けて再度気を引き締めたい。中央大は接戦に持ち込みながら落とす試合が続いている。「集中は充分している」(#16佐藤)と言うが、後は勝負際にそれを相手を上回る形で出せるかどうかだ。小野を欠きながらもここまで戦えることは見せている。後は入れ替え戦のために最終戦をいい形で終わりたい。

写真:ハドルを組む東海大。残りのリーグはケガの回復次第だった#36養田もゲームに復帰。


【日本大の追い上げをかわし、慶應大がまず1勝】
101029iwashita.jpg 2位争いは日本大慶應義塾大が最後のプライドを賭ける。両者はこのリーグ戦で苦しみながら成長した代表格だ。慶應大は#7岩下(4年・C)を1週、#4二ノ宮(4年・G)を4週欠く間、苦しい中でも控えの選手が大きく成長を遂げてこの位置にいる。日本大もまた#4篠山(4年・G)の早々の離脱や不安定な3番ポジションに悩まされながら青学大から1勝を奪うなど、勝負強さを見せてきた。リーグならではの苦しさをカバーし合い、上位争いをする2チームであり、最後を飾るに相応しい対戦だ。

 試合は、慶應義塾大が序盤にインサイドの#7岩下(4年・C)で攻め、23-31と1Qでリードを奪った。2Qも慶應大優位の流れは変わらない。#7岩下、#5酒井(4年・F)が奮闘し、10点以上のリードに成功する。日本大は#4篠山(4年・G)が得点で引っ張るが、インサイドでファウルが続き、思うように追い上げが出来ない。前半は40-52で慶應大の12点リードとなった。

 後半、#4篠山、#15熊澤(4年・G)の2人の4年生が積極的に攻める。#3石川(2年・G)を投入し、早い展開から#24熊(3年・C)の速攻を生むなど、少しずつ流れを作るが、慶應大も#11金子(3年・PG)や#14家治(3年・F)の3年生コンビが奮起。終盤に流れが悪くなったが、#4二ノ宮(4年・G)が3Pでチームを盛り上げ、リードのまま4Qへ。

 慶應大優位のまま試合は進んでいたが、#7岩下のファウルトラブルで流れが変わった。転んだ選手に足が引っかかったり、ブロックが惜しくもファウル認定となって開始4分でファウル4。ここから日本大は#24熊が奮闘。ゴール下で#7岩下をかわし、次々シュートを決めて追い上げる。#7岩下は#24熊の機動力に対応できず、残り4分で5ファウル退場に。逆に日本大は#24熊のふんばりで3点差まで詰めてリズムをつかんだ。しかし慶應大は勝負どころで#4酒井がオフェンスリバウンドからシュートし、同点にはさせない。残り1分を切り、慶應大は#4二ノ宮がフリースローを2本落としてしまうが、ファウルゲームに入り#11金子はきっちり2本を沈めて残り13秒でリードは5点。最後に#14森川(3年・F)に3Pを決められてしまうが、日本大の追い上げはここまで。93-96で慶應大が勝利した。

 15点ほどのリードがありながら追い上げられたのはいただけないが、岩下が退場しても慶應大は持ちこたえる勝負強さを見せた。しかし2戦目こそが大事なだけに、ここから最後の集中をしたい。日本大も追い上げは見事だっただけに、2戦目にこそ結果を出したいところ。何にせよ、最後に注目の一戦となるだろう。

写真:30点19リバウンドの岩下。彼が存在感を示すことがまず勝利への第一条件だ。最終戦はファウルトラブルをなくしたい。

※慶應大・二ノ宮選手のインタビューは「続きを読む」へ。


 同率で並ぶ専修大拓殖大の戦いは、リバウンドの差が勝利を分けた。専修大63に対し、拓殖大は42と差は圧倒的。専修大は決して小気味いいオフェンスではなかったが、#91太田(3年・C)らインサイド陣のリバウンド力で何度もピンチをしのいだ。終盤、拓殖大のタイトなディフェンスに苦しみ何度もターンオーバーとなるが、持ちこたえて75-70で専修大に軍配が上がった。拓殖大は最終日に一矢報いることができるか。

 優勝を決めた青山学院大は、法政大相手に控えメンバーも使いながらの試合となった。青山学院大は15人の全員出場、法政大は#11長谷川(3年・SG)が28点、スタメンになった#6陳(3年・F)、#24神津(3年・F)も10点越えだが他で点が伸びず82-62の青学大勝利で試合終了となった。

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【INTERVIEW】

「5人が噛みあっていけば力は出せる」
崖っぷちを踏みとどまった勢いで回避を目指す

◆#33加藤達也(筑波大・4年・F・主将)
101029kato.jpg4ファウルとなるが、なんとか持ちこたえた。派手なプレイヤーではないが、加藤が機能している時はチームも好調だ。リーグ戦が必ずしもうまくいかなかったことは分かっているし、うまくいけば自分たちが大きな力を発揮できることも理解している。最後の大勝負にはチームの運命がかかるが、後は自分たちの力を信じてやるだけだろう。


-まず大事な試合を1勝をあげましたね。
「今日勝たなければ意味がなかったので、モチベーション的にもギリギリのラインではありました。入れ替え戦のプレッシャーもあるし、勝ちたい気持ちもある中で本当にディフェンスを頑張ろうとして、それができて良かったと思います」

-確かにディフェンスは入りから良かったですね。
「明治もここのところ調子は良くなかったし、金丸(#14)のところが鍵になってくるのはずっと分かっていたので、その対策もしてきました。チームでも守ろうと思っていたので、それがうまくいきました」

-積極性が先週より見えました。
「先週は東海とやった時はオフェンスが本当に消極的になっていて、そこからディフェンスの流れも悪くなるというのが続いていました。今週自分たちのオフェンスをもう一度思い出してというか、もう一度しっかりやって、その中でディフェンスをやっていこうと話していたので、それが良かったと思います」

-山口選手(#15)が不調な分、苦しい部分はあるかと思いますが。
「得点を取るのは確かにそうですが、でもだからといって他が攻めないという訳にはいきません。全員で攻めなければいけないというのはリーグの序盤から課題だったと思いますし、ケガ人が今も多いのでいい形での試合はこのリーグではできていないんですが、出てくる選手は控えもチャンスがあったらどんどんやっていこうとしていますし、後輩も練習からそういう姿を見せてくれます。チームとしても最初に比べたらまとまってきました」

-リーグの最初はチーム作りに苦心するコメントでしたが、良くなってきたのはどのような部分ですか?
「このリーグを経験したのが大きなことだと思います。最初は修斗(#34)が試合に出られなくてチームとしてまとまらなかったのは自分たちの反省でずっとありました。でも修斗が戻ってきてゲームとして成り立ってきたのはまとまった一つの要素です。そこまでで試合を経験した富岡(#19)や西村(#6)も頑張ってやってくれていたし、チームとしてなんとかギリギリのところで粘っていけたと思います」

-4年生全体としてのチームへの働きかけはどうですか?
「よく学生スポーツは4年生と言われます。それを常に言っているし、意識して練習も引っ張っていこうというのはあります。でも下級生も元気なので自分たちが何をしなくてはいけないというのは、特別どうこうというのはありません。仲の良いチームではあるので、練習中のコミュニケーションも自ずとできていますね」

-青学大を延長まで追い込める力があるチームだと思いますし、いい形になって欲しいですね。
「まあそこは向こうがなめていた部分はあると思いますが(苦笑)、でも5人が噛みあっていければそういう力を出せます。日大にも慶應にも1勝はしていますし、力がない訳ではないと思います。なのでそういう力を出す時間帯にいいプレーをできれば強いし、流れもできるはずです。トーナメントはそうだったんですが、リーグではできていないのが課題ですね」

-加藤選手がいい動きをしていると、チーム全体の流れもいいと思うのですが。
「自分が足を引っ張る部分も多いので迷惑をかけていると思います。でも出ている時間帯は特にディフェンスの部分ではチームに貢献しようとしています。オフェンスは点を取れる選手がいるので、僕はしっかり合わせたりディフェンスやリバウンドの部分で貢献したいと思います」

-ではあと1試合、それをやりきるだけですね。
「そうですね、ここを勝てば入れ替え戦はないですし、チームのモチベーションは今日勝ったことで明日につながりました。背水の陣ですが、チームとして前を向いてやるだけです」



「外から見て、見えたことは多い」
客観的な視点から司令塔としてさらなる飛躍を

◆#4二ノ宮康平(慶應義塾大・4年・G・主将)
101029ninomiya.jpg帰還に時間がかかってしまったが、4年間ほとんど休まずコートに立ち続けてきた二ノ宮が外からチームを見て発見したことは少なくはないはずだ。
3年前、主将のケガにより1年生のリーグ途中からスタメンを努めるようになった。あの時ほど切羽詰った状況ではないが、今リーグは当時の構図に似ている。1年生を見れば当時の自分の気持ちにあてはめて考えられるだろうし、そして今は当時主将だった加藤の気持ちも理解できるのではないだろうか。「前向きに考えていた」という部分をここから是非プレーで還元して欲しい。

-先週からゲーム復帰となりましたが、コンディションは戻ってきていますか?
「良くなってきているので、インカレに標準を合わせて体調を整えている段階ではあります」

-では今、ゲームづくりでどこを意識していますか?
「早い展開にもっていくことですね。蛯名(#18)や峻也(#11金子)の時はまだボールが前に飛んでいないし、能力のあるチームに勝っていくにはそこをやらなければいけない。切り替えを早くして、岩下(#7)をうまく使うことを考えています。自分が攻めない分、回りもよく見えているので、いい感じでできていると思います」

-ここまで外からチームを見てきて、そういう展開面を変えなければという気持ちでしたか?
「そうですね。だいぶ悪い面が見えたので、外で長く見ていた時間はある意味プラスでした。チームのいい面も悪い面もいっぱい見えたのは良かったと思います」

-悪い面は今言ったようにボールが前に出ていない点が一つあると思いますが、いい面というのはどこですか?
「例えば峻也は自分の役割がこのリーグで理解できたと思うし、中島(#20)も頑張ってくれるようになったし、本橋(#21)も出ればそれなりにやってくれます。それぞれ役割を前より意識してやってくれているように思います」

-4年生の仲間である岩下選手や酒井選手の働きはどうですか?
「岩下はまだ調子はいいとは言えませんが、そこは自分がいない間、岩下が頑張って走って面を取ってもボールを入れてやれてなかったこともあると思います。自分が出て、見て入れてやればあいつももっとできると思います。祐典は勝負どころですごく頑張ってくれているので、それを自分がフォローしたいですね」

-春からも声は出していましたが、法政戦で復帰してから前より声をかけたりする場面が目立つように思います。
「意識しているところもありますが、外から見ていた分、うちが弱い時間帯が以前よりすごく分かるようになりました。そういう時に『ディフェンスリバウンドを頑張るぞ』と簡単に言うだけでもちょっと締まるし、勝負どころを1年生にはもっと理解させたい。だから率先してそういう場面で声をかけています」

-今日はアウトサイドがあまり入らなかったのが一つありますが、追い上げられた原因は。
「後はフリースローですね。でも1番は1対1のディフェンスをもっと改善しないといけないと思います。後は大事なところでのターンオーバーもしてしまいましたし、勝負際でまだうちは弱い。そこが追いつかれた原因ですね」

-その改善もありますが、最後の大事な試合、2戦目に向けては。
「この2試合で本当に波に乗ってインカレに行けるように全員で考えてやっています。だから絶対連勝します」
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テーマ : バスケットボール(日本) - ジャンル : スポーツ

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